双子(疑惑)ですが、なにか?   作:LW

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今回はランチタイムで、ガールズトーク回です。


23 ガールズランチパーティ!

「ねぇお昼。一緒にしない?」

 

「!?」

 

えっと、今度は何?この展開!

退屈な講義も前半戦が終了してお昼休み。

今度こそ三人で食堂まで来たら、

休憩時間にデコピンでフッ飛ばした翼っ子に、早々と再会した。

で、何故か昼食に誘われる。怪我はもう良いらしい。元気そのものである。

 

「【これで許してあげる】って言ってたから、

 お昼に誘っても良いかなって、ダメだったかな?」

 

うわっ凄いコミュ力!そして凄い根性!

眩しいっこの前向きさが、元ヒキコモリ系ゲーマーには眩しいっ!!

 

「あら、なら女同士でランチタイムと洒落込もうじゃない?」

 

「ソフィア!」

 

其処へ颯爽とフォローに入ってくれるソフィア。

おぉっソフィア、いつからそんなカッコイイヤツになったの!?

 

「え~っと、貴方は?」

 

「名前を訊く前に、まずは自分が名乗りなさい。

 でも良いわ、ソフィア・ケレンよ」

 

「そうだった。

 まだ名乗って無かったか、私はフェイ」

 

「龍。

 A君がマスター」

 

翼を隠していても解る。この子は龍だ。

アラバとも死闘を演じた私が、間違う筈も無い。

A君とのパスも探知出来る。

 

「A君?

 あぁシュンの事」

 

「S君」

 

「いや、名前で呼ぼうよ!!」

 

翼っ子改めて、

フェイと一緒の男子生徒を指定すると、名前を教えてくれる。

だけどどうしてだろう?名前を呼ぶ気になれない。

 

「まぁいいわ、じゃあ三人で」

 

「ソフィア」

 

「此処は私に任せて」

 

と言う訳で私とソフィア、フェイの三人で昼食を取る事になる。

オリくんはフェイの取り巻きの、S君と赤毛美人のテーブルの方へ行く。

うぅオリくんとまったり昼食を取る予定が!

 

「………」オロオロ

 

「ごめんなさい。婚約者さんと一緒の予定だった?」

 

「白織はⅡにべったりだから、気にする事はないわ」

 

「最初に確認して置くけど、もしかして貴方も?」

 

「私はソフィア・ケレン。それだけよ」

 

「うわっこの子絶対転生者だよ!

 って誰だか教えてくれないの?」

 

「言う必要が無いわね」

 

ソフィアは今の自分が好きだから、前世の事は余り語りたがらない。

でもフェイは、知りたいらしい。

 

「なら、私が知ってる転生者情報とトレードでどう?」

 

「連れの冴えないのが山田君で、

 赤毛の美人が大島君でしょう?鑑定で解るわ」

 

おぉっ今日のソフィアは冴えてる!何が有ったの!?

って、あの赤毛美人。大島君だったの?えっTS転生!?

 

「其処までして隠したいの、なら訊くけど。

 結局貴方は【若葉姫色】なのよね?」

 

「白織・サイネリア」

 

今度は私に話し掛けて来る。

頷いた。仕方無いから頷いた。序に正しい名前も伝える。

 

「って事は噂の婚約者は折原でOK?」

 

「………」コクコク

 

「うわっ照れた顔が可愛い☆

 これは男子がイチコロで堕ちるわ」

 

「もうとっくに、お持ち帰りされてるわ」

 

「マジで!?」「マジよ」

 

「ソフィアも、お持ち帰りされてる」

 

ソフィアだけ安全圏なのもアレなので、真実を暴露。

ソフィアの余裕顔が崩れる。

 

「ちょっとぉぉっっ!!!」

 

「事実」

 

「全然っ面影とか無いけど、確信したわ。

 貴方は根岸さん!?」

 

「勘の良い駄竜は滅べば良いのに」

 

 

「ごめん、ごめんってば。

 これからはソフィアって呼ぶから」

 

「私は生まれ変わったのに、私は生まれ変わったのに」ブツブツ

 

うわっ何かソフィアが呪詛を吐いてる!?

もう久しぶりな光景のような気がする。

私の知っているソフィアは、今のソフィアの方が長いから。

 

「そっとして置く」

 

「そう?って言うか、

 目、見えないの?」

 

「魔法で補助してる」

 

今度は目の事を訊いて来る。

それに答える事無く結果だけを伝える。嘘は吐いて無いけど、と言うヤツだ。

 

「マジで!?何本に見える?」

 

「V」

 

指を二本立てるから、こちらもVサインを作る。

その後も指の数を当て続けた。

これは透視系で無くても、聴覚強化や魔力探知でも解る。

 

「うわっ本当に解るんだ!?

 アレ、でもそれなら仲良さそうに手を繋ぐ必要は?」

 

「婚約者だから」

 

オリくんの手の感触を思い出しながら、

食堂に来るまでは繋いでいた、自身の手を包むように抱く。

 

「もう何て言うのかな?

 仕草の一つ一つが恋する乙女だわ」

 

そう?それは自分では良く解らない。

でもフェイは、頻りにうんうん言ってる。

 

「日本に居た頃は碌に話す機会も無かったけど、

 私の知っている若葉姫色とは、まるで別人。恋は人を変えるってヤツ?」

 

「………」

 

それはフェイの直感の方が正しい。

だけど答える心算は無い。面倒だし、

私のアイデンティティの問題になる。自己否定に走る気は無い。

 

「それで、どうして好きになったの?

 婚約まで決意した動機は!?」

 

うん、これは噂に聞く恋バナと言うヤツらしい。

好きになった理由?

一緒に過ごしている内にいつの間にか、と言うありふれた答えでしか無い。

婚約まで決意した動機?それなら、

 

「子供、産まなくても良いって言ってくれた」

 

「えっそれが惚気ポイントなの!?」

 

不思議そうな顔をするフェイ。

そっか、フェイは禁忌のカンスト情報を知らないんだ。

でもアレは長くて面倒だし、此処で話すような内容じゃない。

だけど黙っていたら私は子供嫌いか、

子供を産めない可愛そうな人扱いされそう。

 

「安心しなさい。

 Ⅱが子供を欲しがったら、私が産むわ」

 

「ソフィア!」

 

其処へ精神復帰を果たしたソフィアが、フォローに入ってくれる。

だけどさぁ、それってガチ解答ですよね!?

 

「ふおぉぉぉっっっ!!!!!!

 NTR?リアルNTR宣言なの!?」

 

「何がNTRよ!私もⅡの婚約者だから。

 正当な権利だから、NTRとかじゃないから!」

 

「あぁそっかぁ貴族だから、

 お嫁さんも二人貰えるんだ?」

 

そう!私が黒騎士と死闘を演じている内に、

ソフィアはしっかり告白していた。

まぁソフィアにも助けて貰ったし、それに関してどうこう言わないけど!

 

「言って置くけど、流石に在学中は無いから」

 

「だよね~流石に在学中は無いよね?」

 

それは本当だと思う。でもソフィアは、

私が構築した避妊魔法を、しっかり修得している。

やる事はやっている。と言う事だ。

 

「と言うか、山田君との関係を暴露しなさい。

 次は貴方の番でしょう?」

 

「えっ私とシュンの事?私は」

 

ソフィアの言う通り、次はフェイの番だった。

予定外のランチタイムはまだ続く。

でも私は余り興味が無いから、そろそろ料理に手を付けたいと思う。

 

 

「それでは失礼致します。お休みなさいませ」

 

「あぁ、お休み。セリオ」

 

今日一日の、登校初日が終り入寮する。

寮の部屋は特に問題の無い一人部屋だった。

事前情報通り、隣りに使用人用の控室も有る。

 

既に食事と入浴を済ませて、事実上の消灯時間。

メイドのセリオは控室に下がる。此処で素直に就寝するか、

まだ起きて何かするかは、各々の判断になるだろう。

 

「オリくん」

 

「余裕で門限処か、消灯破り!」

 

此処は間違い無く男子寮の自室だ。そして消灯時間は過ぎている。

だが白織は、余裕で消灯破りを実行していた。

転移と言う規格外の手段を前に、寮を隔てる壁は意味を成さない。

 

「ダメ、だった?」

 

「いや、来てくれて嬉しい。昼も一緒じゃ無かったからな」

 

ベッドで寛ぐ白織の隣りに座って、食堂で別れた後の事を話す。

白いネグリジェ姿の白織を、視界に捉えながら。

 

「こっちはカティアとシュレインが一緒だった訳だが、

 カティア。大島はすっかりTS転生していた」

 

「………」コクコク

 

カルナティア・セリ・アナバルド。カティアは、

元クラスメイト(男)の転生者で、今はすっかり赤毛美人の公爵令嬢だ。

前世通り山田ことシュレインと仲が良い。

だが食事中の様子を見る限り、それ以上の関係では無いらしい。

 

「カティアには婚約者が、

 それがレングザンドの第二王子何だが」

 

例の主席入学の転生者だ。まだ接点は無い。

まだ接点は無いと言うのに、盛大に愚痴られた。

最近忙しいらしくて、とか。全然会ってくれない!とか。

言っている事が完全に女子である。TS転生は業が深い。

 

「問題はシュレインだ。

 アイツ、鈍感難聴系主人公だったとは!」

 

「………」コクコク

 

ラノベではド定番の実妹だけでは無く、

ハーフエルフのメイドにも好かれているらしい。

 

しかもシュレインは!メイド枠は一人だと言うのに、

召喚少女(フェイ)は召喚少女だからと、別枠で部屋に連れ込んでいる。

知恵を絞って来た。これが(他人がやっている)両手に花!

 

「デルタ?」

 

「シュレインが参戦したら、デルタだ」

 

実妹は好感度が↑↑↑(危険域)。

メイドは一歩下がった感じらしいが、これはデルタ予備軍である。

 

しかし当のシュレインには、頻りに白織(若葉姫色)の事を訊かれた。

シュレインは白織狙いの可能性が有る!

確か平進高校時代も、白織の隣りの席だった。まさかあの頃から!?

有象無象から害虫に↑。良い度胸だシュレイン!!

 

「そっちはどうだった?」

 

「ソフィアが凄かった。

 スーパーソフィア」

 

ソフィアが色々とフォローしてくれたらしい。スーパーソフィアか、

高校デビュー的な、異世界学園デビューでも狙っていたのか?

 

「オリくん」

 

「準備は、して来ただろう?」

 

ふと会話が途切れて、そのまま白織を押し倒す。

こんな時白織は、いつも抵抗しない。

 

「………」コクコク

 

白織は何もかも、何処までも白い。

今夜はふと、そう思った。




因みに今回、スーは同行していません。
転生者的に話しを訊きたかったシュレインが、置き去りにしています。

次回はカティア過去回。
学園に来る前の、お見合いカティアです。
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