艦隊これくしょん 前日譚  海の咆哮に答えしもの   作:マツケン-2

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第三章 糸口

 スマトラ島の地震か一年半が経過した2006年8月の日本、とある女性とその仲間が海に海水浴に来ていた。

 

 その女性は、水泳が得意であったことと仲間でレジャーに来ていた事により、いつになく舞い上がっていた。そんな中、その女性とその仲間が海を楽しんでいた最中に、運が悪いことに強い離岸流が発生し、女性とその仲間たちはその離岸流に巻き込まれしまった。

 幸い女性の仲間たちは難を逃れることができたが、その女性だけは、静かに海に揉まれながら、沖に流されしまったのだ。

 仲間たちの救助に注力していたこともあり、女性の仲間や他の海水浴客、ライフセーバーが沖に流された人がいることに気づくのが遅れ、海岸近くにはすでにいなかった。すぐ海上保安庁に連絡され、捜索が始まった。

 

 捜索が始まってまもなく、捜索をしていた巡視船のとある見張り員がとんでもない報告を艦長に行っていた。海上に人影が見える、というものであった。悪態を付きつつ艦長が確認したことろ、たしかに人影のようなものが海上に見えていた。海上で人が立っているというあり得るはずないことに疑問を持ちつつ、調査のため近づいた巡視船の乗組員達は更に驚くべき光景を目撃していた。

 

 捜索していた女性と思われる人物が海上をまるで陸の上であるかのよう立っていたのであった。

 

 さらに捜索依頼時に伝達されていた姿とも違っていた。水着姿ではあったが、背中には左右に一基ずつ戦艦を思わせる連装砲と中心に艦艇の煙突とマストらしきものを備えた大きな機械を背負っていたのであったのである。

 

 姿が変わっていた要救助者の女性をとりあえず船上に上げるため、巡視船が近寄ったその時であった。

 

 突然、巡視船の後方に水柱が起きた。確認すると巡視船の後方から深海棲艦が接近しており、口の中にある火器で巡視船を攻撃してきたのであった。すでに深海棲艦の存在は海上自衛隊や海上保安庁には機密扱いで知らされており、そういった情報を知らないはずの、民間の船乗りたちにも噂レベルではあるが知れ渡っていた。

 深海棲艦に遭遇した際は、全速力で離脱せよという命令もあったことから、巡視船は女性の救助を放棄し、離脱を図った。

 

 その時である。

 

 その女性が深海棲艦に向かって海上をスケートをするかのように滑走していったのである。そしてある程度巡視船から離れた時、両脇にある連装砲が火を吹き、深海棲艦の近くに水柱に上がったのである。乗組員達が呆気とられている中、数回の発砲後、女性の放った砲弾が、深海棲艦に直撃したのである。直撃を受けた深海棲艦は爆発、炎上しつつ海中に姿を消した。

 

 戻ってきた巡視船がその女性を船上に引き上げた時、ある乗務員が名前を訪ねた。女性は自分の名前と共に「敷島型戦艦 三笠」と答えたのであった。これが人類の前に始めて姿を現した深海棲艦に対する決定打となる存在であった。

 

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