聖杯戦争で暇つぶし   作:プラスマイナス裏表

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設定書くのかなり面倒っぽいのでかなりかなり。


第18話

「ぐっ……!」

「セイバー!があっ!」

「シロウ!」

 

 無感動に襲いかかるヴィーナスの1人、ソラと謎の人型を模した骨の兵士軍を相手にし、白兵戦最強を謳われるセイバーが押されている。

 庇いきれなくなった隙を骨兵士が斬りつけ、シロウが傷を負う。

 それを見てもウタネは何もしない。ただ寝転びながらセイバーの戦う姿を無感動に眺めているだけだ。そして何故かウタネの周囲には骨が見当たらない。

 それを見たセイバー組の考察はここでセイバーとシロウを消し、アーチャーとリンをルーラーが始末する。これがセイバーとシロウの考える現在のシナリオであった。事実そうするだけの力がルーラーにあることは既に証明されているし、サーヴァントを足元にも及ばないと軽視するヴィーナスが2人。実際にはウタネが自身の範囲内に入った骨を瞬間的に粉末にしているため見えていないだけだが、同盟を組んで日が浅く、かつ根本の信用がまだ無いことからそう考えることは仕方ないとも言えた。

 

「セイバー!ここは令呪を使ってでも……!」

「く……!仕方ありません!シロウ!私の走力を強化してください!貴方を抱えて一気に離脱します!」

「ああ!」

「……やめとけ。ソラからは逃げられん」

「……!フタガミ……!」

 

 残り2画となった令呪の使用もやむなしと判断した途端、ウタネが起き上がる。

 

「……仕方ないから手ぇ貸してやるよ。変に疑われるのも、死なれるのも困るからな」

 

 驚異的な速度でセイバーを庇って振るわれた刀はソラの腕を捉え、そのまま抵抗無く切断した。

 

「バカな!」

「例えどんなに硬くても存在として寿命はある。直死はそれを捉え破壊する」

「直死の魔眼……?実在していたのですか⁉︎」

 

 自慢の剣が通用しなかった相手の腕を軽々と切り落とした事実に驚愕するセイバー。

 

「まぁーなぁ。にしてもソラめ、並行世界に行ったんじゃなかったのか?まぁいい、抑止力としてなら半殺しで撤退してもらおう。オレには対終末は効かないからな。ホラ、コレで防御しとけ」

 

 ウタネが投げ渡した物をシロウがわたわたとしながら何とか受け取る。

 

「こ、これは⁉︎」

「それは……!」

「まーなんつーか。ソラに対しては割と強めな盾?守りたいって心が折れない限りは守れる。オレのだからお前でも使えるからせいぜいがんば」

 

 十字架に円を付けたような盾。

 セイバーの背丈を覆う程の大きさでありながら、何故かシロウにはそれを最低限扱うことが出来ると認識できた。

 

「お前の能力か……いや、お前は……誰だ?」

「シロウ……?」

「ほう、中々に鋭いな。だが答えは変わらない……オレはフタガミウタネに決まっているだろう。シロウ(……)

 

 先ほどまで赤く光の無い瞳が一転、青く光る瞳が殺意を混じえてセイバー組を直視する。

 

「「……!」」

「……ま、冗談だ。流せ。今のオレはシオン。色々あるだろうがそれも後回しにしろ。ダルい」

 

 セイバー組の驚きをよそに、すぐさまソラとの交戦を再開するシオン。

 その剣撃はソラの動作を上回り、両腕を無くし傷だらけになったソラが霞のように消えていく。

 

「……ま、こんなもんか。オレに勝つには自我が無いとな」

「お前は……なんなんだ……?」

「……あ?まぁ……ウタネの家族っつーか弟というか仲間というか相棒というか精神安定剤というかマトモな部分というか陰陽の陽みたいな……」

「要領を得ないな。敵か?味方か?」

「……今助けただろ。お前らの愚かな予測の通りならお前らは仲間と協力したオレに見殺しにされたはずだ。だがそうならなかった。それでいいだろ」

「フタガミウタネ。シオンか。お前の能力を話せ。じゃなけりゃ信用できない!」

「……賢明だな。そろそろリンも来るだろ、来てからでいいか?軽い傷だろうしお前は治してやる。あと盾返せ」

「あ、ああ」

 

 シオンはシロウから盾を受け取ると、そのままシュン、という音を立てて消してしまった。

 

「それが……お前の能力か」

「ああ……よぉリン。手こずったか?」

 

 ウタネ……シオンの、何処か雑な扱いを訝しむシロウに軽く返し、走ってきたアーチャー組とえっちゃんを冷めた目で迎える。

 

「何よ、うるいわね」

「ウタネさん……いえ、その様子だと話したみたいですね、シオン」

「まぁな。オレじゃねぇとコイツら死んでたしな」

「……?どういう意味でしょうか」

「ソラが抑止力として現界してた。姉さんは勝てないからと全滅を覚悟してたが、それはそれで姉さんの負担が増えるだけだからオレが出てきた」

「なんと、ソラが……?」

「どういうことだ?アイツは並行世界に行ってんじゃないのか?」

 

 ヴィーナスのそれぞれは各並行世界に派遣され特異点Fの可能性を潰している、というのがえっちゃんからの説明だ。

 抑止力とはいえどソラは強制的に呼ばれる訳ではなく、行く行かないの自由意志を持つ。そしてえっちゃんを信用しているソラの思考から考えるとこの世界には来る必要がない。

 

「いえ、そのはずです。ですがそれは幻影、いわゆるシャドウサーヴァントと似たものと推察できます」

「何でだよ」

「こちらに私のシャドウサーヴァントが現れました。戦力差があったので苦戦はしませんでしたが、やはり相性もあり時間はかかりましたが」

「ま、同じ見た目なら裏切りとは思われないか。こっちは散々だったのによ」

「す、すまん」

「いい。気を使うなって言われてないのか?次は殺すぞ」

「シオン。ウタネさんに聞いてませんか。殺してはダメです」

「分かってるよ、それくらい嫌だって意味だ。ま、とりあえずキャスターだろ」

「「「……⁉︎」」」

「おや。流石ですね。私とソラのシャドウサーヴァントの実態はともかくとして、それと同時に襲ってきた骸骨のソレはキャスターのものです」

「ルーラー!キャスターの位置も分かるのか⁉︎」

「分かりますが。まさか言えと?」

「いや……そうだったな、言わないのがルールだ」

「はい。ライダーの位置で納めてください。何もあなた方のみが生存すれば良いわけではありません」

「言え。マスターと居場所を」

「シオン、いくらあなたと言えど、それはルールに反します」

「オレはいつでも中立、ルールはオレだ。それにお前が答える必要は無い」

「まさか……!」

「記憶や思考はどうあっても誤魔化せない。オレの質問で連想した分、しっかり見せてもらった」

「……あの、シオン。表に出てきてくれたのは感謝しますが、やりたい放題はやめてほしいです」

「やりたい放題するための能力だ、そもそもな、やりたい放題されたからこうしてるんだ、仕返しと思え」

「言っておきますがヴィーナスはその根本は完全に支配されていることを認識して下さい」

「じゃあ殺してみろ、できるもんならな」

「……」

「お、おい、何の話か知らないが今は揉めてる場合じゃ……」

「そう、ですね。ですがルールはルール。シオンも他言無用にお願いします」

「ああ。オレも勝手に動きはしない。姉さんに任せる」

「だがこれで終わりとは言うまいな、ルーラー」

「アーチャー……そのつもりでしたが」

「すでに使い魔を追い、その流れは掴んでいる。標的……キャスターは柳洞寺に潜んでいるな?」

「……」

 

 アーチャーの鋭い視線にルーラーが言葉に詰まる。

 それは真実を真実と悟られたくないルーラーとしての中立性と、それが分かるのなら乗り込むなどという戦闘への一歩を進めないでくれという懇願があった。

 

「違うかそうであるかくらいの判定は出せるだろう。出せないのならばその寺を消し去るのみ」

「アーチャー。この戦争で死者は出さないことが前提です。貴方の宝具でそんなことをすれば何人が犠牲になるか」

「既に魂狩りの犠牲となったものが何人もいる。このままでは更に増える。ならば、現時点で最小の犠牲で止める。そうあるべきではないのかね?」

「死んではいませんし、その犠牲はそれでいいです」

「……何?」

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