これはDxDですか?〜いいえ、ゾンビです   作:絆蛙

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『気がつけば夏。コカビエルとの戦いが終わって以来、アユムに接触しようとする気配を感じる。懐かしい気配。でもアユムが目を付けられると彼により迷惑をかけてしまう・・・それでも私は、彼に何も出来ない。
---そういえばアーシアは水着を買ったみたい。アユムは、どんな反応をするのだろう?』

アーシアが嬉しそうに話す姿をただ無表情で見ているユーの姿。




停止教室のヴァンパイア
第一話 夏だ、地獄だ!死ぬッ!!!!


 

 

 

 

 

 

ついに完全に迎えてしまった夏。

比較的マシだった春の陽射しは一転し、今やまさに灼熱。

この世界は呪われている!!

しかしそんな真夏でも、夜は太陽がない。

風こそ温いが、太陽の陽射しがあるよりかはマシなのだ。

やはり夜、夜こそ至高か。

 

「ああ、ドキドキノコさんは困るかな。いやどうだろ、じめっとした方がいいのか?」

 

目の前で踊るドキドキノコさんに問いかける。

すると問題ないと返ってきた。

しかし何故ドキドキノコさんは踊っているのだろうか、と俺はいつもの墓地であるベストプレイスで缶コーヒーを飲みながら思った。

ちなみにここにいる理由は、気分だ。

外出したくなったけど特に行く先もなかったら気づけばここに来た。

俺は死んだらここの地縛霊になりそうだ。いや死んでるけど。

しかし、やはりここは落ち着くがユーに会いたくなるな。

もう少ししたら戻るか・・・コーヒー飲み終えてないし。

 

「ん・・・?」

 

そう思ってコーヒーを飲んでいると、ふと違和感を覚えた。

なんだか墓地に何者かの気配が近づいて来てる気がする。

俺は知っている。こんなことになるということは間違いなく、何かがあるのだ。それも面倒臭いことになる。

もしかしてヴァーリか?

よし、逃げよう!

迷いはなかった。コカビエル戦で使った800%の力を解放して、速攻で逃げる俺。

そう、こういう時ほど逃げることが一番いいのである。

ところで明らかにアイツにはない黒い羽が見えたのは気のせいかな?気のせいだな、うん!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほぉ、俺に気づいたか。流石だな。

少し話がしたかっただけなんだが・・・なるほど、確かにヴァーリなら気に入るような存在だろうよ、お前はな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんだか嫌な予感を感じ取って逃げた次の日。あの日の夜は帰ったら珍しくユーに何かあったか聞かれたものの、俺は特に何も無かったのでなかったと答えた。

そしてゼノヴィアが転入してきてからの週末の日曜日、俺たちオカルト研究部は今学校のプールの前に居た。

ちなみに彼女の住まいは先輩が用意した悪魔ご用達のマンションで生活しているらしい。

アーシアから聞いたよ。俺?聞いてるわけないじゃん、ユーに関係ないのに聞く必要、あります?ないな(断言)

 

「うわっ、汚ねぇ!本当にこれ俺たちで掃除するのかよ?」

 

さて現実を見よう。

一誠の言葉通り、プールは凄い汚い。

去年の夏場が終わってもずっと張ってあった水は濁り切っていて藻が生えており、少なからず異臭も立ち込めている。

なんだこれは!?

 

「まぁ、やるしかないだろうな。つーか俺はやらないと殺される」

 

俺はユーと居たいから逃げようとしたのだが、残念ながら何故か先輩ではなく生徒会長に呼び出されて指名されたのだ。

なんで俺なの???

確かに俺だけど?校舎破壊したのは俺だけどさぁ・・・コカビエル倒したんだから良くね?むしろ褒められるべきでは?

わたくし、何度も言いますがゾンビですわよ?

そんな俺がプール掃除が出来るとでも思っているのかッ!?いいや、不可能だッ!!

プールに入ることは出来るが、掃除は死ぬ!間違いなく太陽に殺られる前に濁っているプールに飛び込む!夏だぞ!地獄だぞ!死ぬぞ!!

でもダメだ!俺は生徒会長に逆らうことが出来ない・・・!あの人怖い!怖いもん!

何より匙が怒ってたからなぁ・・・いいじゃん、俺生徒会でもないのにたまに仕事手伝ってたじゃん。ちょっと徹夜明け相手にごめんね♪って告げただけなのに!

 

「しかし、何故オカルト研究部がプールの掃除などをするんだ?」

「本来は生徒会の担当なのだけれどコカビエルの一件の時、ソーナ達生徒会メンバーが事後処理を全て引き受けてくれたからね。そのお礼を兼ねて今年は私たちがプール掃除をする事になったの。その代わり、プール掃除が終わったらオカルト研究部で一足早いプール開きよ!」

 

先輩が説明してくれたのち号令のもと、俺たちは服が汚れないため、汚れてもいい服に着替えるために更衣室に向かう---前にさらっと更衣室に入ってこようとしたウサギさんをアーシアに預けた。

ついてきてることにはもう突っ込まないがお前メスだろ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、ハァ・・・ハァァァッ・・・!」

 

あれから一時間くらいだろうか。

ユーも居ないのに何やってんだろ、と俺は思いつつ太陽の下で必死に掃除を頑張った俺は、それはもう気合いを溜めるかの如くため息を吐いていた。

早く終わらせたい俺より一誠の頑張りが凄かったが、多分水着が見たいからだろう。

まぁ、俺とは違ってあいつは先輩居るからな。

 

「神谷くん、大丈夫かい?」

「・・・イケメンか。さんきゅ」

 

別に泳いだ訳でもないのに力尽きかけてる俺にイケメンが手を差し伸べてきた。

無視するのもあれなので手を借りて立ち上がると、イケメンは俺が掛けてあった傘を渡してきた。

それを受け取って即座に傘を差すと、太陽の攻撃がマシになる。

 

「気にしないで。君はコカビエルとの戦いで弱気になった僕を励ましてくれたし僕を助けてくれた。それに君が最初に掛けてくれた言葉は同志たちも僕に望んでいたことだったんだ・・・それを君は分かっていたのに僕はただ目の前の復讐に囚われて、思いを無碍にして、それでも神谷くんは手を伸ばし続けてくれた」

「え?あ、ああ・・・なんだ、急だな」

 

いやほんと勝手に語り出したんだが。

なにこいつ、怖いんだけど。

 

「こういうことは二人っきりの時じゃなきゃ言えないだろう?

だから僕は誓うよ、例え何者が君を傷つけようとしても僕は君の味方になる。君は安心して君らしくいて欲しい。君の笑顔や言葉は、僕たちに力をくれる。僕たちに勇気を与えてくれる。立ち上がる力をくれたんだ。

これからは僕が君を守るから、それがグレモリー眷属の騎士(ナイト)としてできる僕からの恩返しだ」

 

・・・え、ごめん。こう言っちゃなんだけど、なんかすごいキモイんだが。というか距離感近くないか、イケメン。これ以上近づいたらぶっ飛ばすぞ!?

そもそも俺は別にこいつのために行動したわけじゃなくってユーのためにやっただけなんだけど。励ましたのもアーシアのためだし。

正直、ユーに被害が行くから戦って、実際にユーを攻撃したコカビエルが許せなくてぶっ飛ばしただけだしなぁ・・・。

 

「お、おう・・・」

 

とにかくも身の危機を感じるような発言に鳥肌が立った俺は、頬を引き攣らせながらそれだけしか返せなかった。

そもそも普通、こういうことは男じゃなくて女に言うものだと俺は思うんだ・・・お前は俺を攻略する気か?やめろよ、俺が女だったらときめいてたかもしれないだろ。

そういうのは一誠の役目なのでそっちにお願いします。

お前と距離近いと俺まで対象にされるんだよ・・・つーかされてるのでこれ以上は勘弁してくれ。

ちなみに桐生曰く俺が受けになってるらしい。

そもそもそれを考えるのをやめてくれない???

 

まあ何はともあれ全員水着に着替えているので後はプールに水を張るだけだ。

俺の役目は終えた。もうゴールしてもいいよね?

 

「朱乃、頼めるかしら?」

「うふふ。了解ですわ」

 

姫島先輩が上空に手を翻すとプールにすっぽりと収まる大きさの魔法陣が出現し、そこから大量の水を出てものの一分程で水を張り終える。

え、なにそれ便利。

 

「さて、ここからは頑張った褒美としてお楽しみの時間よ。思う存分泳いで楽しみましょう!

・・・所でイッセー、私の水着姿はどうかしら?」

 

よし遊ぶかーとなる前に、白いビキニを着用している先輩がいきなり一誠にアピールしていたので離れるタイミングを逃した俺。

ちなみにここには俺と先輩二人、一誠しか既に居ない。さてはどうなるか察してみんな逃げやがったな。アーシアはまだ見てないけど。

待て、そもそも何故俺はここにいなければならない?

迂回していけばいいのでは・・・天才か? 天才だな、間違いない。

 

「はい!控えめに言っても最高です!いいえ最高すぎて色々とやばいです!」

 

俺が結論に至っていると、一誠が語彙力皆無がなるほどに褒めているが、先輩はそれだけで嬉しそうだった。

やっぱり、なんで目の前でイチャイチャしてるのを見なくちゃならないのだろうか。

 

「あらあら、部長ったら、よほもイッセーくんに見せたかったんですわね。随分と張り切っているご様子で・・・ところでイッセーくん。私の方はどうかしら?」

「ふぶぉ・・・!?」

 

そう考えていると姫島先輩らしい黒いビキニ---しかも面積が割と小さいのを見た一誠が鼻血を噴き出して逝っていた。なんだっけ、マイクロソフト的なやつ。

しかしあれは死んだな(適当)

確かに先輩もだが姫島先輩も人気ある人だ。俺にはよく分からんが一誠には刺激が強すぎたらしい。

こんな一誠を見たからか先輩が姫島先輩に文句を言っていたが、なんか聞くだけ無駄な気がしてきたし俺の影が薄すぎて多分気づかれてないので俺は傘を持ったまま離れた。

 

「あ、あの・・・アユムさんっ」

「ん?」

 

よくある屋根の着いたプールの見学席で太陽から逃れて立っていると、ふと着ているラッシュガードが控えめに引っ張られ、名前を呼ばれる。

引っ張られた場所を見ると、真ん中にリボンのような結び目があり、フリル状のような布があるビキニに両サイドに紐のついたボトムを着たアーシアがそこに居た。

 

「ど、どうでしょうか・・・?」

 

何処か不安そうに胸に手を当てて上目遣いで見つめてくるアーシア。

どう、というのは似合ってるかどうか不安なのだろう。

彼女の綺麗な白い肌を持つ可憐で華奢な肢体に大きすぎず小さすぎず、出ているところは出ている部分。

普段は隠れているがビキニによって僅かに見える胸の谷間に、健康的な腰周りのくびれ。そして可愛らしいお腹とみずみずしい果実のような太もも。

薄緑、というよりは彼女の瞳と同じ宝石のようなエメラルドグリーン色の花柄の水着で靡く金色の髪は太陽に照らされ、より輝きを増している。

はっきりいって、俺なんかが見ていいのか疑うほどに似合っていて素晴らしい。

 

「ああ、とても魅力的で似合ってるよ。アーシアの良さを水着が引き立てていて素敵だと思う」

「え、えへへ」

 

流石に解説のような感想を言うのははばかれたので簡単に言うと、アーシアははにかむように微笑んできた。

うん、かわいい

 

「うん、かわいい」

「は、はぅ・・・!?」

 

思わず頭を撫でてしまったが、アーシアが何故か顔を赤くしていた。

しかしアーシアって水着持ってたっけ? お金はいつも不自由をして欲しくないから毎月少なすぎないように多めに渡しているが、水着を買いに行ったような様子もなかったから学校指定のものを着てくるかと思っていた。

まぁ、友達である桐生が絡んでいるんだろう。あいつにしては珍しく普通に良いのを選んだみたいだが。

 

「・・・神谷先輩」

 

すると今度は左から引っ張られ、俺は視線を移す。

そこには黒色に挟まれたピンク色のワンピースを着た小猫ちゃんが居て、下はスカートのようなフリルになっている水着を着ていた。

小猫ちゃんの場合は幼い体型なのもあってそれがより良さを引き立て、水着と体型が見事なまでに調和している。

 

「小猫ちゃん?どうかしたか? 水着に関してなら、水着似合ってて可愛いと思うけど」

「あ・・・ありがとうございます。ですけど、そのことではなくて・・・」

 

てっきり褒めて欲しかったのかと思ったのだが、見当違いだったようだ。

やだ、恥ずかしい。

そもそもの問題として俺の感想が欲しい人なんていないだろう。誰でもいいはずである。でも一誠は今動けんしな・・・木場は見当たらんし。

だから二人とも俺に話しかけに来たのかな。

おっと話は逸れたが、結局要件はなんなんだろう?

 

「・・・泳ぎを教えてください」

「ん?泳げないの?」

「はい・・・」

 

割と意外な発言に少し驚く。

個人的なイメージだが、小猫ちゃんは割と運動系は得意なイメージがあった。

てかなんで俺・・・いや今暇なの俺しか居ねぇな?

 

「俺でよければ良いけど、俺もそんな得意じゃなくて普通だからね」

 

せいぜい普通に泳げて水中戦が出来る練度しかないというか水中戦を強いられたことがあるくらいだ。

正確には水中に引きづられたんだけど。

知ってる?アニメと違って現実ってさ、水中で戦うとなると思うように動けないんだ・・・何回も致命傷受けたからな。

 

「はい」

「アユムさん、私もよろしいでしょうか・・・?」

「いいよ。って言っても流石に俺分身出来ないから順番になるけど・・・まあ行こうか」

 

それだけ伝えると、俺は傘を持ったままは無理なのでプールサイドに置いて飛び込んで入っていく。

うーんアッツゥイ!

しかし甘いな、太陽!水の中に居れば問題ないっ!

なお出たらやばい。

あれ、俺常に水中に居なくちゃ行けなくね? 教えれねえじゃん・・・クソっ!後輩に情けないところは見せられるか、気合いを入れろ俺!

 

「じゃあ先に小猫ちゃんからやろうか、ほら」

「すみません・・・」

 

まだプールサイドに居る小猫ちゃんに手を伸ばすと彼女は俺の手の上に自身の手を乗せ、俺はゆっくりとプールに入れさせる。

流石に初心者にドボン、とはしない。これが一誠やら松田、元浜なら容赦なくやってたが、一応気兼ねなくやれる仲だし。

 

「最初は俺が手を引いていくから、まずは感覚になれよう」

「よろしくお願いします」

 

教えたことがないのでどう教えるべきか分からないが、ひとまず顔を水に付けてもらって、俺が引っ張る形にすることにした。

なので両手を乗せてもらい、バタ足の練習をしてもらうことに。

パタパタと、可愛らしく音を立てながら泳いでいく小猫ちゃん。

こうやって見てると、思考しないようにしていたのにユーが居ないことに寂しさを覚えるというかただただ辛い。

ちくしょう、ユーの水着が見たかった・・・ッ! ユーは一体どんな水着を着るのだろう。何を着ても天使だと思うんだ、俺。

ちょっと考えてみ---後輩の前だからやめた。

とりあえず、一番端まで行くまで、ゆっくりと手を引いていく---

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぷはー・・・」

 

背中が壁にぶつかり、一周が終わったことに気づく。

小猫ちゃんはも気づいたようで水面につけていた顔を上げていた、

しかし手を引いてもらってるとはいえ25mを初心者が泳ぎ切るのは難しいと思うのだが、そこはさすが悪魔だな。いや、悪魔ってよりかは小猫ちゃんは・・・うん?なんかまだ言ってはいけない気がするな?

やめておこう・・・。

 

「・・・どうでしたか?」

「ああ、十分だと思う。あとは俺の手をなしで泳げたらバタ足で泳ぐことは出来るんじゃないかな。流石に---あの連中みたいなクロールはまだ難しいだろうけど」

 

俺の視線の先、イケメンとゼノヴィアがどちらが速いかという勝負をしている。

俺?一度誘われたけど丁重に断った。

てか、力引き出さないと俺の素のスペックはわりとクソザコナメクジだから絶対負ける。

なんだよあいつら。

悪魔のスペックなのもあってはえーよ。一般人並みの身体能力で勝てるかよ。

何より太陽の下で勝負とか不平等にも程がある。ただでさえ子供に負けるレベルになるのに相手は悪魔の身体能力とか俺だけハンデ背負いすぎだろ。

 

「ま、あと何回かやって、その後には一人で泳いでみよう。何かあったら俺が助けるから、気にしないでやってみて」

「・・・・・・」

 

とりあえず人外スペック共から視線を外し、俺は小猫ちゃんにそう提案するとじーっと見つめられる。

そんな見つめても何も出ないよ、流石に水場にはキノコも持って来れないし。

 

「???小猫ちゃん?」

「・・・神谷先輩って優しいですね。いつも」

「んーどうだろ。自分じゃ分からないなぁ」

 

結局俺は一番はユーのために動いて、次に自分のために動いてるだけだからな。

だから興味無い事はとことん興味ないしどうだっていいとすら思ってる。

ぶっちゃけ先輩の結婚騒動もコカビエルだって興味はなかった。

前者は魔王様に頼まれたし、後者はユーに危害が及ぶ可能性があったからどうでもよくなかったけど。

ただなんかこの街全域吹き飛んでたとか説教された時は生徒会長は何故かお礼と一緒に言ってたんだよな。

そうなると大量の人が死ぬわけで、結局俺はぶちのめしてただろう。元々人間だし、俺。

流石に元同族なのもあって人が死ぬのを見ていい気はしない。

 

「アユムさんは優しいですよ、私に分からないことも教えてくださりますから」

 

それはアーシアが純粋だから変なやつに騙されないようにしてるだけだよ。彼女には笑顔で、ただ幸せになって欲しい。

どうやら好きな人が居るらしいし、むしろアーシアを悲しませたらそいつはぶっ飛ばす。

何はともあれ、話を無理やり区切った俺はしばらく小猫ちゃんの練習に付き合った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれからアーシアの練習にも付き合い、流石に俺の限界が訪れたのでプールサイドの日陰で休んでいる。

隣には小猫ちゃんが本を読んでいて、アーシアは疲れたのか俺の肩に頭を預けて眠っていた。

ただ水着なせいで肌が直接・・・まったく、そういうのは好きな人にするべきだと思うよ。

でも寝顔可愛いからなんでもいいや。

 

「で、イケメンとゼノヴィアはまたやってんのか・・・関わらないでおこう」

 

周囲に視線を巡らせると、また勝負している二人。

お前ら仲良しかよ。絶対関わらないからな。

そして一誠は・・・うん、無視で。あっちこそ関わっちゃいけないやつだ。

なんか一誠にオイルを塗ってもらった先輩のところに姫島先輩が突撃してたし、見なかったことにしよう。

しかしそうなるとやることがないな。あまり身動きを取るとアーシアを起こしてしまいかねんし、うさぎさんはアーシアの胸の間に入って寝てるし。

視線に困るような場所に入るの頼むからやめてくれ。

どうしようかと思いながらしばらく空を眺めてぼうっとしていると、数分後くらいだろうか。

ふと破砕音のような音が響く。

視線を辿ってみれば、プールの踏み台が木っ端微塵になっていた。

 

「は?」

 

思考停止する俺。

まさかユーの魔力に引き寄せられた敵かと思ったが、それらしい気配は無い。

周囲に視線を送り、原因と思われる場所に一誠と先輩たち二人が居たことを思い出す。

それと同時に二人の魔力と思われる攻撃がぶつかり合い、爆発が起きる。

あ、ちょっ---

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい待て一誠ぇええええええ!!止めてから逃げろよッ!!」

 

咄嗟に飛んできた魔力を300%でぶん殴って防いだが、一誠が逃げ出したのを見て俺は思わず叫んだ。

おい!これ原因お前しかいねーだろ!なんでこんな争いに発展してんの!?

 

「いやいや無理だって!こんなレベルの違う攻防戦に紛れ込んだら死ぬって!ごめんだけど避難してくれ!」

「無茶言うなよ!?太陽の下だと弱いんだよ俺!」

 

飛んでくる魔力を被害がない空に向かって逸らすが、姫島先輩はともかく先輩の魔力は割と面倒臭い。

唯一の武器である傘が逸らした部分から徐々に削れていってる。

しかも全体で受けたら傘一気に消えるから気をつけなくちゃ行けない。なんで俺の傘、いつも壊れることになるの???

ちくしょう!こんな時にレイトウマグロパイセンかバールのようなものがあれば・・・あああああぁぁああああ!!あいつ!アイツゥッ!!マッッッジ余計なことしかしねぇなヴァーリィィィィ!お前がコカビエルと一緒に俺の武器回収しなければよかったのに!回収よりもぶん殴ることを選んで結局回収忘れた俺が悪いんだけども!

何よりも太陽のせいで徐々に力が失われていっている。どうしよ、これ。

いっそ力もっと出すか?いやでもあんまやるとアーシアも小猫ちゃんも危ないしな・・・。

ついでに一誠が吹っ飛ぶ。この状況でそれはまずいだろうし、下手したらあいつが死ぬぞ。

ここはやはり逃げるのが正解だな!

殴るのが手っ取り早いんだけど、その前に太陽で殺られるし。というかおかしいな?いつの間にか戦場になってるぞ?

こんな急展開、まるでラノベみたいだぁ・・・!

 

「い、一体何が・・・?」

「あ、おはようアーシア」

「あ・・・は、はい。おはようございます。あの、一体何が・・・?」

 

後ろの方でアーシアが起きたので確認しながら魔力を地面を踏み砕いて出来た破片で防ぐが、アーシアは状況を理解できてなくて目をぱちくりと瞬きしていた。

 

「詳しくは私も・・・。神谷先輩、どうしますか」

「そう言われてもなあ」

 

そう聞いてくる小猫ちゃんにも被害はなさそうだ。

むしろ彼女は自分一人で避けれそう。

正直一誠が無事なのが驚きだけど。

アイツが一番危険地帯でヤバイし、まあなんか籠手持ってるしというか既に出してるしぶーすと鳴ってるしいけるだろ。

でも不味い、今は太陽よりも俺の服が!俺の水着がこのままじゃ無くなる!というか上半身の服に関してはさっき小猫ちゃんと話してたら吹っ飛んだ!

ついでにわりとカサカサになってきた!

あれ、何気にピンチでは?このままでは瓦礫かなんか投げるかあの二人をぶん殴るしかないんだけど。

 

「神谷くん!」

 

徐々に力が失われて行っていると、追いつかなくなった雷が目の前に現れた刀身で防がれていた。

この声は・・・イケメンかっ!

 

「いや、お前も逃げろよ・・・」

「無事でよかったよ、君を置いて行くなんて僕には出来ないからね。二人もいることだし・・・それよりも一誠くんは何とか用具室に逃げ込んだみたいだ。僕たちも退こう」

 

いや何、やっぱりおかしくない?普通俺より二人を優先しない?なんで俺を置いて行けないとか言うの?

でも今日は素直にありがとう!今回ばかりは助かった!

 

「小猫ちゃんはアーシアを。アーシアはウサギさんを頼む!俺はそろそろ(水着が)やばい!」

「分かりました」

「アユムさん、無理はなさらないでくださいね・・・!」

 

とりあえず雷は防げるようなので俺が先輩の魔力やら瓦礫を担当するが、アーシアと小猫ちゃんが出ていくのを見たあと、魔力を掴んで上空に投げ飛ばす。

 

「俺らも退くぞ!それとゼノヴィアは!?」

「彼女なら一度戻ったみたいだよ!」

「そうか、じゃあ逃げよう。もうやばい。実は脱げそうなんだ」

「そ・・・そんな・・・。この場で見せられると僕も困るよ神谷くん」

 

それ二人っきりならいいみたいな言い方になってない!?

とりあえず俺も男に見せたくはないのでもう壊れてるプールサイドを500%でぶん殴ることでちゃぶ台返しの要領で壁を作ると、退くために後ろへ飛ぼうとし、足が力を失う。

 

「あっっっ」

 

はい、限界でーす。まあもう全身細くなってるし声もカサカサだから仕方がないね。普通にバリケードが最後の力だった。

というかもう水着が失いかけてるんだけどぉ・・・。

 

「危ない!」

「うおっ!」

 

終わったな、と諦めた俺は腕を急に引っ張られ、先輩の魔力が当たる前にイケメンに引き寄せられ、その場から離脱することになった。

こうして俺は、イケメンに抱えられながら何とか水着を死守出来たのだった---でも何故男に抱えられる必要があるのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに離脱後、落ち着いたのを見計らって服に着替えた後に用具室に行ったら、ゼノヴィアが一誠に子作りしようなどと言って迫っていたので見なかったことにしてそっ閉じした後に閉じ込めた。

あいつ俺が危うくイケメンとアーシアと小猫ちゃんに見せられないよ!を見られることになりかけたのに何してんの?

まあ、俺が見なかったことにしたらすぐに先輩が気づいてあわてて開けたけど、元はと言えばあなたたち二人のせいですからね先輩方。

何があったかは知らないけど、生徒会長にチクッとこう。

ちょっとしたやり返しだ。

まったく、俺だから良かったものの・・・俺じゃなければ(先輩の魔力で)死んでたね。

流石に周りは見ていたと思いたいけど、どうだろうなぁ・・・しかしユーが居なくてよかったですね!

もしユーが居てこうなってたら容赦なく俺はヴァーリを殴った時と同じ威力で先輩方をぶん殴ってた。

とりあえず傘は請求しておこう。

そう心に決めた。

 

 

 

 

 

 

 





アーシアと小猫の水着はビーナスイレブンびびっと!ハイスクールDxDコラボで調べたら出るかと。
ちなみにユーがこの時にいたら本文通りアユムさんは先輩二人に対してマジで殴ります(さすがに加減はするけど)

(前書き)いる?

  • いる
  • いらない
  • ユー可愛いし出番欲しいからいる
  • (本作の)他のキャラも欲しい
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