陰キャな私のバンドライフ   作:ハナルナ

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どうも、ハナルナです。
亀ペースでの投稿ですが、お付き合いください。


プロローグ

 世の中には、2種類の人間がいる。『陽キャ』か、『陽キャ以外』か。

 急にどうしたのかと思うだろうが、まぁ聞いてほしい。

 陽キャの人はいろんな人に囲まれて何不自由ない生活をしている。一方で陽キャ以外の人達。つまり俗に言う『陰キャ』の人は世間から蔑まされ自由に生きる事も許されていない。実際はそこまで酷くはないと思うけど、それぐらい陽キャと陰キャには明確な差がある。

 

 そんな私は、自他共に認めるほどの『陰キャ』である。

 

 これは、そんなスクールカースト底辺の陰キャな私が、スクールカーストトップを争うほどの陽キャ女子の無茶ぶりに理不尽に巻き込まれるお話。

 

 

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 4月。桜も咲き穏やかな春の陽気が立ち込める今日この頃。清々しい空気を感じながら駅まで続く道を歩いている。そんな私の目の前では、キャッキャウフフと仲睦まじそうに話している女子高生の姿。くそっ、リア充め………

 

 そんな私も、今日から高校生なわけではあるが。

 

「ハァ………やっと入学式終わった………」

 

 グレーのブレザーに身を包み、少しダルそうに猫背で歩く私。周りから見れば姿勢が悪いと思われているだろう。だけど、これでいいのだ。あまり目立たず、ひっそりと暮らしていたい。それが私の流儀である。……そんな流儀なんか捨ててしまえと思ったそこのお前、ちょっとこっち来い。

 

 今日、私は羽丘女子学園という高校に入学した。わざわざ進学校、しかも中高一貫のこの学校に外部入学した理由はいろいろあるが、一番は近いから。中学は少し自宅から離れたところに通っていたが、自転車で15分もかかっていた。だけど、羽丘までなら徒歩10分で着くのだ。なんで中学校を羽丘にしなかったのか、私。

 電車に乗れば花咲川女子学園という別の学校も行けたけど、もし私が電車通学などしたら人に押されすぎて原型を留めていられなくなる。

 

 それにしても中高一貫という事もあって、クラスに入った瞬間にもうグループが出来ていた。え、私?私はクラスに入ってすぐ気配を完全に消しました。おかげで誰にも話しかけられなくて済みましたよ(泣)。

 

 さて、どうして私がここまで人との関わりを避けているのか。理由はいろいろあるけど、一番の理由は人と話すのが苦手だから。いざ話し始めてもどんな会話をすればいいのかわからないし、逆に相手を不快にさせてしまうかもしれない。そう思うと話す事自体が怖くなってしまっていた。単純な理由だ。

 でも、この生活に不便さを感じた事は一度もない。むしろ自分の時間が好きなだけとれる。誰にも邪魔されない私の時間。それこそが私の至福のひと時である。ネットの世界だけが私の居場所だ。

 

 さて、今から帰ってNFOの新イベントを………

 

「ねぇ?」

 

 すると突然後ろから声をかけられる。一瞬ビクッとしたが、多分私に話しかけてるんじゃないよなーと無視する。それはそうだ。だってこんな地味な人に声をかけるなんて、いったいどれほどの女神様か………

 

「ねぇ、ちょっと。大丈夫?」ポンッ

 

「ひっ………!」

 

 うわぁぁああ⁉︎肩に手を置いてきたよ!初対面でボディタッチって、この人痴漢です!って、そんな事叫ぶ勇気最初からないよー!はっ!これはあれですか?俗に言う新入生いびりというやつですか⁉︎

 

「あ、あの………なんでしょうか…………っ⁉︎」

 

「なんかうずくまって歩いてたから、もしかして具合でも悪いのかなって」

 

 私がおそるおそる振り返ると、ロングウェーブの赤い髪を靡かせている明らかにギャルっぽい見た目をした人がいた。しかもネクタイとスカートの色から3年生の人だ!ダメだ、目が合っては………オーラが………陽のオーラがぁぁあああ〜‼︎

 

「って、本当に大丈夫?」

 

「あ、あの………オーラが………」

 

「オーラ?」

 

「はっ!い、いえ!気にしないでください!」

 

「…ふふっ、なんだか面白い子だね〜」

 

 笑われたっ⁉︎私があまりにも変だから変な目で見られちゃったかな⁉︎はっ!私と喋っている事でこの方の時間を奪ってしまっている!偉大なる陽キャ様に粗相を犯してしまうとは〜‼︎

 

「す、すいませんっ!」

 

「君、新入生の子だよね?私、今井(いまい) リサ。よろしくね」

 

「あ、はい………」

 

 会って数分しか経っていないのにこの距離の詰め方………ダメだ、陰キャには理解できないぃぃいいいっ!

 

「で、君は?」

 

「うぇっ⁉︎」

 

「名前なんて言うの?」

 

「あ………えと、は、花村(はなむら) (あん)、です………」

 

「よろしく、杏」

 

 いきなり名前呼びですか………これ以上はこの先輩といると………

 

「リサでいいよ」

 

 なんで心が読めるんですか?陽キャコワイ………これ以上今井先p………

 

「リサね?」

 

 ………リサ先輩といると私の中の何かが出そうである。ただでさえ入学式で疲れたのに、陽キャのオーラの波状攻撃が弱りきった私の体をじわじわと痛めつけている。早く帰ってHPを回復しないと………

 

「あ、じゃあ………私はこれで………」

 

「うん。またね、杏!」

 

 またって、次会う機会なんてあるのだろうか?できればもう会いたくないです。

 ………ハッ!NFOの新イベントが‼︎ギルドメンバーの人待たせてしまっては追い出されてしまうかもしれない。それだけは避けたい!私の唯一の居場所〜‼︎

 

 

 

 

 

 しかし、この時まだ私は知らなかった。

 この出会いが、のちの悲劇を招くことになろうとは………




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