聖杯戦争で暇つぶし   作:プラスマイナス裏表

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第57話

 

「むっ!?」

「ん……?」

 

 打ち合いの最中、突如長尾景虎が動きを止める。

 

「これは……!今!ファイナル鬼柴田だッ!」

「なんだそれ!?」

「ど、どこです!?まさか貴方ですか!?貴方の味方にバーサーカーの柴田勝家が!?」

「知らねぇよ!」

「く……シラを切るつもりですか!しかし!既に私は!私たちは!ファイナル鬼柴田の射程距離内に入ってしまっているッ!」

 

 長尾景虎は既にゲイツマジェスティから槍を外し、周囲の警戒を始める。

 

「フォーリナーさん!他にサーヴァントがいます!注意を!」

『分かりました!えっちゃん!勝負は預けましょう!』

『意味不明です。もうこの世界では勝つか負けるかしかありません』

 

 ヒロインXオルタの変身した仮面ライダーウォズの周囲からエネルギー弾が無数に射出される。

 

『く……その能力!やっかい極まってますね!』

『宇宙の力は無限大というやつです』

《ファイナリービヨンドザタイム!》

『言葉では解決できませんね。では!エーテル宇宙、然るに秩序!ヴィーナス死すべし!』

 

 アルトリア顔は互いの最大火力を狙う。

 両者の背景はどちらも宇宙模様となり、地上で放っては秘匿も不可能と思われるエネルギーが放出されている。

 

「あああああ!そんな場合ではないですよ!?柴田勝家が我々の敵だとしたらどうするのです!」

「何だよさっきから!何をそんなに怯えてる!?」

「貴方に教える義理はありません!フォーリナーさん!私は撤退しますよ!」

「逃がすか!シオンが戻るまでお前はここで食い止める!」

《マジェスティ!エルサルバトーレ!》

「く……!真ソニック……違う!毘沙門天の加護ぞあり!」

 

 ♢♢♢

 

《高速化!》

《高速化!》

《高速化!》

《マッスル化!》

《マッスル化!》

《マッスル化!》

 

「かかれ柴田ぁぁぁぁぁ!ふははは!心が躍るな!」

《ガシャコンパラブレイガン!》

「だから無理でしょ!?無限相手にどうする気!?」

「オレの『かかれ柴田』は一挙手一投足全てに永続のバフが発生する。相手が無限だろうが関係無い!速さを1度上回りさえすれば……はぁっ!無限に負けねぇ!ウタネは自分の身を守ってろ!」

「……ほんと。了解」

 

 シオンは近接に切り替えた武器を持って飛び出し、仮面ライダーの方のバフをかけて周囲の影を一掃、そのまま影の主へ向かって走り出した。

 一挙一動、その動作全てからバフ判定が入るなら確かにそれも無限だ。1度でも相手を上回ってしまえば後は差が開くばかり。無限の影を超えるパワー、スピード、手数が無限に上昇していく。

 しかも射程は冬木全域……射程ってどう言う事?腕伸びたりするの?

 それは不明……まぁでも……どうでもいいか。

 

「オラオラオラぁ!所詮は人間やその派生!お前ら生命ごときがオレにカケラでも勝とうと思うんじゃあねぇ!」

「や……あなた生命にすら届いてない私の思念体(ぶんしん)だから……」

 

 知性さえあるなら存在の分類でランク分けする気はあまりないけど……肉体の枷が無い分上ってなるのかな?

 

「うるせぇ!姉さんが生命ならオレもそうだろ!」

「んー……いや〜〜〜……?んー……」

「じゃあウタネは生命か!?」

「私は……うん?私も双神詩音の作ったものだから……違う……?」

 

 そーいえば私もオリジナルじゃないのよね。私の上にオリジナル、私の横にシオン……人間ってなんだ?どうすれば人間って言える?

 

「……じゃあ結論不能だ。オレもウタネもマトモな存在じゃあねぇのは元々の事だしな。追加だ!」

 

《分身!》

 

「ふふ、ふはははっ!」

 

 シオンが4人に分裂、それはそれは凄まじい勢いで影を消し飛ばしていく。

 それはそれとして……

 

「ちょっ!こっちも来るし!」

 

 無限は無限。いくらシオンが影の無限を越えようと影は無限。当然私にも無限の影が迫ってくる。

 とは言えどうする……鎌はどっかいっちゃったし……

 

「もーシオン!?私どーすんの!?壁に埋まっとけばいい!?」

 

 影はとりあえず私の能力を貫通できない。できたとしても私が言えば出来なくなる。

 とはいえど……これを受け続けると身動きできなくなる。

 

「オレの刀使ってろ!ほれ!」

「ん!」

 

 シオンが律儀に私の側まで走って来て刀を手渡してくれた。分身の方か?

 普段みたいに投げたら影に阻まれるからだろうけどこういう友好度高い仲間みたいな立ち回り新鮮だ。普段は同一人物だからこういう連携無しに解決するからなこれな。

 

「よし……WRYYYYYYYYYYYY!!!!」

 

 武器を手にしたら後は魔力放出とカンに任せて無限に切りまくる。

 プレシアの魔力炉から……無限魔力装置が私の能力を通して私とシオンに並行世界にいるVNAの1人から無限に魔力を拝借して無限の魔力リソースを得る事ができてる。

 私の魔力放出に限界は無くなったから体が無理を通しまくってミンチになるまでなら私は無限の影だろうと捌ききれるし、シオンが間桐桜を殺すまでは持つでしょ。

 

『そんな……魔術師でもない人間が!』

「ヴィーナスには対策でもしてんだろーがな!オレ達には届かなかったなぁ!」

『まだ……!』

「正規戦争陣最強のオレと、間桐陣営最強の桜!この勝負の勝利者がこの世界を支配する!この戦いにはこの世界の運命がかかってるんだ!」

 

 能力を重複させまくったシオンはおそらく能力のオリジナルに引っ張られまくり。4人まで増えればそうでしょうけども。

 もうシオンの自我は薄いでしょうね……アインスみたいになる前に私が止めるべきだろうけど……間桐桜を殺せるならそれまでほっとこうかな。それで間桐のサーヴァントも全て消える。それで戦争は終わり。私達の目的も終わり。

 

「ははははは!いくぞ桜ぁ!」

《ウラワザ!》《ウラワザ!》《ウラワザ!》《ウラワザ!》

《ノックアウト!クリティカルフィニッシュ!》

《鋼鉄化!》

《マッスル化!》

 

 4人のシオンが片手で影を一掃しながら必殺技モーションに入る。

 極まったバフはこの影すら片手間のものなのだろう。もう影を見てすらいない。

 それを分かってか相手も露骨に怯む。

 

『う……!』

「はははは!これで永遠にこの世界とはおさらばだ!はあっ!」

『ところがそうはいかねぇんだよ!』

「!?」

《ノックアウト!クリティカルボンバー!》

「なにぃ!?」

「うっそぉ!?」

 

 間桐桜に最後の一撃を叩き込むはずだったシオンの必殺技は、おそらく同系統の必殺技によって相殺された。しかも4vs1で……マジか、あの無限バフなんだったんだ。

 そしてシオンに蹴りを放ち、着地した相手の姿もシオンと同じ。

 

「……パーフェクトノックアウト?この世界にオレ以外のライダーなぞ……」

「山の様にいるね?」

「ああ……増やしすぎた……」

 

 シオン、衛宮士郎、えっちゃん、壁紙アマゾンと……中々の侵食具合だ。

 あ、空気読んだのか影も止まってる。はー疲れた。

 

「で、誰だお前。まさか本人本物でもあるまい」

 

 分身を解き、相手の出方を見る。

 私も一応は構えておく。

 

『……ま、そうだな。俺はアサシン。けど俺は誰でもない。だから誰でもある……か?』

「……オレの知識に無い……オレと同じタイプの存在か。持っているのは変装宝具か。オレの必殺技を……パーフェクト柴田ノックアウトを止めたのは褒めてやる」

『流石の分析だな。俺の能力も使えるのか?』

「当然だな。お前もオレに近い性質ではあるが……足りないな」

『ん?』

「存在としての格がな。お前じゃ世界は名乗れない」

 

 それはそれとして……ダサ過ぎる……柴田はカタカナの間に挟まないでしょ……

 

『アンタ、話によると2つしか能力を使えないらしいな。世界が聞いて呆れるぜ』

「……あ?」

『たった2つ。無限に等しい能力の種類から見れば少な過ぎる。どれか1つを極めたわけでもない、全てを使えるわけでもない。なんてハンパだ。ハンパもんが雑魚襲っていい気になってるだけだろ。そんなんじゃ、せっかく信頼してくれてるそこのお嬢さんも大したことねーんだろーな』

「……」

 

 あーあ、キレちゃった。

 シオンと同じ姿をしたアサシンが犯した最大の間違い。

 シオンはシオン自身をいくら煽ったところでキレたりしない。挑発に乗りはすれど、心の底からキレることは無い。

 けど、私を煽った時は別だ。それに関してはシオンは本気だ。それをシオンは許さない。そして、逆は私も同じだ。

 

「2つだけ、か。ああ。2つでいいからな。2つで十分なんだよ、戦闘においてはな。2つあれば最強は実現する」

《ガッシューン》

 

 シオンが能力を解除して元の姿に戻る。かっこよかったのに。

 

「戦いにおいて最強とは2人いる。最強のヴィランと、最強のヒーローだ。パーフェクトノックアウトはその前身だ。異なるものを共通点で組み合わせ、更なる高みにランクアップする。今からするのは『最強』の2つ。その2人の能力さえ使えるのなら……他は些末なものだ。ま、その組み合わせも様々だが……ここまでくれば1番分かりやすいのでいくか」

《エボリューションキング》

《グランドジオウ!》

 

 シオンはカード……トランプ?の様なものとゲイツマジェスティと似たようなアイテムを装着したベルトを装着する。

 

「全ての敵役(ヴィラン)の集合体と、全ての英雄(ヒーロー)の集合体。言語の上でのみだが……理論は通った。理論が通れば、風は吹く。風が吹けばフウシャも回る」

「ふーしゃ?」

「オレの鏡の名だ。世界が存在する(風が吹く)限り、オレの能力も止まらない」

 

 シオンの背後に複数の像が立ち並び、周囲をカードが覆う。

 右手を突き上げる様に左上へ、左手は円を描く様に右上へ。

 

「変身」

 

 両手をベルトへ交差させ、縦と横、2つの軸で回転するベルト。

 金のエフェクトが舞い、両手を広げたポーズはか……神秘的だ。

 

「もう生き遅れの生ゴミ共には付き合ってられん……天上の能力を思い知るがいい」

 

 生き遅れ……?ま、まぁたまに引っかかることもあるよね?

 変身したその姿は、まるで……まるで、か、かぁ……!神の、様なぁ……あぁぁぁぁ!

 

「神!?許せん!殺す!」

 

 神は何があろうと存在してはならない!

 私をババァだとぉ!?学生を年増呼ばわりする神などいてはならない!

 学生はあらゆる文化圏で崇高にして志向の存在のはずだ!知性が足りん様だな!知性無き存在に私の上に立つ価値無し!死ね!

 

「まっ!待て姉さん!オレだ!」

【空間固定」「圧縮】

「ぐっ!ぐぁぁぁぁぁ!」

「ばっ……ぶっ……!?」

『……!!!???』

「ま……まて……!身動きすら……!す、《スカラベタイム》ね、姉さん……!く、くそ……!停止時間ですら動けん……!キンクリも……無駄か……!空間が……床に……押し潰され……!み、ミラーワールドに……!い、動けん……!ふ、ゲームエリアすら……ぐぅ……!」

「あははははははははははは!時間停止なんて神の使う能力じゃないわね!そんな低次元の能力が私に通じるなんて……あ?何で私の能力が神に通じる?」

 

 ん……?取り乱したか……?

 

【戻れ】

 

 死屍累々の地獄絵図。シオンもパーフェクトノックアウトも、間桐桜さえ倒れて痙攣するばかり。

 

「んー……大丈夫そ?」

「ごぱっ……だ、大丈夫じゃない……表の奴ら、大丈夫なんだろうな」

「さー?即死してたらごめんって感じ」

「クソ……姉さん、この2人殺さずに捕まえといてくれ。オレは外の奴ら治しに行く」

「んー……まぁ了解。だいぶ弱っちゃったねー」

「……オレが戻るまで死んでなきゃいい」

「はーい」

 

 シオンはせっかくの最強変身を解いて消えてしまった。

 治療と移動で他に割けなかったのだろう。私が能力使うとすぐこれだ……敵味方関係無いからね。敵味方……生きてるなら、誰だろうと関係無い。

 で、引き受けた拘束も……私の世界なら簡単に。

 

【縛れ】

 

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