「で、この学校がねぇ?」
「ナイスタイミングでしたよ。今日はYARIOと料理長がバカしてる日なので」
学校周囲まで来て作戦会議。
タイミングはロリコンのことだからギリギリ直前で合わせたな。もっと余裕持たせて欲しい。キレるぞ。
「カルデアにいるんだ」
「ええまぁ。とはいえ別人というか……それは分かりますね?」
「英霊召喚の仕様くらいはね。でもまぁ、性格とか能力はわかるんだよね?」
「ですね。ただ、例の如くロリコン関係は話に出せないので、というより信憑性が無いので交渉はかなり手間かと」
「面倒だなぁ……」
「では行きますよ。軽くちょっかいかければ良いです」
「行動不能にしないの?」
「あくまで平和的解決を目標にしましょう。戦うの面倒なので。というより、あの2人を同時に相手するのは私だけだと難しいです」
「そっかぁ……じゃあ行かなくてもよくない?」
「いえ、彼らに顔を覚えて貰います。目撃者を殺すため、もしくは戦争内の人間と勘違いさせて単独で来たところを狙います」
「おー……良い作戦だぁ……」
完全に何もしてない私を連れてえっちゃんが校庭に足を伸ばす。
「アレです。あんな見通しの良い所で……バカですね」
「んまぁ、そうだね?」
「じゃあ行きましょう」
スッ、と跳んだえっちゃん。あぁ……ダルい。
「誰だ!」
「みなさんこんにちは。メニー・チョコレート」
「ゲッ……!っ、新手⁉︎こんな早く⁉︎」
「おや……ああ、いえ。人違いでした。人間」
「誰が人間よ⁉︎ブン殴るわよ⁉︎」
「はい。では、お疲れ様でした」
私も一応作戦通り顔見せようと後を追って、到着した瞬間にえっちゃんが礼をして帰路に着く。
いつも思うけど、私よりマイペースしてない?
「なぁ、ちょっと待ちなお嬢ちゃん!」
「なんでしょう。顔を覚えて貰えばいいだけなのですが」
「サーヴァントだろ。ならやろうぜ」
「何度言えばいいですか。私は戦う気はありません。男2人、暑苦しく熱血すれば良いです。そして爽やかに転生して下さい」
「……凛、何がとは言わないが、難しいぞ」
「アチャ……いえ、赤男さん、失礼です」
「随分と馴れ馴れしいな」
「……おっと、失言でした。ではさようなら」
「待て!」
青い人の止める声も聞かず、私を引っ張って逃げるえっちゃん。
幸い、人目を気にしてかすぐに追ってくる様子は無かった。
♢♢♢
「さて。無事逃げ果せたわけですが。あの2人、顔は覚えましたか?」
「忘れた。赤と青ってのは覚えてる」
「……では、それでいいです。ところで、1ついいですか?」
「ん?」
「緊急事態です」
「えぇ……」
私の家に戻った後、一息つく間もなくえっちゃんの緊急事態宣言。淡々と言うんだからなぁ……
「先程、効率良く顔を広めようと戦闘を妨害しましたが、そのせいで本来発現するサーヴァントがまだ召喚されていません」
「一応聞こうか?クラスは?」
さっきので何故召喚が遅れるのか、という疑問はもう考えない。原作介入してズレが出ないようにするのは無理だって経験してる。
「セイバーです。先程の2騎がアーチャーとランサー。三騎士以外はどうとでもなりますがセイバーは妥協できません。私もセイバーですがバーサーカーでルーラーなので」
「それヒロインXも同じこと言ってたね」
「……彼女のことはいいです。それで、取り敢えずセイバーのマスターを襲いに行きます」
「うん……は?」
「先程の青いのが本来はそうするんですが、まぁ妨害してしまったものは仕方ありません。早めにいきましょう」
「んまぁ、仕方ないか」
「案内します」
えっちゃんに連れられるまま、夜道を歩くことに。
徒歩で20分ほどのところにある広めな純日本的な屋敷に着くと、いきなり武装したえっちゃん。
「では、このまま突撃します」
「はーいはい」
私がいる必要性を問いたいほどただいるだけの私。えっちゃんはそれを気にしないのかそのまま塀を飛び越え、数秒もせずうわぁぁぁぁぁぁ、という男の子の叫び声が聞こえた。
「はぁ……」
流石に殺しはしないだろうけど念の為、私も正面から回ってお邪魔する。