僕は秘密を知っている。   作:ローランゲート・ぺろぺろ丸

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女装と淫紋と【蟲】

 

おじさんと別れて学校へと向かう。

もうすぐ僕の友達のお家に着く頃だ。

 

僕は、いつも彼女と一緒に学校へいくんだ。僕が少し早めに自宅を出て、彼女の登場を待つのが毎日の流れ。

その子が好きなのか、と言われると好きだと答えられる。でも、恋愛とかそういうのじゃないと思う。僕は彼女の好きなのを知ってるから。

 

それを阻止するのが、僕の友情だ。

 

 

「おはよー!」

「うん、おはよう。今日も元気いっぱいだね。」

 

僕が友達のお家についたタイミングで、お家の玄関の扉から友達が出てくる。

玄関の向こう側に、友達のお母さんがいて彼女と僕に手を振っている。僕も挨拶して手を振った。そのまま、友達の手を掴んで仲良く学校に向かう。

 

『坊、そろそろ歩道じゃ。植林があるから娘を離しておけ。』

 

そんな光景をいつも見ている狐さんは、僕にそんな事を言ってきた。僕は狐さんをチラリと見てから、車側を歩く。

 

「昨日のテレビ見た?」

「うーん。実は見てないんだ。映画?」

「うん。宇宙人とおっきい人が森で凄かったの!」

「へー、見たかったなぁ。」

「ドーン!とかバーンッ!ってしてたよ。君もそうなるの?」

「僕はメカスーツが好きだからなぁ。」

 

他愛の無い会話をしながら、学校へ向かう。のんびりした1人の時間も好きだけど、彼女とこうして盛り上がるのも好きだ。

僕は、極力彼女が道中で土を見ないように歩かせる。

 

「そういえば、今日はお母さんだったね。」

「うん、今日はお仕事なんだって。」

「ふーん。大変なんだなぁ。」

 

 

◾️

 

 

「みなさん、おはようございます。」

「せんせーおはよーございます!」

 

朝の挨拶を済ませる。僕らの担任の先生は今日も落ち着いた感じで笑っている。

ゆったりとした服装と大きなおっぱい。まるで母性の塊のような先生はクラスのみんなだけでなく、他の先生や父兄さんにも大人気である。

でも、パパはそうでも無いみたい。やっぱりパパはママが大好きなんだってことだね。

 

時間が過ぎて、今はお昼休み。僕は友達である彼女と、隣の席の男の子と机を引っ付けてご飯を食べる。今日の給食はクラムチャウダーだ。

 

「なーなー、この後サッカーするんだけどお前もくるだろ?」

「うん。」

「ねぇねぇ、私もいーい?」

「えー!でもなー。」

「うー。だったら見てるだけでも良いよ?端っこで「いや、みんなでやったほうが楽しいと思うな。」

「うーん…まぁ、お前がそー言うなら俺はいーぜ!」

「やった!」

 

嬉しそうに笑う彼女。それを見て僕は安堵のため息を吐いた。もう1人の彼は何かと僕と彼女を引き剥がそうとする。多分、女の子と男の子では、遊ぶ内容が異なるとかそんな理由だとは思うけど。

とにかく、彼女を一人で外に出すのはあまりよろしく無い。途中で飽きちゃって土弄りなんて始められると大問題だ。

 

『まぁ、最悪妾が見ておくから問題はないじゃろう。坊も其奴らと遊んでくれば良い。』

 

狐さんがいつもより素っ気ないような態度で僕の背中を押してくれる。狐さんがいるなら、彼女も妙な事はしないだろう。

 

僕達は、サッカーに誘ってくれた子と一緒にグラウンドに出た。他のメンバーは既に集まっていて、僕達を待ってくれていたみたいだ。

 

サッカーに誘ってくれた男の子は、クラスでも人気の男の子だ。僕はモテる自覚があるけど、どちらかというと歳上の人が多い。でも、彼は同年代の女子に大人気だ。

今も彼が楽しそうに体を動かしている様を、女の子達が教室の窓から見下ろしている。

多分あの子達には僕のパパとママや、未婚おばさんの様な業を背負ってはいないと思うので、羨ましく感じる時がある。

 

「いくぜっ!パーッス!」

 

彼から蹴ったボールを胸で受け止めて、ドリブルで前に進む。近くに寄ってきた彼とパスを繋ぎ、僕のアシストで彼はシュートを決めた。

嬉しそうに飛び跳ねながら僕に近付いてくる彼を見て、僕は背中を向ける。

これは、この後彼が僕の背中に飛び付くのを予測していたから、だけではない。

この如何にも男子小学生らしい光景の隙間に見えためんどくさいモノから目を背けるためだ。

 

『坊、娘が土を弄っとるぞ。』

 

そう、飛び跳ねる度に見える彼のおへそ。

そこに輝くドぴんく色の紋章から。

 

 

「やっぱお前と組むと誰にも負ける気しねーな!」

『おーい坊よ。聞いておるのか?』

「うん、ソウダネ。」

「もっと喜べってんだよなー、このこのぉ!」

『聞いておらんなコイツ。』

 

僕の背中にしがみつきながら、空いている手で僕のほっぺをぐりぐりしてくる楽しそうな彼の闇を再認識してしまった僕は、出来るだけ平坦な声で言葉を返す。

 

初めてそれを目撃してしまった時は、衝動的に彼の後を尾けてしまった。他の子供達より余計な知識がある僕には、それが何なのかわかってしまう。もし、僕がモラルを理解していなければどうなっていたんだろうか…。

淫紋を引っ付けた彼を背中に背負いながら、僕はこの世界がちょっと嫌いになった。でも、そんな思いはすぐに吹っ飛ぶことになる。

 

「ふわぁ…。」

 

彼女が、土を弄っていた。

 

「狐さんっ!」

『さっきから言っておったのに…。』

「き、狐?」

 

ごめんよ狐さん。友達の淫紋発覚はどうやら僕の精神の許容範囲外だったみたいだ。

彼が背中でポカンとしているが、僕はそれどころではなくなっていた。彼女が、何も植えてない花壇の土を弄っている。

マズイ、これは由々しき事態だ。

僕は、彼を背中に乗せたまま彼女へと近づいていく。

背中から抗議の声が聞こえたような気がするが、正直今はどうでもいい。

 

なんか取り返しの付かない変態になっている彼より、まだ戻ってこれる彼女のほうが優先だ。

 

「あ、ボク君…?」

「やぁ、何してるの?」

 

しゃがんでいる彼女が、僕を見る。僕は彼女よりも、彼女の手に集中していた。

 

そこには、ミミズが畝っている。

 

ミミズだ。細長くて、あまり良くわからない生き物。僕は虫に興味がないし、そもそもミミズが虫かどうかも知らない。でも、このままじゃマズイ事くらいならわかる。

 

「うん、あのね…ミミズさんを、見てたの。」

「ふ、ふーん。そうなんだ。」

「あのね、なんでかな?ミミズさんを見てるとね、

 

 

お腹が、ポワンってするの。」

 

アカン。

 

 

彼女も、例に漏れず業を背負う者だ。しかも、蟲に興奮するド変態だ。

虫が可愛いとか、そういう次元ではない。言うなれば、蛸に絡まれる女性の春画を見て興奮するタイプと似たような感じだ。

 

幸い本人は無自覚だったので、今までは僕がそこはかとなくそういうのに近づかせなかった。しかし、既に彼女は未知との遭遇を果たしてしまっている。

 

彼女は、僕にとってまだまともな感性を持った女の子だ。そんな子を、未婚おばさんみたいな変態にするわけにはいかない。背中で何故かグロッキーになっている彼のようにはさせるわけにはいかない。

 

「ふぇっ!?ぼ、ボク君…?」

 

僕は、意を決して行動を開始した。

彼女の手から優しくミミズを払い、その手を優しく握る。彼女を立たせ、真正面から彼女を見た。

急に見つめてきた僕に、彼女の頬が赤らむ。その初々しい態度に、僕は勝機を見出した。

 

「さっきまでのプレー、見てくれた?」

「う、うん。見たよ…?」

「そっか。多分、その後に土を弄ってたから勘違いしたのかもね。」

「え?」

「僕ね、君に僕の活躍を見て欲しかったんだ。」

 

僕はそのまま、彼女の手を僕の胸に当てる。大丈夫、今の彼女は気が動転してる。彼女は乙女だから、その辺のフィルターのおかげで僕の行動は滑稽には見えない。大丈夫だ。

 

「ほら、ドキドキしてるでしょ?」

「う、うん。」

「君も、ドキドキしてる。お揃いだね。」

 

耳まで赤くなった彼女は、とうとう俯いてしまった。よし!何とかなった!

 

「君も一緒に遊ぼう。僕、君と遊びたいな。」

「う、うん!遊ぼっ!」

 

僕は手を繋ぎながら、彼女と一緒にグラウンドへと向かう。

途中、背中の彼が復活したのだが、何故か僕の背中から降りなくて大変だった。

 

後、背中がちょっと湿っていた。




僕くん
それなりに頭も良いし、それなりに運動できる。基本的にどんな性癖でも受け入れる心算ではあるが、未発覚なら阻止する気満々。

狐さん
僕くんに無視されてちょっと拗ねた。この後僕くんからの油揚げの納品でにっこり。

友達くん
別名淫紋くん。僕くんが大好き。背中に乗ったまま走られたのでお股が擦れてしまった。

友達ちゃん
無自覚蟲大好きっ子。深い業を背負っている。僕くんの今回の行動で僕くんが好きだと勘違いした。これからの僕くんの行動によっては触手エンドもありえる。

お父さん
別名お母さん。姿格好はともかくとして良い人。

未婚おばさん
「ねえボクくん。今度お姉さんのところに来て一緒にお勉強しない?ほら、ボク君成績良いけどそういう時こそ勉強を疎かにしちゃうかもだもんね。大丈夫♡お姉さん結構いい大学でてるし土地ももってて資産も豊富だから安心して♡♡ボクくんはお布団で仰向けになるだけで良いんだよ?お姉さんがいっぱいいーぱい甘やかしてあげるから♡♡♡良い子だからお泊まりしましょ?1週間くらいあれば大丈夫だからね♡♡♡」
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