双子(疑惑)ですが、なにか?   作:LW

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遂に掘り当てました。
今回は黒の核晶奪取前哨戦です。


15 私の愉しみを奪う心算ですか?

『これが、例のブツだ』

 

『助かるわ、これさえ有れば!』

 

サリエーラは戦勝ムードに湧いていた。

或いは神獣様帰還祭り!と言うべきか?

 

サリエーラは隣国のオウツを含む、連合軍と戦争状態に突入した。

オウツ一国ならまだしも、連合軍の規模は絶大だった。

これは負けたかな?と。赤ん坊の身で敗戦国の貴族か、これはマズイ!

そう思っていたが、此処で白織が介入した。

 

白織が圧倒的な力で、連合軍を蹂躙した。

連合軍は壊走。此処まで壊滅的だと、成人まで時間が稼げたか?

そしてそれを為し得たのは神獣様だ。

神獣様ブームの波が酷い。

今白織が帰って来たら、ストレスで倒れるかもしれない。

それ程までの神獣様ブームが巻き起こっている。

 

『これさえ有れば、鑑定の儀をクリア出来るのね!?』

 

『あぁ、そのペンダントでフェイク情報が出せる』

 

そのお祭り騒ぎを利用して、自分もこうしてソフィアに会いに来ている。

サイサリスからも兵を出して居た。

今は最寄りのケレン領に逗留している形になる。

其処に催眠のスキルで割り込んで、ケレン領の逗留に紛れていた。

赤ん坊の身で、出掛けるのは本当に難しい。

 

人族 LV1 名前 ソフィア・ケレン

 

無理をしてソフィアに会いに来たのは、

用意した対鑑定用フェイク情報媒体。通称【フェイカー】。

この紅いペンダントを渡す為だ。

 

ソフィアは何故か、吸血鬼として転生した。

両親は普通に人族で、身近に吸血鬼が居ない環境でだ。

 

人族の中では、吸血鬼は討伐対象だ。

バレれば即座に処刑!

そして貴族には鑑定の儀。と言うイベントが有って、

此処で一斉に調べられてしまう。

本来なら子供の成長を祝うイベントだが、

吸血鬼のソフィアにとって、破滅フラグの死亡イベントと化していた。

 

だが世の中蛇の道は蛇!やはり鑑定を誤魔化す手段は存在した。

鑑定は便利過ぎた。本当に色々とバレ過ぎる。

だから犯罪者やら裏社会ではどうしているのか?と思ったら案の定だ。

フェイク情報を流す技術が見つかった。

これで犯罪者や裏社会の者は、個人情報を護っているらしい。

 

またこの技術は、貴族が身分を隠す際にも利用されていた。

貴族ルートが使えるなら、後は簡単だった。

 

『鑑定の儀は、これでクリア出来るだろう。

 【吸血衝動】の方はどうだ?』

 

『急に血が飲みたくならないか?って事よね?

 今の処、その気配は無いわ』

 

鑑定からの正体看破に続いて、次の吸血鬼のデメリットは吸血衝動だ。

文字通り血が飲みたくなる。

これが深刻化すると、更に血しか飲めなくなるらしい。

 

『なら良い。

 だがソフィア、どうする心算だ?』

 

『どうって?』

 

『ソフィアが吸血鬼として転生したのは、もうどうしようも無い。

 これから一生、正体を隠して人として生きるのか?

 吸血鬼として魔族領で生きるのもアリだろう』

 

初代魔王は吸血鬼だったらしい。

人族の中では討伐対象の吸血鬼も、魔族領でなら隠す必要も無い筈。

ケレン領を出て、魔族領に行った方がソフィアの為かもしれない。

道は一つでは無い。と言う事だ。

 

『急に、そんな事言われても!?』

 

『まぁ今回のペンダントで、多少の時間は稼いだ筈だ。

 良く考えた方が良い』

 

『………………』

 

ソフィアは沈黙する。

やはり其処まで考えていなかったか、と言うのが本音だろう。

 

『ねぇⅡ。

 まだ、時間は有るかしら?』

 

だが暫くして、

顔を上げたソフィアは、決意に彩られているように見えた。

 

 

「魔術妨害の、結界!?」

 

核シェルターの扉のような物の辺りから、魔法の効きが悪くなった。

私はこれを、魔術妨害の結界だと当たりを付ける。

 

此処では放射系の魔法が使えない。

その上大幅なステータスダウン。

今まで強くなって来たのは、実は魔法に因る身体強化だからだ。

 

「ありがとう、オリくん!

 愛してるぅっ!!」

 

ステータスはダウンする筈だった。

だけど此処でも、オリくんのオリハルコンメタルに助けられる。

ステータスダウン。

身体強化阻害の状態異常が無効化されて、ステータスが復帰する。

しかもこれが、

オリくんに愛されている証だと思うと、感動モノである。

 

「転移陣!?」

 

感動に浸りながら扉に近づくと、

日本では聞いた事の有るアラートが鳴り出した。

即座に転移陣が展開!護衛の魔物召喚!?

 

「ロボット!?」

 

召喚されて来たのは、どう見てもロボットだった。

ファンタジーでロボット!?

決してゴーレムで片付くフォルムでは無い!ロボットだ!!

 

如何にも守備力が高そうな金属製の人型!

腕は剣やら銃で武装している。

足はこちらと同じ多脚式!それが三体。

 

「って、キラーマシン!?」

 

良く見たらキラーマシンだった。

何か見覚えが有ると思ったよ!

うわぁ、何処かの某邪神様の遊び心を感じる展開である。

前文明の遺産とか、そう言うヤツですか?

それでキラーマシンは無いでしょ!?

あっでも、ボウガンじゃなくて銃で武装してる!やっぱり別物!?

色も黒くて夜間迷彩!実戦的だった。

 

「ッ!!?」

 

展開が遊び心満載でも、キラーマシンの戦闘力は本物だった。

オリくんのおかげでステータスは健在だけど、

魔法禁止の絶賛物理優遇展開中で、向こうはガチガチの金属ロボ!

製作者の性格の悪さが滲み出ている。

 

「でもさぁ、こっちは歴戦のゲーマー何だよねっ!!」

 

確かに魔術妨害の結界は厄介だ。魔法禁止はキツイ。

だけどこんな展開!ゲームでなら何度も体験して来た。

 

魔術妨害の結界?

ならどうやってキラーマシンは動いている?

全部機械仕掛け?どうせMAエネルギー頼りでしょ!?

なら魔術駆動と変わらない!

詰り魔法を使う手段は存在する。それ以前に!

 

「自分だけ楽をしようとか!

 お約束の負けフラグだから!!」

 

先頭のキラーマシンの攻撃を、掻い潜って接近!

零距離でキラーマシンに触れる。

触れた処で、迷う事無く魔法を発動!

 

「ギガデイン」

 

キラーマシンの内部で魔法を発動させる!

案の定!魔術妨害の結界内でも、魔法は発動した。

電撃が、キラーマシンを内部から焼く。

キラーマシンAが崩れ墜ちて沈黙。

 

やっぱり予想通りの展開。

キラーマシンは自分達だけ、魔術妨害の結界内で魔術駆動だった。

詰り内部では魔法の発動が可能!

だから零距離から内部に魔法を使ってやった訳だけど、

 

この展開はゲーム知識だ。

オリくんの推し名作ゲームで、この手の結界が登場した事が有った。

魔術妨害の結界で、最強の魔術師ヒロインが戦闘不能になる。

全身が魔術駆動の義体だったからだ。

 

その後は生身の主人公が戦って、

敵の体内に、零距離で魔術を発動させて倒す!と言う展開が続く。

これは移植版追加シナリオで、

本編ではルート無しの、最強魔術師ヒロインのシナリオも追加されていた。

 

「攻略法が解れば、もうアンタ達はガラクタだから!」

 

他のキラーマシンも同じ要領で対処した。

キラーマシンを召喚した転移陣も制圧。これで増援も無い。

核シェルターの前を制圧した事になる。

 

 

「さて、お楽しみのドロップタイム☆」

 

キラーマシンが使っていた、

魔術妨害結界の中和術式は、既に解析収集した。

次は剥ぎ取りタイムだ。

もう動かないキラーマシンを剥いで、コアを抜き取る。

これにMAエネルギーが蓄積されていた。

 

「見つけた」

 

キラーマシンを召喚した転移陣を逆探査して、格納庫も見つけた。

転移陣から解析して、アラートシステムも切っている。

増援のスクランブルは無い。好き勝手に探索出来た。

 

其処は一気にSFっぽい格納庫で、

キラーマシンが量産機扱いで、ズラリと並んでいる。

動力充填用のMAエネルギー発生装置も見つけた。

発生装置は未だに稼働状態で、MAエネルギーを貯め続けている。

 

「頂きます」

 

貰う物は貰って、装置は破壊した。

MAエネルギーの吸収方法は、既に理解している。

これが最終フラグになる筈だ。

 

≪熟練度が一定に達しました。

 スキル【神性領域拡張LV9】が『神性領域拡張LV10』になりました≫

 

≪条件を満たしました。神化を開始しますか?≫

 

≪YES or NO≫

 

いつものシステムコールが、

愚直な女神の声が神化を告げる。進化では無い。神化だ。

私は慣れた手付きでYESをクリックしようとして、

 

「本命の黒の核晶を手にする前に、条件を達成。

 連れない話です。その前に、少し如何ですか?」

 

「D!?]

 

YESをクリックしようとして、何処からかDの声が聞こえた。

何処からか、じゃない!格納庫のスピーカーからだ。

其処からスマホから聞こえたのと同じ、Dの声が聞こえる。

 

「どう言う心算?

 邪魔をしに来たの!?」

 

「いいえ。少し忠告を。

 神化すればスキルや、システム周りは返還する事になります。

 今までに培った戦闘ノウハウが、一旦零に。

 慣れるまで暫く掛かる事でしょう」

 

「それで?」

 

「これから決戦!となるのを愉しみにしていたのに、オアズケですか?

 私の愉しみを奪う心算ですか?それは無いですよね?」

 

こ、こいつ!自分の愉しみの為に、神化を止めに来たの!?

良く解らないけど、決戦とやらをしろと!?

 

「神化前に、戦えって事!?」

 

「ボス戦前に宝箱を回収する。ゲーマーとして当然の行動。

 ですが!戦う前からエンドロールに入るのは、無しです」

 

「私の目的は神化であって、世界平和じゃないんだけど?」

 

「だからですよ?蜘蛛さん」

 

どうやらDの考えは纏っているらしい。

私はタッチパネルから、手を離す。

ちっくしょ~、これ強制イベントだよっ!!

 

「決戦は、あの核シェルターの中?」

 

「はい。一旦戻ってから進んで下さい」

 

転移陣で核シェルター前まで戻ると、

如何にも強固そうだった、核シェルター風の金属扉が開いた。

何と言うか、地獄門が開くのを見ている気分だ。

それとも絶望の門?あの有名なヤツ!

 

「【汝、全ての希望を捨てよ】とでも言いたいの?

 やってやる!クリアしてやろうじゃないっ!!」

 

 

補足/説明枠。

今回は色々とツッコミ処の補足です。

 

フェイカーのペンダント

対鑑定用フェイク情報媒体。

鑑定を妨害するのでは無く、偽装情報を流すアイテム。

鑑定は情報漏洩が酷いので、情報秘匿の手段は有る!と踏んでの設定。

支配者スキルの下位互換的対処法。

 

ソフィアに渡したペンダントは、最高クラスの一品。

ロナントが、カンスト鑑定でも見破れない位の偽装能力。

詰り人間の実力では、看破不能のLv!通常は対抗判定が入る。

 

因みにソフィアが黒の核晶の話題を出さないのは、

足元に黒の核晶が眠っているのを、思い出したく無いから。

 

キラーマシン(黒)

キラーマシン風の戦闘用ロボット。

色違いは別物!と言うお約束の仕様を守っている。

Dが造った物では無く、

キラーマシンに似ていたので、面白そうなので拾った物。

 

格納庫は今回の核シェルターとは別の場所に有り、

転移陣で繋がっているだけ。

 

最強魔術師ヒロイン

折原指定の名作ゲームの推しヒロイン。特徴を羅列すると、

1/登場ヒロイン中最強。魔術師。

2/全身義体。

3/本編でED無し。

  移植版で追加シナリオ有。アフター版でもシナリオ追加有。

4/移植版追加シナリオで、魔術妨害の結界に囚われる。

 

となり、更にヒントを加えると↓

これでこのヒロインを知っている方なら、解ると思います。

5/名前が白織に似ている。

6/歩く禁書庫系キャラ。

7/見た目がアルビノ系。




埋めるだけでは警備が手薄かな?
と思って格納庫も出しました。居たのは↑でしたが☆

次回は遂に黒の核晶と対面!ボスラッシュです。
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