聖杯戦争で暇つぶし   作:プラスマイナス裏表

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第15話

 

「藤村先生、こんにちは。衛宮くんを責めないで下さいませんか。本日の無断欠席は私に非があります。責めるのでしたら私を」

 

 先ほど、ほんの一瞬前まではやれ黙れだの殺すだの罵詈雑言に抵抗の無かった魔術師遠坂凛が丁寧で物腰柔らか、清廉潔白を擬人化したような完全美少女に変貌した。あれマジか。ともすれば私レベルでは?

 当然、本来ならいるはずも無い人物の登場にその場の誰もが驚いた。

 

「遠坂さん⁉︎なんで⁉︎士郎⁉︎」

「なんで出てきてんだ!」

「遠坂先輩⁉︎」

「実は私の家が都合により急な改修を余儀なくされまして、ホテル暮らしを予定していたのですけれど、共通の友人を通して少しの間離れを貸していただける、と言うお話を頂いたのです」

「あらそうなのー?改修の規模次第だけどホテル暮らしだとバカにならないものねぇ。荷物移動してたの?」

「はい。契約書類等の作業もあり1人では手が回らないところを衛宮くんに助太刀をいただき、正午を回る頃にはスムーズに終了しました。午後からの登校も考えていたのですが、きちんと整えてから説明をした方が良いと判断しました。すみません」

「まあ士郎のことだし無理矢理手伝ったんでしょうけど、私に一言くらいは連絡しないとダメよ?」

「あ、ああ、悪かったよ」

 

 何だかんだで何とかしたな遠坂さん。即日退去が必要な改修ってなんだ。爆発か?

 

「あの、藤村先生、家の改修で離れを借りることになったのですが……」

「え?うん。私も出来ることあったらなんでも言ってねー」

「実はあと3人ほどいるのですが、それも大丈夫でしょうか?」

「え⁉︎遠坂さんだけじゃないの?ご家族?」

「遠坂⁉︎」

「入っていいわよ」

 

 遠坂さんが明らかにこちらに向けて指示を出す。

 3人……私とえっちゃんとセイバーかな。大丈夫?自分で言っておいてなんだけど普通この状況を許す大人はそうそういないぞ?

 

「どうしたの、入りなさい」

「えっと……失礼します……」

「「……」」

 

 私は礼をして入ったのに同じ顔2人は無言のままだった。

 

「ふ、フタガミさん⁉︎」

「あ、名前覚えてるんですね」

「ウチの関係者を忘れるわけないじゃない。後ろの2人もそうなの?双子?」

「えっ……え?」

 

 普段から鉄の仮面を被っている遠坂さんならばとギリギリ許容ラインを超えたであろう藤村先生の態度が私を見るなり一変、身内に向けるような柔らかさへと変わる。

 

「あら、そうね、フタガミさんはウチに来たことないから分からないかしら。浅神って言えば分かるかしら?」

「浅神⁉︎」

「知ってるんですかウタネさん」

 

 藤村を名乗る教師からとんでもない名前が出てきた。

 退魔四家……無関係ではないけどまさか一般人と繋がっていたとは……

 

「士郎、フタガミさんに無礼をするとウチでも庇いきれないわよ?」

「はぁ?フタガミってそういう家なのか?」

「よく分からないけど浅神は確かにまぁ。うん」

「遠坂さんもタイミング悪かったわね〜フタガミさんがいたら気が休まらないでしょ」

「あの、藤村先生?フタガミさんはどういった人なのでしょうか?私はただの学友とばかり」

「あ〜うん。ウチの組とちょっと繋がりあるのよ、フタガミって双子に神様って書くじゃない?浅神の分家というか双子みたいな家なのよ。ケッコーな権力者だからあんまり粗相しない方がいいわよ」

「それをフタガミさんがいる前で言うと……その……」

「あー!ごめんねフタガミさん!家貸す対価で見逃して?」

「藤ねぇ、そんなんでいいのか……」

「気にしないでください。気を使われる方が面倒ですので。家のことも好きに話してもらって構いません。気を使われる方が面倒なので」

「ありがと〜!じゃあその2人も関係者?」

「はい。お初にお目にかかります。藤村女史。ウタネさんにお世話になっているものです。名前は……日本語だと少し発音が難しいので、えっちゃんとお呼びいただければ」

「えっちゃんね。よろしく!そちらは?」

 

 スルッと真名を伏せたまま通してしまったえっちゃん。

 そしてそれを疑問に思わない先生。

 若干遠坂さん引いてるよ……適応能力たか……

 

「セイバーです。よろしくお願いします」

「よろしくね〜!よーし、遠坂さんもフタガミさんもいるし士郎、今日はごちそうにしましょう!」

「あ、ああ……」

「それでは買い出しは我々に。藤村女史はごゆるりとお待ち下さい」

「そんなわけにいかないわよ!お客様なんだからゆっくりしてて。お買い物は私と士郎で行ってくるから」

「そうはいきません。実のところ既に役割分担を決めてしまっているのです。衛宮さんは私たちが急に押しかけたというのに家賃さえ取ろうとせず個室を用意して下さいました。ですのでその対価として食費くらいはと言うことで買い物は私とウタネさんが」

「そう?まぁ士郎はそういうとこあるわよね。それが良いところなんだけど。じゃあ分かったわ。お願いするわね、えっちゃん」

「はい。ありがとうございます。藤村女史」

「じゃあ私とえっちゃんで買い物行くね。リクエストある人〜」

「その前にしつもーん!」

「はいどうぞ、藤村先生」

「フタガミさんは料理できるの?」

「まぁ人並みですね。宜しければ今夜は私がご用意しましょうか」

「ほんと!お願いするわ!」

「ええ。ではしばらくお待ちください」

「はーい!」

 

 さぁ許可も得た。楽しい楽しいお買い物タイムだ。

 えっちゃんとヴィランの笑みを浮かべてウッキウキで買い物に出る。

 あははは!金にものを言わせたサイコーなディナーを提供してやるぞー!




藤村組(?)での繋がりがよく分からなかったのでもうなんか便利に使っちゃえ、ということで浅神と繋がりました。関係ないと明言されてたら教えてください。今後頑張って修正します。
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