聖杯戦争で暇つぶし   作:プラスマイナス裏表

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Fateを書くにあたってせめてルートは決めておくべきなんだろうけど悩んでます。


第1話

 ──天秤の守り手です。

 

「サーヴァント、ヒロインXオルタ。縁あって召喚を強制し参上しました。まぁ、しばらくの間だと思いますが、よろしくお願いします」

 

 なんでもない、本当に何でもない日だった。

 お風呂から上がり、ある程度備蓄している手抜き満載の常備菜を一皿に雑に盛り、安めの缶酎ハイを片手に寝るまでの暇を潰していた。

 別にサーヴァントから招ばれに来るほど魔術に精通しているわけではない。単に知っていて、本当に知識と初級くらいの技術を備えているだけ。血統は1代目、控えめに言っても贔屓目に見ても優秀とは言えない魔術回路。だから、想定はしていなかった。何より召喚陣が勝手に描かれた。無から有を生み出すのやめてよね。

令呪は左腕肘……の上かな。なんて見にくいところに……

 しかも出てきたのも知り合いのサーヴァント。意味不明過ぎるのに心当たりあるの本当に嫌だ。

 

「うん……まぁ、久しぶり」

「お久しぶりです。とりあえず、今現在の日時を教えていただけますか?」

「うん……えーと」

 

 特に招んだワケでもない上触媒も無しに突然なんかえっちゃんが出てきた、と言う状況を即座に飲み込み、呆れながらも現状の確認。

 日本の冬木市。何度目かの転生で得た、生前の世界に近い世界での平穏な、普通の生活。それが突然壊された気分だ。

 えっちゃん。ヒロインXオルタ。バーサーカーのサーヴァントで、私に近いらしい無気力さを持つ制服マフラー。

 

「では、冬木の第5次聖杯戦争の日程で間違いありませんね」

「うん……?うん、そうなの?」

「以前から疑問でしたが、ソラと同じ出身なのに何故時間軸が違うのでしょうか?ソラは第5次を知っていましたよ」

 

 ソラは私の知り合いで、ガイアでありながらアラヤでもある抑止力という訳の分からない存在で、どうも私に向けられて発生したものらしい。私たち、世界に存在するほとんどの生物とは違うメタという時間軸を生きてるらしい謎の生命体。

 で、えっちゃんはそのソラと契約してるヴィラン出身のサーヴァント。これもよく分かんない。オルタと言いながら元とは別人らしいし。

 

「ソラがおかしいだけでしょ。んで、なんで私のとこに?」

「ロリコンのせいです」

「えぇ……」

 

 えっちゃんがロリコンと呼ぶ存在、私の転生を管理する神。ハイハイでしか動けないような乳幼児でありながらその思考や能力はまさに神というに相応しく、小学生以下の女児を慰みものの対象とするロリコンだ。見た目もあって私はショタロリコンと呼んでいる。死ねばいいのにな。

 因みに一軒家を貰ってる上お金も振り込んでもらってる。その点ではちょっと歯向かえないところはある。まぁ無理矢理転生させておいて野宿しろ、は流石の私でもキレるんだけども。

 

「それで?聖杯戦争ってそっちでしてるんじゃないの?」

「カルデアは正確には戦争をする機関ではありません。規模で言えば間違いなく戦争ですが、勝利者が聖杯を得るための戦争ではないので。一般的に言う聖杯戦争はこちらでしょう」

「そっか。まぁ、どうでもいいけど……何?聖杯が要るの?」

「いいえ。ソラのおかげで電力はかなり消費を軽減できているのでリソースは必要としていません。あるに越した事は無いですが、困窮していない状態です。私はLV100ですし」

 

カルデアはサーヴァントへの魔力供給を電力で行なっている。

繰り返す。魔力の供給を電力でしている。マジで何してんだカルデア。電力って文明だよ?火の次に文明の象徴かもだよ?それを神秘に使うって……は?って感じ。カルデアに誇りは無いのか。

まぁ私だって魔術師としての誇りなんて持ってないしそこには触れないけど、ソラはその余りある筋力を持って自転車を漕ぎまくり一生電気を発生させている。現在カルデアの発電の6割くらいまでソラの自転車が稼いでいるそうだ。大変だなぁ……と思うだけで。なら聖杯を求めず戦争に来る理由は?神が聖杯いるーとか言わないよね?

 

「じゃあなんで?」

「ここ冬木が特異点として存在していたことはご存知ですか?」

「知らない」

「人理焼却の一歩としてカルデアが爆破された後、藤丸さんやマシュさんが飛ばされた特異点F。ゲーティアは滅ぼしましたが、未だに謎の多い特異点です。放置しておけば、またどこかの世界で特異点として発生する可能性があります」

「やだ。面倒」

「この聖杯戦争を完結させることなく、サーヴァントも減らさない。現状維持の恒久化を目的に私と行動してください」

「やだ。どうせまたなし崩しでガッツリやらされるんだ」

「ソラは他世界の冬木へ干渉するためロリコンに強制されました。マスターとして頼れるのはあなただけです」

「カンケー無いでしょ。人が飲んでる時に急に出てきて……」

「もし聖杯が完成したら、冬木は焼き払われることになり特異点発生の確率が上がるんですよ」

「私、そのくらいじゃ死なないし。死んでもどーせ殺してくれないんだもん」

「……では、同行していただけるのでしたら私が晩酌のお相手をします。料理も軽くでしたらしますが」

「んー……」

 

 ほかに人がいて飲むのも変わらないしな……料理はできるし……

 

「家事も全て引き受けましょう。あなたは聖杯戦争を止めるだけ。他は私が全て行います」

「んむぅー……」

 

 家事が無くなる代わりに面倒事に巻き込まれに行かなきゃいけない……それは面倒だ。とても。だったら料理するし洗濯する。

 

「く……この四象、やはりやる気のかけらも正義感のせの字も無いですね……む、ロリコンから伝言のようです。読み上げましょうか」

「うん」

 

 えっちゃんがポケットから謎の紙切れを取り出す。ショタロリコンは手紙だったり電話だったりとその社会に適応した連絡手段を取るけどこうやって突然ポケットに出現させたり謎の番号を使ったりとやっぱり超常的な手法になる。電話は掛け返せる。意味分からん。

 

「では。えー……『戦争完結したらどっか遠くの隅の方の空間に磔にして永遠に虚無を見つめ続けることになるぞ』……だそうです」

「よし!行こうか!特異点なんて放っておけないからね!お酒飲んでる場合じゃない!」

「……ええ、お願いします」

「で。情報あるの?」

「はい。聖杯戦争の参加者は7人。年齢はおおよそウタネさんと同じ高校生程度です」

「うん……?あ、私今高校生か」

「……そうですよ、やっぱり学校には行ってないんですね」

「もう年齢の概念が曖昧になってきてるしね」

「一言言わせてもらうと、割と良いものですよ、学校というのは」

「んー、もう2回経験したしねー……」

「では、取り敢えずその学校へ行きましょうか」

「なんで?夜だよ」

「夜だからこそです。魔術の基本は分かってますよね?」

「まぁ、秘匿が前提だしね」

「そういう事です。バーサーカーに知力で負けないでください」

「えっちゃんが知的過ぎるだけだと思うんだ。ホントにバーサーカー?」

「バーサーカーです。すでに狂化Eまで落ち着いてますけど。なんなら今はルーラーです」

「えぇ……うん……まぁ、行こっか」

「はい。即決してくれれば良かったんです」

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