俺の名はリムル、生前に通り魔に殺され、スライムとして異世界に転生してしまった元人間だ。
もう一人の同郷(日本)の転生者神條 飛鳥…今では
ここまで色々とあった。名前はまだ決めてないが、今では国とも言える規模の街ができ、面白おかしく過ごしている。
話を現在に戻す。件のルインは、鍛錬で出払っている。
気配が消えているからおそらく異空間に転移したのだろう。しかし思念伝達や脳内会話などは届くから、何かあった時にはすぐに連絡できる。
「(あいつも街じゃ人気者だからなぁ……俺も人のことは言えないけど)」
俺は今、どうしてるかって?自分の美人秘書……鬼人シオンの膝の上に乗って、家の和室でくつろいでるよ。羨ましいだろ?
「(しかし、こういう時にも訓練だなんて、ルインちゃんは真面目だよねぇ。あ〜〜〜〜、平和って素晴らしい!)」
リムルはこの平和な時間を満喫していたが、その平和もすぐさま崩れ去ることになる。
『リムル様、緊急事態です』
突然、ソウエイから思念伝達が届く。リムルはスライム体をたゆらせて一瞬動揺するが、すぐに対応する。
『何があった、ソウエイ?』
『北の空に武装集団を確認しました。その数およそ500、一直線にこちらへ向かってきています』
『わかった、すぐに向かう。ルインには?』
『いえ、まだ連絡はしておりません』
『わかった。ルインには俺が連絡しておく。ソウエイは引き続き警戒を頼む』
『了解』
「シオン、リグルドに避難命令を出すように伝えてくれ!」
「はい!」
緊急事態故に、リムルはシオンへ指示を出す。
そして、急いで目標の場所に向かい、上空を見上げる。
「(ペガサス⁉︎ライドブックにもあったけど、生で見ることになるとはなぁ。大賢者、連中が頭上を通過するだけって可能性はあるか?)」
《解。目標が下降を開始しました。目的地はこの場所で間違いありません》
「(統制の取れた武装集団か……下手したらオークより脅威だ。一体何しにきたんだ?街もせっかく出来てきたんだ。なるべく争いは避けたい……そもそも何者なんだあいつら?)」
「リムル様!」
空のペガサスの集団を見上げながら思案していると、鬼人やゴブタ達が集まってきた。
「あれは!もしかして……!」
「おいおい、なにしてるんだよカイジン!?早く避難を!!」
生産職である鍛冶師のカイジンまでがなぜか前線にまでやって来て、望遠鏡でペガサスを眺めていた。
「いや、心当たりが……昔、酒の席で退役した老将に聞いたんだ。ドワーフ王の直轄に極秘部隊がいるってな」
「奴らがそれかもしれないってか?」
「ああ。なにせ、その部隊は───
すると沢山のペガサスが下りてきた。背中に、全身を鎧で纏った騎士たちを乗せている。
そして、一番大きなペガサスが前にやってきて、その背から一人の男が降りてきた。
その人物を見るや否やカイジンは跪いた。
「……っ、お久しぶりでございます。ガゼル王よ」
圧倒的威圧感にがっちりとした筋骨隆々な身体、褐色の肌、後ろに撫でつけた漆黒の髪……威厳のある顔立ち、
ドワーフ王国の王、ガゼル・ドワルゴ本人だった。
「(マジか、王様自から出向いてきてんのかよ……ルインに報告しないとな。 あーあーテステス!ルイン、聞こえるかぁ!?)」
リムルはルインに脳内会話を飛ばすと、数秒後、ルインから返答がきた。
『(リムル、何かあったのか?)』
「(繋がった!緊急事態だ!今すぐ俺のところに来てくれ!)」
『(緊急事態⁉︎一体何が…)』
「(ドワーフ王国の事は覚えてるよな?)」
『(勿論。まさか……)』
「(察しが早くて助かる。ドワーフ王国の王が自ら出向いてる。すぐにこっちに戻ってきてくれ)」
『(わかった。すぐに向かう。それまでの間は頼んだぞ)』
「(おう、任せとけ…)」
二人は脳内の回線を切る。その間、ガゼル王はカイジンを、そしてリムルを見た。
「久しいな、カイジン。それにスライムよ。余─── いや、俺を覚えているか?」
「(勿論、忘れるはずもない)」
リムルはドワーフ王国での事を思い出す。ガゼル王と会ったのは国の大臣でもあるベスターの罠にはまって裁判にかけられ有罪寸前だった時だ。
その時にガゼル王と対面し、その公明正大な裁決により事なきを得た。
「王よ。本日は何か御用があるのでしょうか」
「なに。そこのスライムと……
王が1人で出歩くのは出来ないのは当然だろう。万が一でもあれば 国の崩壊を招く可能性もあるからだ
「(そりぁまあ、王様だしな……しかし、これはマズイ。俺とルインが貶されたって思ってるのか?鬼人たちが爆発寸前だ。特にソウエイが笑ってるのが怖い!普段冷静なだけにキレたら何をするかわからん)」
集まっていた鬼人達の表情は険しい。唯一笑っているのはソウエイだけだが、その笑みはリムルですら恐怖を感じた。
「ところで、あの人間そっくりな
「ん?ああ、アイツは……」
「ここにいる」
すると空間が斬り裂かれ、その中から月闇を持ったルインが現れた。
「な、なんだ⁉︎」
「空間が斬り裂かれたのか⁉︎」
突然何もない場所からルインが現れ、ペガサスに乗っている騎士達は動揺していた
「すまない、遅くなった」
「いや、問題ない、と言うかお前それ使ってたのかよ」
リムルはルインの腰あたりを見ると覇剣ブレードライバーを装着したままだった
「すまない。すっかり忘れていた」
ルインはリムルに指摘され、ブレードライバーを消す。
「ほぉ、面白いものを持っておるな…」
「ガゼル王…本当に自ら…」
「驚いたか?」
「…はい」
「(無理もない、突然の訪問だしな)あ――、今は裁判中でもないし、こちらから話しかけてもいいんだよな?」
「当然だ。お前達は下がっておれ」
ガゼルも側近を後ろに下がらせる。それと同時に、リムルは人間姿に変えた。
「まずは名乗ろうか、俺の名はリムル……スライムなのはその通りだが、見下すのは止めてもらおうか」
「俺はルイン、信じられないかもしれませんが、一応俺達はジュラの森大同盟の盟主なんです」
リムルがスライムから人の姿に化けるのを見て 騎士達がどよめくがガゼル王は全く動じなかった。
「まぁ、これが本性って訳でもないが、こっちの方が話し易いだろ?」
「ほう……人の姿で、お前も剣を使うのか……」
「そんな警戒しないで欲しいんだけどな」
「それを判断するのはこの俺だ……貴様らを見極めるのに、言葉などは不要」
ガゼルは剣を抜剣し、剣先を二人に向けた。
「この剣一本で十分だ。この森の盟主などという法螺吹きには分と言うものを教えてやらねばなるまいしな」
「(いや、煽んないで欲しいんだけど……)」
「(やばい、ソウエイが翠風に手をつけた)」
リムルとルインの背後に燃えあがる炎、冗談抜きでベニマルは小さな黒炎を出し、シオンも大太刀を抜剣しようとしており、ソウエイは翠風の柄を握り、片手にはライドブックを持っており臨戦態勢だ。
そんな時、一陣の風が舞い そして、姿を現した。
「……我らが森の盟主に対し傲岸不遜ですよ、ドワーフ王」
現したのはトレイニーだ。しかしトレイニーは怒っている様で、表情が険しい。
森の管理者である
「よう、トレイニーさん」
「こんにちは」
「御無沙汰しておりますリムル様、ルイン様、同盟締結の日以来ですわね」
ドワーフ側も色々な情報を掴んでるが、まさか
そんな混乱の最中、笑い声をあげるのはガゼル王だ。
「ふはっ、ふはははは!森の管理者がいうのであれば真実なのであろう。法螺吹き呼ばわりは謝罪するぞリムル、ルインよ……だが、貴様らの人なりを知るのは別の話。得物を抜けい!」
「まだ無礼を重ねると…」
「いいよトレイニーさん、俺達が無害だってことは証明するしかなさそうだ」
「ああ、ここからは剣での語りあいですよ…トレイニーさん。(リムル、ガゼル王とは俺にやらせてくれないか?)」
「(いや、二人で一緒に戦う方法が一つだけある)」
リムルはスライム体から剣の刃が折り畳まれたバックルを取り出し、装着する。
「(成る程な…今回はお前が俺の剣になるのか)」
「(そう言う事、そんじゃあ行くか相棒)」
「(ああ…!)」
「何をするつもりだ?」
「まぁ見ててください、多分あなたでも驚くと思いますから…」
ルインは抜剣した状態の火炎剣烈火を取り出し、リムルはライドブックを起動し、表紙を開いた。
【GOLD OR SILVER】
ページ閉じると剣の剣先を展開させ、サイコウドライバーにライドブックを装着し、サイコウドライバーから剣を引き抜く。
【最光発光!】
「変身!」
【 Who is the shining sword 最光一章! 金銀の力を得た輝く剣! 最光!】
リムルは光剛剣最光を天に向けると、光の粒子状となり剣に吸い込まれ、一体化するように変身する。 そして、ルインは仮面ライダー最光を掴む。
「なっ⁉︎剣に変化した⁉︎」
「なんなんだ、あれは!!」
リムルが剣……最光に変身したことに三度場が騒然となる。あのガゼル王ですら驚いている様子だった。
「ふははは!これはまた面白い姿になったものだ!」
『言っておくがこの姿でも喋れるし、単体でも動ける。だけど、今回の俺はルインの剣として役目を果たすつもりだ』
「ガゼル王、こちらは二刀流でも構いませんか?」
「うむ、問題はない」
「……では、立会人は私が行いましょう」
両者は剣を構える。その場は風が吹き荒れ、緊張感が増してゆく。
「始め!」
トレイニーの合図と同時に、ルインが駆け出してゆく
ここにドワーフ王と二人の魔物の主の戦いが始まった。
今回ルインは変身なしで烈火でガゼル王と戦いますが、リムルは最光と変身し、剣としてサポートします。
今回は真剣勝負のため聖剣の能力は使わない予定です
デザストがリムルとルイン達の世界に行くのはあり?
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あり
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無し
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作者に任せる