「ガルダンディーが縦横無尽で酷い無双状態に!
原作では一番三下臭かったのに☆」
「飛行ユニットは偉大だったわ~。
貢献値ドロ案件だわ~」
白織の目が死んでいる。
空戦騎ガルダンディー!まさかの大活躍である。
「オリくん」
「若葉」
事の発端は本日の休み時間。
短い言葉で、と言うより殆ど一言二言で若葉が話し掛けて来る。
若葉はコミュ障だった。
高校ではネット上とは異なり、若葉の言葉は短い。
若葉は長文が苦手だった。
強く若葉を理解したいと、知りたいと思わないと意思の疎通が出来ない。
いつか惚れた、某魔法使いのお嬢様な先輩がこの類の属性だった。
声がガチで小さい。
作中でも、ガチで声を聞こうと努力しないと声が聞こえない!
ガチで聞こうとすれば聞こえる。アレはそう言う声だった。
若葉の短い言葉もその類だと思っている。
今回は目を読んだ。
教室で声を掛けられて、そのまま若葉に着いて廊下に出る。
今のは【着いて来て欲しい】【話しが有る】だろう。
「白織」
「リアルでもPNで呼べと?」
少し機嫌の悪そうな顔でまた一言。
PNで呼んで欲しい。と言う御達しだった。
先程から若葉は【オリくん】と言って来ている。
これは本名の折原鋼のオリくん、では無い。PNのオリくんだ。
若葉は新しいPNの、白織と言う名前がお気に入りだ。
若葉を白織と呼ぶと喜ぶ。若葉が微笑む処など初めて見た。
運良くそれを目撃したクラスメイト達が、騒めいた事も有る。
詰り自分もPNで呼んでいるから、
私をPNで呼んで欲しい。と言う事!
「解った。
白織。そう呼ぶから」
「~♪」
反則的な微笑みを浮かべる白織に連れられて、人気の少ない場所まで来る。
今から甘い恋愛イベントが始る!と言う事は無い。
前述の通り、白織はコミュ障だ。
だが間違い無く美人キャラなので、行く先々で注目される。
それは基本!教室内でも同じである。
クラスメイトの男子など、無意識に視線を向けてしまうLvだ。
白織は、他人に視線で刺されるのが苦手だった。
まぁ好きなヤツは少ないだろう。
だからプライベートを過ごしたい時は、人目を避ける。
白織と、雑談タイムの始りだった。
「ログイン」
「あぁ、今日も下りる心算だ。
下り次第伝えよう」
言うまでも無くダイ大オンラインの予定確認の話だ。
あのパプニカ攻略戦で知り合ってから、白織とはフレンド登録を済ませた。
今では割と頻繁に、パーティーを組むフレンドの仲だ。
ネトゲの話だからスマホで済ませれば良い処を、
校内でスマホは使用禁止!と言う校則を、白織は律儀に守っている。
万一のスマホ没収を防ぐ為だ。白織は用心深かった。
「リンガイア」
「そうだな、今日から【リンガイア要塞戦】の開幕だ。
原作ではスキップされたヤツだから、事実上オリジナルだろう?」
ゲーマーの血が騒ぐのだろう。
白織が、期待を膨らませて微笑んでいる。
この白織の微笑みを眺めるのが、此処最近のクリア報酬だった。
†
「これって原作再現?
此処ってリンガイア何だけど!?」
「有ったな、そんなイベントが。
再アニメ化でカットされたヤツ、アレはベンガーナだったが」
「もっと頑張ろうよ、リンガイアァァッッ!!!
あああぁぁぁっっっ!!!また私の貢献値がぁぁっっ!!!」
リンガイアは要塞都市だ。
その名の通り、都市はグルリと要塞の壁に護られている。
堅牢な要塞都市を攻めるのは、魔王軍最強の超竜軍団!
竜騎将バランと、竜騎衆の三人。それに屈強のNPCドラゴンの群!
原作通りPC不在でも、無双出来そうなラインナップだ。
竜騎将バランと陸戦騎ラーハルトが、
己のドラゴンを駆って、堂々と正面から進軍を始める。
海戦騎ボラホーンは東の海岸線から、海戦部隊で上陸を図っていた。
問題の空戦騎ガルダンディーが、
空から要塞を易々と突破して、要塞都市の防衛ラインを破壊して行く。
何と言う見事な快進撃!
要塞都市が炎に沈み、次々とリンガイア兵の貢献値が溶けて逝ってしまう。
白織の魂の慟哭がリンガイアに響く。
リンガイアのモブ国民NPCとかが居たら、今の白織と同じ状況だろう。
「とにかくガルダンディーの開けた穴から中へ!
これ以上貢献値を奪わせるなっ!!」
「そうだった!私達なら、まだ行けるっ!!」
ガルダンディーの開けた北側の穴から要塞の中へ!
バランとラーハルトが流石の戦力で、西の正門を破る。
ボラホーンも東側から、間も無く突入を成功させるだろう。
超竜軍団は無双の最強軍団だった。
「増援!?」
「アレってノヴァ!?
リンガイアの遠征部隊!このタイミングで!?」
北側に回って、これから市街戦だ!と言う処で増援が出現した。
ノヴァ率いるリンガイアの遠征部隊!
アナウンスに因ると、オーザムの救援に出ていた設定の遠征部隊らしい。
指揮官は北の勇者ノヴァ!何とも狙ったタイミングである。
「これはこのまま市街戦を始めるか、
ノヴァの遠征部隊を迎え討つかの二択だな?」
「オリくんは?」
ホンの少し、白織が若葉のような短いリアクションで確認して来る。
其処で笑みを浮かべるのは、今度はこちらの番だった。
「ノヴァを討つ!
アイツの方が、貢献値が高そうだ」
「同感!」
白織と共にUターンして、ノヴァの遠征部隊を迎え討つ!
他のPC達も、各々の判断で戦場を蹂躙して行く。
そして超竜軍団の動きは変わらなかった。
このまま要塞都市の攻略を続行するらしい。
「オリくん、これって」
「あぁ、要塞都市は(ゲーム的に)囮だ。
超竜軍団が都市を陥落させるまでがリミットだろう。
それまでに仕留め無いと、遠征部隊も溶かされる!」
†
「イオナズンッ!!」
接敵後!白織の開幕イオナズンが、
初期配置の遠征部隊に文字通り爆裂する。
取り巻きの遠征部隊が、白織の開幕イオナズンで消し飛んで逝く。
流石のイオナズンである。フィールドが爆炎で暫し閉ざされる。
だが其処に油断は無い。予想通りノヴァは健在だった。
「ノーザングランブレードッッ!!!」
ノヴァが原作通りの攻撃モーションで、
爆炎の中から飛び出して、こちらも初手から必殺技を放つ!
ターゲットは勿論、盛大にヘイトを稼いだ白織だ。
「させんよ!」
当然この展開は読んでいたので、白織のカバーに入る。
ピショップは高機動型ユニットなので、防御では無く受け流しで対応。
更にカウンターでノヴァを斬り捨てる。
「ギラッ!!」
カウンターを食らって仰け反ったノヴァに、
白織の光線のようなギラの連続攻撃が襲い掛る。
これは原作のザムザ戦のポップ状態!
ノヴァは連続攻撃を食らって、デスダンスパーティーに強制参加だ。
「バギマッ!!」
デスダンス中で無防備なノヴァを、バギマで空中に打ち上げる。
バギマの拘束に囚われたまま、
ノヴァはツインソードピニングで討ち取られた。
「お疲れ~。
貢献値的にどう?」
「結構稼いだ筈だが、あの鳥に勝てたかどうか?
白織は?」
「数は仕留めたけど、全部モブだしな~。
ちょっと今回は自信無い。全部あの貢献値ドロが悪い!」
と言っている間にリンガイアは陥落。
【リンガイア要塞戦】が終了した。
MVPは、NPCのガルダンディーに持って行かれた。
初見であのガルダンディー無双を上回るのは、至難の業である。
†
「ネットでスレが立っていた。
【竜騎衆最強のガルダンディーに挑む】だそうだ」
昨日から始った【リンガイア要塞戦】は、既に話題になっていた。
曰く、ガルダンディーが倒せない!と言うネタだ。
実際に経験した魔王軍サイドでは、
とにかく空中から貢献値を奪われ続けて、貢献値争いに勝てない。
勇者連合からは、追い駆けても逃げ切られる。
何も出来ない内にリンガイアが陥落した。と言う悲嘆の声ばかり。
暫くこの【リンガイア要塞戦】では、悲嘆の声が続く事になる。
意外な攻略法が検証動画で、後日UPされるまで。
「白織はどう思う?
―――白織?」
白織が微笑んでいた。
白織は、本当にこの名前で呼ばれるのが好きだった。
白織が笑顔になる。だから、この名前でまた呼びたくなる。
†
今回は戦術SLGお約束の、
NPCに因る経験値ドロボウに関するネタでしたが、
作中の【どうしたらガルダンディーに勝てたのか?】
と言う設定話をしたいと思います。興味の無い方はスルーして下さい。
勇者連合サイド
バランに血戦を挑む→ガルダンディーがUターンして来る。
勇者連合サイドはとてもシンプル!【バランに挑む】ただそれだけ。
ですが当然!バランは超強力ユニットです。ラーハルトも随伴しています。
原作のポップの行動が、英断だったとゲーム的に理解出来る仕様です。
魔王軍サイド
初期配置でボラホーンと東側の海岸線から攻める→東側から市街地へ!
→ノヴァの遠征部隊出現。
→ガルダンディーがUターンして、ノヴァの遠征部隊に挑む。
ボラホーンと協力して先に市街地に入ると、
ノヴァが現れた時に、ガルダンディーがUターンしてノヴァの方に向かいます。
但しバランと西門から攻めると、普通に貢献値争いに敗れます。
と言う訳で、如何にガルダンディーをUターンさせるかで決まります。
飛行ユニットは、戦術SLGのエースユニットです。
次回はソフィア回です。
ダイ大絡みのイベントばかりが浮かぶ日々、
転生前イベントが続きます。
ルート分岐
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ダイ大ゲームルート続行
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異世界転生編開始