本当なら暑くなる頃なのに呪術高専の校庭が氷漬けになっている中、無傷だけれど全裸の五条さんが膝を付いて落ち込んでいる。そんな姿を眺める僕は堕姫に腕と帯で背後から抱っこされていて、横ではハサンが怖い顔で堕姫を見ていた。
えっとね、どうしてこんな事になったのかと言うと、僕が小学校から帰ったら凄く寒くて、何だろうって思ったら童磨が五条さんと戦っていた。
「……何をやってるんだ、彼奴は」
車で迎えに来てくれた先生も呆れているけれど、校庭の端の方で巻き込まれない様にしながら堕姫とハサンと妓夫太郎と夜蛾さんが観戦しているから本気じゃないんだろうけれどさ。
「ねぇ、五条さんはどうして戦っているの?」
「何でも反転術式が使えない事を童磨にからかわれて、戦いの中で覚えるって感じで戦ってるんだって。ほら、アンタもこっちに来なさい。アタシが寒さは防いでやるから」
堕姫に手招きされて膝の間に座るとハサンが何時もやるみたいに腕で抱き締めた上で帯で包み込んでくれた。うん、これで寒さは防げるや。
「そうなんだ。僕、てっきり同族嫌悪で喧嘩しちゃったのかと思ったよ」
「……悟の奴も性格は悪いが、童磨と一緒にはしてやるな。問題児だが……問題児ではあるんだが……」
夜蛾さんが少し言いにくそうに口を開く中、校庭の中心に氷の花が咲いて五条さんの周囲を包み込んだ。
「あれ? おかしいな。君って無下限術式の使い手だったよね? なのに右手が少し凍っているぞ? ああ、そうか。未だ反転術式が使えないんだっけ? 平安時代の無下限持ちは使えたのに情けないねえ」
「うっせぇ! さっさと会得してテメェなんか祓ってやるよ!」
「怖い怖い俺に掠りもしない攻撃をしてくるなんて恐ろしいな。じゃあ、怖いから少し本気を出そうか。ああ、今言っておくけれど、俺って小さい氷を空中に撒いて呼吸した相手の肺を壊死させる技は使ってないから。だって反転術式も使えない君には怖くて使えないよ」
「がー!!」
何と言うか、性格の悪さでも勝負でも童磨の方が勝ちそうだ。五条さんがどんな速度で近付いても次の瞬間には童磨はヒラヒラと避けて煽るし、無下限術式って奴で防御したら限界が来るまで四方八方から攻撃しながら煽るし。
「本当に性根が腐っているな、彼奴は」
「先生もそう思う? 僕もだよ」
帯の隙間から見た先生の顔は完全に呆れた時の物で、そんな視線を向けられている童磨は五条さんから少し距離を取ると両手で印を結ぶ。
「うん、このままだと何時までも終わらないし、ちょっと荒療治と行こうか。領域展開・
強い光が童磨から放たれた時、堕姫が咄嗟に目を帯で塞いでくれたから眩しくなかったけれど、帯が無くなったら校庭に氷の屋敷が出来ていた。
「領域展開……まさか奴が使えるとはな。鵺が使ったという報告があった時に確かめておくべきだった。創示君、他に使える者は居るかね?」
「ヘドラだけだから安心して、夜蛾さん」
「いや、有る意味一番厄介そうな奴が使えるな。……むっ?」
氷のお屋敷が崩れて、中から腕が片方無くなった童磨と服が凍って砕け始めたけれど無傷の五条さんが立っていた。
「はははははっ! どーだ! 反転術式、会得してやったぜ!」
「凄い凄い。所で君って今は全裸だぜ?」
腕を再生させた童磨が言った通りに五条さんの服は全部砕け散ったけれど本人は平気そうだ。ハサンは恥ずかしいのか手で顔を覆っているけれどさ。
でも、堕姫は平然と五条さんの股間を見ていて、普通の大きさの声で言ったんだ。でも、それは響き渡った。
「ちっさいわね、アンタ」
この時、最強になった筈の五条さんに大きなダメージが入った。反転術式って毒だけじゃなくって心の傷も癒せないんだね。
「あはははははは! まあ、アレだよ。最強になったんだから良いじゃないか。六眼と無下限と反転術式、結構な組み合わせだって。それならお嫁さんを選び放題だ。ちっさくても大丈、ぶっ!」
五条さんが反転術式を会得した事は直ぐに高専内外に広まった。五条さんが心にダメージを受けた堕姫の言葉も一緒に。その日の晩、未だ落ち込んでいる五条さんを堕姫が煽り、そして殴られるんだけれど夏油さんや庵さんは(童磨の姿を含めて)爆笑しているし、七海さんだって笑いを堪えている。
「五条さんって不良っぽくて怖い人だけれど慕われているんだね」
「いえ、信頼はあっても尊敬はない人ですし、慕っては居ませんよ?」
七海さん、容赦無いなあ。普段の行いって本当に大切だって僕が思った時、先生から渡されていた携帯に着信が入る。残念だけれど最新型じゃない子供用のなんだけれど知らない番号だ。えっと、こんな時は……。
「妓夫太郎、代わりに出て」
「あぁ? 仕方無ぇなあぁ。……おい、誰だよ、テメェは」
何で僕の番号を知っているのか分からないし、出た方が良いかもだけれど知らない人だと怖いし、先生も席を外しているから多分妓夫太郎が適任だと思う。矢っ張り知らない人だったみたいで怪しんでいるみたいだけれど、漏れてる声には聞き覚えが……。
「極之番だぁ? そんなの未だ……」
「極之番? 僕の? それなら……もごっ!」
思わず喋ろうとしたんだけれど妓夫太郎に口を塞がれる。喋るなって事かな? 個人情報だし。
「大体餓鬼がそんなの使える訳がねぇだろうがよぉ。誰か知らないけれど二度と掛けて来るな!」
妓夫太郎は電話先に怒鳴ると通話を切って、携帯を手にして立ち上がった。
「夜蛾のオッサンの所に持って行くぞ。探って来た奴を調べないとなぁ」
「あっ、そうか。刑事ドラマとかでやってるのと同じ奴だね」
「ドラマだと使い捨てとかで意味がねぇんだが、一応だ、一応。テメェも不用意に喋るんじゃねぇよぉ。ったく、これだから餓鬼の世話は大変だぜ」
「妓夫太郎は頼りになるね」
「当たり前だ。俺は兄貴なんだからよぉ」
確か人間だった頃は小さい時から堕姫を育てていたんだっけ? だから手際良く面倒が見られるんだ凄いなあ。
「矢っ張り妓夫太郎は格好良いね」
「……うっせぇ」
照れてるや。それにしても電話の相手って誰だったんだろう? 禪院家への襲撃でこの前会ったお酒臭い人と女の子達以外は大勢殺されたらしいし、最近物騒だからなあ。
「所で天元って誰なんだろう? 教えて貰えなかったし……」
とあるキャラクターの強化案
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キャラメルマン
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バイキンUFO