難産でした。
何処までやらせるかで迷走して、この流れに☆
「PU」
「告知は見た。確かに美少女キャラだった。
描き下ろしの新規キャラだと謳っているが、要はオリキャラだ。
それでガチャを回すのか?って処だ」
「オーザム」
「同時にUPするらしいから、新キャラもオーザムのヤツだろう。
確かに雪国のキャラっぽかった。
まぁ、新規イベントの方に期待だな」
「フレイザード」
「状況的にそうだろうな?
フィンガーフレアボムズが熱い!
アレのムービーの為なら、敗北も辞さないっ!!」
折原があの戯言を口にしてから暫くして、
あの若葉姫色と折原が、
ワンセットになっているのを良く見掛けるようになった。
折原は一人で喋り続けて、一人で盛り上がっていたけど?
隣りで話しを聞いている若葉姫色も楽しそうに、微笑んでいた。
クラスでは密かに騒ぎになった。
あの若葉姫色が!と。まさかあの撃墜王が!と。
男子の間では、
とにかく若葉姫色の笑顔が可愛い!とか、
そんなレアショット!撮影に成功したヤツは居ないのか!?とか、
まさか本当に折原が若葉姫色を!とか、地獄絵図だ。
女子の間でも似たようなネタで、話題になっているらしい。
それに加えて、このまま長く上手く行って欲しい。
と言う声も少なからず聞こえて来る。
今まで若葉姫色がフリーな所為で、カップリングが成立しなかった件。
破綻した件など、噂は色々と存在した。
クラス中で真相が求められた。
友達何て居ない私は、牽制に無縁で気軽に動けた。
折原は隣りの席だ、機会はいくらでも有る。
「最近、仲が良いのね?」
「―――若葉の事か?」
私の問いに答えようとして【若葉】と言い変えたわ。
良く解らないけど、隠す気は無いようだから話しを掘り下げて見る。
「戯言が、当った訳じゃ無いでしょう?」
「若葉はゲーマーだった。
で、話しをするようになった。と言うだけだ。
例の件は保留」
「―――そう」
若葉姫色がゲーマーなのは意外だった。
でもいつも独りだったから、そこまで不思議では無い。
いつも手にした本が、スマホに代わった程度の違いでしか無い。
「オリくん」
もう少し話しを続けようとして、件の若葉姫色がやって来る。
しかも折原を【オリくん】とか!もう渾名で呼ばれる仲に!?
その後折原は、若葉姫色に連れられて教室を出て行った。
何だろう?私は、
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気付いた頃には授業は終っていたし、狭い自宅の自室に戻っていた。
何気無く、本当に何気無くスマホを起動。
折原が若葉姫色と知り合ったと言う、オンラインゲームのHPを開く。
HPを流して、目に留まったのは【初回十連ガチャ無料】の文字。
その隣りでは、銀髪の美少女キャラが凛々しくポーズを決めていた。
ゲームのキャラだったけど、あの若葉姫色にも劣らない美貌。
やはり女の価値は、生まれ持った容姿で決まる。
忘れ欠けていた劣等感が、ジワリジワリと病み上がって来る。
無意識に手に力が入った。
→初回十連無料ガチャを回す。
何かの演出が始った。慌ててスマホを確認!
有料コンテンツとか、
悪質な飛ばしとかだとマズイ!と思っている内に演出は終了。
其処には先程の、銀髪美少女のキャラが映っていた。
挨拶を始める美少女キャラ。そして決めポーズの画面になる。
「【ソフィーリア】。
このキャラの名前?これからどうしろって言うの!?」
その後になってマニュアルを探して読破して、
状況を把握したのは、まだ先の話だった。
†
雪と氷に閉ざされた厳冬の国。
何もかもが凍てついていて、
飲み水一杯にも燃料が必要になる環境。
その燃料となる炭も、普段は凍土に埋もれている有り様だ。
生きるのに精一杯。ただ全力だった。
限界国家オーザム。
それが私の引き当てた【ソフィーリア】の故国だ。
ソフィーリアはオーザムの王女!と言う設定だった。
PCが特別な行動を取らない限り、王女の設定のままプレイ出来た。
だが其処で待っていたのは、
優雅な貴族生活では無く、厳しい領地運営ゲームだ。
オーザムは全てが足りない。
食糧が、水が、燃料が、人が、財源が、兵力が足りない。
冬になれば、普通に凍死者や餓死者が出る。
「戦う余裕何て、無いのに」
その上魔王軍が攻めて来る。
戦いに人員を動員させられるのが、一番の浪費だと思っている。
折原は、こんなに疲れる書類ゲーを楽しんでいるんだろうか?
もう辞めたい。それが正直な感想だった。
最初は違っていた。
折原と若葉姫色が楽しそうにゲームの話をしていて、
無料ガチャで、このソフィーリアを引いた。
ソフィーリアは美少女の王女キャラだった。だから、
折原や若葉姫色も築いているだろう国より、
もっと凄い国を築いてやろうと思った。
何より折角の美少女キャラだった。
ゲームの中でぐらい、この綺麗な容姿に相応しいキャラで居たい。
ソフィーリアで居たい。ソフィーリアを裏切りたく無かった。
でもそれも、もうお終いだ。オーザムは戦えない。
→降伏
降伏のアイコンをクリックする。
それと同時にアナウンスが入る。氷炎魔団急襲の凶報だった。
魔王軍はオーザムの、人類の降伏を許さない。
逃げ惑い、蹂躙されるだけの【オーザム蹂躙戦】の幕が上がった。
「結局私は、
綺麗で立派な王女様にはなれないって事かしら?」
†
「蹂躙だ!
蹂躙の時間だぁぁぁっっっ!!!!」
「溜まっているな?
前回のアレは、リトライでクリアしただろう?」
前回辛酸を味わう嵌めになった【リンガイア要塞戦】は、
既にネット上で攻略情報が拡散されていた。
そして白織に頼まれて、リトライしてクリア済だった。
東側の海岸線からボラホーンと共に市街地へ、
ノヴァを無視すると、ガルダンディーがノヴァの方へ向かう。
そして要塞の中央に高貢献値のバウスン将軍が!と言うオチだった。
「リトライは出来ても、MVPは逃してる!
オリくんだって【これは囮だ】(キリッ)とか言って外してたし!!」
「それは言ってくれるな、
再増援でバウスン将軍が出るとか、あの時点で解るか!?」
「私もノヴァが本命だと思ったけどさ~。
やっぱり悔しい!」
「反省はしても後悔はしない!と言うヤツだ。
今回の【オーザム蹂躙戦】に集中するぞ」
【オーザム蹂躙戦】。
オーザムは降伏を決意した。だが魔王軍はオーザムの降伏を認め無かった。
フレイザードはオーザムを滅ぼす為、意気揚々と氷炎魔団の進軍を開始する。
オーザムはただ逃げ惑い蹂躙されて行く。と言うシナリオだ。
原作の鬼岩城編のミストバーンの死の宣告や、
バーンの積年の恨みを思わせる降伏拒否と言えた。
このクエストでは、
勇者連合サイドは指定ポイントへの撤退が勝利条件となり、
魔王軍サイドは、逃げ惑う勇者連合の討伐が目標となる。
最重要ターゲットは、王女【ソフィーリア】だ。
この王女ソフィーリアと勇者連合を、
ただひたすら追撃して討つのが【オーザム蹂躙戦】の概要となる。
「この王女ソフィーリアってさぁ?
この前PUガチャで出た、アタリのキャラじゃない??」
「課金ガチャのアタリを引いてメインターゲットとか、
どの辺りがアタリなのかと言う話だな?」
「ま、美味しく頂くけどね!」
【オーザム蹂躙戦】の戦場は地獄絵図だった。
陸では爆弾岩が、
坂を転がる雪玉のような急スピードで転がって、そのまま街を襲う。
脆弱な防衛ラインが、爆弾岩のメガンテで吹き飛んで行く。
空からはブリザード部隊が、ザラキの雨を降らせた。
ロンダルキアの悪夢の再現だった。容易く死が積み上がって行く。
「ほらほら、はぐれメタルの白織さんだよ!
今日はちょっと悪いはぐれメタルだよ!
イオラ!イオラ!イオラァァッッ!!!」
「一つ、二つ、三つ」
このクエストは、圧倒的に有利だった。
何と言ってもこちらは高機動型!相性が良い。
原作なら逃げ足に使う筈の、はぐれメタルの機動力で追撃!
逃げ惑う獲物を、次々と爆殺!
そしてピショップの斬首が迫り、勇者連合のマーカーが消えて行く。
「この止まったままの、どう思う?」
「囮かもしれないが、潰すか」
目星い獲物を仕留めた頃に、逃げないターゲットに気付く。
街を一望出来る教会の鐘楼だった。
其処に王女ソフィーリアが一人、逃げる事無く佇んでいた。
「逃げないのかな、ソフィーリア王女」
「意味が無いわ。
私は王女ソフィーリアに、なれ無かった」
それは【諦観】だった。
そしてこの諦観を宿した声を、良く知っていた。
「根岸か、
APPに極振りでもしたか?折角の高APPが台無しだ」
「そう言うアナタは折原ね?そっちはすっかり金物じゃない!
それと其処の鉛の塊が、若葉姫色?」
「そうだけど、何で私だけフルネーム!?」
「意外と愉快なヤツだったのね若葉姫色。
それとも、折原が一緒だから?」
王女ソフィーリアは、根岸は最後に少しだけ笑った。
笑って、鐘楼の端に立つ。
「オーザムも、王女ごっこもこれでお終い。
アナタの手で最後を迎えるのは、何かの皮肉かしら?」
「このゲームが詰まら無かったと言うなら、それは残念だ。
だがそれなら、また次のゲームを探せば良い」
「次が、有るの?」
「ワシで良ければ、付き合おう」
「―――そう、ありがとう」
オリハルコンの手刀が振り下ろされる。
王女ソフィーリアは討ち取られた。討ち取られて、鐘楼から墜ちて行く。
鐘が鳴る。王女の死を告ぐ鐘が鳴る。
既にお察しの通りソフィーリアは、
ソフィアを銀髪にした2Pカラーです☆
これはゲームなので、
死亡してもキャラロストは有りません。
次回はエルフ狩りの時間です。
ルート分岐
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ダイ大ゲームルート続行
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異世界転生編開始