これはDxDですか?〜いいえ、ゾンビです   作:絆蛙

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『懐かしい気配が二つ、三つ、四つ・・・日に日に『力』は強まっていく。私の力だけではなく、複数の力が複雑に絡み合い、混じり合い、変化が訪れる。以前までとは大きく異なろうとしている・・・このまま『私』が居れば居るほど『彼』は巻き込まれる。感情をどれだけ抑えようと抱かないようにしても、いずれは・・・』





第三話 魔王少女

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は授業参観当日。

俺にとっては、ある意味地獄だ。

毎度毎度、この日だけは俺はひたすらに耐えなければならない。

そりゃ保護者居る中で一人だけ傘を差すなんてことできるわけがないし。

でも何故か俺は太陽が直撃する窓側なのだ。

むしろ窓側から離れた試しがない・・・呪いかな?くっそ嫌がらせな呪いやめろ。

 

「イッセーんところは両親来るのか?」

「ああ、来るって聞いてる」

 

ちなみに一誠はこの教室に入ってきたとき、松田と元浜に殴られてた(俺は普通に避けた)

何でもゼノヴィアがオカルト研究部に入って美少女ばかり集まる腹いせだとか。

んで、今は参観について。

 

「そういや、アユムのとk」

「来るわけないだろ」

「・・・そうだった。悪い」

 

来ると予想していたので、俺は速攻で返すと一誠が申し訳なさそうにした。

なんか俺の方が悪いみたいになるんだけど。

そんな様子が気になったのかアーシアが首を傾げていた。

 

「そういえば、アユムさんのご両親とはお会いしたことありませんね」

「・・・」

「アユムさん・・・?」

「何でもないよ、ごめんなアーシア。授業参観らしく出来なくて。いや待てよ、俺がアーシアの親代わりとしてやればワンチャン・・・!」

「いや、出来ねぇからな!?」

 

なんだよ俺の名案を壊すなよ一誠。

大丈夫だって!保護者の中に学生服を着てる一般ゾンビが居るだけだから!

 

「あ、アユムさん。私も嫌です・・・」

「なん・・・だと・・・ッ!」

 

まさかのアーシアにすら断られた俺は、さすがに心にダメージを負い、地面に手を着いた。

そうか・・・親代わりは嫌なのか。そうだよな、俺みたいな親は嫌だよな・・・。

 

「俺は石ころ俺は石ころ俺は石ころ俺は石ころ俺は石ころ俺は石ころ俺は石ころ俺は道端に落ちてる木の棒俺は勇者の剣俺の冒険の書は消えてしまった俺はキノコ」

「なんか呪詛みたいな言葉連ねてるぞ!?」

「帰ってこいアユム!いや、やっぱ帰ってくるなアーシアたんと一緒に暮らしててうらやましい!」

 

精神的ダメージを負ったあまり、俺は落ち込んでいた。

周りの声は聞こえなかったけど、ユーの存在を思い浮かべて回復。

ふっ、俺クラスになるとユーのことをイメージすると負った多少の精神的ダメージなら回復するのだ!

なおユーに拒否られたら何してもしばらく放心する自信しかないというか何もしたくない(ザコ)

 

「イッセー」

 

ゼノヴィアが近づいてきて、輪の中に入ってくる。

ちなみに彼女は男子にも人気あるし女子からもあるらしい。

桐生情報。

 

「ゼノヴィア?どうしたんだ?」

「先日はすまなかったね。少し早急すぎたようだ」

「あ、ああ・・・いいよ。分かってくれたなら」

 

呼ばれた一誠が疑問を投げると、ゼノヴィアが頭を下げていた。

先日となると、俺が先輩たちの攻撃を返してしまわないように必死に防いでいる時に子作りうんぬんかんぬんの話をしていたことだろう。

ウランデナイヨ。なんで俺が関係もないのに先輩たちを戦闘不能にせず、なおかつプールを守るために止めてる中そんなことやってんだよ手伝えよお前が原因だろ一誠とか思ってないよ。

 

「だからこそ、まずはこれで練習していきたいと思う」

 

そう言ってゼノヴィアがポケットから出したのは小さい袋。

流石の俺も、というか知識としては知っている人が多いだろう。

それはどう見ても避妊具の類だった。

コンドーム、と呼ばれるやつ。

 

「「な、なにぃっ!?」」

「お、お前はバカぁぁぁああああああああああああああ!! 何大衆の面前で取り出してんだよ!?」

 

いや、お前もアホか!?

叫びたくなる気持ちは分からんくはないが、教室だぞ!叫んだらみんなに聞こえるだろ!

あーあ視線が集まった!しーらね、目立つのが嫌なゾンビは顔を伏せておくぜ!

我、我関せず!

場が健全じゃなくなろうと俺は保身のために聞いてないアピールをする!

関係ない!俺は関係ありませんよー!

 

「・・・? ゼノヴィアさん、それはなんですか?」

「うん、アーシアも使うといい。彼とする時に必要になるだろう」

「はい・・・?ありがとう、ございます?」

「バッキヤロォオオオオオオオ!なんてもの渡してんだバカァァアアアアア!!」

 

無視するつもりが思わず叫んでしまう俺。

アーシアも受け取らないで!それダメなやつだから!アーシアにはまだ早いからあぁああああ!!

 

「なになにー?また兵藤か神谷が何かしたの?」

「え、ちょっと待って。俺こいつと同列に扱われてんの!?すっげぇ不名誉!!」

「おいアユム!それってどういうことだよ!?」

 

桐生が入ってきて、俺はまさかのことに驚くが、一誠は文句を言いたそうだった。

あぁ?言葉の通りだろうがっ!

さすがに俺でもお前ほどオープンにしてねーよ!俺はせいぜい(本人の前でも)ユーの妄想をするくらいじゃい!

 

「桐生さん、これってなんですか?」

「ふむ、これはね---」

 

俺がそんなことを思っていたら、落とさないように両手で持っていたアーシアが桐生に聞いていた。

俺が止める間もなく、桐生のやつはアーシアに耳打ちをしている。

し、しまった!しかもこいつ、周りに聞かせないように耳打ちしてるせいで止めようにも俺が止めたら『そういうこと』を考えてると思われかねない!

もし別のことを話してたら、暴露されて自滅する!

く、くそっ、 力のない俺を許してくれ、アーシア・・・!

 

「・・・ は、はわわあっ!?」

 

やっぱり聞かされたのだろう。

アーシアの顔が見る見る紅潮していき、俺は遠い目をしていた。

あぁ、アーシアが余計な知識を身につけていく・・・いや余計ではないんだけども。授業にあるくらい性知識は大事なんだけども。

 

「ほらでも、ちょうどいいチャンスじゃない? 前までは溶けてたから遠目で見られてただけだけど、顔は悪くないんだから。それのせいか最近オカルト研究部に入ってから注目されがちだからね。このままじゃライバルが増えていくかもしれないし、もうここでガバッと行っちゃわないと」

「あ、あうっ・・・そ、そんなこと言われましても・・・」

「普段の清楚な雰囲気もいいけど・・・ヤるときはやるって方がギャップ萌えもあると思うわよ。アイツは気づいてないと思うしアーシアの方からアタックしていかなきゃ」

「う、ううっ・・・」

 

どうしよう、既に余計なことを言われてる気がする。いや、ゾンビの聴力使えば聞こえるんだけど。

流石に男の話ならともかく、女の子の話を勝手に聞けないしなぁ・・・。

セクハラ、ダメ、絶対。

 

「ほら、神谷だって食べるなら食べ頃の方がいいわよね?」

「は? いやそりゃそうだろーけど。なんなん?」

 

え、唐突に料理の話?

まぁ、確かに寝かしてでも食べ頃になった料理の方が味は良いだろう。俺も美味しいものは美味しいもので食べたい。カレーとか圧縮鍋ならともかく普通の鍋だと寝かした方が美味くなるし。

他にも火加減とかも自分好みで調整したり程よい熱さの時に食べた方がね。

特にキノコ料理に関しては俺はガチ中のガチでやるくらいなのだ。

ユーに食べてもらうものは常に全力だけどね!

 

「だって!本人が言ってるんだし間違いないわよ」

「ふ、ふぇぇ・・・っ」

「???」

 

あれ、なんかやらかしたか?

でも会話的に料理の話だよな、食べ頃って食べ物のことだろうし・・・なぜもじもじしてるんだ、かわいい。

 

「アユムぅぅぅうううう!」

「くたばれぇえええええ!」

「なんでだよ、理不尽か!」

 

俺が理解出来ずにいたら、突然背後から松田と元浜が殴りかかってきたので、そのまま振り向きざまに顔面を掴んで地面に押し付ける。

ぐええ、とか言ってたし気絶したのだろう。

戦闘力たったの1か。ゴミめ。

ぱぱっと埃を払うように手を弾き、もう諦めた。

 

「くっそ!羨ましいぞ、アユム・・・!」

 

お前はまだ望むのか・・・一誠。ハーレム王は違うな。

でもお前には既に先輩もいるし姫島先輩もいるじゃん!あとイケメンもいるだろ、いい加減にしろ!

むしろ俺には誰も居ないんだけど!どうせ将来、主人公パワーで色んな女の子を手駒にするくせによぉ!!(未来予知)

 

「ところでイッセー。性交の予定だが・・・」

「ぜ、ゼノヴィア。人前でそういうのは・・・」

「というか話がズレたのお前が来てからだからな!?ちょっと黙れ!」

 

優しめに告げようとする一誠と違って少し厳しめに似たような言葉を発してしまった。

そうだよ、そもそもの原因はこいつなんだよ。なんで授業参観→性について→料理の話になってんだよ順序おかしいだろ。

 

しかしゼノヴィアは理解する様子はなく、一誠は頭を抱えて机に突っ伏し、俺は気絶して邪魔な松田と元浜を椅子に座らせてから諦めて突っ伏した。

・・・男性陣全滅してんじゃねーか!約二名は俺が意識奪ったんだけど正当防衛だからね仕方がない。過剰防衛ともいう。

でも割とこいつらに関してはやっても文句は言われないくらいのことしてるからな・・・放っておいても今度は一誠が殺られてただろう。

いい加減覗くのはやめようね。犯罪だぞ。

 

「神谷ー。今日は親御さんたちが来るんだから溶けるなよー」

「ういっす」

 

チャイムが鳴った後は解散したのだが、朝礼の前の始まり文句がそれでいいんですか先生!

そもそも溶けることになんの違和感も抱いてない先生やクラスメイトが凄いんだけど、干からびたり溶ける人間がいることに疑問に思えよ。

そういう特殊体質と思われてるらしいけど・・・間違ってないから否定出来ないんだよな。困らないから否定するつもりはないけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

溶けないようにしろ言われ、原型を留めるくらいには頑張らないとなーと思っていると、多くのクラスメイトの親御さんたちが教室の後ろに立っていた。

何気に一誠の両親もいる。

授業は英語。

いつもより気合いの入った教諭によって配られた長方形の袋が机の上にある。

なんだこれ、英語だろ?どう使うんだよ。

 

「いいですか?いま渡した紙粘土で好きなものを作ってみてください。動物でもいい。人でもいい。家でもいい。物でも架空の存在でもいい。なんだって構いません。いま自分が脳に描いたありのままの表現を形作ってください。そういう英会話もある」

 

いやねぇよッ!

あるわけないだろ!どんな英会話だよ!流石の俺でも違うって分かるわ!

普通の英語にしろよ!なんで紙粘土なんだよッ!

 

「Let's try!」

 

Let's try!じゃないんですけど!発音いいね!じゃなくてどこの世界に授業参観で紙粘土を作る英語があるんだ!てか、なんで俺がここまでツッコミを入れなくちゃならない!?

俺より一誠の役目だぞツッコミ!

 

「なるほどこれが日本の英会話か」

「む、難しいですね・・・」

 

違ぇから!誤解招いてるから先生!こんなの俺らですら初めてだから!

というかなんでみんな普通にやってんの!?いいのかお前ら!それでいいのか!?いいんだな!?おかしい!今日はなんかおかしい!!

あー・・・うん、もう俺溶けてもいい?疲れた。

 

そう思っていると、僅かに一誠と視線が交差した。

やるしか、ないのか・・・と互いに頷いた。

そうだな、そうだよな・・・これが俺たちの英会話なんだな!(洗脳)

にしたって何をやればいいのやら。先生の言葉通りなら間違いなくユーを思い描くのだが、さすがにそれを作る訳にはいかない。

でも普通過ぎても面白くないし、となると・・・ヨシ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

な ん だ こ れ は ! ?

おかしい、なんだこのモンスター。

俺の記憶にすらない存在が生み出されたんだけど。

え?なになに?ドキドキノコさん曰く、いヴぇるかーな?らしい。知ってるのか、ドキドキノコさん!

でも誰だよそれ、龍みたいな名前してんな。つよそう。

そもそもなんで俺は作れてんだよ。

うーん・・・調合技術の影響か?いうてあんま使わねぇんだよなあれ。たまたまあったやつ放り込んでぐるぐるしてたら(大タル)爆弾作っちゃって身についた技術だし。錬金術師かな?

正直本当はウサギさんでも作ろうと思ってたのだが・・・。まぁ完成したならええやろ(適当)

 

「素晴らしい! 兵藤くん、神谷くん!君たちにはこんな才能があったのか!やはりこの授業は正解だった・・・!」

 

いやそれだけは間違ってると思うんですけど。

でもやけに騒がしい一誠の方を見てみると、紙粘土で先輩のフィギュアみたいなものが作られている。

なんだその無駄な高等技術!凄いけど変態か!?(ブーメラン)

 

 

「なぁ、イッセー。俺の芸術と交換してやってもいいぜ」

「そんなゴミより俺は五千円出すぞ!」

 

埴輪のようなもの手に交換を願い出る松田だが、元浜がお金を引き出してまで手に入れようとしていた。

ゴミは可哀想すぎる、確かに一誠と比べたらゴミだけどさ。埴輪もいいダルォ!?

 

「私は七千円出すわ!」

「なら俺は八千円だ!」

 

何故かオークション会場となってしまった我がクラス。

次々と手が挙げられていく光景を見ながら、一誠だけじゃなくて俺の周囲も囲まれていた。

男子はともかく女子もいるんだけど。

 

「こっちはかっこいいな!」

「美しいって言葉の方が正しくない!?」

「うわ、これどう作ったんだ!?ゲームに出てくる敵か?造形が細かくてすげぇ!」

「俺、こっちに八千円出すから売ってくれないか!?」

「私もそれ相応のお礼はするわ! だからお願い!」

「先生は万札出すぞ!」

「無理なら写真だけでも!」

 

ちょっと待ってくれ。

約一人だけ止めるべき人が入ってきてなかったか?

というかいつの間にか本当のオークション会場になりつつあるんだけど・・・さすがに金は取れんぞ。

下手に渡して争われても困るということで、写真だけにしてもらった。

しかしこのドラゴン(?)・・・なんというか、見た目からも一誠やヴァーリに宿るドラゴンより強そうなんだが*1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、一誠も売らなかったようで、俺はイヴェルカーナとやらをユーにプレゼントしようと思いつつクラスメイト親御さんが大勢いる教室は居づらかったので、仕方がなく外に出ていた。

 

「・・・なんか騒がしくないか?」

「何かあったのでしょうか?」

 

アーシアは俺に同行してきて、一誠は多分気配からして先輩と姫島先輩のところにいる。

でもこの授業参観、なんというか気配が濃すぎて・・・なんで魔王様クラスの気配が三つくらいあるんだよ、この学園怖すぎるだろ。

しかも騒ぎの先が、その魔王様クラスの気配がビシバシ感じる。

一応近づいていくと、俺の耳は妙な音を捉えた。

 

『ぅぉぉぉぉぉぉ!』

「うるさっ!?」

 

腹の底に響くような重低音、まるでライブ会場にでも行ったかのような騒がしさ。

しかも人の気配が数十どころか数百人はいる。

行きたくないけど気になるから行きたくなるっていう不思議な感覚を味わうなこれ・・・でもやっぱり気になるので、恐る恐る覗くと、遮光カーテンは全て締め切られており薄暗く、集まっている多くの男子が時に奇声を上げ、時にカメラのフラッシュを焚き、何処から持ってきたのかペンライトらしきものを振るいながら壇上の一人の美少女に熱い視線を送っていた。

 

まるでアイドルさながらの美少女は七色のスポットライトをその身に浴び、およそ学園で見られるような光景ではなかった。

あれ?俺場所間違えたかな?

 

「みんな〜♪応援ありがとね〜♡まだまだもう一曲歌っちゃうよ〜♪」

 

俺のゾンビアイは割と優秀で、姿を捉える。

魔法少女みたいな格好をし、黒髪のツインテールの女性だった。

なーんか・・・不思議な違和感というか変な感覚があるぞ。

そう、なんかまるでこう、俺じゃないけど俺じゃない主人公(似た立ち位置の存在)がいる世界の俺が聞いたことある声・・・みたいな。リアス先輩とレイナーレもそんな感じはあるよね・・・って何言ってんだ俺は*2

 

『私、京都のお豆腐大好きなんですよぉ〜』

 

・・・なんか頭に過ぎった気がしたし身震いがした。

明確に姿を表現すると肩まで届きそうな氷のような青白い髪をツインテールにした白衣姿の女性。

にしたって、これって魔法少女ミルキースパイラル7オルタナティブの主題歌じゃなかったかな。衣装もそうだよね。

ちょっと見たことあるけど、スカート短くないか?

俺のゾンビアイは割と無能で、見てはいけない下着がバッチリと見えてしまったどころが今も見えてる。

あまりに見続けるとあれなので目を逸らした。

 

「なっ・・・」

「ん?」

 

俺と同じく騒ぎを聞きつけたのか人垣を抜けたらしいリアス先輩が近くで固まり、再起動すると慌てふためく姿があった。

何やってんだ、あの人。

一誠が逆に驚いてるし、何気にほとんど揃ってんじゃん。居ないのは小猫ちゃんとゼノヴィアだけか。

 

 

 

「何騒いでんだぁああああああ! ここはライブ会場でもライブするような場所でもないんだぞ!ライブは終わりだ!解散しろ!!解散!!」

 

曲が終わり、行われるアンコールの声に対して負けない声量でやってきた匙が止めに入っていた。

観客と化していた生徒たちがブーイングを飛ばすが、匙も立場的に引く訳にはいかないのだろう、そんな生徒たちを叱り飛ばす。

 

「今日が何の日か分かってるだろ!わざわざ公開授業の日にいらん騒ぎを起こすな!まだ保護者の方々はいらっしゃるんだぞ!こんな所見られて噂にでもなれば我が駒王学園の信頼が暴落するわ!分かったら解散しろ!!」

 

正論ではあるのだが、ここまで盛り上がってしまえばあっさりと解散するはずも無く、ブーイングが強くなっていく。

俺はアーシアたちから離れ、とあるものを急遽作っていた。

 

「おー匙、がんばれー」

「くっ・・・お前も手伝え神谷!」

 

作り終えたので応援していたら手伝うように言われた。

仕方がなく俺は匙の傍に行き、大声で叫ぶ。

 

「仕方がないなぁ・・・。グッズの物販はこちらでしてまーす!」

『うぉおおおおおお!』

「いらん騒ぎを起こすなって言ってるだろうがああああぁぁぁ!」

 

急ごしらえで作っていた簡易的な販売上に皆を案内したら、頭を叩きつけられた影響で俺の簡易的なお店が破壊された。

なんでだよ!(ブーイングは)止めただろ!

 

「とにかく終わりだ!早く散れ!」

 

そうしなければお前らもこうなるんだぞ、みたいな光景になったのもあるのか、ぶつくさ文句は言ってるが、同じ目に遭いたくはないのか生徒たちが解散していく。

 

「ほら感謝しろよ匙」

「余計なことしただけだろ・・・」

 

なんてやつだ、俺の自己犠牲のお陰で解決したってのに!

頭から血流してるんだぞ!お前がやったんだぞ!!

 

「それより親御さんでしょうか?そうだとしてもそんな格好は困るのですが・・・」

 

気を取り直して、匙は黒髪ツインテールの魔女っ子コスプレ美少女に言葉を投げかけていた。

・・・呼びにくい。というか、それよりってなに、それよりって。俺の扱い酷いだろ、ううこんなやつだったなんて会長にチクッとくわ。

 

「これが私の正装だもん☆」

「だったら仕方がない!」

「うんうん☆」

「なわけあるか!」

「「えぇーっ?」」

 

可愛らしくポージングする目の前の美少女の言葉を肯定したら、匙が否定してきた。

しかし目の前の美少女は聞く耳を持たず、俺はぶーっとブーイングすると匙が奥歯をギリギリと鳴らしていたが、ふと先輩に気づいたのか頭を下げる。

 

「これはリアス先輩。ちょうど良かった、いま魔王さまと先輩のお父さんをご案内していたところなんですよ」

 

匙が廊下の後方へ顔を向けると、生徒会長と紅髪の男性二人が歩いてくる。

うわ、ここだけ気配が濃い!すごぉい!

 

「サジ、何事ですか? 問題は簡潔に解決しなさいとあれほど---」

「ソーナちゃん!見ーつけた☆」

「ね、姉様!?」

 

入ってきた会長が厳格にそう言いかけたところで、魔法少女が先ほどまで立っていたステージから飛び降りて駆け足で会長の下へ笑顔で走り寄っていた。

対する会長は珍しく口元を引き攣らせて、今にも逃げ出しそうになっているが、立場的にか我慢してるようにも見える。

ちなみに俺は即座に一誠たちに紛れ込んだ。

ふぅ、あぶねえ・・・危うく俺の存在がバレるところだったな?

 

「ああ、セラフォルーか。キミもここへ来ていたんだな」

 

魔王様が独りごちたのが聞こえた。

なんかその名前らしきものは聞いたことがあるような、ないようなあるようなやっぱりないかもしれない・・・。

 

「レヴィアタン様よ」

 

俺と同じようなことを思っていたであろう一誠に先輩が言うと、一誠は一瞬理解できていない顔をしていて、匙も同じようだった。

俺は鼻っから理解が出来てなかった。

 

「あのお方は現四大魔王のお一人、セラフォルー・レヴィアタンさま。そしてソーナのお姉さまよ」

「「えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええッッ!?」」

 

二人がシンクロした叫び声を挙げ、はっきりいってうるさい。

にしたって魔王クラスの気配がするなとは思ったが本当に魔王だったか。なんというか・・・なあ。冥界どうなってん?

上が軽すぎるんだが、魔王ってそんなのなの?

 

「セラフォルーさま、お久しぶりです」

「あら、リアスちゃん☆おひさ~☆元気にしてましたか?」

 

あまりにも軽い返答だからか、それを聞いて少しばかり困惑気味の先輩だったが、魔王の威厳もない口調っすねこの人。

 

「は、はい。おかげさまで。今日はソーナの授業参観に?」

「うん☆ソーナちゃんったら酷いのよ。今日のこと黙ってたんだから!もう!お姉ちゃん、ショックで天界に攻め込もうとしちゃったんだから☆」

「・・・冗談なのか本気なのかさっぱりわからん」

 

俺の隣で一誠がそんなことを呟いていたが、俺も同感だったので頷いておく。

仮に本気なら授業参観が原因で攻め込まれる天界が可哀想にも程があるだろ。流石の俺でもそれは同情するぞ、俺に影響ないならどうだっていいけど。

 

「イッセー、神谷くん。ごあいさつなさい」

 

え?なんで俺も?俺悪魔じゃないんですけど。しかし断ったら怒られそうだなぁ・・・なんて考えてたら、一誠は既に頭を下げていた。

仕方がない、俺は適当にやってやろう。

 

「は、初めまして、兵藤一誠。リアス・グレモリーさまの下僕『兵士(ポーン)』をやってます!よろしくお願いします!」

「ういーす。ども神谷アユムでーす」

「はじめまして☆私、魔王セラフォルー・レヴィアタンです☆『レヴィアたん』って呼んでね」

「よし分かった、レヴィアたん!」

「おお、私のこと、本当にそう呼んでくれるなんて感激だよ☆さっきもそうだったけどノリが良くていいね☆」

 

相変わらず魔王って軽い人たちだなーと思いつつ、えーい☆とハイタッチ。

なんかみんなからやばいやつを見るような目で見られてるような気がするが、レヴィアたんがいいって言ったから仕方がないね、遠慮は失礼だろ!

 

「ところでサーゼクスちゃん。この子が噂のドライグくん?」

「そう、彼が赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)を宿す者、兵藤一誠くんだ」

 

魔王様には気づいていたのかレヴィアたんは魔王様をちゃん付けで呼びながら一誠を見ていた。

ちゃん付けには突っ込まないということは普段から呼ばれてるのかな。にしたってやっぱり一誠のドラゴンって皆から注目されてるんだなぁ、コレは主人公!

注目も何もされてない俺とは大違いだ、これが真のモブだ。でもユーに被害を加えるやつはぶっ飛ばさなきゃいけないから普通のモブとしては生きれない・・・モブとして生きて裏で活躍する、それが一番かっこいいかもしれない。

そもそも注目されるのは面倒だからいいし。

 

「そうなんだ、ということはこっちの子がヘルサイズちゃんの・・・ふーん、そっかそっか☆よろしくね、アユムくん☆」

「???はぁ、ども」

 

改めて一誠の主人公力を認識していると、何故かレヴィアたんは俺に接近してきたかと思えば、割と間近で覗き込むように見てくる。

思わず身を逸らすが、彼女の瞳は一瞬だけ探るような目付きにはなっていた。

いやチカスギィ!距離感どうなってんだよ魔王は!?

すぐに納得が言ったように嬉しそうな様子へ変わっていたが・・・よく分からん。

俺を見たってキノコしか出てこないぞ。今日の持ち合わせは毒テングダケだけど。

 

「ねぇねぇ、アユムくんがコカビエルちゃんをやっつけてくれたんだって?」

「いやームカついたからぶっ飛ばしただけっすよ」

 

嘘は言っていない。

ユーに攻撃した時点でキレる、いやキレてた。崇高なる精神を持つ俺でも我慢出来なくなるからね、俺を怒らせるとはコカビエルのやつもなかなかすごいぞ。

俺は今まで怒ったことは・・・めっちゃあったわ。

 

「それでもアユムくんがいなかったらソーナちゃんが怪我してたかも。だからありがとう☆」

「あっはい」

 

それを聞いて、確信した。

あ、この人もシスコンだな、と。さては魔王ってのはどいつもこいつもシスコンだろ。それでいいのか悪魔の長。

もし会長が怪我してたらどうなってたんだろうか。コカビエルなら普通に会長殺すことも出来ただろうし。

 

「大丈夫、その時はコカビエルちゃんはこの世からもあの世からも消し飛ばすところだったよ☆」

 

いや、こえーよ!

というか人の思考読むなよ、なんで読めるんだよ!大丈夫な要素何一つねーし!

 

「えー?うふふ、どうしてだろうね☆」

 

なんでまた読んでんの?

俺ってそんなわかり易・・・はっ!?人の思考が読めるってことはわざわざ俺が喋る必要は・・・なくなる!?

や っ た ぜ !

あーでもそうなると色々困るかも、やっぱやめてくださいお願いします。常にユーのことを考えてるのがバレる。

はずかしいわっ!いや誇らしいわっ!

どっちだよ。

 

「あらあら、グレモリーのおじさま」

「ふむ。セラフォルー殿。これはまた奇抜な衣装ですな。いささか魔王としてはどうかと思いますが・・・」

「あら、おじさま☆ご存じないのですか?いまこの国ではこれが流行りですのよ?」

「ほう、そうなのですか。これは私が無知だったようだ」

「ハハハハ、父上。信じてはなりませんよ」

 

対象が別に向いたが、俺の近くでそんな会話をするのはやめて欲しい。

俺はどんな気持ちでこれを聞けばいいんだよ、真顔ですけど。下手に喋れねーじゃん!

 

「あの~、部長。なんか想像を遥かに超えて凄い軽いノリなんですけど、俺の気のせいですか?」

「言うのを忘れていた---いえ、言いたくなかったのだけど、現四大魔王さま方は、どなたもこんな感じよ。プライベートの時、軽いのよ、酷いぐらい」

 

ため息を吐いてる先輩を見ると、苦労してるのが分かる。

会長に関しては顔を真っ赤にしていた。

いやそりゃ、こんな姉の言動を見てたら恥ずかしくなるわな。衣装も魔法少女だし、似合ってるのがなんとも言えん。流石悪魔、ユーには敵わないがな!!

 

「ソーナちゃんどうしたの? お顔が真っ赤ですよ~? せっかくお姉様との再会なんだから、もぉっと喜んでも良いと思うの☆『お姉さま!』『ソーたん』って抱き合いながら百合百合な展開でもいいと思うのよ、お姉ちゃんは!」

 

やっと俺から離れてくれたかと思えば、心配そうに覗いては難しいことを言っていた。

にしてもここでそれは中々難しいと思うんですけど、こんな会長は初めて見たぜ・・・俺はいつも怒られてたし。疲れてるような姿は何度か見てたけどなんでだろうね、生徒会長の業務かな?

 

「・・・・・・お、お姉さま。ここは私の学舎であり、私はここの生徒会長を任されているのです。いくら、身内だとしてもお姉さまの行動は、あまりに・・・。それにそのような格好は容認できません」

 

目元を引き攣らせながら会長が遺憾そうな表情で告げると、レヴィアたんは僅かにショックを受けたように物騒な言葉と共に返していた。

 

「そんなソーナちゃん!ソーナちゃんまでそんなこと言われたら、お姉ちゃん悲しい!お姉ちゃんが魔法少女に憧れているって、ソーナちゃん知っているじゃない!きらめくスティックで天使、堕天使まとめて抹殺なんだから☆」

「お姉さま、ご自重ください。魔王のお姉さまがきらめかれたら小国は数分で滅びます」

 

これは確かに大変そうだ。

もはや災害じゃん、いや魔王って厄災的な存在のイメージがあるからある意味正しいか?

魔王少女だなぁ・・・。

 

「うぅ、もう耐えられません!」

 

すると、いつも冷静頓着な会長が耐えられなくなり、目元を潤ませてこの場を走り去っていく。

あ、あのいつも俺に怒ってばかりの生徒会長がこうまであっさり・・・!?くっ、こ、これが魔王の実力・・・!

これからは怒られそうになったらレヴィアたんを呼べばいいではないだろうか、もしかして最強の手札?や、魔王の業務で無理そう。

何やってんのか知らんけど。

 

「待って!ソーナちゃん!お姉ちゃんを置いてどこに行くの!」

「ついてこないでください!」

「いやぁぁぁん!お姉ちゃんを見捨てないでぇぇぇぇぇぇっ!ソーたぁぁぁぁん!」

「『たん』付けはお止めになってくださいとあれほど!」

 

それを追っていく魔王少女。

まるで嵐のように去っていく姿を、俺たちは見ていることしか出来なかった。

唯一動いたのは匙だけで、匙はフォローしてくると行って追っていった。

どうすんだよこの空気。追いかけっこするなら気をつけて欲しいね、死人が出そうだ。俺ならいいけど、他は死ぬんだからな。匙には頑張れとしか言いようがない。

 

「うむ、シトリー家は今日も平和だ。そう思うだろう、リーアたん」

「お兄様、私の愛称を『たん』付けで呼ばないでください ・・・」

 

こっちはこっちで似たような会話が始まったし、一誠の両親が見えたので空気を読める俺はアーシアに呼びかける。

 

「俺、教室戻るけどアーシアは?」

「私もついていきます」

「そか」

 

顔を見合せ、一緒に教室へ戻ることにした。

うむ、やることもなくなったし寝ようかな。そろそろ溶けるかもしれんし。

全く、授業参観は色々大変そうだ。主に会長と先輩。

暇な俺とは大違いだな。このシスコンっぷりからすると上映会とかやりそうな感じある。

苦難は終わらないだろう、やっぱり頑張れ。

俺は帰ったら癒されるから・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

癒された翌日の放課後。

旧校舎の一階、まるでオカルト研究会の名に相応しい『開かずの教室』の前に、“ゴゴゴゴゴ・・・”と妙に雰囲気のある部屋の前に俺たちは立っていた。

何でも残る最後の眷属である僧侶(ビショップ)を解放するように魔王様から通達があったとか。で、相変わらず俺は来るように言われたので来た。

無論、ウサギさんは何故か頭の上に乗っている。なんなら今日授業聞いてた、誰も反応せず可愛がってた。

やっぱこの学園おかしいよ。

・・・閑話休題。

果たして俺たちを待ち受けているのはなんなのか---まぁ半分悪魔と半分別の気配がするから誰かがいるのは明白なんですけどね!!

ホラー演出足りないぞ!道端にキノコ置いてホラー演出を強めにしておこう。さすが俺、冴えてるぜ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
実はドキドキノコやカジキマグロと同じ次元に存在する古龍。息吹や羽ばたきにより万物を凍てつかせる強大な力を有すると思われ、その次元の伝承の中の文言やその能力から《冰龍》とも呼ばれている。全身から放出される冷気はただそれだけで周囲の大地や動植物を霜で覆い、大気に粉雪を舞い散らせ、噴出した灼熱のマグマさえも凍り付かせてしまう。

更に対象を瞬間冷却する能力を有しており、ありとあらゆるものの温度を一瞬で奪うことが可能。

操る冷気の膨大さ、強烈さはまさしくチートクラス。

出現するだけで地域一帯の生態系に多大な影響を与えるほどの力から『冷気を統べる者』『銀盤の貴人』などの異名でも呼ばれるようになった。

※これでも能力の一端にすぎず、もはや人の形をしたバケモノである主人公ハンターかアホみたいに強いやつじゃなければ死ぬ。なおこれでも古龍の中では弱い分類。上には上がいる。

*2
※声優ネタ





お前が一番おかしいよ(正論)
どこに魔王を愛称で呼べる一般ゾンビがいるんですかね・・・それはさておきお待たせしました。
いやー実はですね、この話、6月には八割は終わってました。おめぇのせいで遅れたんだよ魔王少女ォ!ゆゆゆネクサスをメインにしてたのもあるけど、中々喋り方が分からんかった。結局ほとんど原作と同じになったし。
でも主人公の性格からしてこの話考えたとき、魔王少女はヒロインとしては割と相性良さそうだと思いました、まる。
ちなみになんで今更新?失踪したんじゃ?って思う方いると思うんですけど作者はスマホのホームとロック画面をユーにしてるんです。
開く度にそろそろ書け、と威圧されてるように感じたので書きました。可愛いけどこわい。
いや流石にこの小説覚えてる人なんていないよ、居たら次の話早めに書くわ。ところで大先生と同じ声優なんですよね、レヴィアタン様。これはやらねば!と思った。大先生はいいゾ(ロリコンの鑑)
とりあえず言いたいことあったのでいっぱい言いましたけど、投稿が遅れてすまない、本当にすまない・・・

ところで誰かハイスクールDxD×イヴェルカーナ(普段は人間態)書かない?俺読むよ、モンハン世界のモンスターがエグすぎて普通にやばそうだけど、プレイしてないけど普通に惚れたんや。美しすぎる

(前書き)いる?

  • いる
  • いらない
  • ユー可愛いし出番欲しいからいる
  • (本作の)他のキャラも欲しい
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