転生したら鳥人だった件   作:狼ルプス

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紺碧の牙と再開

「(ヨシ!ルインもすぐ来るみたいだし、出来るだけ足止めしておかないとな)」

 

ルインとの会話を終えたリムルは、5人のオーガに集中する。

 

「なぁ、お前達、今、俺の仲間がお前達の同族の……」

 

「貴様!生き残った我らの同胞までにも手をかけたと言うのか!?」

 

「外道めが……!」

 

 

「いや、違うって⁉︎話を最後まで……」

 

5人のオーガは武器をリムルに構え始める。もはや話を聞く気はない様子だった。

 

「(ああもう、一分も持たなかった!本当は戦いは避けたかったけど致し方なしだな…)ランガ、リグル達と一緒に倒れている連中の救護をしてくれ。オーガは俺一人で相手をする」

 

 

『リムル様、それは流石に…』

 

「問題ない!負ける気がしない!」

リムルは、はっきりとランガに伝える。リムルからの絶対的な自信を感じ取ったランガは尻尾を振るう。

 

『さすがは我が主、承知!』

 

ランガはリグル達と共に倒れ伏しているホブゴブリンと嵐牙狼族(テンペストウルフ)の介護にあたる。

 

「舐められたものだ。真な勇気か、ただの蛮勇か…その度胸に敬意を払い、挑発に乗ってやろう」

 

赤髪のオーガは、刀を両手で握り、構えを取る。そんな中、リムルは冷静に相手を見据える。

 

「お前達、さっき俺に正体を現せって言ってたよな?これが本当の姿…ってわけじゃないが、もう一つの姿を見せてやろう……」

 

リムルは、右手に水のエンブレムがついたバックルを握り、腰に当てる。

 

【聖剣ソードライバー!】

 

 

「(っ!な、なんだ、頭の中に、なんか流れて………)」

 

聖剣ソードライバーを装着した直後、リムルの頭の中に情報が流れ込んできた。

 

『水勢剣流水に誓う……大切な仲間は、僕が守る!!』

 

大きな分厚い本を持った青い服の若者の姿が映し出された。それと同時に、本と剣の使い方が頭に流れ込んできた。

 

「(大切な仲間を守る…か、俺も、守る者がたくさんある!)」

 

なんでここでルインが持ってる物を俺が使っているのか気になるかい?これも『繋がりし者』の影響だ。あいつがユニークスキル『万能収納』を獲得した時、俺は既に収納できるスキルを持ってたから獲得には至らなかった。だけど、『繋がりし者』の効果で、ルインが収容している道具や武器を共有できるようになったんだ。俺の場合は、身体の中から取り出す事ができる。逆を言えば、俺が溜め込んでいるアイテムも、ルインはいつでも使うことが可能だ。実際、回復薬が昨日一個減ってたしな。

これはまた便利なもんで、ルインが万能収納した物を解析する時、いちいち俺が捕食せずとも鑑定ができる様にもなったんだ。

 

「なんだ、それは?」

 

「まぁ見てなって…」

 

オーガ達が困惑する中、リムルは青い獅子の絵が載っているライドブックのページを開いた。

 

 

【 ライオン戦記!】

 

 

【この蒼き鬣が新たに記す、気高き王者の戦いの歴史…】

 

 

気高い百獣の王者「ライオンセンキ」が繰り広げる戦いの伝承を読み上げたと同時に、ライドブックをソードライバーの中央スロットに差し込んだ。

 

するとリムルの辺りは水に覆われる。それを見るオーガ達は警戒し、ランガ達は動揺した。更に、背後には先程の巨大なライオン戦記の本が現れた。

 

水流を思わせる清廉さを宿した重厚なメロディ…そのメロディに合わせて、彼は勢いよく聖剣を引き抜く。

 

 

【流水抜刀!】

 

 

引き抜いた剣をくるりと回して縦に構えると、リムルは自身の姿を変える言葉を叫んだ。

 

「へ〜〜んしんッ!トォッ!!」

 

そして剣を横一文字に一閃すると、切っ先より水流が現れ出でる。それが彼を包み込み、その身を青き水を纏った剣士へと変貌させていく。

 

 

【 ライオン戦記!】 

 

【 流水一冊!百獣の王と水勢剣流水が交わる時、紺碧の剣が牙を剥く!!】 

 

 

【水勢剣流水!】 

 

黒い身体に青いラインが走った鎧、中央には青き獅子を象った胸当てを纏い、腰の前面と背部には獅子の毛並みを思わせる装甲が展開されており、仮面の剣には、左右非対称のバイザーが剣士の清廉さを際立たせていた。そして剣には水が渦巻く様にまとわりつき、まさしく神秘的の一言だった。

 

「(おお!スッゲェいい着心地!!てか、これ仮面ライダーだよな?俺の知らないライダーだけど、それになんか背も伸びてる気もするし……)」

 

リムルの初感想は着心地だった。背は人間の擬態姿よりも伸びていた。

 

「……す、姿をかえたところで、やる事は変わらない!後悔するなよ!」

 

赤髪のオーガはリムルに仕掛ける。リムルはその場から動かず見据え、赤髪のオーガは刀を振るうが不発に終わる。リムルがその場から消えていたからだ。

 

赤髪のオーガは後ろを振り向くと、リムルは木造のハンマーを持ったオーガの前に立っていた。

 

 

 

「悪いな、戦いが終わるまでじっとしてもらうぞ…」

 

【ジャッ君と土豆の木!】

 

リムルは緑色のワンダーライドブック『ジャッ君と土豆の木』を取り出し、起動させ、剣先に『ジャッ君と土豆の木』を翳した。

 

 

【ジャックと豆の木!フムフム】

 

 

ライドブックの力を読み取り、光り始める水勢剣流水──リムルはハンマーを振り下ろすオーガ見据えて剣を地面に突き立てる。

 

 【習得一閃!】  

 

 

すると地面から蔦が生え始め、木造ハンマーを持ったオーガを拘束した。

 

「な、何だべ、これ⁉︎」

 

「よし、まずは一人(スゲーな…本の力を使うライダー……時代も変わったんだな。しかもこの本、まんま『ジャックと豆の木』だし)」

 

リムルはライドブックを見つめる。しかし、その態度に隙を見た紫髪のオーガが棍棒を背後から横に振るう。

 

「おっと……」

 

リムルはしゃがむことで攻撃を回避する。

 

「残念でした〜、魔力感知で丸見えだ………でかい!」

 

「………!」

 

紫髪のオーガはリムルの言葉に一瞬動きを止めたが、すぐさま棍棒を振るう。

 

「い、いや、丸見えってのはそう言う意味じゃないぞ!誤解はするなよ!」

 

リムルは蔦を操作し、紫髪のオーガも解けない程度にぐるぐる巻に拘束する。

 

「転びそうですよお嬢さん……なんちゃって」

 

リムルは仮面越しから恥ずかしそうに言うが、背後から突如音が響いた。

 

「ば、馬鹿な⁉︎」

 

リムルが後ろを見ると、青髪のオーガがリムルに剣を突きつけていたが、刀身が真っ二つに折れてしまっていた。

 

「今、何かしたのか?」

 

リムルは動じる事なく、ライドブックのページをタップする。

 

 

【 ライオン戦記!】 

 

 

「ライオンワンダー!」

 

水を纏い、突きを放つ。彼が放った剣閃は本のエネルギー体を形成した。そのページから飛び出すのは、ライオン戦記が記す蒼き水のライオンだ。ライオンセンキのオーラはそのまま青髪のオーガに襲いかかり突進する。青髪のオーガは突然の事に防御が遅れてしまい、そのまま水のライオンに激突する。そして、そのまま押し出され木に背中から激突し、倒れ込む。

 

 

「おお……」

 

「流石っす!」

 

「我が主ならば、このくらい朝飯前だ!」

 

リムルの戦いを見たリグル達はリムルの圧倒的な強さに感嘆する。自分達でも苦戦した相手を一人で圧倒しているのならば尚更だ。

 

「若……」

 

「ああ、間違いない、この強さは……」

 

残った老人オーガと赤髪のオーガは圧倒的な強さにより確信を持ってしまう、間違った確信へと。

 

「さてと、お前達、ここまでにしないか?そろそろ俺の言い分も聞いてほしいんだが……」

 

「黙れ!邪悪な魔人め!」

 

「ええっと、だからな……」

 

「確かに貴様は強い、だからこそ確信が深まった!」

 

「確信?」

 

「やはり貴様は奴らの仲間だ!!」

 

「奴等って、もしかしてオークの事か?」

 

「そうだ!たかがオーク如きに、我等オーガが敗れるなど考えられぬ!」

 

「いや、確かにお前達の事情は仲間から聞いて知っているが、オークと繋がりなんて……それに、今、お前さん達の仲間が……」

 

「黙れ!!全ては貴様ら魔人の仕業なのだろうが!!」

 

「魔人?「惚けるな!!」ちょっと待てそれは誤かっ!(この感じ、戻ってきたか!ドンピシャタイミングだ!)」

 

「もらった……」

 

リムルの背後に老オーガが魔力感知を掻い潜り、音もなく立っていた。しかしリムルは慌てる事なく

 

「残念だが、やられるのはお前だ……」

 

 

すると、一つの稲妻が迸り、リムルと老オーガの間に金色の剣士が立っていた

 

 

「何⁉︎」

 

 

【必殺読破!】

 

 

【黄雷抜刀!】

 

「トルエノ・デストローダ」

 

 

【アランジーナ!一冊斬り!サンダー!】

 

 

 

突如と現れた雷の剣士が神速で斬りつける。老オーガは体に電気が走り、その場で膝をついた。

 

「安心しろ、峰打ちだ」

 

「やっと来たか、相棒…」

 

「遅かったか?」

 

「いや、バッチシダ!」

 

「そうか、って言うか、変身できたんだな。どこで使い方を習った?」

 

「説明書を読んだのよ…なんつって。これを装着したら使い方が流れ込んできたよ」

 

「俺が烈火を手にした時と同じパターンか……」

 

乱入したのはエスパーダに変身したルインだった。それを見たオーガ達は突然の事に動揺を隠せない。

 

「じ、爺!!」

 

「ぬぅぅ、面目ない…若」

 

「加減したとは言え、あれを食らって膝をつく程度とは……流石はオーガと言ったところか」

 

「おい、これで加減?本気でやってたら……」

 

「本気で使ったら真っ黒に体が焦げる」

 

「いいっ⁉︎マジでか⁉︎エッグッ!!」

 

二人は余裕を見せる。残りは赤髪オーガただ一人となった。

 

 

「こ、この、化け物共が!鬼王の妖炎(オーガフレイム)!」

 

赤髪のオーガは印を結び、炎の魔法攻撃をリムル達に向けて放つ。リムル達は炎の渦に包み込まれた。

 

 

「やった……のか?………っ⁉︎」

 

すると炎の中から二人が何事もなかったかの様に出てきた。

 

 

「残念ですが、俺達に炎は効きませんよ」「『やったか!?』はフラグだよ、覚えときな」

 

それを見た赤髪のオーガは狼狽していた。まさか無傷で炎から出てくるとは思ってもみなかったのだろう。

 

「若!お逃げくださ「黙れ爺!!」っ!」

 

「……悲しいが、今の俺では貴様らには到底及ばないだろう。だが俺も力ある種族、オーガの次期頭領として育てられた誇りがある!無念に散った同胞の恨みを晴らさずにして、何が頭領か!!仲間を見捨てて逃げるなど言語道断!!敵わぬとて、一矢報いてくれるわ!」

 

 

「「「「若/若様」」」」

 

その瞳には命を燃やす覚悟が宿っていた。しかし、それを他所に、二人は脳内会話で話し合う。

 

「(そう来たか、どうするルイン?)」

 

「(もう戦う必要はない……もうすぐ来るはずだ)」

 

 

「お兄様!!」

 

すると上空から降下してくる何かが見えてきた。その場にいる全員は一斉に空を見上げる。

 

 

「…………今の、声は……」

 

赤髪のオーガは動揺したように、持っていた刀を手放した。見えてきたのはルインが召喚した魔法の絨毯、そして乗り手……

 

 

「「「「「妹!?/姫様⁉︎」」」」」

 

「……お兄様………お兄様ー!」

 

姫は絨毯から降り、赤髪のオーガに抱きついた。赤髪のオーガも姫様を強く抱きしめ返した

 

「無事で、無事でよかった!!お前、今まで何処に………」

 

赤髪のオーガも涙を浮かべながら妹と無事を喜んでいた。

 

 

「……よかったな、姫様」

 

「あの子が……オーガの姫様か?」

 

「ああ、そうだ」

 

ルイン達はその様子を仮面越しに優しく見守っていた。

 

 

「お兄様、よくぞご無事で……」

 

「お前こそ、それよりも……何故ここが……」

 

「そのお話は後ほど、それよりお兄様、彼らは敵ではありません!彼らはオークから私を救ってくださった恩人の仲間なのです!」

 

「何!?」

 

赤髪オーガ…オーガの若様は俺達を見つめてきた。

 

 

「今の話、本当なのか?」

 

「本当です。あなた達の仲間に手荒な真似をした事は謝罪します。ですが、こうでもしないと貴方達は話し合いに応じない様子でしたし、とにかく話だけでも聞いてくれませんか?もしかしたら今後あなた方の力になれるかもしれませんし」

 

「そっちの事情はルインから聞いてる。ルインの言った通り、話聞いてくれるか?」

 

「………」

 

どうやらこれ以上の言葉は不要だった。オーガの若様はようやく頭が冷え、冷静になった。

 

「よかろう、話し合いに応じよう」

 

ルインとリムルはその言葉を聞いて互いを見つめ頷き、ソードライバーの装身されていたライドブックを閉じて引き抜き、変身を解除する。

 

こうして誤解から始まったオーガとの戦いは無事に終息した。

 

 

 

この時、姫以外のオーガは変身を解除したルインの姿を見て驚きを隠せなかったことを付け加えておこう。

 

 

 

デザストがリムルとルイン達の世界に行くのはあり?

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