転生したら鳥人だった件   作:狼ルプス

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村の状況

 

 

「(うーん、俺が眠ってる間、そんな事が……)」

 

「(俺も大賢者に聞いて驚いたけど、リムル、よくよく考えたらヴェルドラの言っていたことを思い出さないか?)」

 

 

「(ん……?)」

 

──お前たちはまだ名無しだが、これでネームドモンスターを名乗れるぞ!

 

 

「(言われてみれば、ヴェルドラが俺達に名前をやる云々言ってたな…………そうか!)」

 

「(ああ、魔物にとって、名前を得ることはネームドモンスターへの道筋…つまり、魔物としての格を上げる事となり、その結果、進化した、と)」

 

「(なるへそ……それでみんな大喜びしてたのか。俺の魔素がゴッソリ吸い取られた理由も、これでハッキリしたって訳だ。そんじゃ、ルインは大丈夫だったのか?)」

 

「(俺は後数人名前を付けていたらリムルと同じ状態になっていたらしい。多分名付けをした数はリムルの方が多かったんだろ。それから、リグルド村長に聞いた所、進化の際に、“世界の言葉”が聞こえたそうだ。それは名付けしたみんなにも聞こえたらしい)」

 

「(そうなんか……しっかし話を聞く限り、今の状況ってそこまでに悪くないんじゃないの?)」

 

「(俺は、はっきり言って非常に不味いと思う……)」

 

ルインはリムルを抱えながら、今後のことを考えていた。

 

ボロ布で全身を纏っていたゴブリン達だったが、進化のせいかサイズが合わず、出る所が出て艶っぽいし色っぽいのだ。

 

ゴブリナに関しては目のやり場に困ってしまう。中にはスタイルの良い者もいる為余計に、だ。

 

 

「(まずは衣食住の衣がいの一番だ。俺の着てる服もそろそろボロボロだしな…)」

 

「(まぁ、やる事が見つかって良かったということにしとくか)で、ランガ、俺はお前の名前しかつけてないハズだが、なんで牙狼達全員進化してるんだ?」

 

ランガはリムルが回復したのが余程嬉しかったのか、まとわりついて離れない。俺も同じ気持ちだったので、敢えて自由にさせていた。

 

「我が主達よ!我等、牙狼族は全にして個!故に、我が名は種族名となったのです!」

 

「(ふむふむ。共通の名として、種族全体が進化したんか)」

 

「(俺のユニークスキルの『繋がりし者』みたいだろ?)」

 

「(確かに、違いはありすぎるが似てるには似てるな)良かったな!」

 

リムルが声をかけると、千切れんばかりに尻尾を振っていた。

 

5mの化物のようなデカさの狼に尻尾を振られると、俺達は風圧で飛ばされそうになる。もしリムルを抱えていなかったら、間違いなくリムルは吹き飛ばされていただろう。

 

ルインが注意すると、ランガは落ち込んだ。そんなしょんぼりしているランガの姿をルインは可愛いと思った。因みにルインは犬派である。

 

その日の夜は、リムルの復活を祝ってお祭り騒ぎとなった。リムルは味覚がない為、食べなくても大丈夫だが、俺は食事が必要で有る。相変わらず火加減がちょうど良くすごく美味しかった。ゴブリンの中に物凄く料理上手な者がいて良かったよ。

 

 

そして次の日、リグルド村長にお願いして、ホブゴブリンとゴブリナ、嵐牙狼達を広場に集めてもらった。

 

俺が切り株に座ると、リムルは俺の膝の上に乗ってきた。しかし……、

 

「(なんで髭を?)」

 

「(ふっふっふ、雰囲気も大事なのだよルインくん)」

 

「(つか、その髭はどこから…)」

 

「(聞かない方が身のためさ…)」

 

 

しばらくすると、ザワザワと騒がしかったホブゴブリン達が静かになり、

 

「…はい、今みんなが静かになるまで5分掛かりました」

 

小中学校の校長や教師が集会で言う例のセリフを言い放った。

 

 

「「……?」」

 

「(持ちネタが通じないだと⁉︎)」

 

 「(流石に俺達以外はわからないだろうなぁ。俺は懐かしく思ったけど……)」

 

「リムル様、なんですか今のは?」

 

「いや、気にするな。えー、気を取り直して……見ての通り、俺達は大所帯になった。そこで、なるべくトラブルを避けるため、ルールを決めようと思う」

 

「「ルール?」」

 

一同は首を傾げる。

 

「ルールは三つだ。1つ、仲間内で争わない。2つ、進化して強くなったからと言って他種族を見下さない。3つ、人間を襲わない。以上だ。最低この3つは守ってほしい」

 

 ルインはルールの内容を伝える。このルールはリムルと話し合って決めたものだ。集団生活にルールは必須だからな。

 

 

「宜しいでしょうか」

 

「お、なんだねリグル君」

 

「何故人間を襲ってはならないのでしょうか?」

 

「こ、こら!リグル…!」

 

「いいですよ、村長、リグルの言ってきたことはもっともな質問だ。むしろ疑問に思った事を質問する事はいい事です」

 

 疑問を持って質問したのは、話を真面目に聞いてくれている証拠だ。彼は交渉力とか観察眼とかに優れているのかもしれないな。

 

「その通り。リグルの質問の答えは簡単な理由だ。俺とルインが人間が好きだから。以上!」

 

「なるほど!理解しました!」

 

 「(それで理解するのか?まぁ、質問してくれただけでもよしとするか)人間は集団で生活している。手を出すと大きな反動が来る場合もある。彼らだって襲われたら抵抗する。何より数で押されたり本気で向かってこられると太刀打ち出来ない。前まで君達が争っていたように」

 

「ルインの言うように、こちらからの手出しは禁止だ。仲良くする方が色々と得だしな」

 

 「はい!」

 

「ゴブタ君!」

 

「他種族を見下さない……というのは?」

 

「君達は進化して強くなっただろ?調子に乗り弱い種族に偉そうにするなって意味だ。偉くなったと勘違いはしないでほしい。いつか相手が強くなって、仕返しされてもつまらないからな…」

 

「わかりましたっす!」

 

ルインの説明を皆熱心に聞き入っていた。

 

「そんな所だ。なるべく守るようにしてくれ!」

 

「「はいっ!!」と一同はそう言って、この村での新しいルールを決めたのである。

 

 

「それと、だ。村長リグルド、君をゴブリン・ロードに任命する。ゴブリンの長だ!村を上手く治めるように」

 

「はっ!このリグルド、この身命を賭してその任、引き受けさせていただきます!」

 

「(おいリムル、丸投げもいい所だぞ!?曲がりなりにも、この集団の長だろ?)」 

 

 

「(は?お前もだろ?)」

 

「(は?…え?リムルがここの主だろ?)

 

「(お前もだ、この際お前も巻き添えだ♪)」

 

「(本音はそれか……わかった。やるよ、みんなのもう一人のリーダー)」

 

「(おう!頼りにしてるぞ、相棒!)」

 

そんなわけでホブゴブリンの長をリグルドに丸投げしてはみたが……

 

「家とは言えないな…」 

 

 

「こればかりは仕方がない、専門の知識がなかったらこんな感じだよ」

 

「(俺は生前ゼネコン勤務で、日曜大工レベルしかできない…ルインちゃんはどうよ?)」

 

「(俺もリムルと似たような物だよ。こうなると、いろんな分野に手をつけてる技術者との繋がりが欲しい所だ)」

 

するとゴブリン達が建てた家は、簡単に崩れてしまった。

 

 

 

「お恥ずかしい話です…今までは、そこまで大きな建物など必要で無かったもので…」

 

「すみません」

 

「気にすることはない、こればかりは仕方がないからな」

 

「ああ、それと衣服だが……ちょっと露出しすぎかな⁉︎」

 

「そ、それに関しては俺も同感だ…」

 

「そ、それが悪いと言うわけでもないが……」

 

「(リムル、俺は問題ありだ。目のやり場に困る)」

 

「(まさかルインちゅわ〜ん、女の子のああ言う格好にあまり耐性ないの?ウブよのう……)」

 

「(恥ずかしい話だがその通りだ。生前女性から良く逆ナンされることはあったが、勉強や仕事の都合で断っていたからな)」

 

「(嫌味かキサマッッ⁉︎逆ナンだァッ⁉︎こん畜生め!生前も今生もイケメンなんかお前は!)」

 

「(…生前でも友達からも言われていたが、俺の何処がイケメンなんだ?)」

 

「(うっわ、うっざ!!無自覚かよ、これだからイケメンは……!)」

 

 

ハルナの格好から脱線して明かされた生前今生のイケメン格差…深い傷を負ったリムルは超鈍感なルインをどつき回したい気持ちを抑えながら、打ち切る形でこの話を終えた。これ以上、傷口を広げたくなかったのだ。

 

 

「技術を持った者はいないのです」

 

「そうなのか、作れないのなら調達出来ないのか?」

 

「うむ、今まで何度か取引をした事のある者達が居ります。衣服の調達もですが、器用な者達なので、家の作り方も存じておるやも…」

 

 「これじゃあどうにもならないからちょっと会いに行ってみるか…」

 

「リグルド、それはどう言う人達だ?」

 

「ドワルゴンに住む、ドワーフ族です」

 

  「(ドワーフ…!)

 

「(あの有名な鍛冶の達人の事だよな。リムル、これは)」

 

「(行くしかないだろ!)そのドワルゴンとやらに行ってみる。リグルド、留守の間は任せてもいいか?」

 

「はっ!お任せあれ!」

 

「リグルはドワルゴンに行く準備をしてくれないか?」

 

 「はい!お任せください、ルイン様!」

 

リグルは準備をする為、走り去って行った。リグルドは、前の姿では考えられないボディビルダーがするようなポーズとる。

 

 

  話は変わり、準備が整うまで俺達は前世やっていたゲームや漫画、アニメの話で盛り上がった。

 社会現象となった鬼○の刃や、進○の巨人が完結したことなどを話すとリムルは驚いていた。リムルは○滅の刃は知らなかったようで、内容を話すと興味を示していた。おそらく社会現象となる前に亡くなったからだろう。

 

キリのいいところで話は終わった辺りで、丁度よくリグルド達から準備が整ったという報告をもらった。

 

 ドワーフ王国に行くのはリムルとルイン、数人のお供…リグルを筆頭に、計5組だ。

 

「よし、行くか!」

 

 「みんな、村のことは任せるぞ!」

 

「はい!リムル様と、ルイン様達もお気をつけて!」

 

「よし、それじゃあいってきまーす!」

 

「行ってきます!」

 

 

「「いってらしゃーい!!」」

 

リムルの掛け声と共に、リムルとルインを乗せたランガ達は走り出した。因みにランガは二人を乗せている。一瞬風が吹いたと思いきや、すごく速いスピードを出した。ゴブリン村がもう見えなくなってしまっている。

 

「(この世界に来て初めて国に行くな…)」

 

「(ああ、不安もあるがちょっと楽しみだな)」

 

 

色々と不安はあるものの、ドワーフに会える期待の方が大きい。二人は、久しぶりにワクワクとした気持ちになりながら、ランガに揺られ、目眩く森の景色をしばらく楽しんだ。

デザストがリムルとルイン達の世界に行くのはあり?

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