冷たい方程式   作:明日死ぬ

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G行為

アグネスタキオンとトウカイテイオーのデビュー戦が近づいていた。

 

「えっ、見に来ないの」

 

デビュー戦も勝てないと、三冠を目指すプランを一から考え直す必要があるのだが。

 

「そうだけどさ」

 

「やることがあるから」

 

 トレーニングをするにあたって、ウマ娘の協力者が欲しい。先日ウマ娘のリストアップを終えて、その候補との接触機会がデビュー戦の日。

 

「忙しいウマ娘なの?」

 

「結構近くによくいるよ」

 

 でも恥ずかしがり屋だからすぐ逃げちゃう。逃げられないよう弱みを握りたい。

 

「ええ……」

 

「法に触れる話だから秘密ね」

 

 心配しなくてもドーピングとかのインチキはしない。もっとも、負けが込むなら考えるかも、

 

「勝つから! ボク勝つから大丈夫だよ」

 

 それを聞いて安心した。デビュー戦頑張ってね。

 

 

 

 デビュー戦当日。私はレース場近くのある小屋を訪れる。

 

「うま」

「ぽい」

 

 合言葉を告げ、中へ。

 

『エア×ルナ 尻尾がシッポリルドルフ 残り10冊』

 

 ひっそりと、エロ本を売られている。これは我が国が誇る悪法、ウマ魂憑依女性(以後ウマ娘)への性的指向規制に関する法案(通称ウマシコ法)に思いっきり違反している。

 

「(というかナマモノはモラル的にもヤバイが)」

 

「購入ですか?」

 

「一つお願いします」

 

 ウマシコ法は、ウマ娘を神聖視する宗教団体、それからウマ娘保護団体等が厚労省に要望を出したら通った法律で、一定年齢未満のウマ娘と性交渉を禁止するものになっている。

 

『ウマ娘 逆レイプ合同Vol.3』

 

「一つ……ああ過去のもありますか? ……三つで、ありがとうございます」

 

 性交渉の禁止自体はまともな話だ。身体が丈夫なため色々受け入れてしまったり、相手を殺してしまうウマ娘の話はたまに聞く。問題は現役のウマ娘を孕ませてレース引退させたバ鹿トレーナーのせいで、トレーナーへの風当たりが強くなって、現役ウマ娘と関係を持つことが禁止された。そしたらくっつきたいから逆にレースで結果出さずに引退RTAを行うウマ娘の話が出てくる。法律の趣旨と逆じゃん。

 

『ウマママママママ ~仮面を脱いで~』

 

「むっ! これは二冊」

 

 他にも問題は色々あるけど、ウマ娘の保護機運が高まった結果、素人が調教に口出ししてきたり……いやこれはまだマシで、元々地位が低いウマ娘同人業界は、完全なアングラに追いやられた。

 

『エア×ルナ 尻尾がシッポリルドルフ 完売』

 

「ごめんなさい、完売で」

「あの」

 

 そんな所に、何故かウマ娘が居る。

 

「アグネスデジタルさんですよね?」

 

 

 

 

 

 メイド喫茶。

 

「会長に言いつけますよ」

 

「それだけは、それだけは勘弁を」

 

 許してくれそうな気もしなくはないけど。同人誌をどうしようって。

 

「じゃあタキオンに」

 

「誰にも言わないでください、お願いします」

 

 アグネスタキオンと同室らしいが、あまり話したことはないらしい。私に言わせればあまりに勿体ない。

 

「言われたくなければ、手伝って。トレーニング」

 

 

 

 

ある学者によれば、ウマ娘のトレーニングを補助するのに最も適しているのはウマ娘だそうだ。

 

 

「テイオー! テイオー!」

 

「あ、ありがとう。でも流石にトレーニング中は」

 

「テイオー! テイオー! テイオー! ファイト―!」

 

「…………」

 

 私も直感的にはそっちの方がいいように思うのだが、一方で歴史がウマ娘×人間の組み合わせの方がいいと証明している。まぁ両方取り入れるのがベストだろう、現代のレコードは訓練施設などの充実等が理由にされているけど、本当はチームで訓練する形式が一般的になったからかもしれない。

 

「そのまま見てあげて! 他人に見られてる方がやる気が出るタイプっぽいから」

 

「逆にやりづらいよ!?」

 

「頑張ります!」

 

 まぁ、ウマ娘でウマ娘のトレーニングをするより、無駄に数が多い人間が代わった方が合理的というのはある。脅し、という手段でも使わなければ、敵の助けになるようなことを自分の時間を使って行う意味も無く。そうまでしてアグネスデジタルが欲しかったのは理由がある。

 

「やぁ、モルモット君。なるだけ手短に頼むよ」

 

「じゃあ頑張って早く終わらせてね。今日からダートを走ってもらうよ」

 

 テニスだと四種類だけど、レースの場合は二種類のコース、芝かダートか。テニスにおいて芝があまり使われないのと対照的に、プリティーダービーのコースの多くが芝だ。芝しか走らないのは当たり前で、たまに芝で駄目なウマ娘がダートに行って結果を出すくらい。練習も多くが芝で行われて、引退するまで一回もダートを走らないウマ娘も居る。芝とダートでは求められるものが違うから、両方を走るのがまず難しく練習する意味もないし。

 

「今日から皆さんのアシスタントを担当するアグネスデジタルです」

 

「彼女は他のトレーナーが担当していたはずだが、大丈夫なのか?」

 

「多分」

 

 ダートのいい所は、芝より足に負担が掛からないことだ。ウマ娘が走れなくなる(たとえば、骨折)要因は幾つかあるが、その多くが練習中に発生している。幾ら注意しても起きる時は起きるし、練習をしないというわけにもいかない。だからなるべく負担が掛からないように頑張る。

 

「アグネスデジタル、手本!」

 

「はーい」

 

 アグネスデジタルは芝とダートの性質が異なる二つを同じように走りこなす希有な素質を持つウマ娘。曰く、変態。

 

「ダートと芝を交互に走って貰います」

 

 夏になったら水中トレーニングを中心にやっていこう。

 

その後、テイオーが若駒S、タキオンが弥生賞に勝ち、皐月賞の前哨戦を終え、皐月賞の日がやって来る。

ジャパンカップで勝って欲しいウマ娘は?

  • トウカイテイオー
  • アグネスタキオン
  • スペシャルウィーク
  • ライスシャワー
  • その他・外国ウマ娘
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