「ああ、一向に出口が見当たらない……」
どうも、俺は、上條飛鳥。勿論、人間……だったはずだが、気がつくと、何故か別人と言えるほどの見た目…ハーピー族(?)になっていた。。しかし見た目は、俺が知っているハーピー族とは違い、手足は鳥のような翼や足ではなく、ほぼ人間そっくりの見た目だ。現在翼はしまっている。邪魔と思っていたら翼は消えていて、念じると翼が出てきた。今の俺は誰がどう見ても人間と間違える見た目だろう。
そしてこの世界に来てから、洞窟の中を彷徨い続け数週間は経ったと思う。
時間も分からないし、太陽が昇ったのかも沈んだのかも分からないので俺自身が寝て起きたら一日として計算している。
今の状況が分からないまま、俺は洞窟内を彷徨っている。
「はぁ、完全にファンタジーの世界だよなこれ…ゲームに出てくるようなモンスターとも遭遇してるし」
洞窟内は自分がいた世界では存在しない生物がいる。俺は持っていた剣のお陰で簡単に倒せてはいるが、生きた心地がしない。その為、睡眠をとるのも一苦労だった。
「それにこの剣……ただの剣じゃないな……」
左右の腰にある剣を見つめる。この剣はただの剣ではない…紫色の柄をした剣は相手の遠距離からの攻撃を吸収するし、一振りはとてつもない斬れ味で相手を一刀両断できるほどだ。しかも斬撃を飛ばしたりなども出来る。もう一振りの漆黒の剣も同じだ。黒と炎を纏い全てを無に返した。ゲームで例えると上級モンスターをたやすく倒せてしまっている状態だった
「(こっちの漆黒の剣は慎重に使っていかないとな)」
今は出来るだけ危険な生物と遭遇しない様に慎重に洞窟内を進む。
そのはずだったが、足元に何か柔らかい感触がし足元を見る。
「これは……」
目の前には水色のプルプルした何かがいる。
「これって……スライム、だよな…ドラクエとかじゃ有名な」
スライムと呼ぶとこちらの言葉を理解しているのか、軽く体を揺らしてプルプルとさせる。
俺は襲われても対応できるように剣の柄に触れいつでも抜剣できるようにする。こう見えて前世で多少は剣の心得がある。
「なんだろうな……敵意は感じないな」
スライムはプルプルしてるが敵意を感じなかった。襲われてもおかしい距離にいるのに襲ってくる気配はない。むしろ何かを伝えようとしているような感じがした
俺は剣の柄から手を離し、屈むと、スライムに手を差し出す。
すると、スライムも体の一部を伸ばし、こちらの手に触れてくる。まるで握手をするかのように
「このスライム、もしかして俺のやってる事…理解してるのか?」
《解。特定の条件を満たしました。ユニークスキル「繋がりし者」を使用しますか? 》
突然頭の中に声が響いた。何処からか聞こえるわけでもなく、本当に頭の中で。
「(この声は確か…死に際に聞こえてた、それに《繋がりし者》?よくわからないが…YESで……)」
すると俺とスライムは光を放ち俺はあまりの眩しさで目を瞑る。光の線が互いを繋いだ。
◇
「(へぇー、俺と死んだ時期が随分と違うんだな…まさか鳥君がいた時代は平成が終わっているとはなぁ)」
「スライムさんは平成で亡くなられたんですね。どうやら時間軸の流れはこの世界とは違うみたいです」
現在俺は隣にいるスライムさんと洞窟を歩きながら互いの事について会話している。どうやらスライムさんは俺と同じ日本人の転生者のようだった。
あの時…手を差し出し握手をした時、俺たちは光り出し、光が収まると俺はスライムさんと会話が出来る様になった
「スライムさんは通り魔によって殺されてこの世界に……もしかして、スライムさんの元の名前って三上悟って名前じゃ…」
「(えっ!なんで知ってるんだ⁉︎)」
「俺がまだ生きていた時、数年前に大きくニュースで報道されてましたから……話を聞いてもしかしてと思って」
「(そうなのか…それで、俺を刺し殺した犯人はどうなったんだ?)」
「四日後に逮捕されて、その後は重い実刑判決が下されました」
「(そっか……)」
何故先程まで会話出来なかったのに、急に会話が出来ているのか気になっていると思うが、それは悟さんのお陰だ。悟さんの持つユニークスキル『大賢者』により、俺の持つスキルが分かったのだ。
まずは俺のユニークスキル『繋がりし者』とエクストラスキル『闇』・『無』、スキルの耐圧耐性と熱変動耐性、味覚強化・嗅覚強化、視覚強化、聴覚強化……。
俺の持つユニークスキルの一つ『繋がりし者』……
これは一定の条件を満たす事で思考の共有、そして言葉を発さずに脳内で会話などと言ったことが出来るらしい。
そして俺達は互いに習得しているスキルを習得した。ただし既に互いに同じスキルを習得しているものもあったり、悟さんが習得できないものもあった。味覚強化はスライム故に習得できなかったのだ。しかし、悟さんが俺のエクストラスキルである『闇』を習得できたのは幸いだった。ただその内『無』のスキルは獲得はしなかった。
そして俺は『繋がりし者』のおかげで更に、言葉による意思疎通以外にも悟さんにしか聞こえない『大賢者』を獲得し、共有出来る様になった
それから…俺が持っている二振りの剣の名前と詳細がわかった。紫色の柄をした剣は闇黒剣月闇、漆黒の剣の方は無銘剣虚無……俺が持つエクストラスキルの『闇』と『無』を習得したきっかけらしい。
剣の能力を聞き、悟さんと俺は戦慄した。
闇黒剣月闇は禍々しい暗闇を生み出して、全てを静寂へといざない、空間を切断し、闇に至る。そして、未来の災いの啓示…今の所そんな予兆はないがいつ、どんな未来を見せられるかわからない。
そして無銘剣虚無…これがよくわからなかった。あの大賢者でも簡潔に『全てを無に帰すことの出来る剣』としか答えなかった。闇黒剣月闇以上に不気味だ。
そしてこの二振りの剣はエクストラスキル『闇』・『無』を持っているものしか扱えず、習得していないものが触れると拒絶反応を起こすらしい。悟さんの場合、『捕食者』で解析した為、拒絶反応は起きなかったし、俺の『繋がりし者』で深く繋がっている。その結果、俺のエクストラスキル『闇』を獲得しているため闇黒剣月闇を使えるようだ。
ただ、スライム状の身体で使う日はあるのだろうか?
俺は悟スライムさんとこうして洞窟内の探索をしている。もう一匹、いや、もう一人いるだけでもこれだけ違うんだなと思うとすごく嬉しくなる。同じ日本人で転生者だし。
「(鳥君、俺には敬語はいいよ、なんかむず痒いし。同じ者どうし、これからも仲良くしていきたいしな!)」
「え、いいんです……いや、わかった。改めてよろしくな!俺の事も飛鳥でいいよ」
「おう!よろしくな、飛鳥!」
お互い固いことはなしで敬語を止める。
「ところで今日は何をするんだ?」
「(ああ、いつも通り魔鉱石の回収だな)」
「魔鉱石?」
《解 魔鉱石とは魔素の濃度が高い場所にあるとても貴重な鉱石…長い年月をかけて魔素を取り込んで変異した石のことです。)》
「へぇー、じゃあ悟の『捕食者』で食べたら、体内に蓄えられていく、と?」
《その通りです》
悟さんは辺りにある“ヒポクテ草”と呼ばれる草と、魔鉱石と呼ばれる貴重な鉱石の回収をする。俺はそれに同行するだけだ。
「凄いな、掃除機みたいにどんどん食べられていく……」
縦横無尽に草と鉱石を貪り食う悟さんを見ながら歩く。
その時、勢いよく疾走していた為、崖に気づかず悟さんが飛び出した。
「(あ)」
悟さんが素っ頓狂な声を出すのが聞こえた。視線を向けると悟は宙に浮いていた。
「えっ?」
そのまま悟さんはポチャンと崖下にある池に落ちる。それを見た俺は……
「さ、悟さん!」
慌てて翼を出し、飛躍しながら崖下に飛び降りる。そして、そのまま水に潜り、悟さんを探す。
「(いた!)」
沈んでいる悟さんを見つけ、救出するため更に深く潜る。
悟さんに近づくと、突如、悟さんのスライム体が水を吸い込んで膨らみ始めた
「(え?膨らんだ?一体何を……)」
そして、勢いよく水を吐き出した。
「(え……ちょっ⁉︎)ゴボバァ⁉︎」
その勢いで悟さんとぶつかり一気に池の外まで一直線に向かう
「ゲホッ!ゲホッ!ち、ちょっと悟さん⁉︎」
「(あれ!?飛鳥!?どうしてここに!?)」
「助けに来たんだよ!と言うか速い!スピードを落とせないのか⁉︎」
「(そ、それが!速過ぎて……止まれない!)」
《スキル:『水圧推進』を獲得開始》
《『繋がりし者』と繋がっている個体名スライムが獲得したスキル:『水圧推進』を獲得開始……成功しました》
「(何を呑気ないことを!てか…なんか更に速くなってるような…)」
「(あ、あれ?……何か、さっきより……?)」
「多分悟さんが獲得したスキルを俺も習得したから……だと思う」
「(うん……これは)」
「「ぶつかるぅぅぅぅぅぅ!!」
悟さんと俺は岸辺にぶつかり、そのまま俺と共に投げ出される。
俺は悟さんと共に壁へと叩きつけられる。だが、妙に弾力のある壁で、軽く弾かれた悟さんと俺は一緒に地面を転がる。
「イテテ、スライムさん。大丈夫か?」
「(あ、ああ、大丈夫……てか、痛くない?飛鳥は大丈夫?)」
「……ああ、なんとか」
『解、「痛覚無効」によりは痛みは感じません。報告、身体損傷率1%、固有スキル「自己再生発動」』
俺たちに《大賢者》の声が聞こえる。そして、悟さんの体が治り、その光景に悟さんも俺も感嘆の声を出す。
「凄いスキルだな。悟さんと繋がって正解だった……」
「(でも、痛みはなくともダメージはあるんだな。これからは気を付けないと)」
「そうだな……気づいたら大怪我、なんてこともあり得るしな。スライムさんは怪我自体分かりづらいけど……」
『聞こえるか?小さき者たちよ』
「ん?悟さん…何か言ったか?」
「(え?俺は何も言ってないけど……)」
悟さんのものでも、《大賢者》のものでもない。何処からかと思っていると、目の前の何かに気づく。
半透明の虹色の何かに包まれた凄く大きな何か。恐る恐る上を見上げ、思わず絶句した。
なんと目の前には…俺達二人からするとありえない物がいたからだ…その姿を見た俺は冷や汗が止まらなかった
『どうした?聞こえているのだろう?返事をするがよい』
「(もしかして俺達の事か?てか、こっちは口が無いから鳥君以外には俺の声が届かないんだよ!)」
『おい!』
「(ああーもう!うるさいんだよ!ハゲ!)」
「(ちょっ!悟さん!突然失礼だろ!いくら俺にしか聞こえないからって……!)」
『ほほぉ、我をハゲ呼ばわりとはいい度胸だ!』
「「(なっ!?)/えっ⁉︎)」」
まさか悟さんが何を言ってるのか分かるとは思わず、俺達は驚く。
『久方ぶりの客人だから下手に出ていたが……死にたいようだな!』
「(すみません、すみません!まさか思ったことが分かるとは思わず!自分、目も口もない状態でして!)」
「すみません!悟さんの発言は俺からも謝ります!どうか、このとおり!お許しを!!」
二人して平謝りして、許しを請う。
『グハハハハハハハハ!我を見ての発言かと思えば、目が見えぬのであったか!ならば許そう』
「(意外と温情ある方みたいだ……よかった)」
俺達は一安心する。
『ついでだ、見えるようにしてやろう』
「「え?」」
『但し、条件がある』
「……条件とは?」
『簡単だ。見えるようになっても我に怯えるな。それと、また話をしに来い。これはそこの小さき者もだ。どうだ?』
「俺は構いませんけど」
「(お、俺もだけど……それだけでいいの?)」
『うむ。実は300年前にここに封印されてな。それ以来暇で暇でどうしようもなく退屈なのだ。どうだ?』
少ししょんぼり気味に言い、その姿に俺は何処か安心する。その気持ち、スライムさんと会うまでの俺と似た感情だった。
「(封印ってのが気になりますけど………分かりました、喜んで!)」
「俺もです」
『よかろう。「魔力感知」というスキルを使えるか?』
「(いや、使えないです。鳥君は?)」
「俺も使えない。てか使えたら悟さんも既に使えたはずだし……」
「(それもそうだな)」
『話を続けるぞ?「魔力感知」とは、その名の通り、周囲にある魔力を感知するスキルだ』
俺達の返答に嬉しそうな声を上げ、俺達に方法を教えてくれた。
そんなスキル…俺達は持っていないが、スライムさんは気合で感知しようとする。
俺も試しにやってみよう。目を瞑り、辺りに意識を集中させる。
《エクストラスキル:『魔力感知』を獲得》
《大賢者》の声が聞こえ、俺達は、『魔力感知』のスキルを獲得したことが分かった。
それに
「「エクストラ?」」
聞きなれない言葉に、悟さんと共に聞き返す。
《通常のスキルより威力性能が桁違いのスキルです。お二人が持っている『闇』、及び『無』と同じエクストラです》
「おっ!いいね、エクストラ!」
「(こんなにあっさり獲得していい物なのか?)」
と思いながら悟さんの様子が気になったので頭の隅に置く。
「悟さん、どうだ?」
「おお!見えるようになった!てか飛鳥、お前イケメンじゃないか?!」
「……こっちはこっちで元の顔じゃなくなってる事に凹んでいるんだが…」
『どうだ?ま、その様子なら見えてるようだが』
『あ、はい!ありがとうございまえええええええ!!』
お礼を言おうとした悟さんだったが、スキルを教えてくれた方の姿を見て驚いた。
しまった、伝え忘れてた。そりぁ驚くよな。彼を見た瞬間最初は心臓が止まるかと思ったし……
「ど、ど、ドドドド……ドラゴンンンンンッ!!?」
二足で立つ巨大なドラゴンが俺達の目の前にいるのだから……。
デザストがリムルとルイン達の世界に行くのはあり?
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あり
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無し
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作者に任せる