双子(疑惑)ですが、なにか?   作:LW

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前半が学園の講義で、
後半から過去のケレン領イベントになります。
サイボーグポティマス戦です。


25 ソフィアは渡さない

「今日から実技の講義な訳だが」

 

学園が始ってから一週間が経過した。

復習の座学が終り、今日から実技の講義が始る。

と言っても、やはり転生者にとってはヌルゲーでしか無い。

動かない的に魔法で射撃とか!話にならない。

 

詰り問題は、どれだけ上手く手加減出来るか?と言う事になる。

無駄に俺スゲェ!をやる必要は無い。

 

「ソフィア、自信の程は?」

 

「ふふふふふ、大丈夫よ。問題無いわ」

 

同じグループのソフィアが、昏い笑みを浮かべていた。

これから呪殺でも始めそうな勢いである。

あぁそうだった。ソフィアは、一時期白織の強化キャンプに参加していたな?

護身用とかで強制的に!ケレン領でイベントが有った後の話だ。

実技(実戦)と言う事で、

当時のトラウマを自分で掘り返しているのかもしれない。

 

「白織は」

 

「?」

 

白織は平然としている。

だがその顔は、手加減?ナニソレ美味しいの!?と言う顔だ。

 

「白織は、やり過ぎるなよ?」

 

「………」コクコク

 

解っているかどうか怪しかった。

入学初日でも、フェイをデコピンでノックダウンさせている。

 

「おはよう!今日の調子はどう?」

 

「………」↑(指を立てている)

 

「貴方に心配される事じゃないわ」

 

見事なワンパンノックダウンを演じたフェイが、懲りずに関わって来る。

しかも白織とソフィアを相手に、上手く付き合いを成立させていた。

 

「流石は主席」

 

「あれが主席Lvか」

 

実技は始り、ヌルゲー射撃を眺める事になる。

やはり真面なのは転生者だけだった。

特に主席入学のレンバートンのLvを把握して、あれ程度で行く事を決める。

 

「凍てつきなさい」

 

手加減魔法でレンバートンと同じくパーフェクトを、

続いてソフィアも、絶妙の力加減でパーフェクトを出し続ける。

 

「どうよ!?」

 

「流石だソフィア」

 

やはりソフィアは制御が上手い。

得意気な顔をしているのが微笑ましい。

だが微笑ましいエピソードは此処までだった。

 

「ヒャド」

 

白織が魔法を放つ。

最下級魔法を使ったのは解る。白織なりに手加減したのも解る。

だが手加減するなら、魔力も手加減するべきだった。

 

「【今のはメラゾーマでは無い。メラだ】」

 

あっやっちまった!と言う顔の白織。

ヒャドで的周辺が、広範囲に凍結している。

終ってからネタに走って誤魔化そうとしたが、

そのネタが解るのは転生者だけだ。

 

「今のはヒャドでしょうがぁぁぁっっっ!!!!!!」

 

そのネタが解る転生者のソフィアから、激しい突っ込みが入る。

今日も白織とソフィアは、仲が良かった。

 

 

『白織。話しが有るの』

 

管理者サミットが終って、

転移が使える私が、ソフィアをケレン領の屋敷まで送る事になった。

赤ん坊のソフィアを揺り籠に寝かせると、念話が繋がる。

 

『私、Ⅱに告白したわ』

 

『………』

 

ソフィアもオリくんの事が好き。

何と無く察しては居た。ソフィアとも長い付き合いだから。

 

『Ⅱの隣りに居る間だけ、私は私で居られた。

 私に興味が無かっただけかもしれないけど、それでも私は救われた。

 日本に居た時から、ずっと好きだった』

 

『………』

 

『でも、告白何てする気は無かった。

 Ⅱはあんなヤツだし、私は自分に自信何て無かったから』

 

『なら、どうして?』

 

『転生して、人並みの容姿を手に入れたわ。

 だから、人並みの幸せも欲しくなった。この気持ちが抑えられなくなった。

 ごめんなさい。私は、Ⅱの事が好き』

 

ソフィアの告白を、ただ静かに聴く。

だけど私は、突如結界が張られた事を認識する。

屋敷全体を覆う封鎖結界だ。

 

「ソフィア!」

 

『ちょっ!?何っっ!!?』

 

揺り籠に寝かしたばかりのソフィアを抱き上げる。

抱き上げて、即離脱。

するとフード姿の侵入者が、窓を破って室内に侵入して来る。

 

「バギ」

 

狭い室内で有る事を考慮してバギを放つ。

先頭の侵入者が吹き飛ばされて壁に激突。フードが捲れる。

 

「エルフ」

 

「ッッ!!!」

 

侵入者はエルフ!

ついさっき管理者サミットでも話題に上がった、世界の害悪のエルフだ。

元々侵入者相手に手加減何てする心算は無かったけど、これで完全に無くなった。

 

「イオラ」

 

ソフィアの部屋を素早く脱出!

そしてソフィアには悪いけど、部屋に向けてイオラを放つ。

 

背後でイオラの爆裂音が響く。

ソフィアの部屋に侵入して来たヤツはあれで良い。

そのままソフィアを抱いてエントランスへ!どうせまだ居る。

 

「ふむ、伯爵家の護衛の者か?

 その赤子は渡して貰おう」

 

拓けたエントランスには、

もうエルフである事を隠す気も無いのか、顔を晒した一人のエルフが居た。

見るからにボスキャラ面である。

 

「メラゾーマッッ!!!」

 

だけどエントランスで待ち伏せが有る事は察していたから、

もう魔法は用意して有る!

メラゾーマの炎が、ボスキャラ面に向けて放たれる。

 

「中々の威力だ。

 もう少し結界の展開が遅ければ、危うい処だった」

 

メラゾーマの炎は、確かにボスキャラ面を灼いた。

だけど灼き尽す前に、新たな結界が重ね掛けされて炎が減衰した。

これは経験済の展開!魔術妨害の結界だ。

 

『ナニアレ?サイボーグなの!?』

 

腕の中で、ソフィアが驚きの声を上げる。

メラゾーマの炎は、ボスキャラ面の皮膚を溶かしていた。

皮膚が溶けてその下から、どう見ても機械の骨格にしか見えない物が見える。

 

「ポティマス」

 

口から自然とその名前が出る。

本人に確認した訳でも、鑑定を使った訳でも無かった。

だけど確信的にそう思った。コイツがポティマス・ハァイフェナス。

私の発言を肯定するかのように、機械の骨格を吊り上がて嗤っていた。

 

 

「どうした。

 片腕では辛いのかな?」

 

サイボーグである事がバレた所為なのか、

掌から堂々とビーム砲のような物を撃ち続ける。

これは決して魔法では無い。

腕に仕込み銃とか、サイコガンか!と言いたくなる。

 

「ソフィアは渡さない」

 

『白織。アナタ』

 

確かにソフィアを抱きながら戦っているから、常に片腕が塞がっている。

大技(極大呪文)を使うには、両腕が居る。

そう言う設定だからそうして来た。そう言う癖が有る。と言う事だった。

 

そしてソフィアを渡す心算は無い。

ソフィアには、もう黒騎士戦で助けられた。

私の為に、危険な支配者スキルを(一時的に)修得させている。

命を助けられた恩は、命で応える。ソフィアは渡さない。

 

「ソフィア、ローラ姫。知ってる?」

 

『ローラ姫?』

 

ローラ姫。

と言うのは、某有名RPGの一作目に登場するお姫様だ。

ゲーム開始時には既に浚われた後で、

ローラ姫の救出が、勇者の目的の一つとなる。

 

そして勇者がローラ姫の救出に成功すると、

ローラ姫を文字通り、お姫様抱っこでラダトーム城まで送り届ける事になる。

 

だけど其処で問題が発生。

勇者はローラ姫を、お姫様抱っこで運んでいる。

詰り両手が塞がっている状態だ。ならどうやって、

ラダトーム城までの道中、モンスターの襲撃を掻い潜ったのか?

 

ルーラかキメラの翼を使った?それは無い前提である。

運良くモンスターが現れなかった?それとも逃げ続けた?

足だけで対処した。と言う説も有る。だけど、

 

『ちょっとおおおぉぉぉっっっ!!!!!!』

 

「なっしまっっ!!!」

 

ソフィアを、エントランスの上空に放り投げる!

勇者もこうやってローラ姫を放り投げて、

その間に襲い掛って来たモンスターを撃退した。と言う四コマ漫画が存在する。

↑勿論ローラ姫は、地面に激突させる事無くキャッチしている。

 

それにターゲットのソフィアを上空に放り投げたから、

サイボーグポティマスが咄嗟に視線を、上空のソフィアに向けてしまう。

戦闘中に、これは明らかな隙である。

 

「ベギラゴンッッ!!!」

 

そして放たれるベギラゴンが、サイボーグポティマスを灼き払った。

サイボーグのボディは全て融解して、運良く頭部だけが残っている。

 

「結界は解析済だった。と言う事か」

 

「二度目だから」

 

残った頭部にライディンを落して止めを刺す。

さっきまでのビーム砲の回避ゲームでは、

放射系魔法を使って対処してい無かった。結界の効果で、

放射系魔法の使用禁止と、ステータスダウンが発生したフリをしていた。

実際にはとっくに、キラーマシンモドキと戦った時に解析済だった。

 

「勤勉の支配者」

 

このサイボーグポティマスが、

自身の魂を憑依させた器の一つでしか無い事も、解っている。

本体との決戦はまたいつか、

オリくんと過ごす平和な未来の為!潰させて貰う。

 

「ソフィア、無事だった」

 

『無事だけど!無事だけどさぁぁっっ!!!』

 

ソフィアも問題無くキャッチした。

でも考えて見たらソフィアは吸血鬼だから、

赤ん坊の身でも、床に激突しても死なない気がして来た。

 

こうしてソフィアの実家で起きた、エルフの襲撃事件は幕を閉じる。

結果ソフィアの自室がすっかり全損したり、

エントランスにちょっと穴が開いたのは、些細な被害だと思う。

 

因みにこの襲撃事件の後。

Dが黒騎士戦で使った怪しい影を創造する魔法で、私は自分の影を製作。

ソフィアの護衛として配置した。と言っても襲撃は無かったから、

私の影はソフィアの実家で、メイドとして務めただけで終っている。

 

 

補足&解説枠。

ケレン領で起きた過去イベントの補足です。

 

強化キャンプ

ケレン領で、エルフの襲撃事件が有った後のイベント。

護身用の訓練と称して、レベリングの旅へ出発!

原作程のスパルタでは無いモノの、アリエルとメラゾフィスが居ない二人旅。

自炊出来るって素晴らしい!とソフィアは全力で自画自賛する事になる。

 

伯爵家の護衛の者か?

ソフィアはフェイカーで情報偽装をしていましたが、

ポティマスは確定情報が無くても、浚ってから調べれば良い。と判断しました。

 

アニメ版ではアラクネでしたが、本作では神化済で人型です。

アリエルの眷属か?と言う誤解は発生していません。

 

ソフィアは渡さない

白織は義理が堅牢です。

原作では日本で蜘蛛をやっていた頃、

夏目に殺されそうになった処を先生に助けられて、これが先生擁護フラグに。

更に生徒に死亡者が出ると先生が悲しむからと、

戦争で転生者に死亡者が出ないように動いています。

 

本作でも白織の義理堅さは健在で、

黒騎士戦でソフィアが白織を助けた事を、決して忘れません。

ですが先生擁護フラグは折れています。

フラグが立つ前に蜘蛛だった白織を、Dが人型の身代わりにしたからです。

 

怪しい影

Dがルクスリア以外の黒騎士を映した虚像の魔物。

白織は自身を映して影(分身)を創造する事に成功しています。

 

原作の白織は【産卵】のスキルを使って、

迷宮の悪夢を量産する事を都合良くセーフと判定しましたが、

本作ではアウトとします。妊娠出産に対する忌避感は、根強い設定です。




ポティマスは戦闘キャラでは無いので、
充分【視線誘導】に掛かると思う。

次回はユーリ登場回です。
聖女(狂)がやりそうな戦法を生やしました☆
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