今回のサブタイのような謳い文句で語られているのでは?
と思って決めました。
今回は戦争イベントです。
「侮ったなマザー!
これが私と、オリくんの愛の力!!」
うん、ちょっと言ってて自分でも恥ずかしくなった。
でも今回の勝利は、大概オリくんのおかげだと思う。
バカンスで海に来ていた処を、突然の魔王襲来!
四肢を引き裂かれる致命の攻撃だったけど、
ザナ・ホロワの不死スキルで何とか生存!
そのまま海を漂いながら経験値を稼いで、LVUP回復で一気に復活!
直ぐに殺人人形(キリングドール)っぽいパペットタラテクトや、
アークの群に襲われたけど、コイツ等は敵じゃ無かった。
蜘蛛の主武装である糸の行動阻害や拘束が、今の私には効かない。
行動阻害や拘束は状態異常だからだ。
オリくんの転生特典。
オリハルコンメタルに護られた今の私には、蜘蛛の糸が効かない。
アークがただの的になった。
パペットは刃物を振り回すだけの人形になった。
討伐完了のお知らせである。
更に勢いに乗って、マザーの討伐も成功させた。
魔王の不在を上手く突けた。
並列意思の弱体化作戦が上手く行った。
他にも勝てる要素は有っただろう。結果マザーは陥落。
これで大きな障害が一つ消えた。
「戻ろう、ケレン領に」
これで更に、神獣様ブームが治まってくれていると助かる。
其処で当初の採掘ポイントへ向かう途中で、私は蟻の巣を見つけた。
「蟻の巣!?
コイツ等、まさかライバル!」
この蟻!まさか私の黒の核晶を狙って!?
直ぐに蟻の掃討戦に入った。
蟻の巣に攻め込んで、巣を制圧する。気分はプチ迷宮探索だ。
だけどそれは杞憂だった。
巣は黒の核晶には遠く及ばない。
オリくんが【地下深く】に、と言っていたのは伊達では無いらしい。
これが黒の核晶の近くまで繋がっていたら楽だったけど、
其処まで上手くは行かない。
横取りされていなかっただけでも、喜ぶべきだ。
「そうだ!
私が蟻の巣から拡張させれば!!」
地上から、一から掘ろうとするから目立つ。
もう有る蟻の巣から、地下から掘り進めれば邪魔は入らないのでは!?
名案な気がして来た。早速掘り進めて見る。
『オリくん、どう?』
『場所は其処で良い。だがもっと地下だ』
うん、実はオリハルコンメタルを通じてパスが繋がっている。
いつでもオリくんと念話が可能だった。
これは海を漂って暇な時に気付いた事だ。おかげで退屈はしなかった。
オリくんの指示に従って、下へ下へと掘り続ける。
一気にシャフトは掘れないから、螺旋状の穴を掘る事になる。
ぐるぐる。ぐるぐる。と、まるで奈落へ通じる穴を自作している気分。
『どうした?』
不意に黙って作業を続ける私を心配してくれたのか、
オリくんが声を掛けて来る。
『奈落の穴』
この穴を掘っているのは自分だ。
だけどこう、下へ下へと掘り進めて行くと。
まるで奈落に通じているんじゃないか?そう錯覚させられる。
エルロー大迷宮の方がずっと深かったのに、どうしてそう思うんだろう?
『黒の核晶が近いのを、肌で感じているのかもしれないな?』
恐怖。なのかな?黒の核晶に対する。
自分の手で、黒の核晶を掘り出す脅え?
『でも、止めない』
黒の核晶は掘り出すと決めた。
私は止めない。絶望の黒を、希望の白い糸に変えて見せる!
†
『そう言えば、噂になっていたぞ?』
『?』
お腹が空いて来たので、一旦上層の蟻の巣に戻る。
其処で保管して置いた蟻の死骸から、MPを奪う。
空腹無効の効果で消費したMPを、MP吸収で補う。
エルロー大迷宮でもやっていた非常食だった。これで急場は凌げる。
『神獣様が居なくなったのは、オウツ国の陰謀だそうだ。
交戦ムードが高まっている。もう開戦するかもしれない』
『戦争!サリエーラで!?』
食事中の雑談で、戦争の話題が出た。
私が魔王にバラされて、海を漂っている内に事態が動いていたらしい。
オウツ国って言うのはサリエーラの隣りの国で、
エルロー大迷宮の出口が有った国だ。
で、其処に有ったオウツ国の砦は私が陥落させている。
オウツ国にしたら、砦を陥落させた私を討伐して置きたい。
その私が!サリエーラで神獣様だと讃えられている。
どうやら其処を、世界宗教の【神言教】に扇動されたらしい。
サリエーラは神言教とは異なる、女神教が盛んな土地だ。
詰りこれは宗教戦争!
それに関しては好きにすれば良いけど、サリエーラには黒の核晶が有る。
『前にも言ったが、
いくら戦争と言っても、黒の核晶の鉱脈は深い。
そう簡単に誘爆はしない筈だ』
『でも、危険』
そうは言っても、黒の核晶の上で戦争何てしない方が良い。
火薬庫が禁煙なのと同じだ。
『なら、どうする?』
と言う訳で私は蟻の巣から出て、戦場へ向かう。
広い平野で、両軍は既に睨み合っていた。
それにしてもオウツ国側の数が、予想よりも多い。
でも良く見れば鎧の種類が違ったり、
掲げられた旗が違っていたりする。察するにこれは連合軍!
確か今回の戦争は宗教絡みだから、同じ宗派の国が集まった?
まぁいくら集まっても、
黒の核晶の上で戦争とか!何も知らないアホとしか思えない。
「終らせる」
どうでも良い口上を聞く必要も無い。
まず扇動者だろう神言教の部隊を潰す事にした。
それはオウツ国の後方に居た。旗が出ているから余裕で解る。
「ヒャダイン」
氷が砕ける音がする。
神言教の部隊が凍てつき砕けた。砕け散ってダイヤモンドダストになる。
黒の核晶の件を考慮して、メラ。ギラ。イオ。デイン系は封印。
使うならヒャドかバギ系。
今回はセオリー通りヒャドを選択。使ったのは、効果範囲重視でヒャダインだ。
突然の出来事に騒然となる連合軍!
「神獣様だ!神獣様が戻られたぞ!!」と、盛り上がるサリエーラ軍。
「煩い」
氷が砕ける音が鳴り響く。
続けてヒャダインを放ってオウツ軍を蹂躙する。
二度とサリエーラの土地に足を運ばないように、
無慈悲に、残酷にオウツ軍を壊滅させる。
他の連合軍も容赦無く潰す。だが殲滅はしない。一割程度は逃がした。
神獣の恐ろしさを、敗戦の報告をさせる為に意図的に逃がした。
この時私は、ハッキリ言ってサリエーラ側を信じていた訳じゃない。
普段は神獣様と讃えていても、私は魔物だ。
魔物が戦場で暴れて、敵対国とは言っても同じ人間を蹂躙する。
サリエーラ側に敵認定される虞は、充分に有る。
だから私は、サリエーラ側からも充分に距離を取っていた。
サリエーラはオリくんの出身国だ。出来れば滅ぼしたくない。
だけどこの対応が良かったのか、サリエーラからの攻撃は無い。
再び沸く神獣様コール!結局は対応を間違ったのかもしれない。
≪個体ザナ・ホロワがアラクネに進化します≫
もう聞き慣れたシステムコールが聞こえる。
黒の核晶に頼る事無く、アラクネの進化条件が揃った!?
進化が始った。
ニョキニョキ、バギバギと。色々生えた。
蜘蛛に人の上半身。人の身体が生えた。
久々に見る人の手。人の髪。
その容姿は若葉姫色。白織と呼ばれていた前世の姿に酷似していた。
だけど白い。そして目だけが紅い。
「これは、アルビノ!?」
水魔法で作った水鏡に、アルビノとなった自分が映っている。
おおおぉぉぉっっっ!!!!!!と。
歓喜に打ち震えるけど、自分が今!裸で有る事に気付く。
「これで、良し」
自身の糸で白い服を編む。
やっている事が、サリエーラの女神教に伝わる神獣様のままだった。
女神の衣を編む蜘蛛の神獣。
今は魔王をやっている某本物の神獣様も、
こうして神獣と呼ばれるようになったのかな?
『終った』
『無事で何より。
それで、続けるのか?』
用件が済んだから、蟻の巣に戻って来た。
黒の核晶に頼る事無くアラクネに進化した。
上半身だけとは言え、念願のアルビノにもなった。
もうオリくんに逢えるのでは?オリくんに逢いたい!
そんな想いが膨らんで行く。だけど、
『続ける』
私の決意は変わらない。
アラクネには、私にはまだ先が有る。
アラクネに進化して、それを悟った。
黒の核晶は手に入れる。手に入れて、私は今よりも先に行く!
†
補足/説明枠。
今回は細々とした事を羅列します。
シャフト
縦穴の事。
蜘蛛の生態に詳しい訳では無いですが、
糸でぶら下がりながら、シャフトも掘れた可能性が!?
螺旋状の方が好きなので、今回はこちらを採用。
ヒャダイン
何気にこれが、白織の異世界初戦闘描写!
白織はゲームのイメージをそのままに、ダイ大魔法を使っている設定です。
オールラウンダーの賢者タイプ!何でも使って来ます。
オリハルコンメタルに護られている事で、
禁忌に因る人間への嫌悪感が和らいでいて、
支配者スキルの精神汚染も治まっています。
何より人間の恋人が居るので、理性的な行動が取り易くなっています。
ダイヤモンドダスト
氷の粒に光りが反射して、輝く現象の事。
サリエーラが白織を攻撃して来なかったのは、
距離を取っていたからでも、神獣様だったからでも無く、
散り際のダイヤモンドダストが、余りに美しかったから。
ダイヤモンドダストの美しさに目を奪われて、
これが無慈悲な虐殺である事を、ガチで忘れています。
アラクネ
原作では、連合とサリエーラの両軍を壊滅させて進化しています。
足りない気もしますが、蟻で補填したと思って下さい。
特に描写は有りませんでしたが、
ユリウスやロナントは、早々に撤退した設定。
距離が有ったので、ロナントは白織の姿を確認出来ませんでした。
↑ロナントに裸は見られていません。セーフです☆
少し迷いましたが折角なので、
白織にダイ大魔法を使わせる事にしました。
次回はセーブポイントの出来事。
白織さん入浴タイムです☆