きっと世界は上手く動いている   作:コアラのマーチ

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大変お待たせしました。
よろしくお願いいたします。


オーディション最終日(2)

殺陣を行う稽古場では双葉と香子がいた

香子が膝枕をされている状態だった

 

 

「なんかあっという間だったな」

 

「いよいよ、なる日が来たんだね、うちがトップスターに」

 

「なるとしたらあたしだよ」

 

「双葉はん何回勝ちました?」

 

「そいう香子は?」

 

「うちは秘密どす」

 

「あたしも秘密どす」

 

「ふふ、まぁ今更考えてもね」

 

「そうそう、今更考えても最後までやるだけさ」

 

「天堂はんには勝ちました?」

 

「だから秘密どす」

 

二人はバナナマフィンを食べながら話している。

 

「そいえば、香子、京平に迷惑をかけたろ」

 

「何のことどすですか?」

 

「お前な、天堂に渡してたって言っていた京都のお土産中身をすり替えたろ」

 

「あら、どうしてそれを知っとるの?誰にもばれなかったのに。もしかして天堂はんがみんなに広めたん?」

 

香子は心当たりがないのか天堂がばらしたと思っている

 

「クロから聞いたんだ。京平からお礼もらったって会話をしている時に、そいえば香子も渡していたって」

 

「あら、犯人はクロはんだったの」

 

「いや、最初から京平は香子がそんなことをするだろうと思って本当の奴を買っておいたって言っていたぞ」

 

「ほんと京ちゃんはうちの事をよく分かっていますわ~」

 

「本当だよ。しかも怒らないでさ、京平は甘いよ。」

 

双葉はため息をつく

 

「そんなこと言っても仕方ないどす。京平はんはうちに尽くしてくれる人どすから」

 

「そんなこと言っていると京平に怒られても知らないぞ。あたしは助けないからな」

 

「そんなー双葉はん~!」

 

そんな声が稽古場で響いていた

 

寮の部屋では

 

「最終日、オーディション最終日って、、、」

 

ひかり、華恋、まひるの部屋では三人がバナナマフィンを食べていた

 

「華恋ちゃんこぼれてる、零れてる!」

 

まひるはお母さんのようにこぼれた食べかすを取っていた

 

「何したらいいんだろう」

 

隣のひかりも同じことをしていた

 

「もーひかりちゃんまで!!」

 

「二人とも出ていきなさい!最終日なんだから気持ちもお部屋もきれいにしておきたいの!」

 

「あ、なら私手伝う!」

 

「私も」

 

華恋とひかりが発言をするが

 

「余計に散らかるからダメ!!」

 

 

そういって華恋とひかりを追い出した。まひる

 

 

「さてやりますか!」

 

モップを回して掃除を行う

 

「そういえば、京ちゃんのお部屋も掃除しようかな?今いないみたいだし」

 

まひるは大好きな京平の部屋を合法的に入るために掃除をするといって侵入している。といっても京平の部屋は綺麗なため掃除を行うことはない。しかし如何わしい本がないかのチェックや押入れに変なものを隠してないかなどの確認をしている。ちなみに京平にはバレている。京平はまひるが掃除のチェックだと思っているため何も言わないでいる。逆にありがたいと思っているため喧嘩などの争いは起こらないのである。

 

「今日はどこをチェックしようかな、、、」

 

まひるはそんなことを考えながら自分の部屋の掃除を始めた

 

 

追い出された二人、華恋とひかりは迷った挙句、華恋が約束を思い出したといってひかりを連れて行った

 

「そうだついでに京ちゃんに連れていってもらおう!!」

 

「なんで京平に頼るの」

 

「だって京ちゃんは優しいからお願いしたら聞いてくれるよ!」

 

「でも寮にいないからどこにいるかわからない」

 

「それもそっか、、」

 

華恋はがっかりしていたが、ひかりはいう

 

「京平に連絡しておく」

 

「そうだね!」

 

華恋は元気になり、二人で約束の地に行く

 

 

 

「京ちゃん」

 

学校の屋上の扉を開けるとそこに人はいた

 

ななは京平がいる場所を知っていた

 

「なんだ、ななかどうかしたのか?」

 

「バナナマフィン出来たから持ってきたの」

 

そういうとサランラップで包んだマフィンを渡す

 

「おーーおいしそう!ありがとう」

 

京平は嬉しそうにしてななからマフィンをもらう

 

「いただきます!」

 

京平がマフィンを食べ始めると同時に京平の隣にななが座る

 

「いよいよだね。オーディション最終日」

 

「あぁ、ななの舞台が終わったからと言ってレヴューが終わるわけではない。」

 

「終わりがあるなら始まるのよ」

 

ななは微笑みながら言う

 

「それもそうだな」

 

「ところで京ちゃんは純那ちゃんにどんなことをしたの?」

 

体育座りをしてななは目を細める

 

「そんなに睨むなよ」

 

「純那ちゃんにもこんな顔された?」

 

「なんか全部バレているんだけど」

 

京平はななが全部を知っていると感じた。

 

「私ね、見てたの純那ちゃんとの戦いを」

 

「やっぱりか」

 

視線は感じていた。運んだ時は特に

 

「あなたは純那ちゃんの頭に何かを打ち込んだよね?」

 

「あぁ、あれは俺の記憶が入ったやつだ。純那は俺がいなくなったとききっと支えてくれると思ったからな」

 

「私だとサポートできないと思った?」

 

ななは不貞腐れながら言う

 

「そんなことはない。2人をななに任せるのは大変かなって思ったんだよ」

 

「そんなことないのに」

 

「人は大切な何かを失ったとき、支える人がいなくなると整理がつかないんだ」

 

俺は上を見ながらななにいう

 

「だからこそ、俺の代わりになってほしいって思うんだ」

 

「それは今日という日が運命の日だから?」

 

ななは顔を傾けていう

 

「まぁそうとしか言えない」

 

 

俺はそう言って立ち上がる

 

「ここにいる、舞台少女たちはそれぞれの己のために頑張っている。人に負けないために、己を磨いて、時間を使って、切磋琢磨している。でもときに悩むときは必ずあるんだ。その悩みのせいで今までの頑張りが途切れてしまうことがあるんだ。それを維持するために人は誰かを頼るんだ。助けてくれる人、自分の素直な姿を見せることが出来る人、なんでも話すことが出来る人がどこかにいる。あいつらにとっては、その相手が俺とまた別な人を探してほしいんだ。でも俺はいつか死んでしまうし、世界を旅していれば何か不幸が起こることがあると思うんだ。それを失った人は立ち上がることが出来ないだろう。だからこそ、自分を助けてくれる人は一人じゃないし、仲間がいるってことはわかってほしいって思っている。」

 

「その仲間がいま目の前にいる人たちだって知ってほしいの?」

 

「そんなところだ」

 

そういって京平は歩いて屋上の扉を開けた

 

「それじゃ、準備があるから行くな。なな、頼んだぞ」

 

一人屋上に残されたななはお茶を飲んで考えていた。

 

「簡単に人を忘れることが出来たら、依存なんて生まれないよ。京ちゃん。」

 

 

 

 




めっちゃ待たせてしまって申し訳ありません。
次回もいつになるのかわからないですが、待ってください。3月までには完成させたいと思っています。

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