聖杯戦争で暇つぶし   作:プラスマイナス裏表

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第44話

「解析完了。シロウとバーサーカーの場所は把握した。ところで今更だが、シロウを拾って一旦帰るという選択肢があるよな。それはどうする。無視していいか?」

 

 アインツベルンの森の手前からその全体を把握する。

 シロウの体温とバーサーカーの霊基は探知できたが他の反応が無い。マスターはどこだ?他に人はいないのか?

 人間に魔術的なのを頼んでもバーサーカーすら捕捉出来ないとのこと。ならば居る前提で進めるべきだな。

 

「無視するも何も貴方次第よ。バーサーカーをこの場で倒す作戦はあるの?」

「ナメてんのか。今のオレは出来損ないの人形だぞ。能力をフルに使わなきゃゴッドハンドは抜けない。そして、オレ達が最も理想とするのは七騎全ての生存だ。アレを殺さずに戦闘をさせないのは今は中々に難しい」

「つまり何よ。面倒な話は要らないわ」

「この場でやるならバーサーカーを殺すしか無い」

「なら決定よ。ここでバーサーカーとケリを着ける」

 

 やるのはオレだがな、と人間の決定に乗る。

 それが決まればあとはシロウまで走るだけ。

 ったく……生存第一と言ったはずなんだがな。所詮人はその程度か。

 

「戦闘になればお前らを助ける余裕は無いかもしれん。覚悟だけはしておけよ。行くぞ」

「はい」

「勿論よ」

「……」

 

 ♢♢♢

 

「ところでウタネさん」

「んー?」

 

 お酒を片手にぼーっとしてると、えっちゃんが部屋に入って来た。

 

「バーサーカーがシオンによって捕縛された場合、この世界での戦争は止まるでしょうか」

「止まるでしょ。何で?」

「戦争は聖杯を完成させるために行われます」

「うん」

「私の……貴方達VNAの目的は聖杯を完成させないことです」

「うん」

「桜さんを覚えていますか」

「うん……何となく」

「このままでは恐らく、聖杯は完成します」

「……????」

 

 ♢♢♢

 

「ここか。うぃーす、生きてるかー」

 

 やはりというか何というか。館内には生体反応が全く無い。

 バーサーカーもイリヤの元にいるのかまだ離れたまま、シロウのいる部屋に到達した。

 

『マジェスティ!エル・サルバトーレ!タイムバースト!』

「……!キング・クリムゾン!」

 

 ドアを開けた瞬間に必殺技。

 反射的に時間を跳ばす事でそれを透過する。

 

「……あれ?シオン!すまん!大丈夫か!?」

「……オレじゃなかったらどうするつもりだ。セイバーなら死んでたぞ」

「わ、悪い……それより、助けに来てくれたんだな。お前は見捨てるもんだと思ってた」

「……ま、気まぐれだ。それよりさっさと移動するぞ。バーサーカーは今もこの館内にいる。戦うにしても広い場所がいい」

「バーサーカーは、だと?イリヤは?」

「探知不能だ。人間の体温はお前だけだった」

「そんなバカな。イリヤの他にも召使いだかメイドだかが居たはずだ。それも無いっていうのか?」

「……そんな反応は無い。だが経験したお前が言うなら居る前提と考える。バーサーカーの側にはイリヤがいるはず、この館にはメイドがいるはず。だから尚更場所がいる。狭い場所でお前ら全員を助け切る自信は無い。今のオレはある程度型落ちだからな」

「どう言う事だ?」

「この体は姉さんのじゃなくてオレが作った人形だ。神秘で言うなら100年前の本物と現代の贋作ってとこだ。無茶はできない。だからこそ、確実にバーサーカーを葬れる場所までお前らも走る必要がある」

 

 バーサーカーを一度殺してはいるがもう残機も回復してるだろう。

 純粋に12回殺すなら……かなり手は限られる。

 屋敷は既に隅々まで把握している。何故かカバーされた部分もあるがそれはバーサーカーのマスターが知られたくない部分なのだろう。まぁ、それはどうでもいい。

 オレが先導して次に未変身マジェスティとセイバーが並走、人間、アーチャーの順に走る。目指すは玄関口の開けた場所。できれば外に出たい。

 

「止まれ!」

「「「!!?」」」

 

 玄関のドアに辿り着く直前で停止を呼び掛ける。

 まぁ間に合わずにマジェスティがオレの背を押すことになったんだが。

 

「むぅ、神威」

「シオン!」

 

 ドアに触れたオレの体が何からの魔術に……レーザービーム、的な直線の攻撃を受ける。透過するが。

 

「ったく……だから止まれって……」

「わ、悪い……」

 

 オレだったからいいが……アインツベルンてアレだろ、御三家でも最も歴史の深い家系だろ。

 

『あら、それじゃ死なないのね?』

 

 クスクス、と笑う声がひとつ。

 フロアの階段の上に今、この戦争最強のサーヴァントとそのマスターがそこにいる。

 

「……死ぬわけない。それよりお前、何だ?」

 

 アインツベルンのマスター。白髪赤眼と姉さんに似る部分のある幼女だ。更に雪国を思わせる服装……そこまで視認出来ている。直死を持ってしてその死が視えている。なのにあいつに人間の体温が感知できない。

 

「うん、お兄ちゃんとヴィーナスを殺すんだよ」

 

 返答は……見た目の年齢に付随するものか。まぁそれもどうでもいい。

 

「バーサーカーはここで殺す。覚悟はいいか?」

「いいよ♪アナタ如きにできるならね!バーサーカー!」

「➖➖➖➖➖➖➖➖➖!!!!」

 

 バーサーカーの咆哮。

 それだけでもおおよその人間が戦意を失うだろう。

 

「不死には不死だ」

《マイティーアクションX!》

 

 当然オレはおおよその人間じゃない。

 どれほど強力でも、ネタが割れた能力はオレに対し不利。

 こちらもほぼ不死の能力を持つ能力を選択する。

 

「所詮は12しか残機を持たない力。オレの……」

「➖➖➖➖➖➖➖➖➖!!!!」

 

 変身直後に脳天から真っ二つ。

 

《game over》

「「「シオン!!!!」」」

「え……?あ……え?あ、あら。ごめんなさいね!バーサーカーが強過ぎたのよね!あはははははは!」

「く……!出来損ないが……!同じ能力では神秘の格が違うと分からんか!」

《ゲイツ!》《ゲイツリバイブ剛烈!》

「なら……!」

《ゲイツマジェスティ!》

「「変し……」」

《テッテレテッテッテー!》

「ふっ!」

 

 土管から飛び出して蘇生。

 

「「「!!!!???」」」

「ふ……このガシャットはコンテニュー機能が搭載されている。今オレのライフはひとつ減って、残り98だ」

 

 7〜8機でバーサーカーを1度ずつ殺せればいい。

 2人の救世主は固まったままだ。

 

「さぁ行くぜバーサーカー。まずは順当にひとつ……詠唱省略、トライスター・アモーレ・ミオ!」

「➖➖➖➖➖➖➖➖➖!!⁉︎」

 

 白い弓をバーサーカーに当たるよう適当に引く。

 放たれた攻撃は正確にバーサーカーの胴を貫通し、その命を1つ消した。

 

「バーサーカー!?」

「ぐ……やはりそうなるか……」

《game over》

 

 身体が宝具の負荷に耐えられず消滅、即座に復活。残りライフ、97。

 

「はっ……と。救世主、とりあえず何もするな。最悪セイバー連れて逃げられるだけの力は確保しろ……はぁ、くそ、やはり明確なAランク超えは負荷が……」

「シオン!やはり無理だ!私がシロウを抱えて行きます!撤退しましょう!」

「ふざけ、それができねぇから……」

「逃げようとしても無駄よ!アインツベルンの森には至る所に私のマーキングが施してあるわ!それらの場所になら私とバーサーカーは瞬時に移動することができる!1度この城に入った時点で、貴方たちは終わりなの!」

 

 森にあった謎の銃弾や機械部品。意味不明だが、恐らくはそれらに転移するものだろう。

 マーキング、というのは感知できなかったからそうだと断定するしかない。

 

「シオン!俺とアーチャーでバーサーカーを引きつける!その隙にイリヤを!」

「私に命令する気か!だが……仕方ない。変身!」

《ゲイツ!リバイブ剛烈!剛烈!》

《ゲイツ!マジェスティ!》

 

 救世主2人が変身する。

 そしてバーサーカーへ向かう。剛烈の耐久とマジェスティの

 聖杯戦争においては正攻法の1つ、マスターを殺す。たしかにリバイブ剛烈とマジェスティの2人がかりならばマスターを殺す隙くらいはバーサーカーを止められるだろうが……

 

「行けるか……?バグスター特有ワープ!」

 

 謎の高速移動。コレは何故かマイティアクションに入ってた。

 

「さぁ死ね。すぐ死ね、骨まで砕けろ!《ザ・ハンド》!」

 

 マスター……イリヤの背後にワープした瞬間にスタンドを出して攻撃する。

 ザ・ハンド。当たれば確実に対象を消し去る一撃必殺。

 

「➖➖➖➖➖➖➖➖➖!!‼︎‼︎」

「マジか……っ!」

《game over》

 

 即座に救世主達の前に復活。

 救世主2人が足止めしてたはずが……瞬間移動に等しいワープ、そこから右手を振り下ろすまでの隙に救世主をハネ飛ばしオレを殺すだと……

 

「残りライフ……96。まだまだ……」

 

 残機は多いとはいえ、疲労やらは回復しても蓄積されてはいく様子だ。

 身体的損傷はライフで、疲労や負荷は能力でとしないとマズイな。

 

「ふー……!『ニキュニキュ』圧力砲(パッドほう)!」

「➖➖➖➖➖➖➖!!‼︎」

 

 空気を弾いて飛ばす衝撃波でバーサーカーを一瞬足止め、その瞬間に今の疲労と負荷を弾き出す。

 

「さぁバーサーカー!オレとお前の我慢比べだ!」

 

 弾き出したダメージを広範囲にばら撒いていく。

 例えどれだけ速く……音速を越えようとも、空気に触れないことは不可能。ニキュニキュを使う負荷と疲労を弾き、飛ばし、その負荷を弾き、飛ばす。

 そしてバーサーカーも当然圧されるだけでなく、莫大な体力と残機でオレへと到達し一撃でオレのライフを削り取る。

 オレのライフが尽きる前にバーサーカーを削り切れればオレの勝ち、逆なら負けの我慢比べ。

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