今回はちょっとバトル回。なんだかんだ匂わせてたモンスアームズをこっちでも。
かつてバム星人により作られた四次元空間。現在この空間はメカギラスの怪獣娘、鍵原ライナのみがアクセスできる空間となっていた。
周囲を気にしないで済む為、スタジオを借りないで彼女達がバンドの練習ができる空間として使われいる他にも怪獣娘の戦闘訓練の空間としても時折、ライナの都合がつく時のみ使われている。
そして今日、訓練、及びデータ収集目的で模擬戦闘が行われていた。
闇夜の中、武器の武器がぶつかり合う金属音が響く。
一人は白と黒の斑模様の胸元を大きく露出させたれたドレスのような獣殻を身に纏い、頭には2本の三日月型の角を持った宇宙怪獣エレキングの怪獣娘、湖上ラン。
もう一人は赤のアンダースーツと各部に金色のアーマーの獣殻を身に纏った異次元超人エースキラーの怪獣娘、葛井アキラ。
どちらも調査部に所属し、高い戦闘力を遺憾なく発揮している実力者である。
「ふっ!」
エレキングが尻尾の部分を取り外し手持ち武器として扱う鞭を横薙ぎに振る。
「おっ…………と!」
エースキラーはそれ前転の要領で回避しつつ接近し、右手に持った剣をエレキングの足元を狙い振るう。
「ちっ……」
エレキングは舌打ちしつつ、即座に後方に飛び退く。
「まだまだぁ!」
エースキラーは即座にしゃがんだ体勢から飛び上がり空中のエレキングに向けて剣を振るう。
しかしエレキングは左腕に装備されたピット星人の円盤を模した盾で受け止める。
「行くぞ、エレキング!」
「まったく……私は、戦闘タイプ、じゃ……ない……のよ!!」
「どこがだよ!?」
エースキラーが剣を振るえば、エレキングはステップで避け、時に盾で受け流す。
エレキングが鞭を振るえば、エースキラーは上体を反らし回避しつつ、即座に剣を振るい、時には左手の爪て切り裂きに掛かる。
お互いに相手の攻撃を受け流し、回避しており、有効なダメージは一切発生していない。
(攻めきれないわね……ここは、エースキラーの得意距離から離れるのが得策)
エレキングは膠着した選局からこのままでは埒が明かないと判断した。
攻防の最中にエレキングは息を吹き掛けるように口から炎を吐き出した。
「い!?……ちっ……!」
咄嗟の事にエースキラーは即座に後方に大きく飛び退く。
それを見たエレキングも同じく飛び退き距離を取った。
一口に『エレキング』と言っても複数の種類が存在しており、そのうちの一種である月光怪獣の別名を持つ『再生エレキング』は電気エネルギーを用いる事で口と尻尾から火炎放射を行える。
「……ったく、いつの間にそんな技を!」
「御生憎様、手札は多い方がいいでしょう?」
「違いないな!」
エースキラーはノーコンであり、光線技をはじめとした遠距離攻撃が苦手である。よって、遠距離攻撃手段は無いに等しい。
「食らいなさい」
鞭に電気を帯電させ、振るうと振った軌跡からそのまま弧を描き飛んでいく。
エレキングカッターと呼ばれる技である。本来ならばエレキングの口、怪獣娘ならば胸の下の発光機関から発射されるが、彼女の場合は予備動作が必要だが鞭からもより高速で発射できる。
「そうは行くか!モンスアームズ、キラーブレスレット!」
エースキラーはソウルライザーを操作すると左の手首にブレスレットが形成させる。剣を左手に持ち替えてブレスレットに手を翳すと瞬時にブレスレットは盾、キラーディフェンダーへと変化する。
……どのように変化しているかの理屈は不明である。
キラーディフェンダーでエレキングカッターを受け止める。
そのまま盾を構えたまま前進していく。
「モンスアームズ、ライトニングエッジ!」
エースキラーが防御体勢のまま前進してくるのを見てエレキングも鞭を左手に持ち替えてからソウルライザーを操作し、武器を形成する。
右手に白い片手剣、ライトニングエッジが生み出される。
これで右手には片手剣、左手には手に持った鞭と腕に装着された盾というスタイルになった。
「おおおおりゃあぁ!!」
エースキラーはエレキングを射程圏に捉えるとキラーディフェンダーを槍型のキラーランスに切り替え、剣との変則二刀となる。
エースキラーは両手の武器で猛攻を仕掛ける。
エレキングはそれを右手のライトニングエッジと左腕の盾を駆使して適宜捌きつつ、回避して徹底的に防戦をしている。
普段愛用している鞭は尻尾であり柔軟性が高いが刃と鍔迫り合いするには向いていない。
ライトニングエッジは刀剣類であり、強度も高く攻撃と防御のどちらにも有効活用できる汎用性が持ち味となっている。
(ちっ、相変わらず攻防一体で隙が無いな……!)
(ちっ……相変わらずの猛攻ね……!)
お互いに舌打ちしつつ、攻防が続く。
金属と金属がぶつかり合う音が響く。
互いに全神経を集中した攻防が繰り返される。
『ビーーー!!』
その時、少し離れた所でブザーのような音がなった。
「「!?」」
ブザーが鳴った瞬間にお互いに動き、互いに剣の刃を相手の首に突き付けた状態で止まった。
左手 は左手でそれぞれ槍と鞭を相手の腹に突き付けている。
「引き分けか……?」
「そうみたいね……?」
お互いに武器を引き、モンスアームズを解除する。
緊張と集中が切れ、戦闘中は意識出来なかったが自分達が汗だくになっていることに気付いた。
「お疲れー」
そこに男性職員でエレキング、ランの幼馴染みの水無月レイジがタオルとドリンクを持ってきた。
「ありがと」
「サンキュー」
エレキングとエースキラーはそれぞれ受け取り、汗を拭いつつドリンクで喉を潤した。
「データはバッチリだそうです」
「協力サンキューな」
そこに四次元メカ獣 メカギラスこと鍵原ライナと巨大異形獣 サタンビゾーこと比曽クロムがやってきた。
クロムはノートパソコンを持っている。
「そう。ならよかったわ」
「ま、決着つかなかったのは残念だけどな」
「あら、私はまだ2手程隠してるけど?」
「奇遇だな。私も同じく2~3手以上隠してる」
お互いに横目で軽口を叩き合うエレキングとエースキラー。
「ははは、活用してくれてるならオレ達も開発した甲斐があるよ」
モンスアームズのシステムはクロムをはじめとした開発部により作られている。
その成果が出ている以上、クロムは喜ばずにはいられない。
「取り敢えず、終わったならGIRLS戻ってシャワー浴びようぜ?」
「そうね。貴女と本気で模擬戦すると中々に体力使うもの。…………あ、レイジは少し離れて」
「汗かいてるもんなぁ」
二人とも汗だくであり、エレキングは流石に意中の相手に汗臭い体臭を嗅がれるのは御免被りたかった。
「おう。んじゃメカギラス、頼んだ」
「はい」
メカギラスが手を翳すと四次元のゲートが開いた。
そして5人はゲートをくぐりGIRLSへと帰還するのだった。
解説コーナー
・湖上ラン
今回の主役の一人。調査部でも有数の戦闘力を誇り、攻防一体&全距離対応のバランス型。
隠してた手は怪獣バスターズに登場した毒属性エレキングとなる『ポイズンモード』と黒いエレキングになる『ブラックモード』。
『ライトニングエッジ』の元ネタは怪獣バスターズのソードより。
火炎放射はウルトラ怪獣モンスターファームで通常のエレキングでも使えたので使える設定に。
・葛井アキラ。
今回の主役の一人。調査部の実力の一人で(ノーコンなので)近接特化のインファイター。剣と爪を軸にした接近戦を得意とする。
隠してた手は左腕にメビウスキラーのメビウスブレス相当のクリスタルが形成される『メビュームクリスタル』によるキラーメビュームブレードと模擬戦で偶然体得したビクトリーキラーのキラートランスによる『EXレッドキングナックル』『キングジョーランチャー』『ハイパーゼットンシザース』。
『キラーブレスレット』はもちろんウルトラブレスレットが元ネタ。
・比曽クロム
今回は彼女が頼んでデータ収集する事になった。尚、二人の戦いはドローンを使ってバッチリ撮影している。
・鍵原ライナ
マジバトルなので安全も考えて協力を要請された。
調査部二人の戦闘力の高さに反応しきれてない。
・水無月レイジ
今回は終わった後のマネージャーみたいな所を担当。尚、汗だくのランの匂いはバッチリ嗅いでいる。