めちゃくちゃ久しぶりです!
前回の投稿から3ヶ月とちょっと経ったかと思います。(経ちすぎです!)
なので、いつもよりほんのちょっとだけ文章が長くなってます。
ピピピピッ.......ピピピピッ.........
「んぁ…………なんだよ、うるせぇな………日曜なんだから寝かせろ…」
鳴り響く携帯のアラーム音がうるさいので電源を切る。誰だよ、休日なのにアラームかけてるやつ。昨日の自分だったわ。
とはいえ、一度覚醒した意識をもう一度眠らせるのはそれはそれで面倒くさい。カーテンの隙間から眩しい日の光が入り込んでることだし、これ以上の睡眠は体に毒だな。
…………と分かっていても寝ちゃうんだよな〜。私は休日は二度寝すると決めている。それがどれだけ体に悪いか分かっていても。そもそも体にいいのか悪いのかなんてよく知らないし大丈夫だろ。
ピンポ-ン
イツキ-!アソボ-!
「…………………」
もう一度意識が落ちかけたところでそれが聞こえる。だが、面倒なので気づかないフリをしておく。今日は朝から家に誰もいないし、居留守使ってたらバレないだろ。
外から聞こえる声を無視して私はもう一度目を閉じる。
ピンポ-ン
イツキ-?イナイノ-?
「………………………………………」
イ-ツ-キ-!!
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン...........
「だぁあああああああああ‼︎うるさーい‼︎」バァン!!
「あ、伊月おはよー!そんなに大声出したら近所迷惑だよー?」
我慢の限界に達した私は玄関のドアを開けて叫ぶ。いや、朝っぱらから人の家のインターホンを鳴らしまくるお前にだけは言われたく無い!
「遊びに行こー」
「いきなり過ぎるだろうが!連絡くらいよこせ!」
「連絡入れたよー。今から家に行くって」
「はぁ?そんなの来てな……………あ、」
そういや、アラームがうるさくてスマホの電源切ったんだった。
「せっかくの休日だし、久しぶりに一緒に遊ぼうよー!」
「はぁ………分かったよ。準備するから中入れ」
「はーい!」
そうして私はこいつを家の中に入れる。今日は家でダラダラ過ごす予定だったが、さっきのやり取りで完全に目が覚めたし、今日はこいつに付き合うとしよう。
ーーーーーーーーーー
ーーーーー
ーー
「伊月と遊ぶの久しぶりだねー!2週間ぶりくらい?」
「そうだな」
「最近は部活の練習試合もあったから忙しかったんだよねー。あ、でも花咲川の剣道部の人と仲良くなったんだよ。しかもアイドルの!ほら、連絡先も交換したし!」
「そうか」
「もー!伊月さっきから冷た〜い」
「寝起きなんだから仕方ないだろ」
そんなわけで、私服に着替えた私は今こいつと商店街を歩いている。そういや、紹介するの忘れてたな。
こいつは
性格は、まぁ今までのやり取りで分かっただろう。ちょっと、いやかなり空気が読めない。これで悪気が一切ないのも、もう清々しいまでもある。
「で、今日はどこに行くつもりなんだ?」
「あ、そうそう言い忘れてたっ!今日は伊月が楽しめる場所に行くよっ!」
「私が?いきなり何で?」
「だって、最近の伊月元気なかったもん。友達として、元気づけてあげたいなって!」
「………そっか」
でも、こいつは誰よりも人の感情の機微に敏感だ。だから、なんだかんだこいつを嫌いになれないんだよな。
こいつの言う通り、最近の私は少し元気がなかったと思う。というか、悩んでいたことがある。もちろん、ルルナ様の事だ。
中学生の時、たまたま通りかかった本屋で初めてルルナ様が載っている雑誌を見て一目惚れした。それから私はルルナ様に一歩でも近づきたくて、関西の方から東京の高校に入学するために上京してきた。
最初はルルナ様のいる東京で、ルルナ様と同じ土地にいるだけで幸せだった。その時は思いもしなかった。まさか、ルルナ様が同じ学校にいるなんて。
もっとルルナ様とお近づきになりたい私は、それから数日ルルナ様の動向を見守っていた。決してストーカーじゃないよ。これ大事。
そして、分かった事があった。ルルナ様は、
え、お前いろいろヤバくないかって?愛さえあればオールオッケーなのだよ。
「あ、着いたよー!ここ、ここ‼︎」
と、いつの間にか目的地に到着したようだ。ていうか、ここって………
「猫カフェ………」
「そう‼︎伊月、猫好きでしょ?」
「ま、まぁ好きなのは否定しないけど………」
よりにもよって猫カフェかよ………こいつ、私が
「ハァ………せめてカメラ持ってくれば良かった」
「スマホがあるじゃん!いっぱい写真撮ろー‼︎」
「私はスマホじゃうまく撮れないんだよ………」
そう嘆く私を無視してドンドン中に入っていくくいな。マイペースというかなんというか………
「あはは〜!この子達、人懐っこいなー‼︎」
って、元気づけるって言ってたくせに一人で盛り上がってるし。なんなら猫に埋もれてるし。はたから見たら猫に襲われてるようにしか見えない。
ていうか、あいつのところにばっか行って私のところに全然猫来ないし。仕方ないので椅子に座って一人でドリンクを飲んでおく。あいつも飽きたら帰ってくるだろ。
「ハァ………」
しかし、いくら待ってもこっちにこない。仕方なく店内を見回すと、隅の方で丸くなって寝ている猫を見つけた。あの猫、すごく可愛い……よし、ちょっと近づいてみようかな? その猫は、他の猫たちに比べて少し小柄だった。毛並みも良く、とても綺麗な顔をしている。まるで飼い猫みたいだ。
「そんなところで何してんだー?」
話しかけてみると、小さく鳴いてこちらを見た。そしてゆっくりと起き上がる。すると、私から逃げるように壁際へと行ってしまった。
「そんなに怖がらないでくれよ…………」
なんかショックだ。せっかく話しかけたのに無視された感じだし。でも、こんなに警戒されてると手出しできない。
「…………だから猫カフェは苦手なんだよ…」
私は昔から動物が懐きにくい体質だ。動物は嫌いじゃない。むしろ誰よりも好きな方だ。なのに、少し近づいただけでこれだ。これ以上猫に警戒されないように少し外に出ようとしたその時だった。
「あれ、伊月?」
「えっ⁉︎」
出ようとしてドアの方に向いたら、そこにはリサ先輩ともう一人、長い銀髪の女性がいた。あれ?この人、どこかで見たような………
「やっぱりそうだよね⁉︎いやー、偶然だねー!」
「そ、そうですね…………」
まさかここで会うとは思わなかった。今日はいろいろ忘れて楽しもうと思っていたのに。タイミングが悪すぎる。ていうか、なんでこんなところにいるんだ?
「なんでリサ先輩がいるんですか?」
このリサ先輩は先日カフェに行った時に私からルルナ様の隣を奪った魔性の女。それだけではなく、ルルナ様に抱きつかれたりもしていた。すごく羨ましい!私もルルナ様に抱きつかれたいのに‼︎
しかも、カフェから帰る時にルルナ様と腕を組んでいた。その時、私はリサ先輩を要注意人物と認定した。だからこの数日、いかにしてルルナ様と距離を縮めるかずっと悩んでいたのだ。そこ、引かない。
「実はさっきまで友希那と買い物してたんだけど、途中で新しく出来た猫カフェを見つけたから、ちょっと入ってみようかなって。ね、友希那」
「わ、私は別に入りたいなんて言ってないわ」
「はいはい。そういうことにしておくね」
「だから、私は別に………」
「あ、紹介するね友希那。この子は後輩の岸峰伊月。いろいろあって仲良くなったんだ〜」
「そ、そうですね。いろいろ、ありましたね………」
「そう。私は
湊友希那……その名前、どこかで………
「それで、伊月は何でここに?」
「特に理由は………ただ単に暇つぶしです」
「そうなんだー。アタシたちも一緒にいい?」
「え、えーと………」
「あれ?伊月の知り合いさん?」
そこにさっきまで猫と戯れていたくいなが帰ってくる。
「あー、うん。一年上の今井リサ先輩。この前いろいろあって……」
「へー!初めまして!あたし、伊月の友達の虎門くいなっていいます!」
「初めまして。私は……」
「あれ?もしかしてRoseliaのボーカルの友希那先輩ですか⁉︎」
「えっ⁉︎」
「あら、私のことを知っていたのね」
「クラスの子からもよく話を聞いてます!あの、友希那先輩って呼んでもいいですか?」
「ええ、構わないわ」
「やったー!友希那先輩って歌上手いんだろうなー。今度聴かせてくださいよー!」
「機会があればね」
「………」
「あれ?どうしたの伊月ー?」
Roselia………それは、ルルナ様が大好きなガールズバンド。友希那先輩、どこかで見かけたことはあった気がしたけど、まさかRoseliaのボーカルのあの湊友希那だったなんて………
「…………あの、伊月?」
「…………え、あ!えっと………」
「どうしたの?ボーッとして………」
「あ、えっと………あの友希那先輩に会えて少し驚いてるっていうか………」
いろいろな意味でね。
「それじゃあお互い自己紹介も終わったし、せっかく猫カフェに来たんだから堪能しないとね」
「そうね。せっかく来たのだし、楽しまないともったいないわね」
「とりあえず飲み物でも頼もっか。すいませーん。アイスコーヒー一つお願いしまーす」
「私も同じもので」
「私は追加でオレンジジュースください!」
「私は………ミルクティーで」
それぞれ注文すると、みんなで猫に囲まれながら談笑を始めた。
「伊月、猫好きなの?」
「はい、猫は大好きです。けど………」
「伊月って動物が懐きにくいんですよねー」
「それを知っててなんで猫カフェに連れてきたのか問いただしたいのだが……?」
「たしかに、言ったら悪いけど伊月の周りだけ全然猫いないね……」
「いいんですよ……どうせ私は猫に好かれないんです」
「まあまあ、そんなに落ち込まないでよ。ほら、友希那の膝の上に乗ってる白猫ちゃんとか可愛いよ?」
「友希那先輩のところにはたくさん集まってますもんね。羨ましいです…………」
「そうかしら?」
「そうだよ〜。ほら、友希那のところに行っておいで〜」
ニャ-!
「あっ……」
ニャ-!
「うぅ…………」
ニャ-!
「…………」
ニャ-!
「…………」
ニャ-!
「…………」
「い、伊月の周りから一匹もいなくなった………」
「……ド、ドンマイ伊月!ほ、ほら、私の膝に座ってる猫、触ってみる?」
「あ、あはは………いいんです。どうせ私は猫と分かり合えないんです………」
「単に、猫に対して緊張しているからじゃないかしら?」
落ち込む私に、友希那先輩がそう言ってくる。
「え?」
「あなたは、どこか猫に対して緊張しているように思えるわ。もっと自然体でいいのよ」
「し、自然体で………」
「人にも猫にも、ちょうどいい距離感というものがあるわ。さっきから見てたけど、あなたは他人に対して少し距離を置きがちなところがあると思うの。猫にはもちろん、私やリサに対しても」
「だ、だって、あまり面識ないですし、友希那先輩に至っては初対面だし、Roseliaだし…………」
「私が何者かなんて、気にする必要ないわ。あなたはあなたらしく、もっと自分に自信を持ったらいい」
「私らしく………」
「………ほら、後ろを見てみなさい?」
「え?」
そう言われて振り向くと、そこにはさっき一人でいた綺麗な毛並みの猫がいた。
私がゆっくりと手を近づけ、頭を撫でる。すると、小さく鳴いて私の方にすり寄ってきた。
「………ふふ、可愛い」
「おー、伊月が微笑んだ……」
「べ、別に私だって微笑むくらいするよ」
でも、そっか。ちょうどいい距離感が大事なんだ。
…今まで、ルルナ様に近づきたいがためにかげでいろいろしてたけど、
『あなたは他人に対して少し距離を置きがちなところがあると思うの。』
見守ってるだけじゃなくて、もう少しだけ自分から近づいてみようかな。
「ありがとうございます、友希那先輩」
今日は一日家でダラダラしていようと思ったけど、たまにはこんな日もいいかな。
そう思いながら、私は猫を愛でていた。
「伊月ってば、猫に夢中だよ」
「伊月、本当に猫が好きなんですね」
「はい!大好きです!」
「「っ‼︎」」
そう、大好き。大好きなこの気持ちを、直接伝えたい。今は緊張して正面からは無理だけど、いつか………
ルルナ様と、本当のお友達になれたら………
「めっちゃいい笑顔……」
「伊月も女の子なんだねぇ……」
「なっ……どういう意味だよそれは⁉︎」
くいなが茶化してくるのが少しムカついたけど。
今日のおかげでモヤモヤが無くなったから、よしとするか。
ーーーーーーーーーー
ーーーーー
ーー
「また、この四人で猫カフェ行きませんか?」
帰り道、私はそう呟いた。
「伊月から誘ってくれるなんて………明日は雨かなー」
「素直に受け取れよな」
「いいね!私ももっと伊月と仲良くなりたいし!」
「ええ。また一緒に行きましょう」
こうして、私たちの楽しい休日が終わった。
この数日の憂鬱な気分が、嘘みたいに綺麗さっぱりなくなっていた。
「あとリサ先輩。魔性の女だなんて思ってすみませんでした」
「うぇえ、どういうこと………⁉︎」
翌日、隣の教室に行くと、やはりルルナ様の周りにはたくさんの女子が集まっていた。それはいつも通りの光景だった。
ただ一つ違うことと言えば………
「ルルナさm………ルルナさん、おはよう」
「あ、おはよう、伊月!」
普段見慣れた笑顔だったけど。
その時の笑顔は、いつもの何倍も眩しく、輝いて見えた。
これからも(多分作者の気分で)投稿されると思いますが、付き合っていただけると幸いです。
最近バンドリというか、音ゲーが面白い!
くいなのイメージ画像です。
本編では結構バカっぽい感じになってましたが、画像だと少し大人っぽく感じるかと思います。
外見は良いけど、中身は残念。そんなキャラクターです。
虎門くいなイメージ画像
↓
【挿絵表示】