転生したら鳥人だった件   作:狼ルプス

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魔物の国テンペスト

 

 

「ハァッ!」

 

ルインは烈火を振るいガゼル王に斬りかかり、刀身から火花が散る。ガゼル王は簡単に受け、押し返し、今度は光剛剣最光で突きを放たれるもこれも躱す。

 

二人の剣は高速で振るわれており、普通の者であるなら目視は難しいほどだ。

 

 

 

「ルイン様、リムル様」

 

「大丈夫ですシュナ様。お二人は必ず勝ちますとも!!」

 

「……(ガゼル王はその昔、“剣鬼”と呼ばれる達人に教えを請いその剣技を以って“英雄王”と謳われるお方。生半可な剣技で勝てる相手じゃないぜ、旦那達……!)」

 

シュナは心配そうにルイン達を見守る。

 

 

ルインは斬撃はどんな角度どんなスピードで斬り込んでも受け流されていた、しかも一歩も動かずに。

 

「(どんな角度からも速度で切り込んでも受け流されるな!)」

 

「(流石は英雄王と言われる存在、しかもその場から一歩も動いていないとは…)」

 

「(ゲッ⁉︎マジか!)」

 

リムルはガゼル王がその場から一歩も動いていないことに腹立ててはいるが、ルインは冷静にガゼル王を見据える

 

 

「どうした?そんなものか?」

 

「いや、まだまだこれからですよ!!」

 

変身やスキル、聖剣の能力を使えば勝てる可能性もあるがこれでは精神的敗北になる。

 

今回リムルは変身しているがあくまで能力は使用せず、剣としての役割を果たしている

 

すると、ガゼル王から風のような圧が出る。すると、最光に変身しているリムルが硬直するが、ルインは何ごともなかったかのように、駆け出し、ガゼル王の前から姿を消す。

 

「!?(効かない…?それにあの動きは)」

 

「(ここだ!!)」

 

ガゼル王の背後に現れた気配を絶ったルインは現れ、烈火と最光を同時に振るうが、いとも簡単に受け止められる。しかしあまりのパワーにガゼル王はついにその場から押し出された。

 

「(なんと重い一撃…)」

 

 

 

「(よし!ようやく動かすことができたぞ)」

 

「(る、ルイン、お前、大丈夫なのか?)」

 

「(ん、なにがだ?)」

 

「(いや、さっきガゼル王なんかしただろ?この状態じゃわかりづらいが俺硬直してたんだぞ?)」

 

「(どういうこと?大賢者…ガゼル王はなにかしたのか?)」

 

 

《告。エクストラスキル『英雄覇気』です。対象を萎縮させ屈服させる効果があります》

 

「(そんなスキルを使っていたのか、じゃあなぜ俺には効かなかったんだ?)」

 

《個体名ルイン・テンペストのエクストラスキル『無』の効果です》

 

「(……成る程な、正に全てを『無』へと帰す、か)」

 

「(お前の『無』のスキルは身をもって経験してるからわかるが、改めてお前のスキル…俺の進化した『捕食者』なみにやべーな…因みに大賢者、対策方法は?)」

 

《…気合いです》

 

「「(え、それだけ?)」」

 

《はい。》

 

気合いで解けるスキル、強いのか弱いのか…どこぞの海賊漫画の覇気じゃないんだぞ、と思った二人だった。

 

 

「……やるではないか、では」

 

すると、ガゼル王は剣技によくある型の構えを取る。

 

「(…!あの構え、まさか…)」

 

 

「行くぞルイン!朧・地天轟雷!」

 

すると、ガゼル王はルインの目の前から姿を消した。

 

 

「(ッ⁉︎瞬動法⁉︎それにこの感じ……くる!)」

 

 

 

下段から斬り上げをルインは避けるも、一瞬体勢を崩す。即座に立て直し、続く上段からの二の太刀として上から振り下ろされた剣をルインは烈火で受け止める。

 

 

「………(ガゼル王の剣技、間違いない、これで確信がついた)」

 

 

「……ふっ、ふははははッ!!こやつめ俺の剣を受け止めおったわ!!しかも片腕のみで!」

 

『お、おい?』

 

「降参だ。俺の負けでいい」

 

「勝者、ルイン・テンペスト!」

 

俺はその言葉で烈火を仕舞い、リムルは変身解除する。正直片手で受け止められたのは、聖剣だからこそできる芸当だ。普通の刀だったら真っ二つに斬られていただろう。

 

 

「ほっほっほっお見事でしたなルイン様、リムル様」

 

「ハクロウ先生」

 

「俺は今回なにもしてないぞ〜…」

 

 

「ほっほ、そこはお気になさらないでくだされ、ルイン様も打ち込みの方はますます鋭くなってきましたな。明日から成長に合わせ倍にしていきますぞ」

 

「あはは、気を引き締めなきゃな…」

 

「(こいつ、よく前向きでいられるな。俺でもキツイと思う内容なのに唯一前向きかつ生真面目に稽古に励むからな)」

 

 

リムルはルインの前向きな気持ちに若干引いていた。ルインとハクロウの稽古はもはや本当の戦闘と変わらない規模での稽古となっている。

 

 

 

「失礼ですが剣鬼殿ではありませんか?」

 

「…先程の剣技、如何なる猛者かと思ってみれば、見違えましたな」

 

「剣鬼殿にそう言って頂けるとは恐縮です」

 

「ふむ、森で迷い、剣を教えた小僧が、儂以上の剣士に成長なされた…いや失礼、ドワーフ王。ワシ以上の剣士へと成長したようで重畳ですじゃ」

 

「あれから300年になりますか」

 

二人は再会した師匠と話し始めたが、リムルは状況がのみこめなかった。

 

 

「(え?何?知り合いなの?…)」

 

「(そっか、リムルは知らないんだっけ?)」

 

「(え?お前知ってたのか?)」

 

「(以前、ハクロウ先生と釣りをしていた時に話してくれたんだ、『昔森で迷っていた子どものドワーフを鍛えたことがある』って。まぁ気づいたのはガゼル王が構えをとった時と、瞬動法を使った時だけどな)」

 

「(そんな繋がりが……ということはガゼル王は俺とルインの兄弟子になるわけか?)」

 

 

「(そう言う事になるな……)」

 

すると、ガゼル王が俺たちの背中を叩く。

 

「さぁ、早く案内してくれリムル、ルイン。上空から見た限りかぎりじゃ美しい町並みだったぞ?美味い酒くらいあるのだろう?」

 

「…まぁ、あるけど」

 

「裁判の時と比べて軽すぎませんか?」

 

「なぁにこっちが素よ」

 

 

 

ガゼル王達は、正式に街へ招待されることになった。

 

集会場として造られた建物にある畳敷きの大広間には食事や酒が並べられ、一国の王を持て成すにも相応しい水準で、皆美味いと驚いてくれた。

 

因みに今回出している料理のジャンルは和食関連だ。俺とリムルが生前食べた料理をゴブイチやシュナ達料理人が完全再現したレシピで振舞っている。

 

 

「ルイン様、どうでしょうか?」

 

「うん、美味しい。塩加減もバッチリだ」

 

「よかった、それと…今回のルイン様、とても素敵でしたよ」

 

「ありがとう。ハクロウ先生との修行の賜物さ。シュナも最近忙しいみたいだが…しっかり休んでいるか?」

 

「平気です。こう見えて体力には自信がありますので!」

 

「…そうか」

 

笑顔でそう言われると、ルインも優しく微笑む。

 

 

 

実際ルインはハクロウとの修行の成果で、ハクロウの剣技とカラミティ・ストライクという技を習得している。カラミティストライクは変身していない状態でも使え、バリエーションも色々ある。

 

今のところ変身状態で使うカラミティ・ストライクはファルシオンとの相性が最高にいい。後大きなライドブックをどうにかするだけであった。

 

シュナとは時間がある時にはよく会話したり、散歩など、時折食事などもしている。最近では趣味で俺が書いている小説などを読んでくれたりなどして、面白いと言ってくれる。

 

内容?それはまだ秘密だ。

 

 

「おーい、ルインちゃ〜ん!」

 

しばらく二人は食事をしながら会話を楽しむと、リムルが、片手を上げて俺を呼んだ。

 

シュナと別れて、俺はリムルの隣へ腰を下ろす。

 

「ガゼル王、何かお話が…」

 

「そう固くならんでも良い。お前も剣鬼殿に師事しているのだろう?あの瞬動法は見事だった」

 

「ハクロウ先生にはまだ気配の消し方が甘いと指摘はされていますが…」

 

「ふははは!流石剣鬼殿、あの程度では満足はされぬか。それと、改めて見るが、本当に人間と変わりないな」

 

ガゼル王は改めてルインを見つめる。本来の有翼族(ハーピィ)からかけ離れ、翼以外は人間そのままの見た目だ。

 

「ガゼル王でも、俺みたいな有翼族(ハーピィ)は見た事はないんですか?」

 

「うむ、上位種族を含め、有翼族(ハーピィ)は何度もみるが、お前のような完全な人間姿の有翼族(ハーピィ)はそうそういない」

 

ガゼル王は態度がやたらと気さくだった。酒を片手にポテチをつまんでいる姿は、親しみが湧き、話しやすい。

 

「剣鬼殿はお前の自慢ばかりしていたぞ。それは嬉しそうにな……どうだ、次はお前の本来の力を使い俺と剣を交えてみる気はないか?」

 

「はは、はい、機会があればいつでも受けて立ちます」

 

「良い心がけだ。時にルインよ、お前が使っていた剣は聖剣とリムルに聞いたが、まことか?」

 

 

「本当ですよ。ただ普通の聖剣ではないとだけは言わせてもらいます」

 

「ほう、それはリムルが剣に姿を変えた事にも関係するのか?」

 

「はい、この本と聖剣を使い、俺達は変身できるんです」

 

ルインは聖剣とライドブックの事をガゼル王に説明する。この事を話すのは信頼に値する人物と判断しているからだ。その代わりに魔物の危険度の区分などを教わった。

 

 

魔物は災害級(ハザード)災厄級(カラミティ) 災禍級(ディザスター)に区分されており、オークロードの場合は災害級(ハザード)に区分されている、と。

 

そんな話をしながら、料理も褒めていただき、少し落ち着いたところで、ガゼル王から申し出があった。

 

「リムル、ルインよ、俺と盟約を結ぶつもりはあるか?」

 

「………」 「ブホッ⁉︎」

 

「『何言ってんだ、このオッサン』みたいな顔をするんじゃない。お前はお前で汚いぞ…」

 

 

「ケホッケホッ、す、すみません」

 

「話を続けるぞ。この町は素晴らしい造りをしていた。ここはいずれ交易路の中心都市となるだろう。お前達がもしもこの広大な森を全て掌中にできたならば我が国をも上回る富と力を手に入れることができよう。その時に後ろ盾となる国があれば便利だぞ?」

 

「…いいのかよ?」

 

「ガゼル王、あなたが言っている事は、俺たちを…魔物の集団を国として認める、と言っているようなものです」

 

「無論だ。これは王として、言っておる。当然だが、善意の言葉ではない。双方に利益がある話だ」

 

「ホントにぃー?俺達だまされてない?」

 

「リムル、ガゼル王は本気だぞ…嘘の匂いなんて一切しない」

 

 

「ふははははっ、ルインは話が早くて助かる。リムル、恩師やドライアドを前に、その主を謀ろうなどとはせん。条件はとりあえず二つだ。一つ、国家の危機に際しての相互協力、二つ、相互技術提供の確約、なに、答えは急がずともよい。よく考えるがいい」

 

ガゼル王の言葉に二人は互いに見つめる

 

「(ルイン、答えはもう決まってるよな?)」

 

「(ああ、返事は一つだ)」

 

 

「ガゼル王、その条件」

 

「…喜んで受けたいと思う」

 

「……ふっ、王者に相応しき決断力だ。さすがは俺の弟弟子達よ!で、お前たちの国の名は何というのだ?」

 

 

「…名前、考えたこともなかったな……」

 

「まだ国という段階でもなかったからな。俺達はジュラの森大同盟の盟主だけど、国主ってわけじゃないし…」

 

「リムル様とルイン様を王と認めぬ者がいたならば、このシオンが…「酒の席での抜刀は失礼だぞ、シオン!」」

 

シオンはルインに叱責され、項垂れながら納刀する。

 

「国の主を決めるって話ならルイン様、リムル様で決まりだと思うぜ?力ある者に従うのは魔物の本能だが、少なくとも俺たちは、それだけで配下になったわけじゃないしな、例え王が二人だとしても我らは反対の意はありません」

 

「お、おいお前ら…」

 

「そんなに持ち上げないでくれ、それに俺は王って柄でもないし、ここには森の管理者だってい…「いいと思いますリムル陛下。ルイン陛下」………」

 

 

「ここの王は貴様ら以外におらんようだな。では明日の朝までに国名を考えておけ。そして今夜は酒に付き合え」

 

「「考える時間くれないんですか!/ねえのかよ!」」

 

話を聞いていたベニマルが賛同するように言った。トレイニーさんもいる手前、恐縮していた俺達だったが、トレイニーさんからも賛同を得て、この国の王は二人に決まった

 

 

 

 

 

 

 

 

ルインは部屋から離れ、屋根の上で夜空を眺めている。ルインは万能収納から火炎剣烈火を取り出し、刀身を撫でながら問いかける

 

「シズさん、俺とリムルがこの街…国の王様だって、笑えますよね?どこぞの最高最善の魔王様だったら笑顔で引き受けてただろうな…」

 

ルインは烈火に問いかけるも烈火は答えない。ただ夜風が吹き、ルインの髪を揺らすだけだった

 

 

「……覚悟を超えた先に…希望はある。覚悟……決めないとな」

 

 

──大丈夫、ルイン君なら絶対にいい王様になれるよ!

 

 

「え……」

 

ルインは烈火に視線を向けると、炎のエンブレムが赤く光っていた。

 

その間、烈火が温かかった。

 

しかし光はすぐに消え、それ以降は何の反応もなかった。

 

 

 

「…ありがとう、シズさん。俺、頑張るよ」

 

 

烈火に誓いを立て、万能収納に烈火をしまう。

 

 

 

「ルイン様……」

 

「シュナ?」

 

すると隣にはシュナが立っておりルインを見つめていた。手にはお盆と皿、箸があり、コップあった。

 

 

「軽いものをお持ちしましたが、いかがなさいますか?」

 

「もらうよ。シュナ……ここに」

 

「は、はい。失礼致します」

 

 シュナがちょこんと隣に腰を下ろす。天気はよく、夜空には沢山の、星空が広がり月もてらしていた。優しく吹く風も気持ち良い。

 

俺は箸を取り、揚げ物を一口食べる。味付けも抜群でタレもなしにいける。

 

隣ではじっとシュナは見つめていた。

 

「シュナ、どうかした?」

 

「いえ……本当に美味しそうに食べているので…嬉しくて」

 

「そうか、それにシュナは大活躍してるよ……衣と食はシュナのおかげですごく改善したし」

 

 

シュナやドワーフ三兄弟たち衣類製作組のお陰で、今では衣服も生前と変わらない服を着れるようになった。

 

 

「私は御二方にお仕えする身、日々充足感に満たされております。ルインさんは、私の命を救って、我らに居場所と安息をお与えくださいました。私は……その御恩に報いたいのです」

 

 鬼人達は今ではたった6人……魔人ゲルミュッドが、オーク族の王ゲルドさんを操った事で、里は蹂躙された。

 

今ではオーク達は俺達の配下となり、日々街で頑張って働いている。この街がここまで発展したのも一人一人の頑張りがあってこそだ

 

当初鬼人達は同胞の仇を果たすという目的のために配下となっていたが、それを果たした後も、ベニマル達の望みで今では頼もしい仲間となっている。

 

 

 

 

「シュナ…ありがとう」

 

「……え?」

 

シュナは突然のお礼に戸惑う、嫌がられているわけじゃなさそうだ。

 

「シュナは毎日本当に頑張ってくれてる。俺やリムルができない事を率先してやってくれて、料理だって今は客人に満足するくらいの出来だ。食べるという字は人が良くなると書くっていうしな。それに、俺もシュナには助けられてるんだ。だから……いつもありがとう」

 

 

「ルイン様……」

 

シュナは頬を染めて、恥ずかしくなったのか顔を俯かせる。そして、数秒してから顔を上げた。

 

 

「とても、嬉しいです。ルイン様……もしもまた、お誘い頂ける機会があれば……その、また二人で一緒にお出かけしませんか?」

 

「もちろん、ちょうど試したいことがあったから、その時でも構わないか?」

 

「はい……喜んで!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、ドワーフ達との宴会は朝方近くまで続いた。

 

しかし、知らぬ間に二人の仲は更に深まるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

◇翌日

 

 

 

調印式を経て、ドワルゴンとジュラ・テンペスト連邦国の協定は結ばれた。

 

 

ちなみに国の名前は俺とリムルで話し合って決め、街の名は、配下の皆で話し合い、中央都市リムルに決まった。

 

リムルは、止めさせようとしていたけれど、俺自身含め皆で押し切ったのだった。

 

自分の名が都市の名になるのは流石に恥ずかしかったからだ。

 

 

 

これで、この街はまた一層賑わい始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして万能収納の空間にある絵のないドデカイライドブック一冊とブレイブドラゴン、ストームイーグル、西遊ジャーニーが光り始めた。

 

 

そして三冊の赤い本は光の粒子へとなりドデカイ本へと移っていく。するとブレイブドラゴンが描かれて、白銀の鎧騎士が描かれたブックとなり、光は強くなって、本は銀色へと輝きを変えた。

 

 

 

【ドラゴニックナイト!】

 

 

 

デザストがリムルとルイン達の世界に行くのはあり?

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