聖杯戦争で暇つぶし   作:プラスマイナス裏表

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第67話

《エボルプライム!》

《フッハハハハハハハハハハ!》

 

「フェーズ1、完了……」

 

 シオンが新たに変身したのはマジェスティの面影が殆どない、また赤と青と金のライダー。

 マジェスティリバイブもだけどかなりゴツいよね……

 

「でも何で今更……」

「見て分かったろ。ギルガメッシュはオレ以上の未来視、オレと同等以上の宝具、オレとは比べるまでもない身体能力を兼ね備えている。正直言って勝てん。認めたくは無いが、まだ力が足りない」

「なるほろーそれで?」

「オレの鏡に映る世界を広める。よりオレの望む世界が映るように、よりオレの風車が回るように」

「で、その能力と」

「ああ。VNAは5人。なら2人目(中立)の逆は4人目(愛情)だろう。LOVE()の逆はEVOL(進化)だ。進化する世界、レボリューションだ」

「……ん〜……思考ちょうだい。ちょっと完全理解が難しい」

 

 シオンに考えてる事を貰う……けどそれも『フウシャ=回転=レボリューション』『プライム=より上位=進化』『LOVE<=>HATE(ヘイト)ふぇいと(Fate)』『赤い力強さ(クローズマグマ)青いカード連鎖(ディエンド)!赤と青のベストマッチ!パーフェクトレボリューション!』とワケの分からない単語の連打。

 要はイイ感じに適合したんだろう。ライダー能力は改めるとか言ってたのに。

 

「とりあえずマジェスティよりは強くなるのね?」

「あぁ、それなんだが……悪いな姉さん」

「ん……なるほど」

 

 シオンの謝罪。私のカン。飛んでくる槍の英霊。

 

『ゲイ……ボルグ!』

 

 避けずに死ねというシオンの謝罪。

 数秒後私が死ぬ事を察知した私のカン。

 私に照準を定めて槍を放つランサー。

 

「ゔっ……知ってたけど……痛いよね、生身を刺されるのはね……」

 

 予知した死とは言え痛いのは痛い。

 何度か死んだとは言えこの感覚は新鮮だ。

 

「フタガミ!?おいランサー!何してんだお前!」

 

 衛宮士郎がランサーにつっかかる。殺されちゃうよ……?

 

「ちっ、これもルーラーの指示だ。悪く思うなよ、ウチのマスターも同意の上だ」

「メニー・チョコレート。すみませんウタネさん。マトウのいない世界までリセマラした方がやはり速いかと思いまして」

 

 ランサーが私から槍を抜き、えっちゃんが遅れてやってくる。

 全く無意味なことを。

 

「うん……いいよ、そうはならないけれどもね」

「え……」

「シオン」

「ああ、今治そう」

 

 何故シオンのいる時に私を殺せると思うのか。

 

「ほれ。今更だがオレがいる限り姉さんが死ぬなんて思わないことだ。例え能力を解除していようと、即死させようとな」

「ふぅ……やー、痛かった……やっぱり能力保護は私に必要だね」

【守れ】

「ぐ……何なんですか、貴方たちは……ソラでさえこのシチュエーションは死にますよ……」

 

 シオンの謎能力によって私の体は完璧に修復された。

 私も自分の能力で保護し直す。

 

「さぁ、卿。ペナルティだ、ギンガウォッチを返せ」

 

 私が半死になったのはこのため。

 エボリューションの名の通り新たに力を加えて進化する布石。

 ……今さら新たな力も無いでしょうけども。

 

「む……」

「そう渋るな、すぐ同じのをくれてやる」

「どうするつもりですか……どうぞ」

 

 ご都合で攻撃を中断してくれているギルガメッシュを他所にえっちゃんにプライムとして付与したウォッチがシオンの手に戻る。

 それを受け取るとシオンはマジェスティリバイブウォッチと同じ様にカチャカチャと振る。

 

《ギンガ!》《英霊召喚(サーヴァント)システム》

《レボリューション!》

 

 はじめに挿したボトルを外し、新たに出来た2つのボトルを挿入、ハンドルを回す。

 

《are you ready?》

 

「ふー……変身」

 

《ギンガ!》《ギンガ!》《エボルギンガ!》

《ワッハッハッハッハッハッハ!》

 

「フェーズ2、完了。宇宙を滅ぼす力と宇宙の力、そしてカルデアのサーヴァントシステムを手にした。もう誰にもオレを超えられない。卿、ウォッチは返してやる」

「……どうも」

 

 赤青金のカラーリングから白黒紫に黄緑を足したようなカラーリングになり、少し細めになった気がする。

 

「さぁギルガメッシュ!お前を殺して戦争は終わりだぁ!」

「……茶番は終わりか。次で死だ」

 

 フェーズ2のシオンに先ほどまでより遥かに高い神秘が展開、即座に射出される。

 おお……これは死んだか……?

 

「宇宙の力は無限大。サーヴァントと言えどその程度の火力ではもう少し足りないな」

 

 シオンは宝具の爆風の中ゆっくりとギルガメッシュに向かって歩き、ベルトのハンドルを回す。

 

《Ready go!》

 

 シオンが飛び上がり前回転、両足でのキックを敢行する。

 

「歴史は神秘だが、こと日本においてギルガメッシュは失敗だな!宇宙と科学の進歩の前にはそれでは足りない!」

 

《エボルテックフィニッシュ!》

《チャオ〜》

 

 直撃したキックはギルガメッシュを吹き飛ばし、強烈な爆発を起こす。

 

「おー、ふっとんだー」

 

 今まで殆ど動く事なくシオンをあしらってたギルガメッシュ。

 それをフェーズ2の仮面ライダーシオンは吹き飛ばした。

 

「ふぅ……さて、少しは効いたか……」

「おろー、随分としんどそうね。けど楽そう」

「なんだそら。英霊の最上級だぞ。そこの狗とはレベルが違う」

「んだとゴルァ!俺だってそーとー上だっ!」

「ランサーさんどうどう……私が呼んでおいて何ですが、我々はこの場には不相応です。歯向かうだけ無駄ですよ」

「黙れルーラー!お前こそ俺をハメやがったな!?」

「いいえまさか……本当にウタネさんを殺して貰うつもりでしたよ。思った以上にウタネさんの生命力が強かったのと、シオンがあそこまで負荷を負った上で呪いを解除できたのが想定外でした」

「まぁランサー、卿がお前を騙したわけじゃない。オレがお前らを上回っただけだ。流石地球外生命体、存在のスケールがオレを遥かに超える。使える能力負荷も大きく増えた」

 

 どうも……シオンが私の意識の断片から地球外生命体の枠組みまでスケールアップできたらしい。能力使用中のみだろうけども。

 それでもうひとつの枠はフリーパスと。うん、今までとさして変わらないね。

 

「愚かな……(わたし)を本気にさせるとは……!」

「「「……!!!」」」

 

 遠くから聞こえた怒りの声。いや、怒ってるのは伝わるけど声色はそんな……変わらないね?私と同じタイプの声かな。

 

「ヒトは全て死に集う。天より賜りしその定め……今ここに降臨せよ」

「おほー……宝具かなあれ」

 

「ぐ……シオン!この暑さは俺には無理だ!ブレイブのゲームエリアに避難する!」

「ああ。卿も入れてやれ。サーヴァントでアレは無理だ」

「じゃあ俺もいいよなぁ!?」

「お前は消えとけ!元々倒しに行くつもりだったんだ!」

「まて救世主。それはアイツを攻略した後にしてくれ。今サーヴァントが消えると奴の魔力に回される可能性もある」

「……わかった。そん時は手出しすんなよ」

「場合による。基本的に阻止するつもりだ」

「……じゃあな」

 

 衛宮士郎とえっちゃん、ランサーが消える。

 さてさて……さて?私もかなり暑いんです。いや、熱いんだども?

 

「……そうなるのか」

「んー?」

 

 シオンの冷静な呟きは、私をどうにかしてくれるものだと思いたかった。

 

「いいや、予想と違うのが出てきただけだ」

「アレ原典の宝具じゃないの?」

「いや、ラーニングした限りカルデアのギルガメッシュは剣状の宝具だった。あんなバカデカい火の玉じゃねぇ」

「んー、玉というか太陽というか……」

 

 ふと気が付けば天が真っ赤に燃え盛ってた。

 無限に離れてるから太陽光は痛いだけで済むのにこんなに近いと死ぬじゃないか。日影に育つもやしをなんだと思ってるんだ。私の身体は通勤ラッシュの電車で潰れて死ぬんだぞ。

 

「ギルガメッシュが太陽を待ってるなんて話は聞いたことが無い。ならばオルタ化に際して他の神性と融合ないし近いものに変異したと考えるべきだ。さてさて」

「やーははは、私もうすぐ死にそう」

「能力で熱遮断しとけよ。頭回らなくなったか」

「あ、そりゃそうだ」

【冷やせ】

「んー、クールビューティーだ」

 

 私の能力は変幻自在。言えばそれが現実になるように物質の全てを変化させる。この灼熱の中私だけがクーラーキンキンの部屋にいる。これもまた幸福だ。

 

「オレもそれしてくれよ!」

「いるんだ……」

【ついでに】

「この状態でも多少のアレはあるんだ。あるなら欲しいに決まってる」

「ふーん……じゃ、アレの対処は任せるよ?」

「とーぜんだ」

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