Nobody Knows
私とタキオンが居る空間。固有結界……?
「やぁ。こんなに早く再会するとは思わなかったが。まぁ、座ってくれ」
私たち以外の全てが白色。まるで死ぬ時に訪れるかもしれない空間みたいな。
「今回、世界線が更新された。提示されたのは五つのルール」
「ウマ娘 プリティーダービー」において、以下の条項に当てはまる創作物の公開はご遠慮ください。
1.本作品、または第三者の考え方や名誉などを害する目的のもの
2.暴力的・グロテスクなもの、または性的描写を含むもの
3.特定の政治・宗教・信条を過度に支援する、または貶めるもの
4.反社会的な表現のもの
5.第三者の権利を侵害しているもの
「まず1に関しては問題ない。5に関しても……まぁ、大丈夫だろう。おそらくは」
問題は2、3、4。
「性的描写は……省けばいい。そこまで重要な部分でもない。ただ、暴力的・グロテスクとなると」
「私が死ぬシーンがあった」
「それ以外にも…………いや、取り合えず君はループ中は突然死してくれ」
「3は?」
「ジャパンカップで天……天王の嫁を決めるっていう展開がある ここでは天王にしておこう」
「天王は宗教的権威じゃないですよ」
随分攻めた展開ではあると思うが。
「君が後ろ盾を求めて呪術師であるマーベラスの庇護下に収まる」
「……何故?」
「殺し屋に狙われるようになるから。伝説の殺し屋であるカフェ君との関連を疑われて」
「うーん」
「ただ、本当の意味で危ないのは4。君が反社会勢力の力を借りて中山競馬場の芝を刈りつくしてダートにする」
「…………なんで??」
「芝だと危険な未来が見えたらしい。大麻は……無かったことにするか。それで、ラップはどうするか」
「まぁラップってカウンターカルチャーだからね」
諸説はあるにしろ。
「競走馬のイメージを損ねないようにトレーナー等を使うという案も、コンテンツ全体を指定されている以上逃げ道とは言い難い。そこで考えたんだが。終わらないか?」
「・・・・」
読者に申し訳ない。
「勿論、こういう形で終わってしまうのは誰にとっても望ましいことではないだろう。しかし、ちょうどいい機会でもある。振り返ろうじゃないか、私達の行き先を」
菊花賞編。
「続きから語ろうか」
「あそこで終わったらまだハッピーエンドっぽいけど、まぁ断るよね」
「ジャパンカップを勝ったらいいよ、だったか。ふざけた約束だ」
「それで、削除編は終わるね。削除な人達と話し合いしたりもしたかもしれないし、してないかも」
「まだ休日が続く。今度は君、私、テイオー君を連れてマルゼンスキーに会いに行く」
「ギンザでシースーって奴。憧れのウマ娘に会って私が珍しく興奮する奴ね」
「サブタイトルはその後マッククイーンにも会うからHUNGRYだろう」
「マルゼンスキーは次世代の才能を見に来たのと中立の立場から警告、気になるウマ娘についてを伝えに来た」
「これについてはジャパンカップ編で詳しく話そうか。休日が終わったら菊花賞が始まる」
アニメだと怪我で出れなかったテイオーが、そこに走っている自分の姿を見る。しかしそれすらもアグネスタキオンが超えていく。
「この作品だと私とライスシャワー、マッククイーンが併走しているが、私がすっと駆けてレコードを叩き出す。サブタイトルは餓鬼レンジャーの超越」
本格化という事象がある。以下省略~アグネスタキオンは第二の本格化を迎えたのではないか。
「こんな感じの君の独白がある。これはメイショウドトウ実装前に考えていた展開でだったからちょっと手直ししたかもしれない。これで菊花賞編は終わる」
ジャパンカップ編。
「章タイトルはハゼ馳せる果てるまで。外国のウマ娘が8人来る。ラピッドファイア ゴウフウリノ マグナレガシー ナハト・ナハト ブラッドフォール バットウアニエス テイエンダゴン コウシンヘクター」
「シャドバじゃん」
「バットウアニエスは差し、ゴウフウリノは先行で……」
「出ないウマ娘の話されてもなぁ」
「ともかく。ラピッドファイアはその中でも別格で、マルゼンスキーの再来と呼ばれてる。気になるウマ娘がこれだった。もう一つの話は、結婚相手の選定が近々行われるという噂について」
「えーと、天王? そもそも天王って何?」
「人間とウマ娘の統合の象徴。その証として代々天王はウマ娘と結婚している。代々ウマ娘と交わってきた結果、もっともウマ娘に近い人間と考えられている」
当然、ウマスト教の崇拝対象。
「結婚相手の選定は、レースで優秀な成績を残した若いウマ娘から選ばれるのが慣例。前回はミスターシービー」
となると、私は迷いなく担当を花嫁として送り出すだろう。この物語にGLタグが付いている以上、そう簡単にはいかないが。
「実際のところ、家柄も考慮されるから、そういう意味でもトウカイテイオーは都合がいい。他の候補としてアグネスタキオンかマッククイーン。そして天王がぼやく、何故日本のウマ娘はジャパンカップで勝てないのか」
「これで日本のトレーナーに火がついて、一致団結ムードになるね。それと同時に、ジャパンカップに勝ったウマ娘は結婚相手の最有力候補になる」
「それで君は頼むことになる。どうか、トウカイテイオーを勝たせてください」
「……シンボリルドルフか」
「会長として学園に君臨するのも悪い手段じゃないが、ウマ娘の幸福を実現するという意味では天王の嫁になる方がいい。残念なことに、時期が悪かったのと人気があまりなかったせいで、天王の嫁にはなれなかった」
「でも会長に心酔するトウカイテイオーが天皇の嫁になれば、実質的な発言権を得ることが出来る」
「だから直接は言わないが、会長から圧力が掛かる」
今度のレース、期待してるよとか何とか言って。こんな状況でタキオンを勝たせられるはずがない。
「参加するメンバーは前述の8人に加えてツインターボ アグネスタキオン ナイスネイチャ トウカイテイオー ライスシャワー マッククイーン スペシャルウィーク マンハッタンカフェの16ウマ娘立て。原案はエアシャカール⇒ツインターボ マチカネタンホイザ⇒マンハッタンカフェ」
「エアシャカールは何で抜けたの?」
「世間からのバッシングにトレーナーが疲れてというくだりが入る。菊花賞にも参加していたけどいい結果が出せず」
「ああ、なるほど。分かりやすい癖が叩く材料になって~とか私が語ってそうだ。トレーナーは中堅だけどこういう強いウマ娘を担当するのが初めてで、大きなバッシングを経験することが無く~」
「それだけじゃなく、そこに運命的なものを君は感じる。君は菊花賞で何故かテイオー君が勝った姿を目撃して大いに混乱し、未来や歴史についてより考えるようになった」
「それ入れ込むのは1に違反してるね」
「まぁ、多少はね? そして君はジャパンカップにとても嫌な感触を持ちながら、挑むことになる。テイオーの発言は力関係的に一回は受け入れられたが、テイオー君自身がそれでいいのと問いかけたため白紙になる」
「そして負けると」
「マンハッタンカフェに変えたのはレースの展開をより明確にするという意味合いもある。チーム戦、所謂チャンピオンミーティングに近くなったこの形式では世界のレースに近づけるということで妨害に対する規定が緩い」
「みたいなことを私が解説するわけだ。そしてデバフがあるということは」
「逃げ先行 差し追い込みの二つにくっきり分かれ、差し追い込み側に巻き込まれて私とテイオー君どちらも掲示板外で終わった」
「勝ったのはライスシャワー?」
「ツインターボ」
「何のためにアンケートやったんだよ」
「アンケートを出した段階では、決まってなかったんだ。その後ツインターボに勝たせるのを思いついた。サブタイトルは晋平太の挑戦者。他のサブタイでTop Gearとか」
有馬記念編
「サブタイトルは星弦定理 まず君は体調を崩す」
「そりゃそうでしょ」
ツインターボが勝つってことは相当に荒れたんだろうけど、担当するG1ウマ娘二人が掲示板外は吐く。
「海外から病気を貰ったみたいで、この章で君がすることは殆ど無い。サブタイトルもポケモンパープル」
ウマ娘間での交流はあるだろうが、本筋ではないか。
「例の芝刈り以外?」
「人気投票で選ばれた以上、辞退するというのは悪い未来を感じ取っても難しいことだったらしい」
「それを少しでも変えようと芝刈ったのか」
「君にはアリバイが無かったが、それをするメリットも無かったので疑われず、ダートで有馬記念が開催された。そこにはハルウララが居る」
「ひょっとして脚質は逃げ?」
「その通り。ダートの逃げウララがこの物語のラスボスだった。サブタイトルはRunnerかな。結果は私が失格、テイオー君が1位」
「……失格?」
「ライス……ああ、テイオー君が服を受け取らなかったから代わりにライスシャワーが新衣装になったんだ。ハロウィン風の。ジャパンカップから着替え、菊花賞の経験から脚質も先行から逃げに」
「菊花賞の経験ねぇ」
大体の想像はつくが。これも歴史要素なのかな? 知らないけど。
「その際に固有領域の変質が発生し、マンハッタンカフェのような」
「全体領域タイプになった?」
「その通り。それと私の領域展開が重なった結果、お互いに弾き飛ばされ私は前に、ライスシャワーは後ろに行ったあげく転倒した」
「うわっ」
ってことは、アグネスタキオンは失格が無ければ一位だったのか。
「この経験は君にヒントを与えたね」
「ヒント?」
あ、転倒しているのがライスシャワーってことか。つまりカルマの譲渡が起こっている? でも、だとしたら取るべき選択肢は一つだ。
「私に君を削除させる。そして君は私のトレーナーを辞める。実に完璧な幕引きだ」
エピローグ
「章タイトルは夕方に。冒頭で時間が飛んで、私がウマ娘の足を直す薬の開発で天王に表彰されたニュースが流れる。トレーナー学校の学生たちの会話。私を庇った君を直すため、私がそれを開発したという美談が嘘ではないかという議論」
「実に学生らしい議論。トレーナーはそう簡単に怪我しないからね、何かしらの陰謀等を疑うのは実に自然」
話の順番も逆になってるけど、これに関してはそっちの方が正しいと思う。
「ライスシャワーに対する贖罪……ああ、最初の被験者はライスシャワーにだったような。君はトレーナーを辞めてラッパーになっていた。”責任取れよ発言の内容 私は育てたアグネスタキオン”」
口喧嘩はウマ娘に勝てる分野の一つだから、トレーナーを辞めるしかない状況になったら選択肢になるのは分かる。
「テイオーは?」
「春三冠を取って燃え尽きた後引退。骨折が完全に癖になった」
「あー」
ってことはドリームリーグには両者とも行かないわけで、
「シンボリルドルフとの仲がいよいよ危うい領域に突入しそう」
「その話は後で。一応その後もトレーナーを続けた君は、あるトレーナーから引き継ぐ形でマチカネフクキタルの担当になる」
「引き継ぐ……?」
タキオンの美談はネタ振りか。おそらく、宗教的な領域に踏み入った結果前トレーナーは消された。表向きには怪我か何かだろうが。
「確かに私が引き継ぐべき案件だね」
「彼女の成績は伸びなかった。G1は一つも無し、良くも悪くも君の力が抜けていた」
本来であればG1ウマ娘だったのかな? だとしたら、少し悪いことをした。けれど私は勝負には何が何でも勝つべきと考える一方で、勝負が全てではないと思っている。考えた結果、私はレース以外のことを優先したのだろう。
「早々と引退した後、マチカネフクキタルは君とヒップホップユニットを結成した後、彼女になった」
「はぁ」
相当遊び惚けてたらしい。
「次、そして最後の担当になったのがテイエムオペラオー。13冠を達成した化け物ウマ娘だ」
「今まで仮にもG1の話を一章ずつやってて最後にそれが出てくるんだ」
「関係は普通。特段恋愛の要素も無く、湿り気もなく、ただ勝ったという話。海外にも挑戦する予定だったが、感染症の影響等で延期したまま引退。特筆すべきは、13冠の中にuraファイナルズが含まれていないこと」
あれか。結局早期引退したせいでどっちも挑む機会が無かったらしいけど、オペラオーの場合は参加できたけどしなかったらしい。即ち、取るべきG1として認識しなかったということ。uraと学園に全力で唾を吐きかけるような行為だ。
「仲は完全に決裂して、一時期は会長派の殺し屋に襲われるまであったね」
この時くらいからマーベラスの傘を借りることにしたのかな。フクキタルの件でパイプ作ったから。
「だから、爆弾を発火させることにした」
「削除の暴露――確かに手は回らなくなるだろうけど、失うものも大きい」
確かに私はどうせ引退するから、比較的リスクは少ない。恨みはもう十分買ってるだろうし。
「加えてテイエムオペラオー、カレンチャン、スマートファルコンの一強時代、感染症の流行。ウマ娘によるレースは大打撃を受ける冬の時代だった」
感染対策で観客減らしてるのを掲示板で人気が無いって煽られる奴ね。
「君は理子君と手を組んで理事長を降ろし、改革を行うことにした」
これ、シンボリルドルフとも協力する形か。
「解決すべき課題として、勝負服による能力格差、怪我の防止、ライブによる負担増加」
勝負服による格差って一部で噂になってたけど、本当だったらしい。領域展開に関わる要素だからは無くはないなって思ってテイオーに勝負服を断らせたのは正解だったらしい。
「ウマネストの導入 つまり私達が使っていたVR機器を本格的に導入することで怪我の削減を図る。VRで仮の勝負服も着れるため、どの勝負服が自分に合っているか吟味出来るほか、新たに仮想レースというジャンルを生み出した。勝負服はURAがボロボロになった関係で色々変わっている部分もある。それから、レースとライブを担当するウマ娘は別々になった」
神事とはいえ、勝ち続ければ同じウマ娘が常に歌い続けるのは健全じゃないし、順位によって異なる振り付けやパートを覚える負担は無視できない。っていうか、ウマスト教ってとある宗教とウマネストのダブルミーニングだったのか。vineと同じで。
「これまでに私は足の修復とVR機器開発をやってきたわけだが、それを打ち切ってウマ娘化の研究に打ち込むことになる」
私がウマ娘化したのって、この伏線でもあったのかな?
「つまりこう? 全人類をウマ娘化するというアプローチでウマ娘の幸福を実現する。シンボリルドルフともそれで和解する」
「その通り。そしてそれを成し遂げるだけの材料は既に揃っている」
実際トレセン学園でG1を取るようなウマ娘は名家所属の子が多い。上級国民。宗教とのパイプは作った。暴力の世界も、ラッパーとしてのコネやマンハッタンカフェが味方なら渡り合える。つまり、表の世界、財力の世界、政治力の世界、暴力の世界の全てと交渉が可能だった。
「マッククイーンは政治家に、アグネスデジタルは天王の嫁になった」
アグネスデジタルがジャパンカップに参加しなかったのは、出身が外国だったからだと思うが、裏でチャンピオンカップを取ったらしい。私達はジャパンカップには勝っても日本対外国にはある意味で負けていた。ウマ娘化の法案に反対する奴はURAの事件で失脚させているだろうし、何ならタクティクスオウガみたいな感じで勝手に火を付けていたかもしれない。ウマ娘の保護の機運を高める、同時にウマ娘が恵まれているという反論を引き出したところに来るウマ娘化法案。
「懸念点として、ウマ娘化に必要なウマソウルがどれだけあるか謎だった」
「だからこそ、日本がそれを独占できるようにってことかな」
そしてこれが成るってことは、ある技術も確立されたことになるが……触れる必要はないか。
「テイオー君はゲーム実況者になったよ」
「そっか」
きっと大人気だろう。登録者も100万は余裕で超えるだろうし。
「…………そして、」
「・・・・・・」
私達はどうなったのだろうか。
「私は君と会うことは無かった」
「忙しいもんね」
「君が会おうとしなかった」
「忙しいからね」
多分。
「私とタキオンの間で何か――はあったかもしれないけど、どうせイメ損でしょ」
だから、何もなかった。
あの夜も、あの言葉も、すべては嘘になった。
「君、タキオンじゃないよね」
だって”本物”のアグネスタキオンはそんなこと言わない。
「愛してるよ」
「私も」
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《トウカイテイオー3冠》
削除とBOSSが言っていた。本当にそうだと思う。朝のドタバタした空気を布団を被ってやり過ごす。それに今日は、何故だか酷く疲れていた。寝相が悪かったのだろうか。もぞもぞと動かす身体がベッドからはみ出て落ちて、ようやく活動を開始する、そんなニートの日常。
『ニートトレーナー志望娘@の生放送が開始しました』
『久しぶりだね』
【わこつ】
【昨日の夜に放送やってただろw】
【メンヘラか?】
『あれ、そうだっけ? 何か久しぶりな気がして』
【ニートだから時間の感覚が無いのか】
【俺らにもブーメランじゃんそれ】
『それじゃあ、ウマ娘語りやりますか』
【おっ、来た来た】
【まずはトウカイテイオーからかな】
『トウカイテイオーはスタミナ面に不安があったけど、無事走り切ったね。トレーナーがいいのかな』
【あれは才能でしょ】
【ニートレの方がうまくいったりして】
何故か笑えない。
『ミホノブルボンも惜しかったね。掛かってないからいけるかなって思ったけど』
【長距離の逃げはキツイ】
【トウカイテイオーが居なければ取ってただろ】
【そりゃ1位のウマ娘が居なければ2位のウマ娘が勝つからな】
『ナイスネイチャはお馴染み三着』
【もうこれ狙ってるだろ】
【吉良吉影かな?】
『他なんか気になったウマ娘居る? 私はゴールドシチーは今後伸びると思ってる』
【シャドウストーカーちゃん!】
【フルートリズムはやれそうだった】
【アグネスタキオンは?】
『アグネスタキオンか』
アグネスタキオン??
⏱ ⏱ ⏱ ⏱ ⏱ ⏱ ⏱ ⏱ ⏱ ⏱ ⏱ ⏱
「起きて、お姉ちゃん」
いつの間にか、机に突っ伏していたみたいだ。
「ごめん、カレンチャン」
「ほら、お仕事途中だよ?」
そうだ、私は……ええと、二級呪術師で近日レースに参戦予定のカレンチャンのサポートを行うために、今web工作をやっていたはず。そういう歴史をあれは語らなかったが行間にはあった。
『かわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわくぁあwかわwきあわwかいくぁいわかわいい』
基本的に現代における呪術というのミームの改竄や汚染に利用される。カレンチャンは結構シンプルな術式で、ありとあらゆるものをかわいいに変換し、自分が一番かわいいと定義することで優位を得るタイプ。このネット社会はありとあらゆるミームに支配されている。私達呪術師はそれを利用する。
「お姉ちゃん、終わったら一緒にデートしよ?」
キッチュ。少しずつ思い出してきた。私が気にしていた歴史というのは思っていたほど絶対的なものではなくて、さらに言えば歴史自体が複雑な構造を持ち、そして一方通行ではなくお互いに影響を与えうるという性質を持つということだ。
私の存在がいい影響を与えてくれれば、それでよし。悪い方に傾くならば――
⏱ ⏱ ⏱ ⏱ ⏱ ⏱ ⏱ ⏱ ⏱ ⏱ ⏱ ⏱
私が私を殺せば殺すほど、未来は分岐し、悪い方へ進んでいく。
自己矛盾を起こす。私自身が良きトレーナーとしてあるために私の存在を否定すればするほど、私を殺害する私というイメ損。
まるでポケスペでボーマンダが襲ってきたみたいな、歴史改変によって私は詰みの状況に陥っていた。
「つまりトレーナーじゃなくなればいい」
「ゴルシ……?」
「受け入れろ」
⏱ ⏱ ⏱ ⏱ ⏱ ⏱ ⏱ ⏱ ⏱ ⏱ ⏱ ⏱
「どうだい? モルモット君、薬の効果は」
状況は、どうなった? 実験室か。寝そべった身体を起こす。
「少し、ふらついていて」
「ふむふむ。他には?
「他は――」
今ここで、君に記憶が無いと言えば、私は許されるのかもしれない。でもそれでは駄目で、私は心を痛めながら言わなければならない。
「最悪の気分です。こんな薬を開発してどうするつもりですか?」
「突然何を言って」
「精々毒でも作ってろこのマッドサイエンティスト!」
痛む足を引きずって、帰る。帰れる場所なんて無いのに。タキオンが本気で追いかければ一瞬だが、追ってはこなかった。
何となく思うのは、あれはゴルシじゃなかった。
「痛い」
マンハッタンカフェが演じていた存在だろう。そしてマンハッタンカフェそのものとはまた違う存在。劇で呼び出された神様のようなもの。
許されるのは敵だけだ。引き立て役、愚かな存在、相いれないもの。最後には因果応報が必要。私が終わらなければ物語は終わらない。
もうすぐ電車が来る。すべてはいい方向に向かうはずだ。時系列も確定させた。きっと君はじきにいいトレーナーに出会って、幸せになる。来世はウマ娘とかになれないかな。駄目? ほら来た、3、2、1――――
ジャパンカップで勝って欲しいウマ娘は?
-
トウカイテイオー
-
アグネスタキオン
-
スペシャルウィーク
-
ライスシャワー
-
その他・外国ウマ娘