双子(疑惑)ですが、なにか?   作:LW

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今回はソフィア回です。

難産でした。
何処までやらせるかで迷走して、この流れに☆


04 綺麗で立派な王女様

「PU」

 

「告知は見た。確かに美少女キャラだった。

 描き下ろしの新規キャラだと謳っているが、要はオリキャラだ。

 それでガチャを回すのか?って処だ」

 

「オーザム」

 

「同時にUPするらしいから、新キャラもオーザムのヤツだろう。

 確かに雪国のキャラっぽかった。

 まぁ、新規イベントの方に期待だな」

 

「フレイザード」

 

「状況的にそうだろうな?

 フィンガーフレアボムズが熱い!

 アレのムービーの為なら、敗北も辞さないっ!!」

 

折原があの戯言を口にしてから暫くして、

あの若葉姫色と折原が、

ワンセットになっているのを良く見掛けるようになった。

 

折原は一人で喋り続けて、一人で盛り上がっていたけど?

隣りで話しを聞いている若葉姫色も楽しそうに、微笑んでいた。

 

クラスでは密かに騒ぎになった。

あの若葉姫色が!と。まさかあの撃墜王が!と。

男子の間では、

とにかく若葉姫色の笑顔が可愛い!とか、

そんなレアショット!撮影に成功したヤツは居ないのか!?とか、

まさか本当に折原が若葉姫色を!とか、地獄絵図だ。

 

女子の間でも似たようなネタで、話題になっているらしい。

それに加えて、このまま長く上手く行って欲しい。

と言う声も少なからず聞こえて来る。

 

今まで若葉姫色がフリーな所為で、カップリングが成立しなかった件。

破綻した件など、噂は色々と存在した。

 

クラス中で真相が求められた。

友達何て居ない私は、牽制に無縁で気軽に動けた。

折原は隣りの席だ、機会はいくらでも有る。

 

「最近、仲が良いのね?」

 

「―――若葉の事か?」

 

私の問いに答えようとして【若葉】と言い変えたわ。

良く解らないけど、隠す気は無いようだから話しを掘り下げて見る。

 

「戯言が、当った訳じゃ無いでしょう?」

 

「若葉はゲーマーだった。

 で、話しをするようになった。と言うだけだ。

 例の件は保留」

 

「―――そう」

 

若葉姫色がゲーマーなのは意外だった。

でもいつも独りだったから、そこまで不思議では無い。

いつも手にした本が、スマホに代わった程度の違いでしか無い。

 

「オリくん」

 

もう少し話しを続けようとして、件の若葉姫色がやって来る。

しかも折原を【オリくん】とか!もう渾名で呼ばれる仲に!?

 

その後折原は、若葉姫色に連れられて教室を出て行った。

何だろう?私は、

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

気付いた頃には授業は終っていたし、狭い自宅の自室に戻っていた。

何気無く、本当に何気無くスマホを起動。

折原が若葉姫色と知り合ったと言う、オンラインゲームのHPを開く。

HPを流して、目に留まったのは【初回十連ガチャ無料】の文字。

その隣りでは、銀髪の美少女キャラが凛々しくポーズを決めていた。

 

ゲームのキャラだったけど、あの若葉姫色にも劣らない美貌。

やはり女の価値は、生まれ持った容姿で決まる。

忘れ欠けていた劣等感が、ジワリジワリと病み上がって来る。

 

無意識に手に力が入った。

→初回十連無料ガチャを回す。

何かの演出が始った。慌ててスマホを確認!

有料コンテンツとか、

悪質な飛ばしとかだとマズイ!と思っている内に演出は終了。

 

其処には先程の、銀髪美少女のキャラが映っていた。

挨拶を始める美少女キャラ。そして決めポーズの画面になる。

 

「【ソフィーリア】。

 このキャラの名前?これからどうしろって言うの!?」

 

その後になってマニュアルを探して読破して、

状況を把握したのは、まだ先の話だった。

 

 

雪と氷に閉ざされた厳冬の国。

何もかもが凍てついていて、

飲み水一杯にも燃料が必要になる環境。

その燃料となる炭も、普段は凍土に埋もれている有り様だ。

生きるのに精一杯。ただ全力だった。

 

限界国家オーザム。

それが私の引き当てた【ソフィーリア】の故国だ。

 

ソフィーリアはオーザムの王女!と言う設定だった。

PCが特別な行動を取らない限り、王女の設定のままプレイ出来た。

 

だが其処で待っていたのは、

優雅な貴族生活では無く、厳しい領地運営ゲームだ。

オーザムは全てが足りない。

食糧が、水が、燃料が、人が、財源が、兵力が足りない。

冬になれば、普通に凍死者や餓死者が出る。

 

「戦う余裕何て、無いのに」

 

その上魔王軍が攻めて来る。

戦いに人員を動員させられるのが、一番の浪費だと思っている。

折原は、こんなに疲れる書類ゲーを楽しんでいるんだろうか?

もう辞めたい。それが正直な感想だった。

 

最初は違っていた。

折原と若葉姫色が楽しそうにゲームの話をしていて、

無料ガチャで、このソフィーリアを引いた。

ソフィーリアは美少女の王女キャラだった。だから、

折原や若葉姫色も築いているだろう国より、

もっと凄い国を築いてやろうと思った。

 

何より折角の美少女キャラだった。

ゲームの中でぐらい、この綺麗な容姿に相応しいキャラで居たい。

ソフィーリアで居たい。ソフィーリアを裏切りたく無かった。

でもそれも、もうお終いだ。オーザムは戦えない。

 

→降伏

 

降伏のアイコンをクリックする。

それと同時にアナウンスが入る。氷炎魔団急襲の凶報だった。

魔王軍はオーザムの、人類の降伏を許さない。

逃げ惑い、蹂躙されるだけの【オーザム蹂躙戦】の幕が上がった。

 

「結局私は、

 綺麗で立派な王女様にはなれないって事かしら?」

 

 

「蹂躙だ!

 蹂躙の時間だぁぁぁっっっ!!!!」

 

「溜まっているな?

 前回のアレは、リトライでクリアしただろう?」

 

前回辛酸を味わう嵌めになった【リンガイア要塞戦】は、

既にネット上で攻略情報が拡散されていた。

そして白織に頼まれて、リトライしてクリア済だった。

 

東側の海岸線からボラホーンと共に市街地へ、

ノヴァを無視すると、ガルダンディーがノヴァの方へ向かう。

そして要塞の中央に高貢献値のバウスン将軍が!と言うオチだった。

 

「リトライは出来ても、MVPは逃してる!

 オリくんだって【これは囮だ】(キリッ)とか言って外してたし!!」

 

「それは言ってくれるな、

 再増援でバウスン将軍が出るとか、あの時点で解るか!?」

 

「私もノヴァが本命だと思ったけどさ~。

 やっぱり悔しい!」

 

「反省はしても後悔はしない!と言うヤツだ。

 今回の【オーザム蹂躙戦】に集中するぞ」

 

【オーザム蹂躙戦】。

オーザムは降伏を決意した。だが魔王軍はオーザムの降伏を認め無かった。

フレイザードはオーザムを滅ぼす為、意気揚々と氷炎魔団の進軍を開始する。

オーザムはただ逃げ惑い蹂躙されて行く。と言うシナリオだ。

 

原作の鬼岩城編のミストバーンの死の宣告や、

バーンの積年の恨みを思わせる降伏拒否と言えた。

 

このクエストでは、

勇者連合サイドは指定ポイントへの撤退が勝利条件となり、

魔王軍サイドは、逃げ惑う勇者連合の討伐が目標となる。

 

最重要ターゲットは、王女【ソフィーリア】だ。

この王女ソフィーリアと勇者連合を、

ただひたすら追撃して討つのが【オーザム蹂躙戦】の概要となる。

 

「この王女ソフィーリアってさぁ?

 この前PUガチャで出た、アタリのキャラじゃない??」

 

「課金ガチャのアタリを引いてメインターゲットとか、

 どの辺りがアタリなのかと言う話だな?」

 

「ま、美味しく頂くけどね!」

 

【オーザム蹂躙戦】の戦場は地獄絵図だった。

陸では爆弾岩が、

坂を転がる雪玉のような急スピードで転がって、そのまま街を襲う。

脆弱な防衛ラインが、爆弾岩のメガンテで吹き飛んで行く。

 

空からはブリザード部隊が、ザラキの雨を降らせた。

ロンダルキアの悪夢の再現だった。容易く死が積み上がって行く。

 

「ほらほら、はぐれメタルの白織さんだよ!

 今日はちょっと悪いはぐれメタルだよ!

 イオラ!イオラ!イオラァァッッ!!!」

 

「一つ、二つ、三つ」

 

このクエストは、圧倒的に有利だった。

何と言ってもこちらは高機動型!相性が良い。

原作なら逃げ足に使う筈の、はぐれメタルの機動力で追撃!

逃げ惑う獲物を、次々と爆殺!

そしてピショップの斬首が迫り、勇者連合のマーカーが消えて行く。

 

「この止まったままの、どう思う?」

 

「囮かもしれないが、潰すか」

 

目星い獲物を仕留めた頃に、逃げないターゲットに気付く。

街を一望出来る教会の鐘楼だった。

其処に王女ソフィーリアが一人、逃げる事無く佇んでいた。

 

「逃げないのかな、ソフィーリア王女」

 

「意味が無いわ。

 私は王女ソフィーリアに、なれ無かった」

 

それは【諦観】だった。

そしてこの諦観を宿した声を、良く知っていた。

 

「根岸か、

 APPに極振りでもしたか?折角の高APPが台無しだ」

 

「そう言うアナタは折原ね?そっちはすっかり金物じゃない!

 それと其処の鉛の塊が、若葉姫色?」

 

「そうだけど、何で私だけフルネーム!?」

 

「意外と愉快なヤツだったのね若葉姫色。

 それとも、折原が一緒だから?」

 

王女ソフィーリアは、根岸は最後に少しだけ笑った。

笑って、鐘楼の端に立つ。

 

「オーザムも、王女ごっこもこれでお終い。

 アナタの手で最後を迎えるのは、何かの皮肉かしら?」

 

「このゲームが詰まら無かったと言うなら、それは残念だ。

 だがそれなら、また次のゲームを探せば良い」

 

「次が、有るの?」

 

「ワシで良ければ、付き合おう」

 

「―――そう、ありがとう」

 

オリハルコンの手刀が振り下ろされる。

王女ソフィーリアは討ち取られた。討ち取られて、鐘楼から墜ちて行く。

鐘が鳴る。王女の死を告ぐ鐘が鳴る。




既にお察しの通りソフィーリアは、
ソフィアを銀髪にした2Pカラーです☆

これはゲームなので、
死亡してもキャラロストは有りません。

次回はエルフ狩りの時間です。

ルート分岐

  • ダイ大ゲームルート続行
  • 異世界転生編開始
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