双子(疑惑)ですが、なにか?   作:LW

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久々に続きを描きました☆
カティアチームの探索パートです。


31 竜の墓標

「レン、これは!?」

 

「【竜の墓標】」

 

フェイの必死の快走(飛行)のおかげで、

サダクビア領の手前で、先行する白織達に追い着けました。

その後レンの提案で、

私達は白織達とは分かれて、別の迂回ルートを進む事に。

 

霧に覆われた峡谷は視界が悪くて、

フェイの龍の直感が無ければ、危うい場面も何度か有りました。

 

「竜の墓標?」

 

「文献でしか見た事が無かったが、まさかこんな処でか」

 

そうして迂回ルートを進んだ私達が見たのは、

霧の峡谷に密かに佇む廃村らしき物でした。

ですが問題は、其処では有りません。

その峡谷の廃村には、至る処に巨大な骨が野晒しになっていました。

 

それは陸に打ち上げられた鯨の骨かと思いましたが、

此処は異世界で、これは鯨の骨では有りません。

 

竜。ドラゴン。最強の魔物。

本来なら最強で在る筈の竜が、その屍を晒していたのです。

 

「これ、全部竜の骨なの!?」

 

「竜の墓標と言うのは、古戦場か何かですの?」

 

「竜の骨は高額で取引される。

 これだけ有れば一財産!人間の所業では無い。とされている」

 

竜を討伐出来る人間。

凄腕の冒険者が居たとしても、それなら竜の骨の野晒しは在り得ない。

 

「それなら、魔物同士の?」

 

「その可能性も低いと言われている。

 竜の墓標は世界各地で確認されているが、

 竜と争った筈の、相手の痕跡が見つかった事が無い」

 

「竜が、負け続けたって言うの!?」

 

竜を討伐し続けて、痕跡も残さない。

竜は確かに屍を晒しているのに、しかもそれが世界各地に!?

 

「レン、

 竜の墓標と言うのは、もしかして」

 

痕跡が無いと言うのなら、討伐者が何者か?

と言う問題に、明確な解答が出る気がしません。

ですが手段だけなら。

 

竜の墓標は古戦場では無い。と言う事です。

竜は何処か別の場所で敗れた。

敗れて、その亡骸が纒て遺棄された。

歴史ロマンでは無く、ミステリー路線になります。

 

 

「そろそろ、日が暮れそうですわ」

 

竜の墓標の考察で盛り上がる一幕が有りましたが、

痕跡が無い以上、やはり想像の域は出ませんでした。

 

「今夜は此処で野営だな。

 折角の屋根だが、この有様だ。予定通りテントを設営した方が良いだろう」

 

「そうですわね?」

 

この廃村の状況では、いつ倒壊が起きても不思議では有りません。

準備して来たテントを用意します。

 

「フェイも、構いませんか?」

 

「って言うかさ、私の方がお邪魔して良いの?

 カティアってレンと婚約者でしょう?」

 

「其処で、気を使おうとしないで下さい///」

 

「私は外でも大丈夫だよ?」と、気を使われてしまいます。

テントは用意して来ましたが、

男女別!と言うより、グループ別で用意するのを失念していました。

今夜は三人一緒のテントです。

 

「それにしてもさ、

 カティアとレンは公爵令嬢と王族なのに、

 平然と保存食を食べてるね?」

 

「何ですの、突然?」

 

テントを無事に立てて、夕食の時間。

フェイが疑問を口にします。今夜の夕食は、予め用意して来た保存食。

旅の野営なのですから、公爵令嬢も王族も無いと思うのですが?

 

「研究室に籠る時も、割と普通に食べている。

 人間は不便な生き物だ。と常々思っているが」

 

「うわっそれ、ヒキコモリの発想だよ!?」

 

確かに健康に悪そうです。

ずっとポーカーがしたくて、サンドイッチを作った人かと思いました。

 

日本風に言うなら、

カロリーブロックやウィズゼリーで生活しているかのよう。

ブロックもゼリーも栄養補助食品ですが、主食では有りません。

料理が出来る身としては、やはり健康に悪い気がします。

 

「料理は出来ますが、旅先では材料の調達が」

 

「どの道その余裕は無い。

 カティアの手料理は、次の機会と言う事で良いだろう」

 

 

「レン、早いですね?

 おはようございます」

 

「おはよう。

 カティアも充分早いと思うが?」

 

早朝。

何事も無く夜は明けた。

竜の骨が野晒しになったままの、廃村の一夜。

夜中にアンデットでも湧くかと警戒していたが、杞憂だった。

アクシデントに期待していた訳では無いから、それは良い。

 

「やはり気になりますか?」

 

「あぁ、何と言っても竜の墓標だ。

 課外講義の最中なのが悔まれる」

 

世界各地で確認されているとは言え、やはり竜の墓標は稀少だ。

最強の魔物で在る筈の竜は、何故屍を晒す事になったのか?

竜は何者に敗れたのか?そもそも争ったのか?

カティアの考察も興味深かった。

先人が解け無かった謎に、自身も挑みたい。

課外講義の最中である事が、本当に悔まれる。

 

「夏季休暇に入ったら、また此処に来るとしよう」

 

「それでしたら、今度はレンが誘ってくれますか?」

 

「夏に海も行かずに、山(峡谷)で調査か?

 退屈なバカンスになると思うが」

 

と言った処で此処は異世界だ。

夏は海!と言うのは、日本人的感覚でしか無い。

海にも魔物は出るから、異世界には海水浴と言う習慣は無かった筈。

 

「其処は、察して下さい」

 

「相変わらずの物好きだな、カティア」

 

決して皇帝に成れない者。

それが帝国に置ける自身の立ち位置だった。

 

自身には生まれながらに兄が居て、

兄は皇帝に!と望まれる立場と能力が有った。

それを羨んだ事は無い。

王族に生まれて、異世界生活で苦労する事も無く、

自由に生きる権利まで手に入れた。

先に兄が生まれてくれた事に感謝はしても、羨む事はやはり無い。

 

だが皇帝に成る事は無い。自身もそれを望んでいない。

だからカティアが、皇帝の妃に成る事も無い。

カティアはそれで良いと言う。

レンのお嫁さんに成れるからと、カティアは物好きだった。

 

今回も身一つで帝国を出て、サリエーラまで留学して来た。

帝国の王子として、出来る事は何も無い。

 

「調査とは別に、バカンスの時間を取ろう。

 夏季休暇は長い。それ位出来る筈だ」

 

物好きな婚約者と、夏季休暇の計画を立てる。

だからそれは偶然だった。

早朝の朝日に竜の骨が照らされて、それが光ったように見えた。

 

「レン?」

 

カティアの声は聞こえていたが、聞いてはいない。

それに目を奪われる。

竜の骨。牙の隙間に何かが挟まっている。

 

それは何かの金属片に見えた。

牙の隙間に挟まっていた事から、

竜を屠った討伐者の武器や防具の破片の可能性も有ったが、

これはそんな気がしない。これは、

 

「鋼の翼」

 

これは破片でしか無いから、

ウィングと言うよりフェザーだが、何故か翼だと思った。

 

次にこう言う時こそ【鑑定】だろうと、

スキルを使おうとして、それに気付いた。

 

「寝坊にも程が有る」

 

「レン!来ますっっ!!」

 

夜中では無く早朝!

アンデットも寝坊するのか!?と、意味の無い思考が頭を巡る。

竜の墓標に相応しい骨の竜が、アンデットが湧く。

 

「ッッッ!!!???」

 

現れた骨の竜。

鰓骨が有る。元は水竜か海蛇竜なのか、本来なら無い展開。

生前の常識を覆して、アンデット化して顕在。

カティアの推理は、正解なのかもしれない。

 

咄嗟に謎の金属片に使う心算だった鑑定を、骨の竜に使う!

鑑定は敵対行動にも取られるアクションだが、

この状況下で、今更敵対行動も何も無い。情報が欲しい。

 

ドラゴンテラー LV■■■ 名前■■■■

ステータス

HP■■■■■

MP■■■■■

SP■■■■■

  ■■■■■

平均攻撃能力■■■■■

平均防御能力■■■■■

平均魔法能力■■■■■

平均抵抗能力■■■■■

平均速度能力■■■■■

スキル

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

称号

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

鑑定結果が一気に流れて来て、眩暈がする。

種族名程度しか解らないゴミ情報だ。価値は無い。

 

だがこれは鑑定妨害された訳でも、LVが足りなかった訳でも無い。

この■で塗り潰された鑑定結果が、

ドラゴンテラーのステータスなのだと、鑑定のスキルは解答を出した。

嫌な予感がする。

 

「魔法が!?」

 

「マズイな」

 

そんな嫌な予感は見事に的中。

隣りでカティアの放った爆炎の魔法が、すり抜けた。

耐えた訳でも、無効化された訳でも無い。すり抜けたように見えた。

元から其処に何も無かったかのように、魔法がすり抜けた。

 

「カティア、レン!下がってっっ!!」

 

「フェイッ!!」

 

異常を察知したフェイが、初手から龍の姿で合流した。

合流したと同時に開幕からのレーザーブレス!

しかしこれも地表を撫でるだけで、ドラゴンテラーをすり抜けて行く。

 

「何なのコイツ?蜃気楼とかなの!?」

 

「撤退だ!構うなっ!!」

 

それなら本当に助かるが、そんな気はしない。

だから直感に従って撤退を選択!

カティアの手を取って、素早くフェイに飛び乗る。

 

念の為に火属性以外の魔法も撃って見たが、やはりすり抜けて効果が無い。

属性の問題!と言う解り易い展開の気配が全くしない。

 

「黒い霧!?」

 

ドラゴンテラーから黒い霧が溢れ出る。

溢れ出て、周囲に浸蝕しながら広がって行く。

 

浸蝕のスピードが速い。

警告を出す暇も無く、黒い霧の浸蝕に飲み込まれた。

 

 

補足&解説枠。

凶悪な敵キャラ登場回です。

 

竜の墓標

かつて前文明時代末期に龍が、人類鏖殺を決定した戦争。

人類側のHMX-13シリーズが、討伐した龍の屍を積み上げた場所。

カティアの推理通り、古戦場では無くゴミ捨て場。

 

【龍】では無く【竜】の墓標と呼ばれているのは、

人類に取って龍は竜共々雲の上の存在で在り、

正しい区別が出来ていないから。と言う設定。

 

海水浴

アナレイトやレングザンドには無い習慣。

サリエーラにも無かった習慣だが、

白織が四肢漂流事件で、水竜を乱獲してパワーバランスが崩壊!

サリエーラの浜辺は安全度が↑。急速に海水浴が流行る結果に☆

 

アンデットの寝坊

ドラゴンテラーが湧いたのは、金属片を解放したのがトリガー。

アンデットの睡眠無効はデフォルト。

 

ドラゴンテラー

HMX-13シリーズに討たれた龍の魂が、

世界に焦がした残滓。魂の影。

 

魂に直接干渉可能な深淵魔法か、

一部の特殊攻撃以外は、一切干渉が不能。

間違っても人類が対処可能な存在では無い。

実は原作のパペット・タラテクト(初期型)と、同格程度のステータス。




次で雨雲の巫女イベントもラストの予定。
金属片の正体に気付いた人は、勘の良い人。
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