双子(疑惑)ですが、なにか?   作:LW

14 / 33
穴を掘り続けて、
汗を搔いたり汚れたりで大変な時期です。

と言う訳で、今回は入浴タイム☆


14 白い肌に溶けるような白

「~♪」

 

良い湯加減だった。

異世界初の試みだったけど、上手く行った。

 

アラクネに進化した。

上半身だけとは言え、人の姿を取り戻した。

真っ白なアルビノになったけど、

人の手、人の髪が有って、何より懐かしい自分の顔が有る。

何だか人間に戻った気がして来る。

 

でも取り戻したのは、身体だけじゃ無かった。

それは心であり、常識であり、習慣だった。

私はお風呂に入りたくなっていた。

 

汗を流したい。と言うのも有ったけど、

肌の手入れが、髪の手入れがしたくなった。

端的に言うなら、綺麗になりたくなった。

 

衛生的な問題も有ったと思う。

でも【綺麗になりたい】と言う女の欲求を、私は取り戻していた。

 

「温泉、は無理?」

 

今日の採掘を終えて、上層の蟻の巣に戻った。

其処にいつものハンモッグ風の、蜘蛛の巣の寝床が有る。

 

だけど今日は!寝る前に入浴がしたい。

お風呂に入りたい。だけど当然ながら、蟻の巣にそんな物は無い。

 

穴を掘っているから、温泉も掘れる?

オリくんに頼めば、案外温泉も掘れるかもしれない。

オリくんのレアセンサーは頼りになる。

温泉もあっさり見つかるかもしれない。

 

因みに温泉は、基本的に何処でも掘れるらしい。

約1000m位掘れば、何処でも湧く!と聞いた事が有る。

異世界でも、これは適用される常識かな?

1000m。1000mか~。お風呂の為に、更に1000m!

 

「内風呂を作ろう」

 

黒の核晶の採掘と言う一大イベントの最中に、流石に無理だと判断した。

それに私は!今直ぐお風呂に入りたい。温泉を今用意するのは無理だ。

 

なら内風呂!

要するにバスタブとお湯が有れば、内風呂の完成!お風呂に入れる。

 

まず土魔法でバスタブを作る。

下半身の蜘蛛の部分が全て湯船に入るから、

それなりの広さと深さが要る。

 

「息は、どうだろう?」

 

それこそ温泉Lvのバスタブを作って、

水魔法で水を注いで、火魔法で温度調整!

そろそろ行けるかな~と言う処で気付く。

 

上半身の肩までお湯に浸かると、下半身の蜘蛛の頭が水没する。

でも上半身にも頭が有って口が有る。当然呼吸が出来る。

 

「試すしか、無い」

 

手製の白い服を脱いで、手製のバスタブに入る。

上半身の肩までお湯に浸かる。温度は丁度良かった。良い湯だった。

 

「うん、大丈夫」

 

下半身の蜘蛛の頭は水没している。でも苦しくは無い。

人と同じように上半身で呼吸している。

一応お湯を飲み込まないように、口を閉じているだけだ。

 

「~♪」

 

でも身体を洗う手段が、お湯を浴びるしか無い。

禊か行水を、お湯でやっている気分になる。

 

「石鹸。シャンプー。リンス」

 

此処まで来ると、次に洗顔系のアイテムが欲しくなる。

日本に居た頃、石鹸を自作した経験なら有る。

材料は確か、

【苛性ソーダ】とか【グリセリンソープ】とか【石鹸素地】だった気がする。

どれも薬局で売っているような素材で、

異世界で天然素材から用意出来る気がしない。

 

「むぅ」

 

異世界でも、街に行けば洗顔系のアイテムが売ってるかな?

街に行ったら欲しい物。私は自分の身体を見下ろした。

 

「女の身体」

 

改めて自分が女だと認識する。

蜘蛛をやっていると、普段は性別が気になら無かった。

でもアラクネに進化して、

人の上半身が生えて来ると、自分が女だと言う事を強く意識させられる。

 

「下着も、売ってるかな?」

 

洗顔系アイテムも欲しいけど、下着も欲しい処だった。

蜘蛛の糸でサラシは作れた。

ショーツはまだ要らない。腰から下が蜘蛛だからだ。

だけどブラジャーは難しい。上手くフィットする感じのヤツが作れない。

 

『オリくん』

 

『白織か、どうした?』

 

私は久々の湯船に浸かって気持ち良くなって、

色々と気が抜けていたんだと思う。

もう夜で結構遅い時間だったと思うけど、オリくんに念話を繋げていた。

 

『下着、売ってる?』

 

『………………』

 

あ、と気付いた時にはもう遅かった。

相手が恋人でも、これは無い。恋人相手だから無い!とも言う。

久々にやらかしたああぁぁっっっ!!!!!!

 

 

『結論から言うと、異世界にも女性下着は存在する』

 

色々と沈黙が続いたけど、オリくんは真面目な話だと理解してくれた。

アラクネに進化して、

上半身だけだけど人の姿を取り戻した事も喜んでくれた。

序に入浴中なのも、口を滑らせてしまったけど!

 

『街に入れなくても、手段は有る』

 

オリくんの下着入手大作戦の概要はこうだった。

まずオリくんがメイドさんに指示を出して、下着を買いに行かせる。

↑この買い物に関しては、催眠のスキルで指示を出せるらしい。

そして入手した下着を人気の無い場所に隠す。

それを後から私が回収!と言う流れだった。

流石はオリくん!頼りになる☆

 

『但しメイドに指示を出す事になるから、

 下着のサイズを暴露して貰う事になる』

 

『!?』

 

そうだよね~?

指示を出すのはオリくんだもん!それはサイズもバレるよ!!

でもサイズはフィットしないと意味が無いし、

此処まで蜘蛛の糸が届いているのに、自分で手を離すのは!

 

再度自分の身体を見下ろす。

そもそも的確なサイズを測る手段が無い。経験則から来る目測が頼りだ。

恐らくだけど、転生前のサイズと同じ!と言う事で良いと思う。

 

『………』(小声)

 

『解った。用意させよう。

 すまないな、白織』

 

うぅ、そう言う処で誠意を見せないで欲しい。

別の話題!別の話題!

 

『どうして、知ってるの?』

 

でも訊きたかったのは、やっぱり下着ネタだった。

どうして男のオリくんが、異世界の下着事情を知ってるの!?

 

『赤ん坊でも風呂には入る。

 一応貴族転生だから、メイドが洗ってくれる。

 その時のメイドが、下着姿だった』

 

『メイドさんの御世話!』

 

『赤ん坊の身だ。一人で風呂には入れない』

 

解る。解るけどさぁ?微妙な気分になる。

オリくんが毎晩!メイドさんとお風呂に!!

 

『想像、した?』

 

『それを、訊くか?』

 

また別の話題。

色々悔しかったから、切り込んで見る。

湯船に浸かる自分の身体に触れる。

念話で、身体の感覚が伝わる事は無い。

 

『したな?

 この状況で、白織の身体を想像しない方が可笑しい』

 

『!!!!!!』

 

ハッキリバッサリ白状するオリくん!

恥ずかしくなるのは、私の方だった。顎までお湯に浸かる。

 

『オリくん、大胆』

 

『大胆なのは、白織だろう?』

 

デスヨネ~☆

今夜の私は、少し大胆だったかもしれない。

 

『そろそろ、上がる』

 

『あぁ、お休み白織』

 

オリくんとの念話を切断する。

また色々やらかしたけど、汗は流せた。下着入手の目途も立った。

今夜は、特にぐっすり眠れそうだった。

 

 

『オリくん。この下着って』

 

翌日。下着を無事回収出来た。

サイズも問題無かった。下着を身に着ける感覚が、何だか懐かしい。

それは良かったんだけど、

 

『何か問題が有ったか?

 一応貴族御用達の店の下着だ。品質的にそれ以上の物は難しい。

 後は本当にオーダーメイドになる』

 

品質に関しては問題無い。

異世界で、この品質は予想外に高品質だと思う。

 

『ショーツも、有る』

 

『メイドがセットの物を買ったらしい。

 話は聴いていたが、そのまま入れて置いた』

 

下着の入った紙袋には、ショーツも入っていた。

下半身が蜘蛛だから、これはまだ穿けない。

それだけなら問題は無かった。だけど!

 

『黒い、下着』

 

紙袋にはいくつかの下着が入っていて、

その中に黒い下着が有った。真っ黒だった。

 

『白い肌に黒い下着も【アリ】かと思って入れた。

 無理なら止めて置け。

 白い清楚系のヤツも有った筈だ』

 

うん、確かに白い清楚系も有る。

色々と気遣って、バリエーションを用意してくれたんだと思う。

思うけど!こんな処まで気を使わなくも!!

 

『黒いのが、好きなの?』

 

一言ハッキリ文句を言おうとして、

でも私の口から出たのは、そんな言葉だった。

 

『………………』

 

『オリくん?』

 

返事が無い。

念話が切断された訳では無いと思うけど?

 

『黒も映えはするだろう。だがやはり白だ。

 白い肌に溶けるような白!これは外せない』

 

『白にする』

 

当初の予定通り、白で行く事にする。

そしてその後何日も、採掘作業を続けた。

オリくんの指示に従って、掘って掘って掘り続けた。

 

「空洞?」

 

そして、遂に掘り当てた。

其処は空洞になっていて、通路が先に続いて居る。

ゲームで言うなら?セーブポイントが有りそうな場所だった。

 

「核シェルター!?」

 

更に通路を進むと、

原子力発電所に有りそうな、重厚な金属扉が鎮座していた。

 

 

補足/説明枠。

今回の補足は、本当に些細な点です。

 

ショーツ

ショートパンツの事。下履き。

原作で白織は、下履きの事を【パンツ】と言っています。

しかし本作ではショーツ!

個人的にショーツと言った方が、女子力が高く聞こえます。

 

メイド

折原の世話役のメイドさん。

ナーサリィと思わせて、万能型の雑用メイド。

原作で言う処の、シュレインのアナポジ。予想外の出番増。

私にとって、有能メイドと言えばToHeartのセリオです。

 

セリオは、私の最推しヒロイン!

サブキャラで使いたくないなぁ~と言う心境。立ち絵未定。

 

因みにナーサリィと言うのは、

メイドの数有る専門職の一つで、子守専門のメイドの事。

雑用メイドは文字通り、幅広く何でも担当するメイドの事。

↑では下っ端っぽく聞こえますが、

何でも担当する為、幅広い能力と見識が必要なメイドの上級職☆




白織を風呂に入れてあげよう!
と思っている内に、一話分終りました。
これはサービスシーンではアリマセン!入浴シーンです☆

次回は、遂に始る黒の核晶奪取戦!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。