投稿遅めですが、どうかお付き合いください。
私は、自分も他人も認めるほどの『陰キャ』である。そう感じるようになった理由は多々あるが、その中の一つに『恋愛経験が全くない』というものがある。
つまり、私はそういうものとは無縁だと思っていた。
なのに………
「は、花村さんって………意外と大胆………」
その一言で私はハッと意識を取り戻す。一瞬固まってしまっていた。周りを見るとクラスメイト達も同じように顔を赤くしている人もいる他、なんだか息を荒くしている人もいる。
まぁ、無理もないよね。この状況じゃ………
何故なら、今私は1人の女の子を
「ご、誤解ですぅぅぅぅぅうううううううっ!!!」
こうなったのは、今朝に遡る。
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羽丘に入学して数日経った。入学式ほどの緊張感はもう薄れたし、クラスにも慣れてきた感じがする。
あ、そうそう聞いてください!私、友達が出来たのです。いやー、最初はクラスの空気になれてればそれでいいかなと思っていたのですが、いろいろ事情があってとても仲のいい友達が出来ました。
「あ!あんこー‼︎おはよー!」
「おはよ、杏」
「おはようございます、杏ちゃん」
教室に入ると真っ先に私に挨拶してきた3人の女の子。そうです、この人達が私の記念すべき高校初めてのお友達なのです!
最初に挨拶してくれたのが
と、あこちゃんの説明が長過ぎましたね。残りのお二人は手短に説明しますね。
「ちょっと、それは失礼じゃない?」
「さ、さらっと心を読まないでください、明日香ちゃん………」
「え?え?何があったの?」
最近のJKは人の心を読むことができるのであるか?と心の中でツッコんでおく。今井先輩の時といい、なんでそんなに私の心が分かるのかと前聞いたことがある。そしたら、
「杏って顔に出やすいから」
と返された。いや、手短に説明する時の顔ってなんですかっ!
えー、話を戻しまして。この人は私のお友達の1人で
その隣にいるメガネの子が
「ねぇ、さすがに手短すぎない?」
「え?え?」
だから、なんで分かるのですか?この時の顔ってどんな顔ですかね?私も見てみたいです。六花ちゃんは何があったのか理解してませんし。
とまぁ、そんなこんなでこの3人が私のお友達の皆さんです。3人ともこんな私に優しくしてくださるとてもいい方です。
え?全然陰キャじゃないじゃないか、ですか?何を言いますか、私は陰キャですよ。胸を張って言えます。なぜなら………
「あ、あの………み、皆さんはさっきまで何を………」
「ん?普通に話してただけだよ」
「そ、そうですか。…………………」
はい、見ての通り会話が全く続かないのであります。知り合って結構経ったはずなのに、私は常にこの調子ですよ。だって、友達なんて今まで1人もいなかったから何を話していいのか分からないです。緊張します!それに、3人ともどちらかといえば陽キャに分類される方々ですし、本当にこんな私なんかに優しくしてくれて、もう本当にありがとうございます‼︎
「そういえば、さっきリサ姉が来て、あんこまだ来てないの?って。またお昼休みに来るって」
「うぇ⁉︎あ、あの………お昼はちょっと用事がありまして………あ、あはは………」
あこちゃんからその言葉を聞いてビクリとする。あの日今井先輩に会ってからというもの、何故か私に会いに教室に来るのです!しかも結構有名な方らしく、クラスに来ただけで大騒ぎになり、その中で呼ばれる私の身にもなってください!できればみんなのいない時に呼んでください!でも、2人きりは怖いのでそれもNGで。あ、じゃあもうダメじゃん。
「あんこ、リサ姉に気に入られちゃってるからねー。良かったじゃん!」
と笑顔で言ってくるあこちゃん。私にとっては全然良くないんですけどね‼︎
「そうよ。全っ然良いわけないわ!」
すると突然私たちの会話に入ってきた1人の女の子。というか、あなたも私の心読むんですね。あまり知らない人にも心読まれるとか、私自身が大丈夫でしょうか?サトラレじゃないですよね?
「リサさんがあなたの事を気にいるわけないじゃない!」
「え、えっと………」
この人、クラスメイトの人だよね………?えーと、名前は確か………
「ほ、骨川ルキナさん………?」
「
あ、思い出した、星川ルルナさん。確か、中学生の頃から多くの雑誌に載っている現役モデルで、私の中のクラスの陽キャランキング第1位の星川ルルナさん‼︎が、なんで私に話しかけてくるのですかっ⁉︎あなたもあなたで今井先輩と同じくらいオーラが溢れてるんですからね‼︎目が、目がぁぁぁぁあああああ‼︎
「おはよールルナ!この前ライブ来てくれてたよね?ありがとー‼︎」
「いやいやあこちゃん。Roseliaのライブだったら例え仕事が重なってでも無理して行くよ!」
ちなみに、この星川さん。モデルでありながらガチめのガールズバンドオタクだといいます。その中でも特にあこちゃんが所属しているRoseliaの大ファンだそうで、最初のクラスの自己紹介の時にあこちゃんを見て失神しそうになってました。あなた仮にもモデルですよね?
「話を戻すわ、花村さん」
なるべく戻して欲しくないのですが………
「どうして、あなたみたいな人のところにリサさんが訪ねてくるのか、ずっと疑問だったのよ!」
と言って私を指さす。いや、そんな事言われても私もよく分からないです。
入学式の日に少しだけ今井先輩とお話しして、それからというもの会うたびにいじられていた。急に後ろから抱きつかれたり、頭をワシャワシャされたり、なんなら頼んでもいないのに膝枕に寝かせられたり。もしこれで私が男の子だったら大サービスですねっ!今井先輩の膝、柔らかかったなぁ、デュフフフフフ……………あ、私も大概ヤバい人でした。
「リサ姉、あんこの事『なんだかウサギみたいで可愛い』って言ってたよ」
「それを言うなら、私もよくウサギの格好してますけどっ⁉︎」
「え?星川さん、それって………」
「っ⁉︎き、着ぐるみよ‼︎誰も雑誌の企画でバニーガール姿になったなんて言ってないじゃない‼︎」
「いや、まだ何も言ってないからね?」
明日香ちゃんグイグイいくな〜。ほら、星川さん顔を赤くしてる。さすがは我ら四天王の切り込み隊長。あ、ちなみに私は四天王最弱の将です。
「む、むぅぅううううう‼︎こうなったら、リサさんに直接どっちが可愛いか聞いてくるっ‼︎」
「あ、………」
そう叫んで星川さんは教室から出て行こうとする。しかし、もう少しでHRが始まってしまう時間になっていた。
さて、ここで星川さんが出て行くとしよう。
星川さんが出て行く
↓
先生がやって来る
↓
どこに行ったか聞かれる
↓
なんで止めなかったの?と言われ………
↓
メッコメコォ(死)
ま、まずいっ………‼︎星川さんを止めなければ………‼︎
「あのー、いくらなんでもそれは無いんじゃ………」
明日香ちゃんが何か言ってますが、それよりも星川さんです!私の命を守るためにっ!
「ま、待って………」
「ちょ、邪魔する気⁉︎離しなさいよっ‼︎」
「は、離さない………!」
ここで離したら私の穏やかな学園生活が………あ、もう穏やかじゃない気がするというツッコミはNGで。
「いいから、離しなさいっ‼︎」バッ!
「あっ……!」グラッ
「え?キャアッ‼︎」ドサッ
い、いたた………星川さんが手を振り払った衝撃でバランスを崩しちゃった。あれ?何か顔に柔らかいものが………はわぁぁあ、うちの抱き枕と同じくらい柔らかい………
「は、花村、さん………」
あれ?すぐ近くから星川さんの声が聞こえる。そういえば、何かおかしい。教室にこんなに柔らかいものがあったかな?
おそるおそる顔をあげると、そこには………
「は、花村さんって………意外と大胆………」
そこには、顔を赤くしている星川さんがいた。というよりも、私が今押し倒している状態になっていた。
「え……………」
周りをゆっくりと見回すと、他のクラスメイトも同じように顔を赤くしている。あこちゃん達も顔を赤くしてる。
ハッ‼︎早く退かないと………
「はーい、HR始めるぞー」
と、最悪のタイミングで教室に入ってくる担任。そして、私たちのこの状況を見るなり………
「………あー、愛の形は否定しないが、問題は起こすなよ」
「ご、誤解ですぅぅぅううううううううううっ!!!」
あぁぁぁああああ‼︎なんでこうなるのですかっ⁉︎私は穏やかな学園生活を送りたいだけなのにっ‼︎
それからしばらく、星川さんとまともに顔を合わせられなくなったのはまた別の話。しかもなんか意識されてるしっ!
「良かったねー、ルルナと仲良くなれて!」
「よ、良くないよ!」