はて、何が起きたのだろうか。
ユーが傍にいるから、何とか表情が崩れたり妄想しないように踏ん張って表情を引き締めたり途中から眠くて欠伸をしたりしていたんだけど、室内に変化が起きた。
とりあえず状況確認。
ユーは・・・無事か。いつも通りお茶飲んでる。めっちゃくそかわいいヨシ!
アーシアはうさぎを抱えて首を傾げている・・・かわいいヨシ!
「やはりお前さんは動けるようだな」
「ああ、止まったわけね。いや絶対テロじゃんこれ。それ以外だったら全裸で学校中を駆け回ってもいい」
「ハッ、そいつは面白そうだが、残念ながら正解だ。いつの時代も勢力と勢力が和平を結ぼうとするとそれを嫌がって邪魔しようとする集団は生まれる。そこに自分にとって利がないからな」
堕天使のおっさんが言ってきたので理解すると、どうやら正解だったらしい。
まあ知ってる感覚だなーと思ってたら時間が止まったようだ。
見れば一誠と先輩は一瞬止まって、イケメンとゼノヴィアは剣を持っている。
効果がなかったのはトップ連中とヴァーリ。俺、
・・・いや待てよ、絶対アーシアが動けるのウサギさんのお陰だろ何故か効いてないもん。てかヴァーリは平気なのに一誠は一瞬止まるのかよ。
実力差、ですかねぇ・・・
『アーシア、うさぎは離さない方がいい』
「・・・?は、はい。分かりました」
そう思ったら正解だったらしく、胸もとで抱えていたアーシアが降ろそうとしていたのをユーが止めていた。
多分こいつは時間停止を受けない。けどそれは抱えてる間で、離せばアーシアも影響を受けるだろう。
『きゅ?』
ウサギさんに視線を送ると小首を傾げている。
動物なだけあってこいつも可愛いんだよなあ。愛らしい見た目だ、宇宙人が見たら発狂してそうなほどにな。
でもなんで自分で分かってないんだよ・・・。実力があることと言い、謎の生物過ぎる。
「て、テロって・・・!」
校庭やら空中やらそこら中に黒いロープを着込んだ変質者が腐るほど居る。
なんか魔力の弾みたいなの飛んでくるんだけど、校舎にはダメージは無い。
コカビエルに消し飛ばされた体育館とは大違いだ!
「魔法使い連中か。魔術の威力から察するに一人一人が中級クラスはあるだろうな。俺とサーゼクスとミカエルの防壁結界のお陰で問題はないが、お陰で出ることができない」
魔法使いなんているんだなぁ。たまに変な技使うやつ居たけど、もしかして魔術だったのか。知らなかったぜ、俺も止める能力は使えるが、遠距離攻撃はない。俺も出来るかな、魔法でキノコスープなら作れそうだ。それって凄く良いのでは?
「おそらく、お前らのところのハーフヴァンパイアの小僧に力を譲渡できるタイプの神器や魔術で強制的に
ギャスパーが敵の手に落ちたのか・・・いや、そりゃそうだろ。ギャスパーはまだ制御出来ないんだぞ?狙われたら元もこうもねぇよ。どーすんのこれ。寝るぞ、俺は寝るぞ?
良い子だからな!
「譲渡って・・・俺みたいに似た力が他にもあるってことスか?」
「ブーステッド・ギアはほぼ無尽蔵の倍増能力と譲渡の能力を併せ持っている。これらはそれぞれ単独の神器が存在しているんだよ。神滅具ってのはどれも何らかの能力+別の何らかの能力ばかりで組み合わさって強力な力を有している。だから譲渡出来るものが他にあったって不思議じゃない」
この人詳しいな、マジで。
聞きたくもないのに聞かされてるけど、全く知らない俺とは違うぜ。
「ギャスパーは旧校舎でテロリストの武器にされている・・・。しかも大事な会談を付け狙う戦力にはされるなんて、これほど侮辱される行為もないわッ!」
「この校舎を取り囲んでいた堕天使、天使、悪魔の軍勢も全部停止されているようだぜ。全く、リアス・グレモリーの眷属は末恐ろしい限りだ」
そう言いつつもおっさんが窓に手を向けると、無数の槍が雨のように魔術師たちに降り注ぐ。
防御障壁のようなものを貼っているが、難なく貫いて一掃していた・・・が、色んなとこから魔法陣が生まれて増えた。
うーん、ゲームでよくある、無限湧きじゃん。俺はリアルで経験値を稼ぐ趣味はない。
「この学園は結界に覆われている。にもかかわらずに結界内に転移出来てるって事は、敷地内と外に転移用魔法陣とゲートを繋げている奴がいるって事だ。目的は時間稼ぎか、どちらにせよこのまま高められれば俺たちも誰か一人くらいは停められる恐れがある」
つまりギャスパーのことも会談のこともバレてるってことかあ。
裏切り者が居てもおかしくない・・・おいおい、今日の俺は冴えてるぜ。今日は名探偵アユムさんなのかもしれない。
「ここから逃げないんですか?」
「逃げないさ。学園全体を覆う結界を解かないと俺たちは外へ出られない。何よりここで解いたら人間界に被害が出ちまう。早速さっき言われたことを破るわけにもいかねぇしな。しばらく籠城していれば痺れを切らして黒幕から出てくるだろ」
「他に無闇に動けば罠に嵌る危険性もある。だから我々首脳陣は下調べ中で動けない。まずはテロリストの活動拠点となっている旧校舎からギャスパーくんを奪い返すのが目的となるね」
どうやら俺が言った人間を巻き込まないで欲しいというのを覚えていたらしい。
しかし魔王さまたち動けないのか、そうか・・・えっ、マジ?
「お兄さま、私が旧校舎に行きます。ギャスパーは私の下僕です。私が責任を持って必ず奪い返します」
強い意志を持って先輩が進言すると、魔王さまはわらわれる。
わらうといっても嗤うのではなく笑う方だ。嬉しいんだろう、知らんけど。
「言うと思ったよ。妹の性格ぐらい把握している。しかし、旧校舎までどう行く?」
「旧校舎に未使用の駒である『戦車』を保管していますわ」
「なるほど、『キャスリング』か。それなら相手の意表を突けるかもしれない」
やばい、なんのことか分からん。
『王』と『戦車』の位置を瞬間的に入れ替えさせる力。レーティングゲームの特殊技で先輩は瞬時に部室に転移できるらしい。
ユーが教えてくれた。なんて便利な技なんだ羨ましい。俺もテレポートしたい。
「だが、一人で行くのは無謀だな。グレイフィア、『キャスリング』を私の魔力方式で複数人転移可能にできるかな?」
「そうですね、ここでは簡易術式でしか展開出来そうもないですが、お嬢さまともう一方なら可能かと」
もう一人ねぇ。ギャスパー相手なら俺がいいか?動けるし。
でもユーの傍から離れたくないし、アーシアを置いていく訳には行かないしな。
やっぱりここはイケメン辺りかね。
「サーゼクスさま、俺も行きます!俺が部長を守ります!それにギャスパーは俺にとっても大切な後輩なんです!」
なんて考えていたら、一誠が先に挙手していた。
魔王さまは一度一誠を見て、おっさんを見る。
戦力的に考えたらイケメン辺りがいいかと思ったのだが・・・。
「アザゼル、噂では神器の力を一定時間制御する研究をしているそうだな。それで赤龍帝の制御は可能か?」
「・・・そういうことか。おい赤龍帝」
おっさんが納得いったように一誠を呼ぶと、懐を探り出していた。
「お、俺は兵藤一誠だ!」
「じゃあ兵藤一誠。こいつを持っていけ」
何故か呼び方を修正するように言ってたが、おっさんが何かを投げていた。
ゾンビアイが捉えたのは、何らかのリングが二つ。
「そいつは神器をある程度抑える力を持つ腕輪だ。例のハーフヴァンパイアを見つけたらそいつをつけてやれ。多少なりとも力の制御に役立つだろう。もう一個はおまえのだ。『赤い龍』の力を使いこなせないんだろう? 短時間なら、代価を支払うことなく禁手になれる。そいつが代わりになってくれるからな」
はへぇー便利。
ただ制限時間付きか。そういうのってここぞって時に切れるフラグなんだよな。悲しいね。
「わざわざそんなことしなくたってテロリストごと、ハーフヴァンパイアを吹っ飛ばせば早いんじゃないかな?」
「和平を結ぶってのに火種を起こしてどうするんだよ」
「何、じっとしているのは退屈なんだ。軽口くらい許してもらいたいな」
本気ではなかったらしいがごく自然にヴァーリが言っていたが、ぶっちゃけ間違ってはないと思う。
正解かはどうかはともなく、その方が早いと言えば早いからな。
「なら外の連中でも相手してくれ。白龍皇が出れば連中も黙って見ていられないだろうからな」
「了解。君もどうだ?」
「断る、はよ行け」
「ふっ、つれないな---
『
何故俺が行くと思ったのか疑問ではあるが、ヴァーリは真っ白な
「アザゼル、先程会議でも訊いたが、神器を集めて何をしようとした?研究が目的なのは確かだろう。でも他にも何かあるんじゃないか?」
「そのことか。備えていたのさ」
「備えていた? 戦争を否定したばかりで不安を煽る物言いですね」
魔王さまの言葉におっさんが首を振ると、天使の人が呆れたように言う。
「いったろ?お前らとは戦争しない。こちらからも戦争をしかけない。ただ自衛の手段は必要だ。ってな、お前らの攻撃に備えていたわけじゃねぇぞ?」
「では?」
「---『禍の団』」
「・・・カオス、ブリゲード」
聞き耳を立てているが、全くついていけん。
それどころか・・・か、カオスブリザード?とやらは魔王様も知らないご様子。
「この組織と背景が判明したのはつい最近だが、そいつらは三大勢力の危険分子を集めているそうだ。中には
「その者たちの目的は?」
「破壊と混乱。単純だろう? この世界の平和が気に入らない---テロリストだ。しかも、最大に性質が悪い。組織の頭は二天龍の他に強大で凶悪なドラゴンだよ」
天使の人が訊くと、おっさんの言葉に俺や一誠、アーシアやユー以外の全員が絶句している。
「・・・そうか、彼が動いたのか。『無限の龍神』オーフィス---神が恐れたドラゴン・・・。この世界ができあがったときから最強の座に君臨し続ける者が」
魔王さまも表情を険しくしているが、全員顔を曇らせている。
にしたって、またドラゴンかよ・・・ 相変わらず影響力でか---
「・・・ユー?」
面倒事な予感しかしなくて非常に嫌な気持ちに陥りかけているが、魔王さまが述べた名前を聞いて、ユーがいつもと違った気がした。
無表情のままではあるけど、何処か・・・そう、何かが違う。
違和感を感じるもので、俺はそれが何か分からずに名前を呼ぶが、なんでもないと言うようにユーは首を横に振った。
『そう、オーフィスが
聞きなれない声と同時に会議室の床に魔法陣が浮かび上がる。
多分悪魔のやつだろう。知らんけど。
なんでこうも面倒事が次々と起きるのか聞きたいね、いっそのこと出てきた瞬間殴ろうかな。
「そうか。そう来るわけか!グレイフィア、早くリアスとイッセーくんを飛ばせ!」
「はっ!」
メイドさんが一誠と先輩を会議室の隅にいくように急かすと小さな魔法陣を展開していた。
「お嬢様、ご武運を」
「ちょ、ちょっとグレイフィア!? お兄さま!」
そうして先輩と一誠が魔法陣によって転移していった。
行ってらっしゃ〜い!
ギャスパーのことはこれで問題ないとして、問題はこっちだよなあ。
魔王さまは苦虫を噛み潰したような表情してるし、おっさんは笑ってるし天使の人は驚愕しているし。
「---レヴィアタンの魔法陣」
魔王さまの言葉で、俺は首を傾げる。
レヴィアたんならここに居るよね?どゆこと?
「ヴァチカンの書物で見たことがあるぞ。---あれは旧魔王レヴィアタンだ」
魔法陣を指差すゼノヴィアのお陰で、違うことだけは分かった。
なるほどな、そういうことなんだな!!(わからん)
「ごきげんよう、現魔王サーゼクス殿、セラフォルー殿」
魔法陣から現れたのは胸元が大きく開いていて、深いスリットの入ったドレスを着た褐色肌のメガネの女性。
「先代レヴィアタンの血を引く者・・・カテレア・レヴィアタン」
「世界に、破壊と混沌を!」
あっやべ。
その瞬間、 カテレアとやらから巨大な魔力弾が放たれた。
部屋ごと吹き飛ばされ、行動するのも遅く見事俺だけ会議室をゴロゴロと転がっていくが、他のみんなは無事だった。
痛い!普通にいたい!なんてことだ!お茶飲もうとしただけなのに!!
「三大勢力のトップが共同で防御結界。フフッ、なんと見苦しい!」
「どういうつもりだ、カテレア」
「サーゼクス、今日のこの会談の正に逆の考えに至っただけです。神も魔王も居ないのなら、この世界を変革すべきだと」
「カテレアちゃん! どうしてこんなことを!」
もうわからんことばかりだが、外の連中は平和が嫌ってことか?
俺は平和がいいね、ユーとなんてことのない日常を過ごしたい。
そんな俺の想いは口に出してないので伝わる訳もなく、レヴィアたんの悲痛の叫びに対して、カテレアは憎々しげに睨む。
「セラフォルー・・・私からレヴィアタンの座を奪っておいてよくもぬけぬけと!今日私がこの場で貴女を殺し、私が新たな『レヴィアタン』を名乗ります」
「成程な、悪魔の揉め事に巻き込まれたのかと思ったがお前さんらの目的は世界そのモノって訳だ。ったく、今時そんなの流行らないぜ?そういうのは真っ先にやられる敵役のセリフだぞ?」
「私達の崇高なる使命を愚弄するか!」
「ああ愚弄するね・・・サーゼクス、ミカエル、ここは俺が闘るが構わねぇな?」
魔王さまはおっさんの確認に一瞬視線をそちらに向けた後、カテレアに対して最後通告を突きつける。
「カテレア・レヴィアタン、降るつもりは無いのだな?」
「ええ、サーゼクス。貴方は良き魔王でしたが・・・残念ながら最高の魔王とは言えなかった!」
返ってきたのは明確なる拒絶と闘争の意思。
どうやら、交渉は不可能みたいだな。話についていけねえの俺だけ?
「そうか・・・残念だ」
それを最後におっさんが十二の翼を展開し、カテレアは濃密なオーラを纏いながら上空に飛び立つ。
「旧魔王『レヴィアタン』の末裔、終末の怪物の一匹。相手としては悪くない---いっちょハルマゲドンとしゃれ込もうか?」
「堕天使の総督如きが!!」
上空で光と魔の戦いが起きる中、全く展開に追いつけずにただ転ばされた俺は立ち上がることすら面倒なので肘を着いて見守っていた。
いやーだって暇だし。ギャスパーの所には一誠が向かったから、俺はユーとアーシアを守るだけ。でもここって魔王さまとか俺より強いメイドさんとかいるんやぞ?俺いらなくね?
「多勢に無勢。消耗は避けたいところですが」
「今グレイフィアがゲートの解析及び解除を行っている」
「それまで時間を稼がなきゃってこと?」
「そうなるが---アユムくん。君に頼みがあるのだが」
やることが無さすぎて寝転んでいたら、魔王さまにそんなことを言われた。
レヴィアたんや天使の人も見てくるので流石に座りはしたが、凄く嫌な予感がするぜ。
「なんですか」
「外の魔術師の相手を願いたい。君ならば可能だろう?」
「ええ・・・」
嫌ですけど、と真顔で言いたい。
俺にはユーを守る仕事があるんだ、何故離れないといけないのか。
それにヴァーリがいるから問題ないだろ、俺そんな強くないよ。
『アユム、お願いできる?』
割と本気で思ってたら、ユーに裾を引っ張られてそんなことを言われた。
ふっ、何の見返りもなく俺が動くと思っているのだろうか。甘いな---
「おい木場ァ!何グズグズしてんだァ!!!!俺らも行くぞ!お前は先輩の剣だろ!手伝えバカ!!アーシアは誰か怪我したら治してやってくれ!」
「分かりました・・・!」
「え、ちょ、ちょっと神谷くん!?」
「同じ騎士として私も行こう」
俺がユーのお願いを聞かないはずがないダルォ!?
ついでだ!巻き込む!首っ根っこを掴んだ俺は800%の力でライダーキックをかましながら前方にいた魔術師とやらを吹っ飛ばし、イケメンを離してただカジキマグロセンパイを構えてスイングし続ける。
いやー、人?って綺麗な軌道描くんだなあ。
「全く、強引なのは嫌いじゃないけど、突然はびっくりするじゃないか」
「どうせ自分から進言するつもりだったんだろ?お前らは」
「まぁ・・・ねッ!」
防御障壁ごと聖魔剣で体を斬り払う姿を見ながら、俺は以前進化してから変わらないレイトウ本マグロパイセンをただ叩きつける。
それだけで相手は凍るので、放置する。
これならグロくないから全年齢対象も可能なはずだ。たぶん。
にしてもゼノヴィアの剣って扱い適当すぎない?学舎に被害半端ないんだけど、俺また匙に怒られんの?
いや、今は結界があるから大丈夫だと思いたい。
とにかく固まってたら数が減らん。
「とりあえず任せる。俺はもっと逝ってくるわ」
「ニュアンスがおかしいのは気のせいかな・・・」
「気のせいだろ、逝ってくる!」
何をおかしいことを言ってるのだろう、このイケメン。
変なことを言ったこいつは放っておいて、俺は中心に自ら突っ込むと、遠距離でなんかバンバン撃ってくる。
ひとまず出力を下げ、全身に500%くらいの出力を纏わせるとレイトウマグロパイセンで防ぎ、跳躍して斬りつける。
悲しいことに浮けない俺は空中戦に弱く、狙われたら避けれないのだが斬りつけた相手を蹴ることで宙返りして次に斬りつけてはまた蹴り、斬っては蹴りを繰り返す。
周囲にいなくなれば地面に一度落下し、即座に地面を蹴って攻撃を避ける---が、やっぱり数減らないんだけど!!
「ちくしょう!ヴァーリがもっと仕事してくれたら楽なのに!」
空中機動出来るんだから頑張れよ!
そう思っても、現実は変わらないんだけど。
むしろ何故か俺を狙う者が増えて、流石に無理だと判断した俺は逃げの一手で避けていく。
迫り来る魔術を避けつつ、鬱陶しいので拾った石ころで反撃。
正直一人一人はそこまで強くないので、戦況を見渡せばおっさんとカテレアとの戦いは熾烈を極めていて、でも時間が経てば勝てるだろう。
「ん?」
同じことを繰り返すだけだったが、ふと戦いを見てるとカテレアとやらが小瓶を取り出していた。
「あれは・・・蛇?」
見覚えがあるような、ないような、そんな黒い蛇のようなものをカテレアが呑み込んだ瞬間、俺のいるところにまで波動が来る。
どうやら力を高めるタイプのやつらしい。
それを見ながら俺はニトロダケを食べた。
800%で薙ぐように周りをぶっ飛ばし、向こうはおっさんの投げた槍が難なく掻き消されている。
おっさんも様子見というか本気ではないみたいだけど・・・チッ、仕方がない。ユーのお願いだからな。
援護してやるか---
「よい---ガフッ!?」
足に力を入れた瞬間、背後から飛んできた何かを直接受けたのか背中に痛みが走り、口から血が吐き出される。
あっ、これ貫通してるわ。ゾンビじゃなかったら死んでるぞ!卑怯な!!
しかも傍で何か落ちて来たんですけど!
誰か状況を説明してくれ!!
「---チッ、俺もヤキが回っちまったかな?この状況下で反旗か、ヴァーリ」
「あ?ヴァーリ?」
「そうだよ、アザゼル。神谷アユム」
眩い輝きを放ちながら、上空にヴァーリが佇んでいる。
どうやら俺を攻撃したのは、こいつだったようだ。
はー?なるほど?ぶっ飛ばす。
お前さ、人の体を貫通するのはそんな好きか?
「どうしてって顔をしているな。和平よりもこっちの方が面白そうなんだ」
「いや聞いてないんだけど」
「まさかお前がオーフィスと手を組むとはな」
「確かに俺はオーフィスと組んだ・・・だが俺もアイツも世界だの変革だのに興味は無くてね。力を目当てに連中が勝手にくっついて来ただけさ」
「なぁ、俺居なくていい?」
「成程、俺はてっきりカテレアと仲良くつるんだのかと思ったぜ---お互い、魔王の座を奪われた者同士でな」
俺を無視して話を進めるのやめろよ。
「俺の名はヴァーリ・『ルシファー』。俺は死んだ先代魔王ルシファーの孫である父と人間の母の間に生まれた
自らの出自を(聞いてもないのに)明かすヴァーリ。
お ま え も か よ !!
もうお腹いっぱいだわ!なんだ、裏の世界ってのそんな過去持たなくちゃいけない理由でもあんの?こいつも絶対何かあんだろ!
そうじゃなかったとしても主人公だよ!主人公の設定でもおかしくないよ!
「魔王の血縁でありながら、人間の血も混じっている為に偶然にも白龍皇を宿す事が出来たか・・・全くもって冗談みたいな存在だよ、お前は---。こいつは過去現在・恐らく未来永劫最強の白龍皇に為るだろうさ」
「運命、奇跡って言葉があるなら俺のためにあるのかもな」
4対の悪魔の翼と1対のドラゴンの翼の計10枚の翼を展開するヴァーリに皆が息を呑む。
魔王の血縁でありながらなんかクソ強いやつ持ってるとか盛りすぎじゃない?
俺とは大違いじゃねーか。
「さぁ、そんなことよりもやろうか。俺はずっと君と戦えることを待ち望んでいた、神谷アユム」
「なんで???」
「相手をしてやれ。俺はカテレアを相手しなくちゃならないんでな」
「なんで???」
なんで???
俺の言葉が尽く無視されるんだけど、もしかして俺って別の言語で喋ってんの?キノコ語でも喋ってんの?ねえ、おかしいよね、おかしいよね!?
俺が頼まれたのはまじゅつち・・・噛んだ。魔術師の相手でこんな戦闘狂の相手じゃないんだが?
なんかおっさんは短剣取り出してるし。マジで俺がやらなきゃダメなのかよ。
「コイツは俺の開発した人工神器の傑作、『
それを聞いた俺は驚愕する。
だ、ダウン・フォール・ドラゴン・スピア!?
堕天龍の閃光槍だと!?ば、馬鹿な・・・こ、このおっさん!マジか!マジなのか!?
さらに禁手化・・・!?
手に持つ短槍からドラゴンに似た気配とオーラが迸り、次の瞬間には黄金色の輝きがおっさんの全身を覆い尽くし、光が晴れると黄金の鎧が包み込でいた。
「
ダウン・フォール・ドラゴンのアナザー・アーマー!?
漢字にしたら堕天龍の鎧だと・・・くっ!!ま、間違いねえっ!!
このおっさん---俺と同類だ!!
頭が痛い!思い出したくない記憶が蘇るううううぅ!!
ぬああああああああぁぁぁ!!今まで受けてきた攻撃よりきつい!まさか言葉だけで俺に大ダメージを入れるとは、これが堕天使のトップの力か!?
「ハハハ!流石だな、アザゼルは!本当ならば戦いたいところだが---こっちの方が面白そうだ」
「ぬ、ぬぉぉ・・・ってあぶなっ!」
想定外の方向からダメージを受けて頭を抱えていた俺は空から素早く堕ちてきたヴァーリの攻撃を後ろへ下がることで避ける。
「こっちも始めるとしようか」
「攻撃してから言うんじゃねーよ!」
即座に後ろに回ってきたヴァーリに回し蹴りを放つが、空を蹴るだけだった。
避けられたと理解するより早くに半身をずらすと魔力の塊が頬を掠める。
「ちっ」
反応は出来るが、肉体の速度が追いつかない。
やはり500%の出力じゃ通用する相手では無いらしい。そもそもコカビエル相手にすら昔の俺なら500%では普通に負けるからな。
あれでおわってくれたらどれだけいいことやら。こいつの場合、常に出力を戻しながら行動する時に出力を引き上げる必要あるからめんどくさい。
0をいくら減らしても0は0だが、100%を半減されたら50%になる。
重ねられればされるほど、俺の出す出力を上げていかないといずれ俺は他と変わらないただの不死身なだけのゾンビになってしまう。
「これも躱すか!」
縦横無尽に駆け回るヴァーリは飛んでるのもあって素早く、目で追わなければ攻撃を受けてしまう。
逆に言えば見失わなければいい話なんだけど。
ひとまず向かってくる拳に大してヴァーリの腕を両手で掴み、勢いを殺さずに背後へ投げ飛ばす。
地面を踏みしめ、跳ぶように向かってきたので身を逸らしながら回し蹴りで吹っ飛ばすが防御されたのが見えた。
触れられないってのが面倒すぎる。しかも鎧が硬いんだよなあ。
「ならばこれはどうだ」
「あ?---ッ!?」
咄嗟に背中に携えるレイトウ本マグロパイセンでガードするが、威力に耐えきれずに足が離れ、俺の体は空中で回転しながら吹っ飛んでいた。
強引に足を地面に着きながら勢いを殺しつつ、頭を下げる。
ブォン、と風を切る音ともに拳が頭上を過ぎるが振り向きざまに振り抜くと、鎧とヒレがぶつかって互いに弾かれる。
「800%」
『!?』
この場で力を引き出すのは嫌だったが、仕方がない。
俺は500から引き上げ、一直線に突っ込んできたヴァーリの顔面を殴り飛ばした。
と言っても顔も覆われてるせいでヒビを入れた程度でしかない。
とりあえず鎧が壊れるまでぶん殴れば解決か?
『Divide!』
「うおっ!?」
そう思ってたら殴った時に触れられたらしく体が急激に重くなり、気配を感じて上を見れば魔力の塊を連射しながらヴァーリが向かってきていた。
能力を受けたせいで半減してしまい、出力を戻しながらバックステップで避ける。
が。
「ごふっ・・・!?」
「がはっ!?」
速度が下がったのもあって追撃するように殴りかかってきたヴァーリの拳が胸に直撃し、吹っ飛ばされるよりも早くにヴァーリの顔面を殴った俺は頭の鎧を破壊しながら吹っ飛ぶ。
勢いよく校舎に叩きつけられ、割と痛かった。
「アユム!?」
「あ、アユム先輩!?」
なんか吹っ飛んでる最中にギャスパーと一誠やリアス先輩が見えたけど気のせいだろう。
・・・いや、気のせいじゃないわ。いつから居たんだろうか。
にしてもヴァーリのやつ容赦なさすぎだろ。俺の胸貫通してるんですけど、あいつサラッと俺の胸を殴る時に魔力弾と一緒にやりやがったな。
俺がゾンビじゃなかったら死んでたぞ。
「---ただではやられません!」
ヴァーリに恨みを募らせていると、ふと聞こえてきた方向を見れば地面にひざをつき、体から鮮血を撒き散らしているカテレアがいる。
そんな瀕死の状態だったはずのカテレアの両腕が触手のようになり、おっさん---アザゼルの左腕に巻きついた。刹那---カテレアの体に怪しげな紋様が浮かび上がる。
「あれは、自爆用の術式だわ!」
リアス先輩の声が分かりやすく説明してくれた。アザゼルも触手を剥がそうとしているが一向に剥がれる様子はない。
え?待って、え?
「アザゼル!この状態になった私を殺そうとしても無駄です!私と繋がれている以上、私が死ねばあなたも死ぬように強力な呪術も発動します!」
「ッ。犠牲覚悟で俺に大ダメージってか。安っぽい発想だが、効果は絶大なわけだ」
なんかみんな距離取ってる件について。
しかもリアス先輩はバリアみたいなの貼ってるし・・・俺は?
ちょっと待て、落ち着け。いや落ち着いてくださいお願い致します。
「その触手は私の命を吸った特別製。切れませんよ」
そんな俺を置いて不敵に嘲笑するカテレア。それを聴いたアザゼルは諦めたように首を横に振り、肩をすくめた。
そして次の瞬間、アザゼルは自分の腕を光の槍で触手ごと切り落とした。切り落とされた腕は塵と化していた。
うわあ、あれ痛いやつじゃん。よくやれるなあ、俺みたいに不死でもないのに・・・ん?
「ッ!?自分の腕を!?」
「片腕ぐらいおまえにくれてやるよ---おまえを仕留めるには安すぎる代償だ」
俺が何か違和感を感じたところで、時間は止まることなく。
アザゼルは驚愕しているカテレアに向けて光の槍を投擲していた。投げた槍はカテレアの腹部を貫き、途端、ジュワッと音を立て消滅していく。
悪魔にとっては猛毒らしいし、そうなるのか。
カテレアが塵となって消滅した直後、カッ!と光を放ち龍王の鎧が解除される。アザゼルは切り落とされた自分の腕に未練もないのか舌打ちをして残った宝玉を愛おしそうに眺める。
「チッ。人工神器の限界か。まだ改良の余地が多分にあるな。・・・核の宝玉が無事なら、 また作り直せる。もう少し俺に付き合ってもらうぜ、
手に持った宝玉にキスをするアザゼル。
俺は引いてた。
容姿がいいせいで絵になるのがムカつく。でもぶっちゃけキモイよこの人。
「さすがアザゼル。でも、鎧が解除されたな。まだまだ人工神器は研究が必要なわけか」
「さて、ヴァーリ。どうする?俺はまだやれるぞ?鎧がなくても片腕で十分におまえと戦える」
「あっ、じゃああとは任せますねー」
てっきり腕がなくなったからやらないのかと思ってたけど、槍を出現させるくらいなので俺はもう用済みかと壁にめり込んだまま言っとく。
いやだって、これ抜けないもん。誰か引っ張ってくんない?背中のカジキマグロセンパイが突き刺さってて抜けないんだけど。
しかしヴァーリはそんな俺やアザゼルを一瞥した後に構えることなく頭の鎧を再生させると問いかけてきた。
「しかし、運命ってのは残酷だと思わないか?」
唐突に厨二病みたいなこと言うじゃん。
俺は別にそうは思わないけどね。ユーに会えたし。それが運命なら俺はユーのために生きてきたってことになる。最高か???
「俺のように魔王プラス伝説のドラゴンみたいな思いつく限り最強の存在がいる反面、そちらのようにただの人間に伝説のドラゴンが憑く場合もある。いくらなんでもこの偶然は残酷だと思うな。ライバル同士のドラゴン神器とはいえ、所有者二名の間の溝はあまりに深すぎる」
どうやら一誠のことを言っているらしい。
まあ能力自体はチートなんだけど所有者が弱ければ神器ってのは役に立たない。それは一誠だけじゃなくて誰にも言えることだ。だって俺も最初はクソザコナメクジだったし。
でもヴァーリはそのことを嘆いてるように見える。強いヤツと戦いたいと思う存在だし。
ただ一誠は成長途中なんだ、許してやれ。
「キミのことは少し調べた。父は普通のサラリーマン。母は普通の専業主婦で、たまにパートに出ている。両親の血縁はまったくもって普通。先祖に力を持った能力者、術者がいたわけでもない。もちろん、先祖が悪魔や天使に関わったこともない。本当に何の変哲もない。キミの友人関係も神谷アユムを除いて特別な存在ではない。キミたち自身も悪魔に転生するまで極普通の男子高校生だった。ドラゴンの力を持つという点以外、何もない」
ヴァーリの視線が一誠に向き、その顔は嘲笑に塗り固められていた。
何がダメなのか。普通に生きて普通に暮らして普通に死ぬ。家族仲良く生きることが人にとっては幸せだ。人外も同じだろうに。
「つまらないな。あまりにつまらなさすぎて、キミのことを知ったとき、落胆よりも笑いが出た。神器はライバル同士だというのに、宿主たる俺たちには天と地以上の開きがあるのだからね」
「それが一体どうしたってんだ!?」
完全に見下されたイッセーが声を荒げ、ヴァ―リはそんな彼に良い事を思いついたばかりに一つの提案をする。
少し嫌な予感がした。
「だから、こう言う設定はどうだろうか? 俺がキミの両親を殺して、キミは復讐者となるんだ。
そうすればキミも多少は重厚な運命に身を委ねられるだろう?
---そうだ!折角だからキミの目の前で両親は殺そう。強い感情の波が有れば、もしかしたらその場で禁手に至れるかも知れないからね」
「・・・は?」
その言葉を聞いた瞬間。
俺の中でブチッ、と何かが切れたような気がした。
「てめ---」
「ぶっ殺すぞクソ野郎!何で俺の両親がテメェの訳分かんねぇ理屈で殺されなくちゃならねぇんだよぉぉぉ!!」
『
俺が思わず飛び出そうとしたところで、一誠の怒りの呼応したかのように神器が真っ赤な強大なオーラを解き放ち、一誠の体には鎧が纏われていた。
「---っ。すごいな!アルビオン。兵藤一誠の力が桁違いに上がったぞ。怒りという単純明快な理由が引き金だが、これは・・・心地よい龍の波動だな!」
『神器は単純で強い想いほど力の糧とする。兵藤一誠の純粋な怒りがお前に向けられているんだろうさ。それこそドラゴンの力を引き出す心理のひとつ』
「ハハハ!なるほど、そういう意味では彼のほうがドラゴンと相性がいいんだろうな」
「さっきから訳わかんねぇこと言ってんじゃねぇぇええええ!」
背部のブースターで加速し、一誠がヴァーリの元へ向かう。
そこから二人の龍の戦いが始まった。
リアス先輩は飛び出そうとしてたけど魔王さまに止められてるし。
しかし一誠が剣を振るってもヴァーリは避ける、というか剣自体は警戒してるけど一誠には警戒してないという感じだった。
それにいくら同じ土俵に立っても経験差があるようで次第に一誠は押されていく。
とりあえずなんかこっちに撃ってきたりアーシアを狙ったりオカルト研究部の皆を狙うような動きしてたので、その時だけは攻撃を蹴り飛ばしておいた。
よかったな、もしアーシアに傷をつけるかユーを狙ってたら俺はお前をぶちのめしてたぞ。
そんなふうに見てると、一誠が機転を利かしてヴァーリに譲渡の力を用いる事で神器の誤作動を誘発し、動きが止まった所にアスカロンのオーラを込めた一撃が叩き込まれていた。
どうやらキャパを超える力は背中の光の翼から吐き出すことで身を滅ぼすことなく上限を維持できるらしいが、一誠が力を与えることで機能を停止させたようだ。
鎧を破壊され、何より龍殺しの聖剣とかなんとかのアスカロンの一撃は悪魔でドラゴンなヴァーリにはよく響いたようだ。
だが吐血しながらも嬉しそうに褒めながら鎧を修復して立ち上がる姿を見て、このままでは勝てないと悟ったイッセーがヴァーリの鎧を破壊した時に落ちた宝玉を拾い、何かをしようとしていた。
「バニシング・ドラゴン、ヴァーリ!貰うぜ!お前の力を!!」
気合と共に手にした宝玉を自らの右腕の宝玉に叩き込みその力を取り込もうとしている。
暫く体の中で暴れ狂う力の奔流に絶叫を上げていた一誠だったが遂には鎧の右腕部分が白龍皇の鎧のそれに変化した。
正直めっちゃ痛そうだった。こなみかん。
『
「・・・へへへ、
『馬鹿な!!?こんな事はあり得ない!!』
目の前で起こった摂理に反する現象にアルビオンが否定の声を上げるが、逆にヴァーリは心底楽しそうな笑い声を上げる。
「フハハハハハハ!面白い!その覚悟に敬意を表し、俺も本気を出そう!!」
ヴァーリは空中に飛び上がり腕を大きく広げた。光翼もそれに続くように巨大に広がっていく。
『Half Dimension!!』
ヴァーリが左手を校舎に向け開いていた手をゆっくり閉じる。
すると、校舎とその周辺の空間が歪み、徐々に内側へと収縮していく。まるで、空間を半減しているかのように。
「な、何してやがんだ!?」
「あれは次元を歪めています!このままでは危険です」
「なっ!?」
「ま、まともじゃないわ・・・」
「まともじゃないのさ、ドラゴンの力を宿してる奴ってのはな」
ミカエルの言葉に驚く一誠とリアス先輩に、アザゼルが軽口で返すが、アザゼルの表情に余裕が感じられる事から、何やら策がありそうだ。
つーか俺もうほんといらない状態じゃん、ユーの元に戻ろうかな。
「こっちもまともじゃ無ぇところ突いてみるか・・・おい赤龍帝、兵藤一誠!」
「何だよ!」
「お前にも判りやすく言うとだな、今使ってるヴァーリの力は、周囲の物を半分にしていく。つまり、お前のご主人様・・・リアス・グレモリーのバストも半分にしちまうんだ」
「っ!?!?!?」
まるで大きな鈍器によって頭を殴られたかのような衝撃を受けたように一誠が停止している。
どうせリアス先輩の胸が半分になるってことで怒ったんだろうなあ・・・。
「ふっざけんなァアアアアアアアア!!!!!」
『Boost!』
「部長のおっぱいを半分にするだとぉおおお!?」
『Boost!!』
「許さない・・・っ!!」
『Boost!!!』
「テメェだけは・・・っ!!!」
『Boost!!!!』
「許さないぞヴァーリィイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!」
『Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost!!!!!』
あまりの力の波動に一誠の周囲の地面は砕け、旧校舎の窓がすべて弾けとんだ。
それどころか吹っ飛んでるんですがそれは・・・。
「アッハッハッハッ!なんだそりゃ!?マジかよ!主さまの胸が小さくなるかもしれないって理由でドラゴンの力が跳ね上がりやがった!」
なんなら俺らの方にも影響は出ており、ユーの元へ戻った俺は吹っ飛ぶこと無かったけど魔王さまたちが守ってくれなかったら殆どの者は吹っ飛ばされてただろう。
「今日は驚くことばかりだな。まさか、女の乳でここまで力が爆発するとは。しかし、おもしろい!」
「リアス・グレモリーに手を出してみろッ!二度と転生できないぐらい徹底的に破壊してやらぁぁぁぁっ!この半分マニアがぁぁぁぁぁっっ!!」
空中で白と赤が交錯する。一誠の拳がヴァーリの腹に突き刺さった。
「ぐおっ!な、何だこのスピードは!?」
先程まではヴァーリが一誠を圧倒していたが、今度は立場が逆になる。高速で動き回る奴を一誠は難なく捕らえると、ヴァーリの腹に右拳を叩き込む。
てか、一誠の中のドラゴンマジで可哀想だなあ・・・あんな方法で強くなるとか悲しすぎるだろ。
でもそいつ俺の胸を貫通したり色々やってきたからボコっていいぞ。
「ヴァーリ! テメェを野放しにしてたら、部長どころか他の皆のおっぱいまで半分になっちまう!! これは、部長のおっぱいの分!!!」
『Divide!』
今度は白くなっている右拳が鳩尾に突き刺さり、ヴァーリの力を半減される。
自分で食らうことは無いだろうし新鮮だろうな、あれ。つーかそんな移植したばかりの力使えるのかよ。やっぱり主人公・・・いやこんな主人公嫌なんだけど。
見てる分には面白いけどな。
「これは! 朱乃さんのおっぱいの分!!!」
血を吐くヴァーリに更に追い討ちとして頭突きをする。衝撃で一誠もヴァーリもフルフェイスになっていた鎧の頭部が砕けてしまい、二人揃って素顔が露出した。
二人とも、口から血を吐いて、口周りに血の跡がべったりくっついているのに、一誠もヴァーリもそれを気にする余裕は無い。
「これは、成長中のアーシアのおっぱいの分!!!」
今度は蹴りの連撃をヴァーリに叩き込み、光翼の噴出口が破壊されている。
「ゼノヴィアのおっぱいの分!!!」
鎧が無くなったヴァーリの左頬にストレートが入り、脳を直接揺らした。
口から大量の血を吐いてることから、大ダメージだったのだろう。
「そしてこれは!半分にされたらまるっきり無くなっちまう小猫ちゃんのロリおっぱいの分だぁああああああああ!!!!!」
そしてトドメの一撃と言わんばかりに一誠の拳がヴァーリの頬を打ち、バランスを失ったヴァーリが地面に力無く落下して激突する。
でも一つだけ言わせろ。お前は小猫ちゃんに謝るべきだ。てかそこで泣いてんじゃねーよ。
「・・・おもしろい。本当におもしろい」
あれほどのダメージを受けておきながらヴァーリが嬉々とした笑いを浮かべながら立ち上がった。
不死身でもないのによく立てるよ。
「アルビオン、いまの兵藤一誠ならば白龍皇の『
『ヴァーリ、この場でそれは良い選択ではない。無闇に『
なんだ?また新しい単語が出てきたな。ジャガードライブ?
よく分からんが、こいつまだ力隠してるってわけか。それにしてもまずいな・・・まだ戦えるなら一誠が危うい。
仕方がない、か。
「アーシア、ちょいちょい」
「アユムさん・・・?」
近くにいたアーシアを呼び寄せると、回復をお願いする。
するとすぐさま傷口に手を当てて回復してくれる。
「ありがとう、助かった」
「いえ、でもアユムさん、何を・・・?」
「やることがあるからな。ユーを頼んだ」
アーシアの肩に手を置いて、一瞬だけユーと目が合う。
俺が何をするのか気づいたのだろう。小さく頷くユーに俺は肩を回しながらヴァーリを見た。
何をする気かは分からないが、一誠を死なせる訳にはいかない。
あれでも友人だからな。
「---我、目覚めるは、覇の理に全てを奪われし二天龍なり」
『自重しろ、ヴァーリッ!我が力に翻弄されるのがおまえの本懐か!?』
ヴァーリが何かを唐突に詠唱し始める。それをアルビオンは強く咎めている。
中のドラゴンすら止めさせようとするってことはそれほど危険なわけか。
「無限を妬み、夢幻を想う 我、白き龍の覇道を極め」
まだ終わってないというのに、不思議と嫌な予感が募っていく。
あれが何なのかは知らないし、俺が過去にヴァーリと戦った時は詠唱なんてしようとしていなかった。
つまり、俺の知らない間に手に入れた力なのだろう。
「汝を無垢の極限へと誘おう!
そしてヴァーリが詠唱のようなものを唱えきった瞬間、荒々しくも禍々しい膨大なオーラが結界の中で弾けた---
覚えてる人いなさそう。
にしてもなんでこの戦闘狂覇龍発動してるんですかね、お猿さん仕事して。
こうなったら作者ですらどうなるかわかんないです。これも40度近くの熱があるから悪いんだ・・・()
語る程度ですが、主人公の(ユーと出会う前と出会った後の)過去
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ちょうだい
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いらない
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女装しろ
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それよりはよイチャイチャしろ