転生したら鳥人だった件   作:狼ルプス

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ドワルゴンの鍛治師

俺達は街を案内されながら鍛冶師のいる店に向かっている。ちなみに剣はリムルに全て預けてある。街中で武器を持ち歩くのはどうしても抵抗感があったからだ。

 

途中、とある店で、その鍛冶師の打った剣を見たが、とても素晴らしい出来となっていた。職人でもない俺達でもすごい職人だとわかる。

 

そして話しているうちに隊長と打ち解けて、名前を呼び合う仲になった。隊長さんの名前はカイドウさん、そして、紹介する店というのが、カイドウさんの実の兄の経営している店だと教えられたのだ。こじんまりとした、いかにも頑固親父が経営してそうな店だった。

 

そしてカイドウさんが店に入り、俺達は後ろから覗き込む。

 

「おい!兄貴、いるかい?」

 

「お邪魔しま〜す!」

 

「失礼します」

 

など言いながら、俺達もカイドウさんに続き店に入る。店に入った途端、複数の視線が俺達に向けられた。

 

「「あ!!!」」「うー!」

 

 昨日の三人組が、驚きの声を上げ、こちらを見ていた。どうやら元気そうである。何故か浮かない顔をしているけど……。そして、まさに予想通り、町屋の土建業の親父顔負けの、厳つそうな人がいた。この店の主人である。

 

「何だ? お前達、知り合いか?」

 

「カイジンさん!このスライムと兄ちゃんですよ!!!昨日俺達を助けてくれた!!!」

 

「おお…!さっき話してたスライムと人間の兄ちゃんか!昨日こいつらを助けてくれたそうだな、感謝する!」

 

「いやいや!それ程でもあるような、ないような?はっはっはっはっはーー!!!」

 

「俺は、お礼は言われることはしていません。リムルがほぼ解決したようなものですから……あと、こんな見た目していますが、俺…普通の人間じゃありません」

 

「は?そうなのか?」

 

「おい、それは初耳だぞ」

 

「すみません、状況が状況だったのでタイミングを逃して、一先ず、見ててください……」

 

ルインは翼を出すと、カイジン達は驚きの表情となる。

 

 

「お、オメェ、まさか有翼族(ハーピィ)か!」

 

「はい、有翼族(ハーピィ)です。ある方からは鳥人と言われていますが……」

 

「翼を見るまで全く気づかなかったぜ。しかし、人間そのままの有翼族(ハーピィ)は初めて見るな」

 

「そんなに珍しいですか?俺みたいな有翼族(ハーピィ)は?」

 

「ああ、いくら上位種族でも有翼族(ハーピィ)はどうしても面影が残っちまうからな。お前さんのように完全に人間みてぇな有翼族(ハーピィ)は珍しいなんてレベルじゃねぇ。鳥人もあながち間違いじゃねぇな…」

 

「へぇー、ルインの姿は超レアなケースみたいだな?」

 

「……(大賢者、俺が翼を消してる間はどう見えるんだ?リムルにも詳細を聞かせてくれ)」

 

 

《解、個体名ルイン・テンペストは、翼を消している間、漏れだす魔力を抑える効果があり、漏れ出た魔素はゼロとなり、誰から見ても人間と認知されます》

 

「(へぇー、俺の翼の出し消しってそんな効果があったのか)」

 

「(人間の国とかに行くときにはいいかもしれないな!)」

 

翼の出し消しの意味を初めて知り、今まで人間と間違われていたことに納得する。

 

「話は戻すが、どうして今日はここへ?」

 

親父さんが話を戻し聞いてきた。俺たちは、店の奥へと席を移した。

 

そして、カイドウさんが手短に状況を説明してくれた。俺も少し補足して、会話はスムーズに進んでいった。

 

「話は判った。だが、スマン。力になれそうもない…。実はな、こっちも、とある国から依頼を受けててな…内容は秘密だぞ?」

 

内容は、どこぞのバカが戦争を起こすかもしれないという恐怖感から、先走った国々が武具の注文を行っているそうなのだ。

 

昨日の、薬や物資の在庫切れにも通じる話である。

 

「で、だ。鋼製の槍200本は徹夜で用意出来たんだがな…肝心の、剣20本が、まだ一本も出来ていないんだよ。材料がなくてな…」

 

カイジンさんはうな垂れつつ愚痴をこぼす。

 

「無理だと言って、断ったらいいじゃねーか?」

 

「バカヤロウ!俺だって『無理だ!』って最初に言ったんだよ…そしたら、クソ大臣のベスターのヤツが……」

 

──王国でも名高い、カイジンともあろうお人が、コノ程度の仕事も出来ないのですかな?

 

 「なんぞとほざきやがったんだよ!!!しかも、国王の前で、だ!許せるか?あのクソ野郎が!!!」

 

 激怒しながら話してくれた。話を聞くと、ドワーフ三兄弟の三男のミルドさんがかつてベスター大臣の家を造って欲しいという依頼を断ったのだという。それを恨んで、嫌がらせを繰り返されて、ミルドさんは国を追われる所だった、と。

 

そんな彼を拾ったのが、カイジンさんなのだそうで、どう考えても逆恨みの嫌がらせだろう。

 

恐らくだが、材料を買い占めて作れなくしているのではないか?俺にはそう思えた。

 

「その素材が無くて作れない……槍とは材料は同じじゃないんですか?」

 

「ああ、剣の方には"魔鉱石"という、特殊な鉱石が必要になる。槍はただの鋼の槍だったんだよ」

 

投げ捨てるような返事が返ってきた。名人も、素材がなければ、唯の人…余程悔しいのだろう。大臣にしても、自分に泣きついてくるのを待っているのではなかろうか?

 

「しかもな……、一本完成させるのに、一日かかる。流れ作業で、効率化しても、20本打つのに、2週間は掛かるんだよ……」

 

「その、期限は……」

 

「今週末まで……来週の初日に、王に届けなければならない。国で請負、各職人に割り当てが行われた仕事だ……出来なければ、職人の資格の剥奪も有り得るんだよ……」

 

 

「(なぁ、リムル、カイジンさんが言ってた魔鉱石って…洞窟でリムルが食いまくってたやつじゃ……)」

 

 

「(あ、ああ、てか俺めっちゃ蓄えてんだけど⁉︎これって超絶に恩を売るチャンスじゃ!…そして、ゴブリン村の村興しを手伝わせるか!)」

 

「(言い方は嫌な感じだが、確かにここは借りを作っていた方がいいかもしれないな。ここはリムルに任せるぞ?)」

 

「(任せとけ!)ふっふっふ。はっはっは!はぁーーーっはっはっは!!!おいおい、小物っぽい会話してんじゃないよ?親父!これ、使えるかい?」

 

 ドン!っと、リムルは鉱石を目の前の製作机の上に吐き出し、鉱石の抽出素材を置く。

 

体内から吐き出している感じでやだな……なんか。

 

カイジンはリムルが吐き出した魔鉱石を見て驚く。

 

「…お、おい!おぃいいい!!!こ、これ、"魔鉱石"じゃねーーーか! しかも、純度が有り得んほど高いぞ!!!」

 

「(カイジンさん、気付いてないな、その魔鉱石は……)」

 

「おいおい、親父、あんたの目は節穴かい?」

 

「何…?………まさか………、いや、そんなバカな!この塊全てが、"魔鉱塊だと!?しかも既に加工済⁉︎これならさらに強力な剣を作ることができる!こ、これを、俺に譲ってくれるのか?勿論、金は言い値で払うぞ!」

 

「さて、どうしたもんかねー」

 

「(リムル、流石に性格悪くないか?)」

 

「く!何が望みだ?出来る事なら何でもするぞ?」

 

「その言葉が聞きたかった!ルイン!任せる」

 

「(俺に丸投げかよ⁉︎)」

 

まさかの丸投げにルインはギョッとするが、誤魔化すようにゴホン!と咳き払いをする。

 

 

「えっと、俺達の事情は先程ど聞いている通り、誰か、カイジンさんの知り合いに技術指導で俺達の村に来て貰えないか探して欲しいんです」

 

「そ、そんな事で……いいのか?」

 

カイジンはルインの条件に驚いている様子だった。

 

「今の俺達にとって、最優先が衣食住の、衣服と住居、それと、今後の衣類の調達の伝手や、武具なんかもお願いしたいんです」

 

「そんな事でいいなら、お安い御用だ!」

 

「本当ですか⁉︎ありがとうございます、カイジンさん!」

 

こうして、交渉は成立し、リムルはカイジンに"魔鋼塊"を渡し、約束を取り付けた。細かい取り決めは、作業終了後に行う予定だ。

 

 

「カイジンさん、残り、今日を入れても4〜5日で、仕上げは可能ななんですか?」

 

「…正直、無理だと思ってる。まぁ、やるだけやってみるさ」

 

 気合で、何とかしようとしてるのか?流石にこればかりは気合でどうなる問題ではないからな

 

「なあ、親父さん。さっき一本作ったって言ってたな。その剣を見せてくれ」

 

「あ?別に構わないが……」

 

リムルはカイジンさんに声をかけると、カイジンさんは首を傾げながら許可し、完成した剣を見せてくれた。

 

「(これは見事だ)」

 

「(店に置いてあるのは見たが、改めてカイジンさんの腕が確かなのはいやでもわかる)」

 

俺達は脳内会話で同意し、剣を見つめ、そう思った。

 

「ん?この剣も光って見えるな。」

 

「魔鉱石を芯に使っているからな。簡単に言うと、使用者のイメージに沿って成長する剣ってわけだ」

 

「すげえ!」

 

「イメージに沿っての成長……そう聞くと一本は欲しいな」

 

 

リムルの質問に対し、カイジンさんは、俺達にも分かるように説明すると、リムルは思わず感嘆の声を上げた。

 

そして、ルインは考え込むと何かを閃いたのか、リムルに再び問いかける。

 

 

「(なぁリムル、洞窟で魔鉱石をかなり捕食していたよな?リムルのスキルでこのロングソード、コピーとか出来ないのか?)」

 

「(え?ちょっと待ちねぃ、大賢者、ルインが言っていたことは可能か?)」

 

《素材さえあれば可能です》

 

「(ビンゴ!そうと決まれば)カイジン、ちょっとその剣借りるぞ」

 

「あ!ちょっ、おい⁉︎」

 

「大丈夫、多分この後驚くことになりますから……」

 

《解析対象、"ロングソード"成功しました。続けて、コピー作成………成功しました 》

 

するとリムルはコピーしたロングソードを吐き出し始める。それを見たドワーフ兄弟やカイジン達も驚きを隠せなかった。

 

 

「魔鉱塊のロングソード19本完成!」

 

「そして、カイジンさんのも足して20本!」

 

リムルはうまくいって嬉しそうにそう告げた直後、俺はカイジンさんのロングソードを差しながらそう言った。

 

 

 

「「「「ええええぇぇーーーー⁉︎」」」」「えーうー!?」

 

 

 

職人達と一人の兵士の驚きの声が、あたりに響き渡った。

 

デザストがリムルとルイン達の世界に行くのはあり?

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