双子(疑惑)ですが、なにか?   作:LW

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忙しい夏が終り、久々に仕上げました☆


28 好き、だから

「~♪」

 

「御機嫌だな、ソフィア」

 

「そうね?こう言うのも悪く無いわ」

 

と言っているけど、明らかにソフィアの顔は弛んでいた。

解り易く言うなら【幸せそうな笑顔】と言うヤツだった。

オリくんの腕を取って、幸せそうに微笑んでいる。

 

何だろう?このファンタズマゴリアの悪夢を彷彿とさせる展開は!

勿論これには事情が有る。

そうでなければ学園の中で、こんな空気の読めない行動は取らない。

 

「ソフィアに、ストーカー?」

 

「典型的な尾行タイプよ。間違い無いわ」

 

「遂に来たか!」

 

学園に入学してから、一ヶ月程が過ぎた。

そんな在る日。今日は屋上で昼食を摂っていると、

ソフィアからそんな話題が上がった。

 

ソフィアが言うには、

一人で行動している時に限って、尾行者が居る。と言うモノだった。

日本に居た頃の物差しで言うなら、ソフィア狙いのストーカーと言う事になる。

 

だけど此処はファンタジーな異世界で、ソフィアは吸血鬼だ。

最悪のケースでは、ソフィアの正体を嗅ぎ付けた某国某組織のスパイ。

ソフィアの身体目当ての変質者。告白したいだけの一般生徒が相手でも、

何かの拍子で、ソフィアの正体が露見する恐れが有る。

 

だからもしストーカーらしい相手が現れたら、

三人でキッチリ対処する!そう決めていた。

 

「それで、相手の身元は?」

 

「探知で追跡済よ。でも、知らないヤツね」

 

でもソフィアは、易々とストーキングされる無力な女子生徒じゃない。

背中を向けたままでも、ストーカーを探知で調べられる。

 

「オリくん、どう?」

 

「アナレイトの伯爵家の子弟だった気がするが、それだけだ。

 まずは振るいに掛けるしか無いだろう」

 

スパイか変質者ならこっそり処理する。

一般生徒が相手なら、初見は穏便に追い払う事にしている。

 

「経験が無いけど、上手く行くものなの?」

 

「大抵のヤツは諦めるだろう。

 危険人物なら、襤褸を出す処だ」

 

と言う訳でオリくんとソフィアの、公開イチャコラタイムが始った。

まず登校風景!朝からオリくんとソフィアが、腕を組んで登校。

幸せオーラを振り撒いている。

 

「えっと、何が有ったの!?」

 

「色々有った」

 

直接訊いて来たのはフェイ一人。でも、

これにはターゲット以外にも、絶句してガン視している生徒が多数存在した。

ソフィアは身体がエロいから【当ててるのよ】状態になっている。

 

「学生のイチャコラと言ったら、これでしょう!」

 

「おぉ、これが噂のソフィアの手作り弁当」

 

お昼休みには、ソフィアが料理の腕を披露した。

レベリングツアーでもお世話になった、ソフィアの手料理だった。

 

「ほら、白織も」

 

「私の、分?」

 

「白織だけ、除け者に何てしないから」

 

「………」コクコク

 

オリくんだけでは無く、私の分のお弁当まで用意してくれるソフィア。

どうやら料理の腕は衰えていないらしい。

 

「懐かしい美味しさ♪」

 

「白織とソフィアは、二人旅をした時期が有ったな。

 その時のイベントか?」

 

「美味しいって言ってくれるのは嬉しいけど、

 アレを【懐かしい】で片付けられると、微妙な気分になるわ」

 

少し恨みを滲ませた視線になるソフィア。

心外である。あのレベリングツアーは、ソフィアの為の企画なのに!

どうして恨まれるかなぁ!?

 

「解って無いって顔ね?

 なら言うけど、いきなり毒料理は無いでしょう!?

 初日で死ぬかと思ったわ」

 

「弱毒だった。毒耐性は必須」

 

最初から致死量の猛毒を並べた事は無い。

ちゃんと調整した弱毒料理だった筈。

旅に毒耐性は必須だと思う。いつも真面な食糧が手に入るとは限らないから。

 

「確かに毒耐性のLvは上がったし、役に立ったわ。

 でも当時の私は赤ん坊だったのよ!?あ・か・ん・坊!」

 

あの頃のソフィアは、まだ自由に歩けもしない時期だった。

恐らくだけど、

ソフィアが初めて立ったのを目撃したのも、両親では無く私だと思う。

 

「本気で殺されるかと思ったわ。

 あの後の事だから」

 

「………」

 

あの後。と言うのは、ソフィアの告白の事だ。

ソフィアは、オリくんの事が好きだと私に告げて来た。

大きな決断。勇気が必要だったと思う。

本人に告白するのと同じ位の難易度だったかもしれない。

 

でもその直後にエルフの、

サイボーグポティマスの襲撃が有って、返事は保留になる。

私はただ、自衛手段が必要だと思っただけで他意は無かった。

 

まぁソフィアのレベリングは怪しい影の分身任せで、

本体の私は、オリくんと平穏に過ごしていたけどネ☆

 

「それにしても、

 これはお約束の【ソフィアは良いお嫁さんになれるぞ】とか、

 その手のパターンのイベントが来る美味さだ」

 

「そう言う時は、素直に私を褒めなさい。

 もう婚約者だけど」

 

話題が移って、オリくんの凄い好評価!でも気持ちは解る。

ご飯が美味しいのは、とても幸せな事。大迷宮で経験済の出来事である。

 

「ソフィア、結婚してくれ」

 

「!?」

 

「ちょっ!?いきなり何を言い出すのよ、アナタはっっ!!!」

 

スマートにソフィアの手を取って告白。

ソフィアはあぁ言ってるけど、顔が赤い。結構本気にしてると思う。

 

「使い古しの常套句だからな。

 不意打ちしか無いだろう?」

 

 

「これで、諦めてくれれば良い」

 

その後もオリくんとソフィアの、イチャコラと言う名の誘導は続いて放課後。

遂にターゲットは動いた。動いたと言うより、走り去って行った。

二人のシュガー具合に耐え切れなくなって逃げた?それとも諦めた?

諦めてくれると助ける。これ以上は、面倒な処理コースになる。

 

騎士上りの伯爵家の子弟で、ストーカー君で良いか。

ソフィアは諦めた方が身の為だよ?主にお互いの為に。

 

「Ⅱ?もう良いんじゃないかしら!?」

 

「盛り上がってる」

 

夕暮れの教室。差し込む夕日。そして抱き合う二人。

ソフィアは学園の中だからと口では拒絶しても、強く抵抗しない。

やがて諦めたのか、二人の唇が重なる。

イチャコラしている内に盛り上がったらしい。もうストーカー君も居ないから。

 

「………」

 

席を外そう。それが暗黙のルール。

ソフィアもオリくんの婚約者で、

昔から好きな人の醜い奪い合いは、

冷める原因!と言うのがラブコメの常識である。

 

「サイネリアの花」

 

何と無く、学園の庭園までやって来る。

其処に白いサイネリアの花が咲いていた。

新しい名前のモチーフだから知っている。

どうやら魔法で管理されているようで、季節外れの花も咲き誇っていた。

 

花を愛でるとか、私のガラじゃない。

サイネリアの事を知ったのも、名前が新しくなってからだ。

 

「若葉さん」

 

「S君」

 

そうやってガラにも無い事をしていると、誰かが近づいて来る気配がする。

それは件のストーカー君と、そのストーカー君を連れたS君だった。

フェイのマスターで、転生者の一人。それにアナレイトの王子様だったっけ?

今は何処か、険しい表情を浮かべている。これはどう言う展開!?

 

「バルトンに聞いたよ。どうしてアイツの!?」

 

「?」

 

S君の良く解らない主張を聞かされた。

まずはオリくんが、ソフィアとイチャコラしていたと聞かされる。

知ってる。ついさっきキスシーンまで目撃した。

夕暮れの教室でキスシーンとか!恋愛ゲームなら、確実にCGシーンである。

 

それでオリくんは、最低の二股だと!

どうしてそんなオリくんの婚約者をやっているのか?と聴きたいらしい。

 

どうして、どうしてか。

私も、日本で女子高生として過ごした。

私一人を見て欲しい。と言う一般的な感情が、無いと言ったら嘘になる。

だけどソフィアの事も別に嫌いじゃない。

 

「好き、だから」

 

それに揺らぐ事の無い想いが有る。

オリくんへの想いは、ソフィアが隣りに居ても揺らぐ事は無い。

言葉にすればたった一言。それだけだった。

 

「若葉さん。

 そんなにアイツの事が?」

 

「………」コクコク

 

S君も、誰かを好きになれば解ると思う。

実妹ちゃんとメイドさんと、フェイが居て本命が居ないのはどうかと思うけど。

 

S君は俯いて退場。

ストーカー君も心配そうな顔で追従して行く。

もしかしてこれはアレかな?と思ったけど、

私から起こすアクションは何も無かった。

 

 

「それで、今度は何が有ったの?」

 

「何も無いわ、ただの平常運転でしょう?」

 

前回のソフィアとの腕組み登校に続いて、今日も注目を集めていた。

今回ばかりは賛同出来る。逆の立場でもまず注目する。

 

「~♪」

 

今回、隣りで腕を組んでいるのは白織だ。

しかもかなりの上機嫌!誰にでも解るだろう微笑みを浮かべている。

 

ソフィアは平常運転だと言うが、そうでも無い。

今まで【目が見えないから】と言う名目で、手を繋いで登校はしていた。

だが腕を組んで登校した事は無い。

 

そして当然の事ながら密着している。

決して忘れる事の無い感触と温もりが、登校中に伝わって来る。

 

今回のイチャコラ判別作戦は下策だったかもしれない。

白織に寂しい想いをさせたらしい。

白織が解り易く積極的になるのは珍しいから、直ぐ解る。

 

だから念を入れて白織にだけ聴こえるだろう音量で、

この気持ちを、好意を伝える。白織の応えは?

 

「知ってる」

 

きっと傍から聴いたら、アッサリとした応えだったかもしれない。

だが腕を組んで密着している自分だけは解る。

腕を組む拘束力が増大して、密着度と感触が↑↑。

微笑みは、笑顔にクラスチェンジしていた。

 

 

補足&解説枠。

ソフィアイベントと思わせて、白織イベントでした☆

 

サイネリアの花

白織が独りで、庭園の花を愛でている光景。

傍から観測すると、寂し気な絵になると思う。

→白織のシュレインには、がしがしそう見えています。

 

バルトン

原作では、課外講義でシュレインとテントを建てていた班メイト。

本作でも実技でシュレインに助けられていた。

シュレイン→白織に気付いて、シュレイン様の為に!

とツヴァイ達三人に探りを入れている内に、ソフィアに惚れた設定。

 

因みにソフィアは?

夜にしっかりと欲求を発散しているので、【魅了】は暴走していない。

殆どいつでも好きな相手(ツヴァイ)を抱けて、血も吸える!

と言うとても恵まれた環境下で過ごして居ます。

暴走の余地は無く、ソフィア側に落ち度は全く無い状況。




当初は決闘イベントも想定していましたが、
白織のシリアスお断りの後で、
決闘騒ぎまで起こすとザコ臭いので、カットしました。

今後の予定としては、
雨はいつ上がる?(課外講義)
臨海学校☆(水着イベ)
友を訪ねて三千里!(魔族領への旅)
などと構想していますが、やはり公開未定です。
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