「実は俺、好きな人がいるんだ。歌姫ちゃんっていうんだけれど、弱くて後輩達よりも才能で劣るのに必死に先輩ぶるところが可愛くてさ。どうせ将来的に等級の関係で後輩のサポートに回る立場なのが可哀想で素敵なんだ」
校舎の屋上にて童磨は相手の返事も聞かずにペラペラと話し続ける。呪霊云々関係無しに性格で嫌われていて長所は戦闘力と顔の良さしか無いにも関わらず素っ気ない態度を取られるのがショックだと語る童磨の足元には血を吐きながら倒れる男二人の姿。
片方は袋を頭から被り、もう一人は老人だ。
「君達なら女の子を振り向かせるのに……ああ、ごめんごめん。これは申し訳ない。真っ当じゃ無い手段で儲けたお金がある内だけ相手してもらえそうな君達に聞くなんて非常に申し訳ない事をしたよ」
童磨は申し訳なくて泣きそうな演技をしながら二人を見落とすが、反論は返らず代わりに空気が漏れる様な音が僅かに喉奥から聞こえて来るのみ。外傷らしい外傷も無いにも関わらず二人は起き上がる力も無く顔から正気が薄れて行くばかりだ。
「おっと、そういえば俺の術式で肺を壊死させたんだった。うんうん、まさか主の正の呪力の結晶が呪詛師にまで回って来ていたのは驚いたが、生憎俺には楽に感じ取れたよ。どんなルートで回って来たか教えてくれるかい? あっ、声も出ないか。何か言いたそうだけれど分からないから困ったなぁ」
既に老人の方が走馬灯を見ている中、袋を被った男は助けてくれと目で訴える。分身の作成と本体の入れ替えという強力な術式を使う彼も全ての周囲を漂う小さな氷の粒に気が付かず肺を破壊され、顔を覗き込んだ童磨に声にならない声で訴えるもヘラヘラと笑われるだけ。
態とらしく首を傾げ耳に手を当てる仕草を見せられて遂に意識が途切れそうになる中、不意にその体が持ち上げられた。
「襲撃者が来たなら知らせるべきだろう。何をやっているんだ、貴様は」
男を咥えさせた竜の呪霊の背に五条と共に乗った夏油は静かな声で責め立てるものの童磨は何を怒っているのか理解出来ないとばかりに両手を左右に広げていた。
「呪術世界の為の生贄が自分の状況を分かっていながら学校に通うって言ったんだぜ? なら、襲撃者は秘密裏に始末するべきだろう? 夏油殿だって理子ちゃんだって襲撃で無関係な者が巻き込まれる可能性を知りながら登校を選んだ。ヘドラ殿や俺みたいに広範囲を悟らせずに攻撃出来る術者だって居るかも知れないのに」
「悟と私なら対処出来た!」
「君は相変わらず呪術師をヒーローか何かと勘違いしてるな。同じ一般人出身の主でさえ呪力や術式を特技の一種と認識しているのに。ああ、それで五条殿が居ないが理子ちゃんを迎えに行ったのかな? 可哀想に。最後の登校がもしかしたら友達を巻き込んだかもと悔いて終わりになってしまったか。それなら俺達を責められるんだから最初から無理にでも……」
童磨の頬に夏油の拳が叩き込まれ言葉を途切れさせる。呪力を纏った全力での殴打に童磨の体は吹き飛ばされ貯水槽に激突するも、起き上がった童磨には怪我一つ無い。
赤くもなっていない頬を撫でつつ平然と立ち上がるだけだ。
「分かるぜ、夏油殿。ヒーローとして可哀想な女の子の心だけでも救いたかったんだろう? だから俺は秘密裏に二人を処分しようとしたんだ」
「……もう良い。お前と話す事は何一つ無いからな」
「えー? 俺は話すのが好きなんだから付き合ってくれよ。生憎、同僚にも嫌われていて話し相手になってくれないんだ。おーい! 夏油殿? おーい!」
背を向けて飛び立とうとする夏油の背に童磨は声を掛け続けるも反応は無く、飛行能力も持っていないので見送るしかない。竜の背に飛び乗ろうと思えば飛び乗れるのだがそうはせず、苛立ちを見せる彼の背中を不思議そうに見つめるだけだ。
「困ったな。俺は当たり前の事しか言っていないのに何故か嫌われる。やれやれ、困ったもんだ。任務終わったら狛治殿にでも相談してみようかな? 俺は夏油殿も友達だと思って……」
本人が聞けば露骨に嫌そうな顔をしつつも自分が相手をしている間は犠牲者が出ないからと長々会話に付き合うであろう提案を口にした時、童磨の視界の耳に銃声が届き、同時に扇を広げれば周囲に激突音が続けて響いた後で呪力を込められた銃弾が数発転がった。
一瞬キョトンとした童磨だが、その呪力が誰の物か少しばかり考え込むと飛来した方向へ嬉しそうな笑みを向ける。視線の先には正反対に不機嫌そうな人相の悪い少年が銃口を向けていた。
顔に刻まれた大きな傷跡にモヒカン、目は血走って人間離れした凶相。その服装も現代離れしており、銃だけが最新式なのが違和感を漂わせる。
「不死川殿の弟御じゃないか! 未だ惨めたらしく生き続けていたとは驚きだ!」
「……せぇ」
「ん? おいおい、声が聞こえないぜ? 宿儺との戦いで無才の癖に戦場に出て兄君の足を引っ張った君でも会話程度はちゃんと出来るだろう? 久々に会ったんだし、兄の想いを不意にしてまでどんな風に生き続けたのか教えてくれよ」
「煩え! 黙れっつってんだよ!!」
「黙れとまでは言われていないけれどなあ?」
激昂した少年が銃を乱射すれば呪力を込めた弾の一発一発がコンクリートの壁を容易に貫通して飛んで行く。童磨は扇を広げ、避けられる物は余裕を見せてヒラヒラ跳び回って躱し、避けられない物だけ叩き落としていった。
一発も当たらない事に少年が苛立ちながら更に連射する中、発射音が立て続けに響いたせいか校舎は騒がしくなって行く。中には窓から屋上の少年を指差して騒ぐ生徒も居る程の騒ぎで、彼が生身の存在である事を示していた。
「ああ、可哀想に:哀れだなあ。君の人生はなんて虚しいんだ。尊敬する兄君は立派な人だったのに、それの役に立ちたいのに立てず、挙げ句の果てには醜態を晒しながら……理子ちゃんは逃げた」
遠目に五条達に連れられて去って行く理子の姿を捉えた童磨の表情から不意に表情が消え、周囲が凍り付き始めた。
「やあ、羂索殿。久し振りじゃないか。この子をお迎えに来たのかい?」
直ぐに親しみを感じさせる風に装った表情を向ける先、其処には額に縫い目のある人物が立っていた。
「私としては君に会いたくなかったけれどな。うん、無惨の術式と千年の縛りの恩恵を受ける後継者が生まれるとか関係無しにお前には会いたくなかった」
「おっと、傷付くな。そんなんだから友達が少ないんだぜ?」
童磨は好き放題言えて便利 寧ろ言わせないとねってなる
とあるキャラクターの強化案
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キャラメルマン
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バイキンUFO