--- ギレーヌ視点 ---
ルーデウスが来てもうすぐ1年になる。
あの少年は度々あたしを驚かせてくれる。
最初に出会った時から、見たこともない魔術を扱ったり面白い奴だと思った。
初めはあの自信家のパウロが親馬鹿で押し付けたのだと思った。パウロには義理もある。義理以上の感情は無いが、義理はある。
だから、万が一エリスお嬢様の家庭教師になれなかったとしても、館には留めてもらえるように進言しよう。
などと考えていた。
それが、あっという間にエリスお嬢様の信頼を勝ち取り、家庭教師の座へと収まった。
あいつは、真っ正面から臆せずにエリスお嬢様へと立ち向かっていった。幾度となく殴られていたが、それでも諦めずにただ真っ直ぐに。強い信念のようなモノがあった。
本当は自分の方が強いだろうに、ひたむきだった。
あたしは向かってくるエリスお嬢様を叩きのめすだけだった。
ルーデウスはそれをしなかった。あたしには考えつかない方法だった。
あいつが本気で戦う姿は見たことがない。
けど、あたしの勘がささやいている。ルーデウスは強いと。
剣術が強いわけではない。才能ならエリスお嬢様の方があるだろう。
しかし、戦いなれている。それこそ、子供だと思えないほどに。佇まい、戦う心構え、それが歴戦の戦士を思わせる。
それに、ルーデウスが使う見たこともない魔術の数々。無詠唱の魔術。あたしの知っている魔術師とは違っていた。
かつては魔術師など恐れるに足らんと思っていた。ルーデウスの授業を聞く頃になると、あたしは魔術師という存在の見方が変わった。あいつの柔軟な発想、着眼点、器用な魔術、それらは剣士として十分に危惧すべき内容だった。
本気を出したルーデウスと戦ってみたいと思った。それこそ一度、魔術もありで試合をしようと誘ってみたが…。
「いや、俺が剣王のギレーヌに勝てる訳ないじゃないですか」とあっさり断られてしまった。
獣人のあたしからしたら、なぜあいつが自分の力を誇示しないのかと思ったが不思議と嫌悪感はない。
むしろ魔術師としてはそれでいいのかもしれない。
その後もルーデウスはエリスお嬢様だけではなく、フィリップ様、サウロス様からの信頼もいつの間にか勝ち取っていた。
あたしとしては少々納得のいかないやり方ではあったものの、こうも簡単に信頼を得るなど末恐ろしい子供だと思った。
それこそ、戦闘センスだけではない。
エリスお嬢様の授業計画とやらを組立て、効率的な授業を行いだした。
授業もわかりやすい。あたしやエリスお嬢様の特徴を理解した上で、わかりやすい、覚えやすいやり方をしてくれる。
まさか、このあたしが読み書きと算術を覚え、魔術を使えるようになるとは…。
村きっての悪童と言われ、剣聖になったもののあらゆるパーティから爪弾きにされ、ようやく居着いたパーティでも、頭の悪そうな軽薄な男から、お前は頭が筋肉だから考えるな、と言われ続けたあたしが、だ。
もし、今帰れば、集落の連中はどんな顔をするだろうか。思い浮かべるだけで笑みが溢れそうになる。まさか、集落の連中を思い浮かべて、こんな気分になる日がくるとは。
自分の息子ともいえるような年齢の子供から、こんなに何かをもらった事はない。
あれはルーデウスがエリスお嬢様と仲良くなり、2人で頻繁に街に出かけるようになった頃。フィリップ様から「ルーデウスとエリスを陰ながら護衛して欲しい」と頼まれた。ルーデウスの実力を考えれば護衛の必要もないかとも一瞬考えたが、あたしも思うところがあり陰ながら護衛をしていた。
それはルーデウスから教えて貰った魔眼の扱い方を試してみたいと思ったからだ。ルーデウスの教えはシンプルだった。魔術も剣術も通ずるモノがあると言っていた。
あたしにもわかりやすかった。合理的だった。そして、以前よりも遥かに長い時間魔眼を使えるようになった。
そのおかげで、怪しい動きをしていた2人組に気付いてすぐに制圧する事ができた。
また強くなれた。ルーデウスのおかげだった。剣術が強くなった訳ではないが、長時間魔眼を使えるのは素直にありがたい。
思えばパーティを解散してからは、奪われるだけの毎日だった。
詐欺にあって一文無しになり、しかし他人の物に手を付けるなと師匠に厳しく躾けられたため窃盗にも至れず。空腹でロクに仕事もできず、餓死寸前にまで陥っていたあたしを拾ってくれたサウロス様とエリス様。
あたしはこの二人と同様の敬意を、ルーデウスには払っている。
しかし、ボレアス家では現在あたしのうかつな発言で、事態は思わぬ方向へと向かっていた。
きっかけは少し時間を遡る。
「ギレーヌ、すいませんこれから面接の予定が入りました。しばらく館を後にしますが夜までには戻ってきます」
「あ、ああ。面接?よくわからんが気をつけてな」
ある日ルーデウスはそう言って館を1人で出ていく事があった。面接とはなんだ?などと思っていると、フィリップ様とヒルダ様がやってきた。
「おや、ギレーヌ。こんな所でボーっとしてどうしたんだい?」
「フィリップ様、面接とは一体なんですか?ルーデウスが面接に行くと言ってました」
「そうだね、面接とは一般的には個々の能力や人柄を確かめる試験のようなモノだよ。本当にルーデウスがそう言っていたのかい?」
「はい」
「なるほど…。それは少し不味いかもしれないね」
この時、あたしはまだよく意味がわかっていなかった。
「フィリップ様、なにが不味いのですか?」
「ルーデウスは面接に行くと言っていたんだね?最初はパウロの息子って事で家で雇い始めたわけだけど、ギレーヌも知っての通り彼は優秀な魔術師だ。エリスとも仲が良い。蓋を開けて見ればルーデウス以上の家庭教師なんて探しても見つからないだろう。そんな彼が例えば、家よりも条件の良い家庭教師先や魔術師としての仕官先を探しているのかもしれないね。僕としては面白くないと言うわけさ」
確かにルーデウスほどの優秀な魔術師なら、引く手あまただろう。しかしエリスお嬢様とあれだけ仲良くしているルーデウスが、他を見つけて出ていくとは考えにくい。
「今すぐにどこか別の所に仕官するなんて事はないだろうけど、次を考えているのかもしれないね。ルーデウスの目的がお金なら金銭で引き留められるけど、案外、仕官先にとびきりの美少女なんかが居たらコロッと鞍替えしそうだよ。あれでもパウロの息子だからね」
パウロの遺伝子を引き継いでいると考えれば、あり得ない話とも思わなかった。あたしとしてもルーデウスにボレアス家を離れて欲しいとは思わない。
「ふんっ。そんなのどうでもいいわよ!」
「はぁ…あのね、ヒルダ。いい加減ルーデウスを認めてあげたらどうだい?エリスがあれだけなついているんだ。君だってルーデウスに恨みがあるわけではないだろう?大人になって考えてあげるべきだよ」
「うぅ。そ、そうね…」
「一度、ルーデウスとも話をしてみるといいよ。ギレーヌも知らせてくれてありがとう。これは少し対策を取った方が良さそうだね」
フィリップ様はそう言い残して、腹黒い顔をして去って行った。
…ゆるせルーデウス。しかし、あたしとしてもエリスお嬢様と仲良くやって欲しい。
何かあれば別の形でルーデウスに協力しようと、あたしはこの時静かに心に決めた。
--- フィリップ視点 ---
ギレーヌの話を聞いた翌日、エリスを呼び出した。
「お父様!何かご用でしょうか?」
ふむ、随分と貴族の令嬢っぽくなってきたね。父親として嬉しい限りだよ。以前はお転婆で手が付けられないと諦めていたが、これもルーデウスのおかげなのかな。
「そうだね、エリス。ルーデウスの事はどう思っている?好きかい?」
「べ、別にそんな事思ってみませんワ!」
所々、言葉がおかしいが、エリスなりに努力はしているんだろう。実際以前に比べて、服装の乱れや礼儀作法なんかも気にしてるように見える。
「おや、そんな事を言っていいのかい?どうやらルーデウスは別の家庭教師先を探しているみたいだよ。このままだとルーデウスとは離れ離れになってしまうかもしれないね」
「な、なんでよ!あっ、…なんデですカ?」
「ルーデウスはまだ子供だけど、優秀な魔術師だ。それに対話能力や礼儀作法なんかも問題ない。エリスがあまりに不甲斐ないと、ルーデウスはどこか別の所に行ってしまうかもしれないという事さ」
実際にルーデウスは2歳上のエリスよりも大人びている。このままだと、年上の綺麗なお姉さんとかにコロッと靡きかねない。だけど、ルーデウスもエリスの事を少なからず好意的に見てはくれているはずだ。まだまだエリスにその気があれば挽回は利くだろう。
「うぅ」
「時にエリス。なんでもダンスの授業が上手くいっていないみたいだね。エドナからも苦情が出てるよ」
「うぅ。はい」
娘が珍しく落ち込んでいる。父親として心苦しいが言っておいた方がいいだろうね。
「ルーデウスと離れ離れになるのは嫌かい?」
「…はい」
「心配はない大丈夫さ。エリスの頑張り次第だけど、ルーデウスも認めてくれるはずさ」
「本当に!?」
「ああ、もうすぐ10歳の誕生日だったね。先ずはダンスを頑張るんだ。ルーデウスに頼ってはいけないよ。エリスが努力して完璧にダンスができるようになるんだ。そしてルーデウスをダンスに誘いなさい。そうしたら、ルーデウスもエリスの頑張りを認めてくれるよ」
「わかりました!頑張りマすわ」
とりあえずは今はこんな所で良いだろう。わが娘ながら、随分と素直になったものだ。
まだエリスは10歳にもなってないし、ルーデウスも8歳くらいだ。とは言え、今後が楽しみで仕方がない。
ルーデウスが娘と結婚してくれれば実に面白そうだしね。彼は魔術以外にも色々と機転が利くし、頭も悪くない。ボレアス家の乗っ取りも彼が居れば案外簡単にできてしまうかもしれない。今はまだルーデウスを表舞台に上げる事はできない。「ノトス家」に彼の存在を知られる訳にはいかない。パウロもそんな事は望んでいないだろう。だが、エリスと一緒になるのなら、状況次第で彼の存在は変わってくる。そう考えると、思わず笑みがこぼれる。
「ヒルダもエリスに付き合ってあげてくれないかな?」
「私もやるの?」
「娘の晴れ舞台なんだ。協力して欲しいと僕は思うよ」
「わかったわよ!」
やれやれ、ヒルダにも何とかルーデウスと仲良くなって貰いたい所だね。
--- エリス視点 ---
初めてルーデウスと会ったときは、私より小さな子供が魔術なんて教えられるわけがないと思っていた。
どうせ、親にちやほやされて私の家庭教師になったんだろうと思って、ルーデウスからの好意を受け取らなかった。
私は彼を拒んで、いつものように暴力に訴えていた。だけど、彼はいつもめげずに私を追いかけてきた。
今までにない事だった。貴族たちの通うロアの学校でも、みんな私の前からは居なくなった。
居なくならなかったのは、ギレーヌだけだった。
ルーデウスはギレーヌとも違う。どこかお爺様のような凄みがあった。私より年下なのに。
お父様の言うように好きとかはあまりわからない。だけど、ルーデウスは凄かった。
見たこともない綺麗な魔術。剣術だって私よりも強いし、私では彼に勝てない。
なのに、ルーデウスはやり返す事もなく、ただ私に色々と教えてくれようとしていた。
ルーデウスはなんでも知っていた。
私が習い事を嫌になりかけていたら、外に連れ出してくれた。
お父様の言う通りかもしれない。私はルーデウスに勝てる事なんてなかった。
ルーデウスがどこかへ行ってしまうと聞いた時、私は嫌だと思った。なんでかはわからない。
けど、ルーデウスが来てからは毎日が楽しかった。
ルーデウスはエロいところもある。私のパンツを脱がそうとしてきたり、エロい目で見られている時がある。
私の身体に興味津々だった。そんな時は殴って追い払った。けれど、全然ルーデウスはこたえなかった。
そんな彼と一緒にいるのは、居心地が良かった。
だから、頑張ろうと思った。剣術もルーデウスに勝ちたいし、ギレーヌみたいに強くなりたい。
ダンスなんて必要ないと思っていた。でも、彼と一緒にいたい。
ルーデウスには頼れない。私が頑張らないといけない。
翌日から、ルーデウスとの授業が終わり時間の見つけては、ダンスの練習をする事にした。エドナとの授業以外にもお母様から教わっていた。お母様はお世辞にも教え方が上手いとは言えなかった。「ここはもっとこうよ!」とか「そうじゃないわ!」とかそんな感じの教え方だった。
中々上手くできなくて、焦った私は休日にルーデウスと出かけるのを辞めて、ダンスの練習をすることにした。
次第に少しずつコツが掴めてきた。徐々にだが上手くなっていると実感できるようになってきた。
エドナやお母様からも、これならなんとかなりそうだと言われるようになった。
もうすぐ10歳の誕生日。頑張って覚えてルーデウスをダンスに誘おう。
私はそんな思いから、一心不乱にダンスに打ち込んでいた。
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エリス誘拐事件の不安がなくなり、ボレアス家での表立った不安は解消された。
オルステッドから龍神の腕輪を授かった事で、行動の制限も少なくなった。
なので、俺は今後の予定を少し変更する事にした。
兼ねてより考えていた、小型化に成功した転移魔法陣。
これを世界地図を片手に、各地へと向かい転移門を設置していこうと思う。
現状、週に一度の休みを手に入れた。エリスもなにやら忙しくしているみたいだった。
気になってチラッと様子を伺うと、熱心にダンスを練習していた。はて?前回はかなり嫌がっていたような?
まぁ、なんにせよ自発的に頑張ってくれるなら良い事だ。俺は陰ながら応援する事にしよう。
そう言えば最近はなにかと、ヒルダからも話しかけられるようになった。「エリスとは仲良くやっているの?」とか「私にも魔術を見せなさい!」とか他愛もない会話だった。
しばらくは嫌われ続けていた気がするがどんな心境の変化だろう?
最近は良く分からない事が多い。
おっと、少し話が逸れてしまったが、そんな訳でなにかと自由に使える時間が増えた。
そんな時間を使って、フィットア領転移事件の範囲外へと向かい転移魔法陣を設置する。ある程度設置したら一旦館に戻り、翌日以降またその地点へと転移して、その範囲を少しずつ広げていく。
最終的には、世界各地へと転移門の設置を完了させるのが目標だ。
そして、過去転移魔術を習得して転移事件直前の各地点へと向かい救出活動をする。
これが俺の考えた最終的な救出方法である。
本来であれば、転移事件の後に転移門を作ろうと考えていたが、龍神の腕輪のおかげでヒトガミに気付かれる事はない。
なので、一気に動くことにした。
転移魔法陣は小型化してバレる心配もないと思うが、目立たない位置に設置していく。
万が一、この魔法陣に気付いても、これが何なのかは誰も分からないだろう。
実際に救出活動まで気付かれなければいい。
過去へと戻りその地点の救出活動が終われば、その地点は一つずつ魔法陣を潰していく。
長い月日放置すると、解明されてしまうかもしれないからな。
…そのように前置きを考えてみたが、白状しよう。
ぶっちゃけ救出活動はついでだ。
そりゃ、確かにナナホシを召喚する為に転移事件が起こる裏事情を知っている身としては、罪悪感がないわけではない。
身内や知っている人物はなるべく助けたい。
だから救出活動はするつもりだ。
ついでだが、過去転移魔術を完成させるのに、丁度良いと思ったからだ。
…いや、すまん。
前置きも前座もこの辺にしよう。
本題は別にある。
それは、転移事件の観測だ。
前回の俺は転移事件後に魔大陸へ飛ばされて、その事件の全容を掴んでいなかった。合流したパウロとは喧嘩になったり、その対処は後手後手へと回ってしまった。
今回もナナホシの召喚が関わる以上、転移事件を防ぐ事はできないが、過去転移魔術を使い観測する事はできる。
なぜ、そんな事をするかって?
転移事件によって起こった転移トラップ。
迷宮なんかでも転移トラップはあるけど、法則性みたいなのがあるのではないかと思ったからだ。
例えば、海の中、空中への転移はあるのだろうか?
これはあるかもしれない。
例えば、石の中、巨大な大樹の中へと転移する?
これは流石にないと思う。
あったら助けようもない。
例えば、一般的な民家の中、城や屋敷の中への転移はあるか?
この辺はどうなのだろう?RPG的なノリで考えると建物内への転移はNG判定な気がする。
それじゃあ、迷宮への転移って本当にするんだろうか…?
……俺が何を考えているか分かって頂けただろうか?
ゼニスの事だ。
前回の転移事件で、最も身内の中だと発見が遅かったゼニス。
恐らく最初に気付いたのは、キシリカ・キシリスの魔眼により助言を得たロキシーか、ヒトガミから助言を得たであろうギースのどちらかだ。
それでも、発見までに1~2年は軽く時間が経過している可能性が高い。
本当にゼニスは最初から迷宮に囚われていたのだろうか?
たまたま迷宮の近くに転移しただけではないだろうか?
実際にこの目でゼニスを発見するまでに6年の時間がかかった。ゼニスは大きな魔力結晶の中にいた。転移直後から魔力結晶の中に居たと言うのはありえるのだろうか?
俺はそう思った。
もしも、誰かが意図的にゼニスに近づき、意識を奪うなどの手段で迷宮へと連れて行ったとしたら?
その人物には全く心当たりがないが、そんな事をする人物の背後に見え隠れする存在には心当たりがある。
ヒトガミだ。
最初からゼニスが迷宮に転移する可能性もあるが、意図的にその状況を作り出したとも考えられる。
俺の家族や仲間をおびき寄せ、一網打尽にする為に。
前回、ヒトガミが俺にファーストコンタクトを取ってきたのは転移事件の直後だった。
さらに言えば、俺は転移事件の状況を把握すらできていないまま約1年半。これがパウロと合流するまでに前回かかった期間だ。
この1年半で、ヒトガミが他に手を打っていないと考えるのは早計だろう。
ここからは妄想に近い想像だが、もしこの一件にヒトガミが関わっていたとする。
ギース以外の見えない手駒だ。
しかもそいつは1人の可能性が高い。
その条件で気絶させた状態のゼニスを連れて、難易度S級である転移の迷宮を単独で突破できる程の実力者。
厄介な存在になりかねない。
オルステッドはギースがヒトガミの使徒として切り札の1つだと言っていたが、本当にそうだろうか?
確かにギースは戦闘以外はソツなくこなす。
だが、対オルステッド戦をヒトガミが想定しているなら、戦闘面で期待できないギースでは力不足だと思う。
戦闘に特化した見えない手駒が居てもおかしくはない。
オルステッドが言っていたヒトガミ使徒3人ルール。
本当かどうかは一先ず置いておいても、前回の状況だと俺とギースとあと1人までは存在する事になる。
…気のせいであればそれはそれでいい。
だが、警戒しておこう。
見えないヒトガミの手駒に、心当たりはない。
それが恐ろしく不安を掻き立てる。
いや、なんかフラグっぽい言い方になったけど、それならそれで対処すればいいだけだ。
最初からゼニスが迷宮に転移しているなら助ける。
誰かが迷宮へと連れて行こうとするなら阻止する。
なにかあれば、サーチアンドデストロイでいこう。
なんの問題もないな。うん。
そして今回、俺は龍神の腕輪のおかげでヒトガミの使徒にならないだろう。
ギースを加えても、ヒトガミはあと2人手駒を操れる事になる。
俺の代わりの使徒を選んでもおかしくはない。
……誰だ?誰を選ぶ?
と、思考を巡らせる。
真っ先に思いつくのは、転移事件直後に会ったルイジェルド。
戦闘力から言って申し分ないし、俺やエリスの不意を突いて殺すなら可能だろう。
だが……あの子供好きなルイジェルドが、そのようなお告げを素直に聞くとは考えにくい。
ヒトガミとて全てを操れる訳ではないし、いきなり殺されるような事はない気がする。
冷静に考えれば、今回はヒトガミに俺の事をあまり気付かれていない可能性が高い。
つまり、俺の動向を探らせる為に誰かを近づけてくるか?
そうなると、戦闘タイプよりも斥候タイプ。情報収集に長けている人物を選んでくるかもしれない。
うーん。しかし、ルイジェルドではないとすると途端に思いつかないな。
魔大陸周辺だと、キシリカ、アトーフェ、バーディガーディとかだろうか?
前者2人は素直に言う事聞かなそうだし、バーディガーディは目立ち過ぎる。全員共に情報収集には向いてなさそうだな。
アトーフェはヒトガミの使徒とか以前にできれば会いたくない。
想定しているのは、ゼニスに接触するヒトガミ使徒の存在と、俺の代わりにヒトガミ使徒になる存在。
ゼニスの件は全くの見当違いの可能性もあるが、俺の代わりにヒトガミ使徒になる人物は出てくるだろう。
そいつはまず、俺の事を探ってくる可能性が高い。
残り2人の使徒の特定とギースの使徒が確定すれば、ヒトガミに対して大きなアドバンテージになる。
魔大陸転移後は、俺に接触してくる奴には注意しておこう。
ヒトガミの手駒が丸裸になった時こそ、こちらが攻勢に出る絶好のチャンスだ。
マナタイトヒュドラ戦はあるのだろうか…?(棒読み)
活動報告を更新しました。興味のある方は覗いてみてください。
簡潔に話すと、筆者は未読だった原作書籍版を読んだりしながら、投稿した本作の校正や修正などをしている所です。
これが終わり次第、再び投稿に戻る予定です。
投稿が遅くなり申し訳ございません。