これはDxDですか?〜いいえ、ゾンビです   作:絆蛙

13 / 32
第六話 ハイハイ、会場に行きます

あのゲームから二日が経った。

結局、逃げることが出来なかった俺は素直に頷くしか無かった。まあ、その代わりなんでもしてくれるらしいので、黒毛和牛を要求した。

ちゃんと用意してくれるらしいのでやらなくてはならない。めんどくさい。だが、ユーのためのお土産としては最高のものだろう。

え? 先輩のために何かするんじゃないのかって? 俺のキャラじゃねーもん。ってか、最近ずーっと俺のキャラじゃないことが多かったんだよ! そういうのは一誠とかイケメンの役だ。俺ははしゃぐモブの係。俺は主役じゃないんでね、土壇場で覚醒する一誠の方が主人公だ。

なあ、レイトウマグロさん。

 

『ギョエ』

 

ほら、レイトウマグロさんも頷いてんじゃん。

 

「ん?」

 

あれ? 凍らせたはずなのになんで頷いた・・・? い、いやいや気のせいだ!そもそもの疑問として溶けないか謎なんだよな。未だに溶けないし俺には分からん。

 

「ユー、どうだ?」

 

『美味』=『とっても美味しいよ』

 

「そうかそうか」

 

脳内で補完されて満足していると、久しぶりのことでつい笑みを浮かべる。

 

「?」

 

「いや、こうやって二人っきりで食べるのも最近はなかったからさ」

 

首を傾げるユーに理由を説明する。

今、アーシアはこの場には居ない。ちょっとあるアイテムを貰ってから先にパーティに行かせた。

まるで最後の晩餐みたいな感じに思われそうだが、そういう訳では無い。

ってか、俺は死なないし。レイトウマグロさんも死ぬ要素見えないし。むしろ何故か鮮度上がってるし。

 

そんなこんなで、ユーとの飯を終えた俺は片付けをしてから準備を終えた。

渡された封を切れば転移出来るらしいが、少し見ておきたいところがあるのでそこに行ってから行く予定。

 

「・・・ん?」

 

その時、裾を引っ張られる感じがして振り向けば、ユーが立っていた。

 

「どうしたんだ?」

 

『どうしても 行くの?』

 

ユーには冥界に行くことは伝えている。アーシアを先に行かせた時に。

俺だって、正直行きたくない。めんどくさいもん。

でもなぁ。黒毛和牛は捨てがたいからなぁ・・・。

 

「大丈夫だって。ちょちょいっと解決してくるから」

 

とにかく、心配してくれてるのかは分からないが俺は安心させるようにユーを撫でる。

しかし、ユーは俺の目をじーっと見つめてきて何も表情を変えない。分かってたことだけど。

 

『行かないと ダメ?』

 

珍しいと思った。ユーはいつも俺が出掛けようとすると、何処に行くかは聞いてきてもここまで聞いてこない。

確かに、今回ばかりは俺がやりたいことでも狙われてることでもない。というか、そんな聞かれるとここに居たいという思いしか出てこない。

でも黒毛和牛はやはり欲しい。ここはユーの為に言うとしよう。

 

「俺が行かないといけないことだからさ。ユーにはいつも悪いけど留守番してくれ。アーシアと帰ってくる・・・と思うから」

 

『そう』

 

俺がそう言うと、ユーは顔を伏せたかと思えば少しの空白のあと、その二文字を見せてきた。

俺はそれに頷く。

 

「じゃあ、行ってくる」

 

『いってらっしゃい』

 

手を上げたユーに見送られ、俺は目的の場所へと向かった。

夜道を歩き、人の少ない街を歩く。夜なのもあって、静かだ。

俺はそんな道をただひたすら歩いた。

しばらくすると、あるひとつの家に着いて、見上げてみた。

窓には人影が立っている。それを見て必要ないと理解した俺は、持ち物を確認してから封を切る---

 

 

 

 

 

 

 

 

視界がクリアになると、大きな会場が見えた。

どうやら目の前に転移させてくれるものだったらしい。よかった、道に迷う心配がなくて。

それにしても、凄い。流石は魔王様というべきか、めっちゃ豪華。クソ大きいシャンデリアなんて一般家庭で見れることなんてそうそうないだろうに。

 

「うーん」

 

とりあえず、俺はどうしたらいいの?こんなドレスやらタキシード着てる中、一人だけ制服だよ?端っこで四つん這いじゃなければバレてたね。

 

「うん? なんだこれは」

 

そう思っていると、突如気配が近づいてきた!

あー! 見つかるー! 間違いなく殺されるよー! 悪魔だらけの中で混じってたら殺されるー! アーシアはみんなと居るから客人と思われるだろうけど俺は無理だよ! 思いっきり制服だもん!

 

「まぁいいか」

 

興味を失ったのか、近くにいた気配が遠ざかった。

なので、俺は安堵の息を吐きながらハイハイを続ける。

俺は一体、なんのミッションをこなしているのだろう。ちょっとお腹が空いてきた。

周囲をきょろきょろと見渡す。

誰も居ないのを確認した俺は、バックからキノコを取ってむしゃむしゃ食べる。

まずっ!?予想外のマズさに驚くが、見てみたら高層エリンギだった。

うーん、時にマズさは癖になるんだが、今は気分的にこれじゃないんだよなぁ。

でも少しでも腹に入ったので、四つん這いのままハイハイに戻った。

その結果、時に怪しまれ、時に睨まれ、時にバレそうになったが、なんとかライダーがいるところまで来ることが出来た。

視線の先には、先輩も見る。後ろにはアーシアや小猫ちゃん、イケメンに姫島先輩。一誠はまだ居ないらしい。

だが、これで魔王様のお願いが達成出来る・・・頑張ったよ? 黒毛和牛1kgじゃ、割に合わんぞ。

 

「では! 改めてご紹介しましょう! 彼女こそ、我が最愛の妻となる女性リアス・グレ---」

 

「はい!ちょっと待ったーっ!!」

 

瞬間ッ! 俺は立ち上がりと同時にダンボールを退けたッ!

 

「なっ!? き、貴様ッ! いつの間に!?」

 

驚くライダーと先輩。そして周囲。

ひえぇえぇ! 視線! 視線がすっごーい! これがダンボールマジック! あ、終わったので帰っていいです? 魔王様が居たので視線を移す。

・・・笑っとるやんけ。

 

「何者だ!?」

 

「つまみだせ!」

 

何故か笑ってる魔王様にちょっとイラついてると、衛兵らしき存在が貴族っぽい人たちに指示されて向かってきた。

えー・・・話が通ってるんじゃないの? と思いつつ、200%で衛兵の頭にダンボールを被せて蹴り飛ばし、裏拳、ストレート、背負い投げ、巴投げ、キン肉バスターで近くの衛兵をダウンさせる。

 

「その子にこれ以上、手を出さないでくれないか?」

 

「サーゼクス・ルシファー様!?」

 

「おっ・・・とと」

 

貴族っぽいやつの声で危うく残りの衛兵にも殴りそうになっていた拳を引っ込め、スレスレで止まっている槍にビビりつつ視線を魔王様に変えた。

 

「私が用意した余興だよ」

 

「サーゼクスさま。余興とは---」

 

ライダーが魔王様に聞こうとすると、魔王様は手を上げて言葉を止める。

 

「ライザーくん。レーティングゲームは興味深く見させてもらった。しかしながら、ゲーム経験もない妹が、フェニックス家の才児であるライザーくんと戦うには少々分が悪かったかなと」

 

「サーゼクスさまは、あの戦いが解せないと?」

 

「いやいや。魔王の私があれこれ言ってしまえば、レーティング・ゲームそのものが存在意義を失ってしまう。まして今回は事情が事情だ。旧家の顔が立たないだろう。上級悪魔同士の交流は大切なものですからね」

 

俺にはよく分からないことを述べる魔王様。

そんなことよりハイハイが疲れたのでやっぱり帰りたいんですが。

 

「では、サーゼクス。お主はどうしたいのかな?」

 

「父上。私は可愛い妹の婚約パーティは派手にやりたいと思うのですよ。ドラゴン対フェニックス。最高の催しだと思いませんか? 伝説の生物同士で会場を盛り上げる---しかし、より盛り上げるには『前座』が必要だと思うのですよ」

 

「ほう、それは?」

 

「彼は私の客人でして。なんでも、リーアたちを鍛えたのは彼だということらしいです」

 

紅髪の中年男性が、魔王様に問うと、魔王様は俺が言った通りのことをしてくれた。

有難いけど、前座って・・・悲しいね。いや、俺が言ったからなんだけどね? 他人に言われるとやっぱり心にくるよ。

 

「そんな彼が先に戦い、この後、リーアの眷属が有するドラゴンの力とフェニックスの力を持つ者が戦う---これに勝る演出はないでしょう」

 

魔王様のその一言で、全員が黙る。魔王様に父上と呼ばれた人も頷いていた。

簡単に言えば、前座である俺を倒し、本題の一誠を倒せばライダーは自身の強さも周囲に知らしめることも出来るし文句も一切出なくなる。

逆に言えば、明らかに弱そうな俺すら倒せず、一誠も倒せない貴様に妹はやらん!ということだろう。

 

「どうかな? ライザーくん。私とリーアの前でその力を今一度見せてくれるかな?」

 

「・・・良いでしょう。サーゼクス様に頼まれたのなら断れるわけもない。このライザー、身を固める前の最後の炎をお見せましょう!」

 

なんか言ってるが、俺は今から引き返せないかな、とか思っていた。ついでに自分で弱そうといって悲しくなっていた。

なんとなく視線を変えると、アーシアが心配そうな表情をしながらも、両拳を作って見つめてきたのが見えた。

えーっと、たぶん『が ん ば っ て く だ さ い』か? 読唇術はないけどパーティに行かせる前に応援すると言ってたから、あってると思いたい。

逃げてください・・・なら逃げてたけどな!明らかに口の動きが違うもん。

小猫ちゃんやイケメン、姫島先輩も驚いていたっぽい。ダンボールからの登場だったもんね。

あーあ。黒毛和牛の為に頑張りますかねぇ。

 

と移動しながら考えているとみんなが駆け寄ってきた。

 

「神谷先輩、どうしてここに・・・?」

 

「全く気が付かなかったよ」

 

イケメン、俺はお前らがどこにいるか知っていたよ。見えてたし。

 

「ちょっと頼まれごと。まぁ、前座だけどな」

 

「イッセーくんはまだ来てないですわ」

 

「そのうち来るでしょう」

 

人影が立ってたし。たぶん、メイドさんがなんか言ったはず。俺は俺のやることをしなければならない。お肉のために。

 

「アユムさん。気をつけてくださいね・・・?」

 

「もし怪我した時はアーシアに頼むよ」

 

「はい」

 

早くするように言われたため、一言だけ返して移動する---前に言いたいことがあった。

 

「あぁ、そういえば皆さん。似合ってますね。リアス先輩を取り戻して迎えるには、ちょうどいい格好だと思いますよ」

 

特に、アーシアと小猫ちゃんのドレス姿は似合っていた。姫島先輩は何故和服なのかよく分からないが、それが彼女にとっての格好なのだろう。

イケメンはイケメンだ。俺? 俺は制服ですけど? 一人だけ不釣り合いですよね! いいや、主役は一誠だし。というか他には私服とか以外ないし。

 

そしてさらっと勝ち宣言した俺はカバンをしっかりと背負い、フィールドへ移動した---

 

 






ちょっと無理やりだったかなと思ったけど前座なら行けそうだな、と思ったので前座にしちゃった。
理にはかなっている・・・はず。そもそも原作も乱入だったし良いでしょう。
ということで、次回が主人公のちょっとした活躍です。よくありがちな、一誠との戦い後、または戦い前の乱入タイプになりましたが。

あっ、ちなみに分かったと思いますが、アユムは入ってきた瞬間からダンボール移動してました。傭兵かよ。

ヒロイン数

  • ユーとアーシアのみ
  • うるせぇ!増やすんだよあくしろよ
  • 投稿日数増やせ、ハゲ
  • 戦闘シーンはやく♡
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。