先祖はパワハラ上司らしい 自分は頑張ろう   作:ケツアゴ

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呪術師への認識

 「うん。こんなもんで良いでしょ。昨日はチョコレートとピーナッツバターにしたから……今日はジャムとバニラアイスね」

 

 トースターで焼いた食パン二枚を更に並べ、冷蔵庫の中を漁って目当ての物を探す。今の世の中って美味しい物が沢山あって困っちゃうのよね。えっと、ジャムはイチゴとマーマレードとブルーベリーの三種類が有るし、今日はイチゴにしておきましょう。

 

 これで片方の準備は出来たし、もう片方はハチミツとバニラアイス。創示の奴がお土産に買って帰った箱入りのアイス、最後の一個をジャンケンで勝ち取って、昨日のお風呂上がりに食べないで取って置いたのを……あれ? 無い?

 

 

「え? 確かに昨日は有ったのに……」

 

 もう既に口の中はアイスを乗せてハチミツを沢山掛けたトーストの気分。今更別のにしたくない。それにしてもアイスに私の名前を書いていたのに何で無くなっているのかしら?

 

 疑問に思っていたら後ろの方で誰かの気配。

 

「ねぇ、私のアイス見なか……ああっ!」

 

「何だよ。朝っぱらから五月蠅い奴だな」

 

 振り向いたら私の用意したトーストを食べている五条悟の姿があって、しかもテーブルの上には私の名前が書いているアイスのカップ。中身は無い。

 

「何でアンタが私のアイス食べてるのよ! しかも私が用意したトーストまで食べてるし! 人の食べ物勝手に食べるな!」

 

「人じゃなくって呪霊だろ、お前。別に良いじゃん、人間の食べ物は要らないんだから」

 

 そう言って五条は私のアイスを一気に食べて、一人分だけ残っていたオレンジジュースまで飲み干した。早い者勝ちだからって早起きしたのに……。

 

 

 

 

「お腹減らなくっても味は分かるもん! ……う、うう、うわぁああああああああああん! 私のアイス食べたぁー!! 楽しみに取っておいたのにぃいいいいいい! お兄ちゃぁああああああああん!」

 

「うおっ!? お、おい、泣くなって! こんな朝っぱらから大声で泣いてたら……」

 

「……悟、朝から何をやっているんだ」

 

「テメェ、妹に何しやがったんだぁ? ほら、お前も泣くんじゃねぇよ、みっともねぇだろぉ?」

 

「あー、糞。ほら、傑とか五月蠅いのが来やがった……。マジで面倒臭ぇ……」

 

 

 

 

 

「え? 堕姫が泣いてると思ったら五条さんがアイス食べちゃったの? 二人共子供だなぁ」

 

「小学一年生に言われるんだから悟の奴も情けないな。ああ、堕姫の方も見た目と違って中身は十三歳だっけ? じゃあ未だ子供か。生きていた時代からして甘い物は貴重だったろうし、全部悟が悪いね」

 

 呪術高専に来てから一ヶ月、僕は東京の小学校に転校して、土日や放課後は呪術のお勉強をしていたんだ。今日は寝坊しちゃったから何があったか聞けなかったけれど、放課後に実地見学として夏油さんの任務に同行する途中で話を聞いていたんだけれど……困った人だなぁ。

 

 今は十六歳の女の子ばかり攫う変な趣味の一級呪霊を倒した帰りで、もう直ぐ車が待っている場所だ。

 

「じゃあ堕姫には帰りにコンビニでアイスでも買って帰ろうっと。はい、今日の分は終わったよ」

 

 夏油さんは凄い呪術師だからお仕事が直ぐに終わるんだけれど、終わった後で倒した呪霊を食べなくちゃ駄目なんだ。でも、其れが凄く変な味で、其れを知った五条さんは控えろって言ってたけれど、童磨が教えてくれた方法で解決したよ。

 

 夏油さんがボールみたいにした呪霊を僕の術式の口の中に放り込んで夏油さんの呪力と混ぜれば食べなくても使役した状態に出来たんだ。何とか出来ないか訊いてみたらあっさり教えてくれたし、知っていたら直ぐに教えてくれたら良かったのに。

 

「助かった。じゃあ、アイスは私が代わりに買おう。勿論協力金とは別にね。他の子達の分も買おうか」

 

「やった!」

 

 呪力や反転術式を込めた結晶やらヘドラを使った汚染物質の除去、十二鬼月の力を使っての呪霊退治。僕にも沢山お仕事が来ているけれど、子供に大金を持たせるのは駄目だからって先生が管理して月々のお小遣いを其処から出してくれる。前より増えたけれど、お土産とかに消えるから助かった。

 

 前に五条さんから従えてる呪霊にお礼するのは何故だって訊かれたけれど、手伝って貰ったんだからお礼するのは当たり前じゃないのかなぁ?

 

「それにしても悟には困った物だよ」

 

「童磨にもね。多分童磨の方が少し性格が悪いと思う」

 

「確かに。でも私は彼の話にちょっと興味が有るんだ。特に私と同じ術式を持った不死川玄弥って男についてね。彼に起きた異変は私にとって他人事じゃない」

 

 深刻そうにする夏油さんが童磨から聞いた人の最後は僕も知っている。呪霊を限界を超えて取り込んで、最後は半分呪霊になってしまったからって仲間に追われる事になったって。

 

 逃げた後、彼がどうなったかは分かっていない。

 

「過ぎた力は身を滅ぼす、か。疲れる話だ」

 

「疲れる話って言えば、僕って最近呪術師の家の人と会ってるんだけれど、思っていたのと違って凄く疲れたよ。呪霊と人知れず戦うヒーローで、特撮の正義の組織みたいと思ってたら、刑事ドラマの上層部みたいでさ」

 

「……うん、そうか。私も君から聞いてから悟にも上層部や御三家について話を聞かせて貰ったんだが、呪いが見えない一般人を守る崇高な使命の持ち主だって認識が揺らいでね……創示君。君は呪術師はどんな存在だと認識しているんだい?」

 

「えっと、足が速いとか勉強が得意とかと同じかな? 人より得意な分野が有るって感じ。そんな人がする特殊なお仕事?」

 

 僕の返事に夏油さんは黙り込んでしまう。疲れてるっぽい。このお兄さん、凄く苦労してそうだからなぁ……。

 

 

「じゃあ、お休み。明日も学校だし早く眠りなさい」

 

「ヘドラが空を飛べるし、小学校の近くまで飛んだら駄目?」

 

「駄目」

 

 コンビニでアイスを買って貰い、僕の分は車の中で食べ終わって寮に戻って来たんだけれど歯を磨いた頃には子供は眠る時間。明日の朝が辛そうだよ。

 

 童磨に背負って走って貰うのは嫌だし、ヘドラならセーフ。

 

 

「じゃあ、お休みなさーい」

 

 ベッドに入って電気を消せば真っ暗で今にもお化けが出て来そう。ちょっと怖くなったけれど、ベッドに潜り込んで来たハサンが僕を抱き枕にするから安心なんだ。

 ヒンヤリしていて柔らかくって甘い匂いがするから安心する。

 

 

 

「ハサンが居るならお化けが出たって安心だね」

 

 

 

 

 

 

とあるキャラクターの強化案

  • キャラメルマン
  • バイキンUFO
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