先祖はパワハラ上司らしい 自分は頑張ろう   作:ケツアゴ

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人形と小動物

 小学校がお休みの日は先生に武術の特訓を付けて貰ったり童磨に術式について学んだりしているけれど自由な時間も結構有るんだ。

 

「暇だなあ」

 

「暇なのは良いことだろうが。俺の生前なんて忙しかったぞぉ」

 

「あっ、お兄ちゃんったらテリヤキばっかり食べてる。最後の一枚は貰うからね」

 

 テーブルにピザとかハンバーガーとかを並べて映画のDVDを観賞するんだけれど、時々ハサンが後ろからギュッとして来て耳と目を塞いで来るから見えないシーンも有るんだ。主に男の人と女の人が抱き合ったら直ぐに。

 

「・・・・・・これ、五条さんからお借りした映画ですよね。さっきからどうもラブシーンが多いですが・・・・・・」

 

 あれ? ちょっと不穏な感じだ。僕を膝に乗せてお腹の辺りをギュッとしているハサンのお顔を見れば目が笑ってない。五条さんが面白いからって貸してくれた映画は難しいし、部屋で絵本でも読もうかな?

 

 

 貸してくれたには五条さんには悪いけれど僕には退屈だし部屋に戻ろうとした時、耳元に電話の受話器が現れた。ダイヤル式の黒電話の物で、小さな女の子の声が聞こえた。

 

「私メリーさん。今、アナタの後ろに居るの」

 

 続いてクスクスと笑う声も聞こえて、振り向けば女の子向けのお人形が宙に浮いていて、表情が人間みたいにコロコロと変わっている。

 

「あっ、お帰り、メリーさん」

 

「えー? もう少しビックリしなさいよ。私、メリーさんよ? 特級仮想呪霊なのよ?」

 

 その目には下弦の二文字が刻まれていて、僕の反応に不満そうにして自分と同じ大きさの工作バサミを振り回している。特級呪具と同じ位の呪力を感じるんだけれど見覚えが。あっ!

 

「ねぇ。そのてんとう虫のハサミって僕のお道具箱から消えた奴じゃない? もー! やっぱり君が持ち出してたんだね。わっぷ!」

 

 返して貰おうと手を伸ばしたらモフモフした白い毛玉が乗って来て、僕の顔に乗ったら次はハンバーガーに手を伸ばしたら堕姫の胸を経由してテーブルに乗るとシーフードピザの最後の一枚に鼻を近付けて匂いを嗅いでいる。その姿はリスか猫かウサギか何だかよく分からない姿で、目には上弦の文字が刻まれていた。

 

「フォーウ」

 

「こら、フォウ! それはアタシのピザなんだから食べるんじゃないわよ! アンタだって報酬貰っているんだから自分で買いなさい」

 

「いや、オメェだって俺に奢らせただろうがよぉ。それは別に良いんだが、少しは節約しろよぉ」

 

 堕姫から伸びた帯に絡みつかれて足をバタバタ動かしているのはフォウ。フォウフォウ鳴いているからフォウで、集めた呪力を殆ど持って行かれたからメリーと一緒に此奴を作ってからは他のを全然創れていないんだよね。

 

「夏油さんもお帰りなさい。メリーとフォウのお守りは大変じゃなかった?」

 

「いや、大丈夫……かな? メリーの探知能力は凄いし、フォウの能力も便利だ。正直言えば譲って欲しい位かな?」

 

「えっと、駄目かな?」

 

 メリーさんは人形供養で集められた人形に宿った呪力で創り出した呪霊で、能力も有名な怪談話に則した物。狙った相手の居場所を察知して、電話と共に背後に転移する。フォウの方は……五条さんの目でも複雑で分からないって言ってた。

 

 

「まあ、私は私で便利な呪術の使い手を捜すよ。童磨から教わった極之番の能力……集め直すのが面倒なのが玉に瑕なんだけれどね。それにしてもよく食べるな……」

 

 夏油さんが視線を向けたテーブルの上にはピザやハンバーガーの大量の空き箱とか包み紙、ポテトチップスだってスーパーに売っているのを全種類(七海さんに買って来て貰ったらしい)。

 

「別に良いじゃない。遊女のご飯って酷い物だったのよ? 古い漬け物にオジヤだけとか、連日ご飯抜きとか。それで忙しいし、お兄ちゃんなんて虫やネズミを食べてたし、その点現代は美味しい物や娯楽が沢山あって最高ね」

 

 僕が思うに十二鬼月の中で今を一番楽しんでいるのは堕姫と妓夫太郎だと思う。二人して色々と買い込んでは毎日みたいにパーティーを開いているし、妓夫太郎はテレビに、堕姫はゲームに熱中しているんだ。でも、お金の殆どをつぎ込んでいるから美味しい物は妓夫太郎に買って貰っているらしい。

 

「ああ、同行で出る報酬は創示君に振り込まれるけれど、その殆どを渡しているんだったな」

 

「え? だって僕は働いていないし、他の事でお金は貰って先生に管理して貰っているし。ゲームだって堕姫が途中で投げ出したのとかパーティーゲームは僕もやっているしさ」

 

「まあ、君が良いのなら……わわっ!?」

 

「フォウ!」

 

 帯から抜け出したフォウは夏油さんの肩に飛び乗り、壁に向かって飛ぶとそっちも蹴って勢いを付ける。その時、扉を開けて姿を現したのは童磨だ。

 

「やあ! 皆揃っているね。ちょっと興味深いニュースがあって……」

 

「ドーマシスベシフォーウ!!」

 

「ぶへらぁっ!?」

 

 回転を加えて更に威力が上がった懇親の渾身の蹴りが童磨の横顔に命中、僕が正の力で殴っても平気な顔をしている童磨が吹っ飛んで目を回していたよ。

 

「……私は君の呪霊に関しては一般的なのとは感じる物が違うんだ。悟もそうだと思うのだが……彼奴に関してはあの姿に胸がスッとするな。人の姿をして人格があるように思えても、彼奴は……」

 

「うん、性格が悪いよね。じゃあ僕は絵本でも読んで来るよ。行こう、ハサン」

 

「ええ、好きなのを私が読みますよ」

 

 立ち上がって部屋に行く僕にピッタリと引っ付きながらハサンも歩く。所で童磨が言おうとした興味深い事って何だろう……?

 

 

 

 

「そして二人は幸せに……あれ? お休みですか?」

 

「うん、眠くなって来ちゃった……」

 

 ベッドに寝ころんでハサンに絵本を読んで貰って居たんだけれど少し眠たくなって来ちゃった。僕が目を閉じたらハサンは何時もみたいに抱き締めて、冷たい体温と甘い香りで落ち着いた僕はそのまま心地良い眠りに……。

 

 

 

 

 

「短い期間によくぞ成長した。流石は私の後継者なだけあるな。誉めてやろう」

 

「……えぇ」

 

 目を開けると其処は不思議な建物の中。目の前には満足そうに笑みを浮かべる無惨が立っている。……気分が最悪だよ。

 

 

 

 

 

 

「いやいや、フォウは酷いね。他の皆も助け起こしてくれても良かったんじゃないのかい?」

 

「ヤッフォーウ(特別意訳・死んでも凄く嫌)」

 

「嫌よ」

 

「まっぴらごめんだなぁ」

 

「私メリーさん。貴方を助けに行かないわ」

 

「私もごめん被る」

 

「酷いなあ。俺でも少しは不愉快に思うんだぜ? ……折角俺が禪院家の殆どが殺されたってニュースを知らせに来たのにさ。多分明日から忙しくなるぜ」

 

とあるキャラクターの強化案

  • キャラメルマン
  • バイキンUFO
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