「さてさてさてさて」
「なにこのダルマ。R18的なー?」
宣戦布告されたし同盟は解消だろうなーと思って我が家へ帰宅した私。
帰宅後即座に冷蔵庫からR20の缶ジュースを取り出し、一口。
そんな私をえっちゃんがそそくさと案内、リビングには両足を落とされ、大の字に縛られ吊るされたライダーが。
「18するかどうかはライダーに聞いてください。取り敢えず足、繋げてもらえませんか?」
「ん……ライダー?どうする?私と寝られる?」
「……ルーラーのマスターですか。私を、どうするつもりで……」
「んー、別に。生きててくれればなーってだけだよ。助けて欲しいなら身体を売れ……的な?」
「……分かりました。アナタであれば上等です。毎晩お相手を致しましょう」
「……なしてノリ気なの?私一応女の体でいるんだども」
「構いません。私は気にしません」
「……レズ?」
「バイです」
「……まぁいいか。それでも」
「あの、ウタネさん。ホントに寝るんですか?」
「ん?あぁうん。流石に存在年数長いしシオンに初体験をと」
「あぁ……ソラが聞けば発狂しそうなセリフですが……」
『オレが聞いても発狂するぞお前ら』
「うぉ!?なんだこのモニター!?」
突然私とえっちゃんの前に空間モニターが表れ、私と瓜二つの声が吐き捨てる。
『能力。んで姉さん、そんな気ぃ使うなら自分がやれ。イイトシこいて恥ずかしくねーのか』
「ほら、女は純血?だかなんだかで許される風潮ない?」
『知らん。してライダーの足は持ってきたんだろうな』
「……えっちゃん」
「……ウタネさん、もしや……」
『マジか、置いてきたなら多分アーチャーあたりが消し炭にしてるぞ』
「えーどーしよー……シオン、作れない?」
『作れるが……時間かかるぞ』
「即効性の能力無いの?」
『あるが負荷がデカい。オレの予備作るのと同じ感じで作るから1日か2日はかかる』
「むー……仕方ないか。よし、ライダー、貴女はしばらくダルマのままシオンと戯れること。足が治れば帰してあげる」
シオンの残機って割と作るの早かった記憶なんだども……他人の作るとなるとまた違うのかな。サーヴァントだから?まぁいいけど仕方ない。しばらくゆっくりしますかね。
その間誰か死んでも困るしえっちゃんには出てもらうけども。
「それは良いのですが……貴女とは……?」
「私……?うんまぁ、戦争が無事収まれば?かな。あ、協力してくれるなら報酬として後払いしてあげる、ってのはどう?」
「
「即答こわ」
物静かで控えめなイメージがあった分この食い付きにはビックリだ。
『よし、じゃあ卿は他陣営の動きとか見といてくれ。ライダーを取り戻そうって奴らが突撃してきたら知らせてくれ。殺す』
「殺さないでください」
『分かってる、ただ凛も正義の味方もオレ達を殺す気だ、説得は無理だろうから追い返す』
「それでお願いします……今から」
「『は?』」
今から……?まさかもう来たっていうの?
「さっそくお出ましです。行動が速いのは評価するべきでしょうかね」
『まぁ高評価だな。さて、じゃあ卿はここでライダーを保護しててくれ。姉さんチェンジだ、オレが出る』
「分かりました。お願いします」
「りょーかい……っと。さて、どうなるか」
卿にライダーを任せ、玄関を出る。
「よぉ、夜分遅くに……まぁ、そんな深夜帯でもねーが……あ、コレ飲むか?」
殺意マシマシの2陣営と慎二。
姉さんの飲みかけの酒を振り、返答が無かったのでそのまま飲む。
アーチャーは見えないが……どこからか暗殺を狙ってるな。
「ふぅ……で、何の用だ」
「とぼけるな!ボクのライダーを返してもらおうか!」
「お前のじゃねぇだろ。しかしだな、ライダーは今両足が無い。卿の補正込みで斬られたあれ程の欠損を治せるのはオレだけだ。魔力供給では治らない」
「な……」
ワカメが吠えて絶句する。男ながら感情に忙しいヤツだな。
「で、他2組は……まぁ、ヴィーナスとやらを殺しに、か」
「……」
「まぁオレ達への挑戦なら受けるがな、流石にこの市街地では無理だろ。お前らに選ばせてやるから、人気の無いとこ行こうぜ」
神秘の秘匿は当然あるが、この家でトラブル起きると姉さんの生活に支障が出る。なるべく結界も敷かずに平穏な生活がしたいからな。
「……ついて来なさい」
「おーう」
提案は妥当と判断したのか少し黙った後オレに背を向ける凛。
その後をオレ、その後ろにシロウとワカメ。
「こんな公園あったのか。民家も遠く、車通りも無い。良い場所だ」
街を外れて少し高台に上がったところに公園。囲うように木が植えてあり、公園の中から街は見えるが街からは公園を把握しづらい状態だ。
凛たちは公園に入るなり三角にオレを囲む。
「今日ここで終わりだ、シオン」
「封印指定、中でも脅威とされるヴィーナス。教会を待つまでも無いわ。サーヴァントのいる私達が消す!」
「フタガミぃぃぃぃ!ボクにこの力を与えたのが失敗だったなぁぁぁぁぁぁ!後悔させてやる!アマゾン!」
ワカメの腰に巻かれたベルト。プライムによる能力付与は永続だ。オレが消すこともできず、本人が消すこともできない。
能力が能力だけにベルトを投げ渡すという付与方法だったが本来ならより確実な同意が必要だ。だから能力を消したいだなんてことにもならないが……ワカメも気に入ったようだ。
「後悔なぁ……お前がいるって言うからやったんだ、別にそれでいいだろ」
そんな能力の1つや2つ、オレが使えなくなるわけでもないしな……過去12人にプライムで反逆されたこともある……どうでもいい。
「5対1か……正義の味方がコレか」
「卑怯だ、なんて言うなよ。お前はヴィーナスだ」
「その名前にどれだけの価値がある?まぁいいが……」
セイバーはシロウに付き、アーチャーは未だ姿を見せない。
「いいのか?その距離で。いいのか?その陣形で。魔術の詠唱は?令呪の準備は?逃走の準備は?」
「何が言いたい!」
「お前らのためを思って言ってるんだ、分かれよ、戦う前から結果を教えてやってるんだ。お前らじゃあ……人間じゃあ、オレ達には勝てない」
選択する能力は
足を1度空振りすると大気との摩擦で高熱を帯びる。クソ熱い。
脚力はオレ基準だしサーヴァントを圧倒するどころか張り合うことすら難しいだろうが……更にもう1つ。
「この能力の前にそんなのが効くかぁぁぁぁぁ!」
「慎二!待て!」
炎を見て 恐怖を感じたのか前と同じように飛び込んでくる。少しは学べ。
「ホラよ」
「っ!?」
シンジの拳に掌を合わせ、その場に直立させる。
合気……達人のミステリアスパワーの前には筋肉も脂肪も同じ肉。アマゾンのパワーを持ってして、この力に捕らえられたならそれは意味を成さない。
「
「ぐばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
腹に入った蹴りは若干の焦げた音。
そしてアマゾンアルファの体を数歩後退させた。
「な……?ん?ふっ……ふははははははっ!どうしたフタガミ!?効いてないぞ!君の渾身の蹴り技が!おい衛宮!よく見ておけ!こんなのボク1人で十分だ!」
「慎二!油断するな!」
「
「うぉぉぉぉぉ!」
連続の蹴り……それもやはり後退、退け反らせるだけで十分なダメージに届かない。
……流石は人類最弱の肉体だな。能力自体にはそれなりの火力があるはずなのに。
「効かねぇなぁ……やっぱりオレが武術的なのを使うのは無理だな」
「どうした?もう諦めたのか?さんざんボクをバカにしておいてぇ!」
「いいや。いつも通りに切り替える。やっぱりコレがいる」
能力を切り、足の熱を消す。同時に合気も捨てる。
首のペンダントを引き抜き、刀を出す。
「日本刀?そんなものがこの力に通じるとでも?」
「この刀は特別でな。素晴らしい機能が搭載されている」
「まさか……なんでも切れるというのか……!?」
「鞘に収めるとペンダントになる」
鞘へ収めて再び首に下げて見せる。
持ち運びに最適だ。
「は……?」
「いや、実際それだけなんだな、これが。多少は切れ味は良いが……それだけだ」
直死は使わない。コイツらを直死で切ると死ぬか瀕死だ。それは望む所じゃない。
「ほら、正義の味方。絶対悪が追い詰められてピンチだぞ、トドメ刺しに来いよ」
「……!言われなくても!行くぞセイバー!」
「はい!」
これで近接3人。
セイバーの上段を予知して躱し、シロウの木刀は刀で受ける。
「はっ!」
「甘い」
受けた隙をセイバーが返しで切りに来るが、シロウの背後に回るように跳んで避ける。
「そしてそろそろアーチャーの射撃が……来たな」
流石はアーチャーと言うべき首筋を正確に射抜く射線、しかし避ければ……いや、オレが止めなければシロウさえ射抜くだろう。
同盟破綻は一時的なものと思っていたが……
ここでキングクリムゾンを使えばシロウが死ぬ、か。
「
ならば時間を止めるだけ。
止まった時の世界ではあらゆる物質はその加速度を失い、宝具であろうとただのガラクタになる。
「1秒経過……しかして宝具は宝具。時間が進み始めればその威力を取り戻す。ここは確実に対処しなければな」
世界で破壊する……のも十分選択肢だが、毒や呪いが無いとは言い切れない。直接触るのは余裕のある今はやめておくべきだ。
「2秒経過……まぁ困ったら異次元に放り込むのが良い。神威」
触れる事なく、眼で見るだけで神威空間へ転送できる。あぁ……なんて便利な能力だ。
そして時は動き出す……
「……!?」
「そんな……!?」
「驚くのはまだ早い……バルディッシュ」
《YES.sir……!?》
ライオットブレードの状態で発現させる。
オレのいた世界から無理矢理引っ張って来たからな。混乱してはいるが状況は飲み込めたようだ。
「フェイトは元気か?取り敢えずこの戦闘だけ付き合え。撃退だけでいい」
《……YES》
「また事件あれば手伝ってやるからそれで許せ。はぁっ!」
「ぐ……っ!シロウ!私から離れないように!」
流石は執務官の相棒、セイバーの剣にも対等以上に渡り合える。
《violent slash》
「くらえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
「くらうか、バカが」
アマゾン特有の逆刃もスタンド・
「無駄無駄無駄無駄ァ!」
「はぁぁぁぁぁっ!」
主にセイバーとアマゾンアルファの攻撃、2人の大振りの後の隙を見てアーチャーの狙撃。それらを未来視で予知しながらバルディッシュの力を存分に使って捌き続ける。
そして戦闘開始から3分ほどが経過。
「邪王炎殺!煉獄焦!」
「ぐあっ!」
魔界の炎を纏った拳がアマゾンを吹き飛ばす。
「慎二!」
「ふぅ……良かったなお前ら。オレが相手で」
「どういう意味ですか!?」
「姉さん……ウタネとやってたらお前らに戦争の続行は不可能だったってだけだ。ま、気にすんな……面倒になりそうだ、お前らもう帰るか」
既に3分。総数にして5対1。姉さん相手なら全員がほぼ廃人だ。
しかしそれとは別の違和感が姉さんの直感から発せられている。ここは全員が退散するべきとのアラートだ。
「逃げられると思いますか!」
『逃げる……?もう帰っちゃうの?』
「「「!?」」」
公園の入り口から鈴のような声。
遅かったか……?