双子(疑惑)ですが、なにか?   作:LW

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女神教の神獣様と言うのは、
今回のサブタイのような謳い文句で語られているのでは?
と思って決めました。

今回は戦争イベントです。


13 白き糸を織る者

「侮ったなマザー!

 これが私と、オリくんの愛の力!!」

 

うん、ちょっと言ってて自分でも恥ずかしくなった。

でも今回の勝利は、大概オリくんのおかげだと思う。

 

バカンスで海に来ていた処を、突然の魔王襲来!

四肢を引き裂かれる致命の攻撃だったけど、

ザナ・ホロワの不死スキルで何とか生存!

そのまま海を漂いながら経験値を稼いで、LVUP回復で一気に復活!

 

直ぐに殺人人形(キリングドール)っぽいパペットタラテクトや、

アークの群に襲われたけど、コイツ等は敵じゃ無かった。

蜘蛛の主武装である糸の行動阻害や拘束が、今の私には効かない。

 

行動阻害や拘束は状態異常だからだ。

オリくんの転生特典。

オリハルコンメタルに護られた今の私には、蜘蛛の糸が効かない。

アークがただの的になった。

パペットは刃物を振り回すだけの人形になった。

討伐完了のお知らせである。

 

更に勢いに乗って、マザーの討伐も成功させた。

魔王の不在を上手く突けた。

並列意思の弱体化作戦が上手く行った。

他にも勝てる要素は有っただろう。結果マザーは陥落。

これで大きな障害が一つ消えた。

 

「戻ろう、ケレン領に」

 

これで更に、神獣様ブームが治まってくれていると助かる。

其処で当初の採掘ポイントへ向かう途中で、私は蟻の巣を見つけた。

 

「蟻の巣!?

 コイツ等、まさかライバル!」

 

この蟻!まさか私の黒の核晶を狙って!?

直ぐに蟻の掃討戦に入った。

蟻の巣に攻め込んで、巣を制圧する。気分はプチ迷宮探索だ。

 

だけどそれは杞憂だった。

巣は黒の核晶には遠く及ばない。

オリくんが【地下深く】に、と言っていたのは伊達では無いらしい。

これが黒の核晶の近くまで繋がっていたら楽だったけど、

其処まで上手くは行かない。

横取りされていなかっただけでも、喜ぶべきだ。

 

「そうだ!

 私が蟻の巣から拡張させれば!!」

 

地上から、一から掘ろうとするから目立つ。

もう有る蟻の巣から、地下から掘り進めれば邪魔は入らないのでは!?

名案な気がして来た。早速掘り進めて見る。

 

『オリくん、どう?』

 

『場所は其処で良い。だがもっと地下だ』

 

うん、実はオリハルコンメタルを通じてパスが繋がっている。

いつでもオリくんと念話が可能だった。

これは海を漂って暇な時に気付いた事だ。おかげで退屈はしなかった。

 

オリくんの指示に従って、下へ下へと掘り続ける。

一気にシャフトは掘れないから、螺旋状の穴を掘る事になる。

ぐるぐる。ぐるぐる。と、まるで奈落へ通じる穴を自作している気分。

 

『どうした?』

 

不意に黙って作業を続ける私を心配してくれたのか、

オリくんが声を掛けて来る。

 

『奈落の穴』

 

この穴を掘っているのは自分だ。

だけどこう、下へ下へと掘り進めて行くと。

まるで奈落に通じているんじゃないか?そう錯覚させられる。

エルロー大迷宮の方がずっと深かったのに、どうしてそう思うんだろう?

 

『黒の核晶が近いのを、肌で感じているのかもしれないな?』

 

恐怖。なのかな?黒の核晶に対する。

自分の手で、黒の核晶を掘り出す脅え?

 

『でも、止めない』

 

黒の核晶は掘り出すと決めた。

私は止めない。絶望の黒を、希望の白い糸に変えて見せる!

 

 

『そう言えば、噂になっていたぞ?』

 

『?』

 

お腹が空いて来たので、一旦上層の蟻の巣に戻る。

其処で保管して置いた蟻の死骸から、MPを奪う。

空腹無効の効果で消費したMPを、MP吸収で補う。

エルロー大迷宮でもやっていた非常食だった。これで急場は凌げる。

 

『神獣様が居なくなったのは、オウツ国の陰謀だそうだ。

 交戦ムードが高まっている。もう開戦するかもしれない』

 

『戦争!サリエーラで!?』

 

食事中の雑談で、戦争の話題が出た。

私が魔王にバラされて、海を漂っている内に事態が動いていたらしい。

 

オウツ国って言うのはサリエーラの隣りの国で、

エルロー大迷宮の出口が有った国だ。

で、其処に有ったオウツ国の砦は私が陥落させている。

 

オウツ国にしたら、砦を陥落させた私を討伐して置きたい。

その私が!サリエーラで神獣様だと讃えられている。

 

どうやら其処を、世界宗教の【神言教】に扇動されたらしい。

サリエーラは神言教とは異なる、女神教が盛んな土地だ。

詰りこれは宗教戦争!

それに関しては好きにすれば良いけど、サリエーラには黒の核晶が有る。

 

『前にも言ったが、

 いくら戦争と言っても、黒の核晶の鉱脈は深い。

 そう簡単に誘爆はしない筈だ』

 

『でも、危険』

 

そうは言っても、黒の核晶の上で戦争何てしない方が良い。

火薬庫が禁煙なのと同じだ。

 

『なら、どうする?』

 

と言う訳で私は蟻の巣から出て、戦場へ向かう。

広い平野で、両軍は既に睨み合っていた。

 

それにしてもオウツ国側の数が、予想よりも多い。

でも良く見れば鎧の種類が違ったり、

掲げられた旗が違っていたりする。察するにこれは連合軍!

 

確か今回の戦争は宗教絡みだから、同じ宗派の国が集まった?

まぁいくら集まっても、

黒の核晶の上で戦争とか!何も知らないアホとしか思えない。

 

「終らせる」

 

どうでも良い口上を聞く必要も無い。

まず扇動者だろう神言教の部隊を潰す事にした。

それはオウツ国の後方に居た。旗が出ているから余裕で解る。

 

「ヒャダイン」

 

氷が砕ける音がする。

神言教の部隊が凍てつき砕けた。砕け散ってダイヤモンドダストになる。

 

黒の核晶の件を考慮して、メラ。ギラ。イオ。デイン系は封印。

使うならヒャドかバギ系。

今回はセオリー通りヒャドを選択。使ったのは、効果範囲重視でヒャダインだ。

 

突然の出来事に騒然となる連合軍!

「神獣様だ!神獣様が戻られたぞ!!」と、盛り上がるサリエーラ軍。

 

「煩い」

 

氷が砕ける音が鳴り響く。

続けてヒャダインを放ってオウツ軍を蹂躙する。

 

二度とサリエーラの土地に足を運ばないように、

無慈悲に、残酷にオウツ軍を壊滅させる。

他の連合軍も容赦無く潰す。だが殲滅はしない。一割程度は逃がした。

神獣の恐ろしさを、敗戦の報告をさせる為に意図的に逃がした。

 

この時私は、ハッキリ言ってサリエーラ側を信じていた訳じゃない。

普段は神獣様と讃えていても、私は魔物だ。

魔物が戦場で暴れて、敵対国とは言っても同じ人間を蹂躙する。

サリエーラ側に敵認定される虞は、充分に有る。

 

だから私は、サリエーラ側からも充分に距離を取っていた。

サリエーラはオリくんの出身国だ。出来れば滅ぼしたくない。

 

だけどこの対応が良かったのか、サリエーラからの攻撃は無い。

再び沸く神獣様コール!結局は対応を間違ったのかもしれない。

 

≪個体ザナ・ホロワがアラクネに進化します≫

 

もう聞き慣れたシステムコールが聞こえる。

黒の核晶に頼る事無く、アラクネの進化条件が揃った!?

 

進化が始った。

ニョキニョキ、バギバギと。色々生えた。

 

蜘蛛に人の上半身。人の身体が生えた。

久々に見る人の手。人の髪。

その容姿は若葉姫色。白織と呼ばれていた前世の姿に酷似していた。

だけど白い。そして目だけが紅い。

 

「これは、アルビノ!?」

 

水魔法で作った水鏡に、アルビノとなった自分が映っている。

おおおぉぉぉっっっ!!!!!!と。

歓喜に打ち震えるけど、自分が今!裸で有る事に気付く。

 

「これで、良し」

 

自身の糸で白い服を編む。

やっている事が、サリエーラの女神教に伝わる神獣様のままだった。

女神の衣を編む蜘蛛の神獣。

今は魔王をやっている某本物の神獣様も、

こうして神獣と呼ばれるようになったのかな?

 

『終った』

 

『無事で何より。

 それで、続けるのか?』

 

用件が済んだから、蟻の巣に戻って来た。

黒の核晶に頼る事無くアラクネに進化した。

上半身だけとは言え、念願のアルビノにもなった。

もうオリくんに逢えるのでは?オリくんに逢いたい!

そんな想いが膨らんで行く。だけど、

 

『続ける』

 

私の決意は変わらない。

アラクネには、私にはまだ先が有る。

アラクネに進化して、それを悟った。

黒の核晶は手に入れる。手に入れて、私は今よりも先に行く!

 

 

補足/説明枠。

今回は細々とした事を羅列します。

 

シャフト

縦穴の事。

蜘蛛の生態に詳しい訳では無いですが、

糸でぶら下がりながら、シャフトも掘れた可能性が!?

螺旋状の方が好きなので、今回はこちらを採用。

 

ヒャダイン

何気にこれが、白織の異世界初戦闘描写!

白織はゲームのイメージをそのままに、ダイ大魔法を使っている設定です。

オールラウンダーの賢者タイプ!何でも使って来ます。

 

オリハルコンメタルに護られている事で、

禁忌に因る人間への嫌悪感が和らいでいて、

支配者スキルの精神汚染も治まっています。

何より人間の恋人が居るので、理性的な行動が取り易くなっています。

 

ダイヤモンドダスト

氷の粒に光りが反射して、輝く現象の事。

サリエーラが白織を攻撃して来なかったのは、

距離を取っていたからでも、神獣様だったからでも無く、

散り際のダイヤモンドダストが、余りに美しかったから。

ダイヤモンドダストの美しさに目を奪われて、

これが無慈悲な虐殺である事を、ガチで忘れています。

 

アラクネ

原作では、連合とサリエーラの両軍を壊滅させて進化しています。

足りない気もしますが、蟻で補填したと思って下さい。

 

特に描写は有りませんでしたが、

ユリウスやロナントは、早々に撤退した設定。

距離が有ったので、ロナントは白織の姿を確認出来ませんでした。

↑ロナントに裸は見られていません。セーフです☆




少し迷いましたが折角なので、
白織にダイ大魔法を使わせる事にしました。

次回はセーブポイントの出来事。
白織さん入浴タイムです☆
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