聖杯戦争で暇つぶし   作:プラスマイナス裏表

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第31話

「おや。追い出されましたか」

「ルーラー」

「はい」

「お前……さっきまで部屋にいなかったか?」

「……?私はカーテンの途中でここに降ろされましたよ。糖分も不足していましたし」

「そうか……」

 

 寡黙なルーラーと何を話していいかわからない衛宮士郎は黙り込む。

 それを落ち込んでいると見たルーラーが話を始めた。

 

「今日シオンが貴方を保護したのは、貴方とセイバーに申し訳ないという気持ちからです。ですので彼がしていいと言ったことは自由にしてください。糖分以外ならなんでもどうぞ」

「申し訳ない、だって?シオンが?俺に?」

「ええ。シオンもキャスターが令呪を乗っ取るなどという手段を持っているとは想定していなかったのでしょう。ライダーのこともありまして参戦が遅れました……これは私のミスでもあります。すみません」

 

 謝りつつも平静と和菓子を漁る手は乱さない。

 そんな態度にも衛宮士郎は冷静に対応する。

 

「いいよ、セイバーのことは俺の責任だ。でもさ、シオンは全ての能力を使えるんだろ?それなら対策だって余裕なんじゃないのか?」

「シオンの能力はあくまで現存する能力を2つまで使用できる、というものです。能力の知識はありますが使用者までは気に留めていません。バーサーカーの能力も実際に戦って初めて認識したくらいです」

「じゃあ、シオンでさえこの戦争の全貌を把握してるわけじゃないのか」

「把握していれば既に私の望む通りになっています。しかし……把握する能力もあるでしょうね」

「ならなんで」

「恐らくですが抑止力に触れるのでしょう。負荷もありますから労力を割きたくないのでしょう……あむ」

 

 自分もそうだ、とばかりに大福にかぶりつくルーラー。

 

「なぁ……じゃあ、慎二と俺の違いって何だと思う?」

「はい?」

「慎二がシオンから能力を貰ったのは知ってるだろ?」

「ええ。仮面ライダーアマゾンアルファでしたか」

「名前は知らないんだけど……慎二は軽く能力を貰ったらしいが俺にはかなり渋ってる風だった。能力を与えること自体に制限があるならそう言うだろうし」

「まぁそうですね。無理なら無理と言う人です。あまり無いですが」

「だとしたら俺と慎二に何か違いがあるはずだ。それが知りたい」

「知ってどうするつもりですか?」

「力が欲しい。アーチャーの言う通り、俺の魔術は鍛えていったとしても全てを救うなんて夢のまた夢だ」

「はぁ……自分ではできないから、シオンの能力を借りて、と」

「ああ」

「本当に婚期を逃した女ですか。貴方は」

「なっ、何だって!?」

「ヴィーナスにはいないタイプです。いずれも全員、自分の力以外は計算する気がありません。貴方は自分の力で、何ができますか?何をしてきましたか?自分の全てを認識して下さい。何もできない人はシオンもウタネさんも嫌います。助けたりはしないでしょう」

「……自分で、何が……」

「お風呂場とお部屋を案内します。今日はお休み下さい」

 

 ♢♢♢

 

「ふぅ……よし、これで片足だ」

「……」

「動くか?指先の感覚は?」

「ええ……しっかりと。切断した事がないと思えるほど」

「そういうもんだからな」

「……」

 

 ライダーの足を接合した。日数にして2日。自分のなら首から下が無くなっても3分あれば十分だが……サーヴァントだからか?

 

「……」

 

 欠伸を堪えながら酒を飲む。うめぇ。

 確認のために片足で立たせてるライダーがそんなオレの方を見ている。多分。

 

「なんだよ、飲むか?」

「いえ……貴方は、自分なら楽なのに、と言った旨の発言をしていましたね。自分の体も同じように修復できるのですか?」

「まーな。ただ、使う能力は別だし、楽っていうのは予備のことでよれはもっと別だ」

「予備?」

「残機だよ、自分と寸分違わぬ人形を用意しておいて、使ってる体が死んだら予備に記憶を引き継いでスイッチを入れる。だからオレは死なない」

「……便利ですね」

「感想がそれか。まぁでも手間なんだよ、予備。歩くだとか話すだとかを全部意識してやんなきゃなんねぇ。お前らみたいにちゃんとしたカタチ持って生まれてちゃんと存在してる奴には分からんだろうが」

 

 オリジナルの能力は確かほんとに遜色無いもんだったがな……オレのはただの意識ある人形だからな。自分で明確に指示しなけりゃ体が動かん。移動全般に能力使いたいくらいだ。うっかりコケたら多分受け身取れん。

 

「……?」

「気にすんな。オレも気にしてない。まぁそれはそれとして少し休むぞ。お前も動けるようなら多少は好きにしろ。ただ家の外には出るな」

「分かっています。この部屋から動きませんよ」

「全く……食いたいもんとかはどうだ。多少なら聞いてやるぞ」

「それも大丈夫です。戦争を進めるためにごゆるりとお休み下さい」

「……お前……本気で姉さんと寝る気か……」

「はい」

「……まぁ……おう……」

 

 あまりの即答に思わず肯定とも取れる返しをしてしまった……

 まぁ……姉さんがいいなら……いい、か……?

 

「……シオン。多少なら聞く、と言いましたね」

「おう、何がいい」

「ルーラーと共にキャスターの元へお願いします。シンジが危ない気がします」

「なに……?卿!」

「はい。アーチャーもその場にいます。恐らくはアマゾンの力を見込んで協力しているものと」

 

 即座に卿が部屋のドアを蹴り飛ばし状況説明。後でドア直させるぞお前。

 

「ライダー、お前はどうする。片足だが……」

「邪魔にならないのならば同行したいです」

「じゃあ邪魔だ。休んでろ」

 

 ドアくらい即座に直すし片足のライダーが来たところで変わらないから放置だ放置。

 

「……はあ。わかりました」

「卿、シロウは?」

「部屋で休んでいるはずですが」

「ならほっとくか。取り敢えずカーテンだが……ハピネスタイムしとくか」

 

 測定系の未来視使って何かするか。

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