神化した白織。
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ソフィアとエンカウントした頃を回想。
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回想中の白織が、転生したばかりの頃を語る。
と言う変則展開になっています。
10 蜘蛛 名前 白織
「これからどうする?」
アリエルの言葉を無視して、もう一度自分の姿を確認する。
水魔法で作った即席の水鏡の姿見に、今の自分の姿が映っている。
それは白い人影だった。
肌は透けるように白く、髪も真っ白で長かった。
瞳の眼球も透けて紅く見える。
ただ蜘蛛に転生した影響なのか、眼球が複数有る。
少し気持ち悪い。
目蓋は閉じよう。透視で補えば大丈夫!そう心に誓った。
眼球の数に文字通り目を瞑れば、どう見てもアルビノだった。
神に進化して、完璧な人型になっただけでは無くアルビノ!
アルビノだった。理想の姿である。
オリくんは、私の事を好きだと言ってくれた。
だけどオリくんはアルビノ好きだった。
高校を卒業したら、
何処に居るかも解らないアルビノのお嫁さんを捜しに行く!
と言い出す強者だった。アレはガチだ。
でもそれが今は、私がそのアルビノになっている!
パーフェクト・アルビノである。
今ならDに「ありがとう!!」とか?心からお礼も言えそうな気分だ。
善し!さっそくオリくんを迎えに行こう!!
「えっ人型になったから、オリくんを迎えに行く?
あぁうんそっかぁ~、白ちゃんにはちゃっかり番が居るんだっけ?
いやいや、番が居るのは大切な事だと思うよ?」
そうそう!オリくんも転生した事は解っていた。
それにエルロー大迷宮を初めて脱出した頃、
サリエーラ国のケレン領で、オリくんと再会した。
普段はその隣りの、サイサリス領に居る事も把握している。
オリくんは人間だった。人間に転生していた。
でも私は蜘蛛で魔物だ。魔物転生だった。
接触するのは控える心算だった。拒絶されるのが怖かったから。
人の姿に憧れた。アラクネに願いを託す心算だった。
アラクネに進化して、上半身だけでも人型になってから逢う心算だった。
「それで、何処に居るか解っているの?
サリエーラ国?ケレン領?えっそうなの!?」
だけどそうも行かなくなる。
サリエーラ国のケレン領は、ソフィアの転生先でも有ったからだ。
ソフィアは自分だけちゃっかり、
オリくんの居る隣りの領地に転生していた。これは圧倒的にズルイ!
私がラストダンジョンでサバイバルしている内に、
ソフィアはオリくんと会っていたんだ。
†
「街だ。無事到着した」
赤ん坊のソフィアを乗せた馬車が、街に到着した。
エルロー大迷宮を脱出してから暫くして、
気紛れで助けた馬車に、赤ん坊のソフィアが乗っていた。
ゲームのPCと同じ名前で、容姿も何処と無く似ていたから少し驚く。
転生前は一緒にゲームをした仲間だったから、
助けた後も、街まで到着するのを見届けた。それ位の事はしても良い。
馬車を一目見た時から思っていたけど、
ソフィアは貴族に転生していた。
人間に転生しただけじゃなくて貴族!
蜘蛛で魔物の、私との格差が酷い!これが格差社会か!!
「アレは、もう一台の馬車?」
逆恨みの視線で、馬車が到着した屋敷。
恐らくソフィアの自宅と思われる屋敷も、序にチェックする。
すると一台の馬車が目に留まった。
ソフィアが乗っていた馬車とは、別の馬車だ。
どうやら留守中に、急な来客が有ったらしい。
急いで対応するソフィア父!慌ただしい空気だ。
何でも隣りのサイサリスと言う領地の領主で、
戦争とかの有事の際には、肩を並べる盟友らしい。
急な来訪だったらしいけど、温和なムードだ。
今はお互いの子供を、自慢し合っているみたい。
「オリ、くん!?」
此処まで来ると、もうどうでも良くなっていた。
何と無く続けていた千里眼を切って、旅に戻る心算だった。
だからその子供に、鑑定を使ったのは気紛れだった。
人族 LV1 名前 フェンブレン・ツヴァイ・サイサリス(折原鋼)
名前が二重になっていた。
ソフィアの鑑定結果もこんな感じだった。
恐らくこの重なった名前が、転生者の証だろうと踏んでいる。
だけど問題は其処じゃない。名前!
名前が【折原鋼】になってる!
この名前はオリくん!オリくんの本名だ。
この子がオリくん!オリくんの転生した姿!!
私が驚いている内にも、話しは進んでいた。
どうやらオリくんファミリーは、泊まって行くらしい。
歓迎されるオリくんファミリー。それは良い。
だけど悪い想像がどんどん膨らんで行く。
結局何をしに此処に来たのか?
オリくんの親と、ソフィアの親は仲が良い。領地も隣り同士だ。
そしてお互いに子供が居て、男の子と女の子。
これって婚約者コース!?
まだ赤ん坊だろうって?甘い!
此処は日本じゃ無い!ファンタジーな異世界だ!!
生まれて直ぐに婚約者が出来ても可笑しく無い!
どうしよう!?ソフィアにオリくんを持ってかれちゃう!!
「白織!白織なのか!?」
「オリくん!!」
私は堪らず逢いに行った。
蜘蛛の姿だから直接じゃないし、街にも入れない。
こんな時こそ【叡智】様に頼った。
【念話】から派生!
即席魔法の【夢枕】を作って、夢の中でオリくんと逢った。
夢の中で私は、
いつかのゲームでそうなったように、真っ白なアルビノになっていた。
オリくんも夢の中では、
赤ん坊の姿では無く日本に居た頃の姿になっている。
オリくんは、直ぐに私に気付いてくれた。
「異世界転生したかと思っていたがこの姿だ。
まさかこれは、夢オチの方なのか?」
「これは夢の中で話せる魔法。
異世界転生は、本当」
「そうか、まぁ良い。
白織も無事に転生してたんだな?」
「オリくん」
ぎゅっと、強く抱き締められる。
オリくんだ。間違い無くオリくんだった。
私を好きだと言ってくれたオリくんだ。
逢いたかった。ずっと逢いたかった。
「何が有ったのか、話してくれるか?」
「………」コクコク
此処で記憶を遡る。
オリくんに告白された体育祭の翌週。
古文の授業。
私は、私は蜘蛛に転生した。
†
「産廃スキル、だと!?」
気が付けば蜘蛛に異世界転生して、何処とも解らないダンジョンの中。
貴重な初期スキルポイントを使って修得した【鑑定】は産廃スキルだった。
【鑑定LV1】となっているから、LVを上げればまだ希望は有る。
それよりも問題は、自分に対する鑑定結果。
蜘蛛 名前 無し
鑑定が産廃なのは仕方無いとして、名前が【無し】!?
納得が行かなかった。
私には名前が有る。これは恐らく、
蜘蛛(魔物)としての名前が無い。と言う事だろう。
でも納得が行かない。
だって私には名前が有る。
大切な名前が!私だけの名前が有る!!
私には名前が有る。
名前を付けてくれた人が居る。
いつもその名前で呼んでくれた人が居る。
私はその名前が好きだった。
私はその名前で呼ばれるのが好きだった。
「白織。
私の名前!私は白織だ!!」
蜘蛛 名前 白織
≪PASSを認証しました。ユーザー名を再登録します≫
≪ユーザー名【白織】。再登録しました≫
≪スキルポイントを再計算します≫
≪スキルポイントが8000ポイント加算されました≫
≪条件を満たしました。称号【白織の祝福】を獲得しました≫
白織の祝福
名前を与えられた者への祝福。
この名前で呼ばれる限り、
この名前で呼ぶ者が居る限り、祝福は継続する。
LVUP時に獲得スキルポイントが1,2倍のボーナス補正。
白織。
私は私の名前を思い出すと、私の全てを取り戻した。
そう、全てだ。
私は蜘蛛だった。高校の教室に巣を張る蜘蛛。
其処でオリくんに可愛がられて【白織】と呼ばれるようになった。
でもそれと同時に、女子高生として過ごした記憶も有る。
初めはずっと独りだったけど、
やがてオンラインゲームでオリくんと知り合って、一緒に過ごすようになる。
そしてあの体育祭の夕暮れで、
オリくんが遂に!私の事を好きだと言ってくれた。
その全てを思い出した。
そしてその全てが、私の力になる。スキルポイントが加算された。
「この称号!オリくんだよね?
オリくんも、何処かで転生したんだよね!?」
この称号が、きっとその証だった。
オリくんもきっと何処かで転生している!
オリくんに逢いたい。
「此処がラストダンジョンだろうが隠しダンジョンだろうが、
私は生き残ってやる!生き抜いてやる!
私は、またオリくんに逢うんだ!!」
私の長い戦いが始った。
第一幕エルロー大迷宮脱出編!と言った処だと思う。
本当に長いから、要点だけ話した。
今度はオリくんの事が聴きたい。今までどうしていたかを!
†
補足/説明枠です。
今回も多めの情報量!読破推奨☆
アリエル
本作の白織は、ソフィアをソフィアと呼んでいます。
その流れでアリエルも、アリエルと呼んでいる設定です。
水魔法の水鏡
原作では土魔法で鏡を作るシーンが有りますが、
水鏡の方が即席で行けそうなので、こちらを採用。
土魔法で鏡を作るのは、ガチだと思う。
サリエーラ国のケレン領
ソフィアの転生先の領地の名前。
街の名前も見当たら無かったので、ソフィアの家名をそのまま採用。
本作では!このケレン領が色々とヤヴァイ。
サイサリス領
オリクラスメイトの折原の転生先の領地の名前。
隣りのケレン領との仲は良好。
有事の際は、真っ先に駆け着ける盟友的関係。
元ネタはGの0083!核搭載機のアレである。
サリエーラ国内なので、サで始る良い名前を探していました。
丁度良かったので採用。
しかし核を搭載する破目になるのは、サイサリス領では無い。
スキルポイントボーナス
本来スキルポイントを殆ど持たない白織が、
短いながらも日本で女子高生として過ごした経験が、
スキルポイントとして換算された。
この後この8000ポイントで、
原作より有利にスタートダッシュを切ります。
主な修得スキルは【空腹無効】と【MP吸収】。
それと【念話】。他にも修得した設定です。
空腹無効
MPを消費して、SPを回復。空腹を抑える事が出来る。
MP吸収
撃破した対象からMPを奪う事が出来る。
↑のスキルで、ダンジョン内での生存率を上げようとしました。
確実に食糧が手に入るとは、限らないからです。
このスキルの影響で、人喰いはしていない設定。
この方法で空腹を満たせると、
【暴食】やアリエルの立場が無い気もしましたが、
時代が変われば、
新しい対処法が生まれるのは必然なので、そのまま採用する事に。
念話
原作にも登場したスキル。
オリくんらしい相手がいたら、話し掛ける心算で修得。
ケレン領で【夢枕】を作るまで、出番は無かった。
と言う訳で異世界転生編でした。
この先エルロー大迷宮脱出編は、原作沿いなのでスキップ!
物語はサリエーラ国の、神獣降臨編に続きます。
次回はソフィアとの再会シーンです。