聖杯戦争で暇つぶし   作:プラスマイナス裏表

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第59話

「ウタネさん……」

「ん?あら、えっちゃん。大丈夫?」

 

 縛ってる全裸の男女をどーしようか悩んでるとえっちゃんが酷くしんどそうに現れた。

 

「……ひとつ断っておきます。私のこのダメージは対間桐によるものでなく貴女の能力によるものです。ルーラーとギンガの力を持ってしてXさんに手こずってなどいません」

「ん……あ、ごめんね。そう言えば能力使ってた」

「……今度ソラと会う時は全力で殴られてください」

「死ぬじゃん私」

「この敷地内の全員を殺しかけて何を言うのですか」

「死ぬのが悪いし……」

「ウタネさんの能力はもう2度と使わないでください」

「えぇ……なんで……?」

「常識的に考えてください。神代レベルのサーヴァントさえ手も足も出ない能力なんてあってはいけないのですよ?」

「常識なんて知らないよ……他のみんなは好き勝手に自分の能力やプライムや宝具やら使いまくってるのに私はプライム貰えないし能力も使わずに戦うなんて不公平でしょ」

「ウタネさんは存在が不公平ですが……ともかく、そんな不毛な話をしている場合ではありません。衛宮さんがアーチャーに拉致されました。シオンが追っています。シオンが戻るまでは私の身を守る為にウタネさんは能力をフル活用してください」

「びみょーに使いたくない制限解除だ」

 

 私の能力は誰かを守る力じゃないんだけどなぁ……

 まぁいいや。

 

【縛れ】

 

「はい。とりあえず全身ガードしといたよ。体動かせる?」

「……本当にしてますか?何も変わりませんが」

「まぁ空気だもんね」

「空気でガードさせる気ですか?」

「うん。対城宝具を真正面から受けてもヘーキだよ」

「対人でさえ神秘によって即死なのですが……」

「ああ、神秘基準で言うならA+はあるよ。私の能力は正真正銘私、ウタネだけの唯一性だから」

「……シオンでも使えないらしいので、それは疑いはしませんが……」

「私だって……というか、神のオモチャに選ばれたのは私なんだから。それくらいの能力はあるんだよ」

 

 最近転生してる事実を忘れてるな……単に堕落しきった生活しかしてないからだけども。

 ちなみに私の能力は双神詩音の能力の下位互換かつ独立したものらしいので神秘的には四象と同じでいいでしょう。

 

「で……コレはどうしろとか言ってた?」

「桜さんと……おや、新宿さんでは無いですか。どうしたのです?」

「新宿?」

「ええ、新宿のアサシン……真名はまぁ、誰でしたっけ」

『もうバラしていっか。わかんねーだろし。燕青だ。アンタは?』

「やはりカルデアではありませんか。私はバ……セイ……ルーラーのサーヴァント。この戦争を正しに来た者です」

『そーかい。さっきのお嬢さんもそうなのか?』

「シオンは……ただ巻き込まれただけです。選択肢の無い2択に」

 

 巻き込まれたのは私だよ?シオンは私がいるからやってるの。

 

「でさ、どーなの?」

「この2人の処遇については聞いていません。お好きにどうぞ」

「んー、ほっとこうか。面倒だし」

「そうですか。では残り1騎を警戒しつつこの場で待機ですね」

「あー、もう1人いたんだっけ」

 

 屋根の上から不意打ちして私の鎌を紛失させた奴だ……相応の罰は受けさせよう。鎌探させてやる。

 

 ♢♢♢

 

『ポーズ』

 

「……何も難しく考える必要は無い。お前がどんな手段を取ろうとな……そもそもオレとお前らは対等じゃない。神秘だのランクだので争う間柄でさえ無い。オレは上、お前らが下なんだ。何をするでもなくオレは、能力のゴリ押しで当たり前にお前らを制す……連続しては使えないだろう?正真正銘、これが最後だ」

 

《ハイパークリティカルフィナーレ!》

 

 必殺技と同時に未来を視る。

 オレが古今東西の武器をチートHIT数で叩きつける。この未来までは見えている。そしてそれに耐えられるサーヴァントもまた存在しない。

 2秒もしない内、攻撃は終わる。

 

「……終わった……これでマトウ側の聖杯に最低4騎のサーヴァントが蒐集される。2つの聖杯の内、アインツベルンとマトウのどちらか……召喚したサーヴァントを蒐集すると仮定するなら……マトウの聖杯は起動する……そしてこの静止時間の中、次の世界が確定する。惜しかったなぁ救世主。次こそオレ達を倒してみてくれ」

 

 攻撃を終えてもまだHITは発生しない。

 再び時が動き出し、救世主が現実を理解した所でクリティカルをくれてやる。姉さんに苦労かけさせた罰だ……

 

「さぁ、初まりの世界からrestart……」

 

《リスタート!》

 

「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

《無上の一撃!》

 

 マジェスティ爆発四散。慈悲は無い。

 だがこれで……終わりだ。冬木の聖杯は起動する。オレ達の戦いはこれからだ。

 

「……?何故だ、時間が巻き戻らない……?」

 

 神からの指令は聖杯を完成させない事。であれば今それに失敗して……

 

《マジェスティ!エルサルバトーレ!》

「……何!?」

 

 防御は間に合わなかったが、背後から必殺技を食らった……!

 

「く……マジェスティ!?バカな、アレで現界できてるはずがねぇ……」

 

 吹き飛ばされ、攻撃の主を見る。

 当然見えるのは先のマジェスティリバイブ。

 だが……どう言う事だ?何故生きていられる?今の攻撃はオレでさえ耐えられるかどうか……

 

「いや、お前……我が救世主か」

「……」

 

 答えは無いが……磔にされてた我が救世主の姿が無い。救世主が消すような余力は無かったはずだし、今そうする意味も無い。

 救世主が消えた瞬間にウォッチを奪ったのか?そんな速技ができるとも思えないが……

 

「おいおいおい、何のマネだ?お前を助けてやったオレに歯向かうのか?」

「俺たちは聖杯戦争のルールの中で正々堂々戦った!なのにお前達は!そのルールを根本から否定した!アーチャーは確かに俺だ!俺の未来だ!」

「……あのなぁ……はぁ、やれやれ……」

 

 よく分からんな、人間の考えることは。

 だがとりあえず、衛宮士郎がアーチャーの能力を奪い取った、と言う事でいいだろう。

 固有結界が解けないのも……やはり同一人物だから、と言う事なのか?

 

「どーしろってんだ。どーするってんだ?お前にオレ達をどうにかできるか?お前が戦争をどう戦える?」

「俺はルールの中で、世界を救う」

「……?」

 

《マジェスティ!エルサルバトーレ!》

 

「その為に……お前を倒す!はぁぁぁぁぁぁあっ!」

「愚かな……」

 

《ポーズ》

 

 飛び上がった我が救世主を見下しながら時を止める。

 

「イキリ時間は10秒ほどか?理解しろよ。言ったよな。オレに対しお前が勝つ物は何も無い。オレの鏡にはお前も映る。同じ能力で相殺して他の能力で圧倒する……お前らの能力や技能でオレの風車(フウシャ)は無限に回るぞ。オレ達に勝ちたけりゃ……まずお前が死ね」

 

 オレ達相手に物理攻撃なんて……まるで意味は無い。ソラでさえその空間の全ての力を超えて尚通用しないし、他は通じる通じないのレベルじゃない。

 ランクが違う……神のオモチャと生物(イキモノ)との違いだ……楽しい人生を気楽に楽しめば良いだけなのに……

 

《ハイパークリティカル……》

 

「違う……待て……何だ?何故世界が再び始まらないのか?アーチャーは確かに死んでいる。なのに……なるほど、我が救世主は救世主と……」

 

《リスタート》

 

「はぁぁぁぁ!……!?」

 

 マジェスティの必殺技は不発に終わる。

 着弾地点には何も無い。

 

「おおよそ理解したぞ。まだ世界は救われる。その体の傷も深いだろう。今日は帰れ。フタガミの家では無く、衛宮の家にな。オレも姉さんも今日は引く。じゃあな」

「待て!」

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