---数日が経つと、気がつけば一誠が元通りへとなっていた。何か『異質』だとは思うが、極めて正常。でも俺のような異形のようにも感じる。
あ、そういえば知ってます?この世界、実は悪魔やら堕天使、天使とかいるみたいなんですよ。
あはは、ゾンビが現時点で学校に通ってるんだから居ても不思議じゃないよね!ちなみにユー曰く、この学校には悪魔がかなりいるらしいんです!うん、悪魔は何人か居ることはずっと前から知ってたけど、そこまで居るのは予想外でした。
それに、誰が悪魔かは知らないんだよねぇ・・・あ、多分リアス・グレモリー先輩とかその辺だと思う。だって、オーラが違うもん。特にあの人、たまに見るけど怖いし、近づきたくない。それ言えば、一番は姫島朱乃先輩なんだが。なんか、一番怖い感じがする。
だが、好みでもないからこれからも近づくことはないだろう。
だけど、これでもはぐれ悪魔?とやらとは何度か戦ったことあるんだけどね。ってか色んな生物とありますよ。何やら蛇だったりドラ〇エのス〇イムみたいなやつだったり。
そもそもユーは命を狙われてるらしいからな。よく分からない人外とはよく出会う。前なんてド〇ノピザかと思ったら襲われたもん。
ユーの力は強大だから分かる。だけどね!だけど正直ゾンビを食っても美味しくないと思うよ?多分味は腐った肉だから。腐肉やぞ、腹壊しちゃうよ?おすすめしないよ!
おっと、話を戻してだね。多分あれだ、一誠も悪魔だ。知らんけど。
でもはぐれと悪魔やらと似た感じしたもん。じゃあ悪魔じゃね?悪魔だな!よし、確定!
まぁ?別に悪魔だろうがなんだろうが、気にしないし今更なんだがな。俺、ゾンビだし、家にネクロマンサー居るし。
ちなみに、ネクロマンサー(天使)だ。そこは間違えちゃいけない。ネクロマンサーだから天使じゃないだろって?それほど可愛いから良いんだよ。ユーがプリン食べてる姿なんて特に可愛いんだぜ・・・彼女持たない人に自慢したいね。いや、俺も居ないしそんな関係では無いけどね?
「あー今日も早く帰らないとなぁ」
ちなみに学校が終わってるため、俺は今家路についていた。
だから早く帰らないと行けない。ユーを一人にはさせるわけにはいかぬ・・・何かあったら泣く。もし俺が家を空けている間に風邪を引いたら?誰が看病するんだ。春だと言っても可能性はゼロではない。
「はわうっ!?」
「ほぇ?」
ユーについて考えていると、可愛いらしい悲鳴と一緒に路面に何かが転がる音が聞こえて振り向く。
その瞬間、俺は両手で目を隠した。
「いたたた・・・またやっちゃいました・・・」
当たり前だろ?シスターが手を大きく広げて顔面から路面に突っ伏してるもん。スカートの中見えちゃったもん。・・・白でした。じゃないから!流石にアイツらと一緒にされるのはゴメンだッ!
「えーと、大丈夫ですか?」
すぐにシスターに近づくと、シスターは座り込んでいた。
しかし自分では気づいてないのか、足の隙間から下着がまだ見えるため、目を逸らしながら手を差し伸べた。
俺は紳士だ。そう、こんなことで興奮など覚えやしない。この展開はユーだったらドジっ子属性で妄想しているが、人間に妄想はしないのである。・・・なんかこう、ユーだと妄想しちゃうんだよな。
「どうして転んでしまうんでしょうか・・・?あ、すみません・・・ありがとうございますぅ」
可愛いらしい声だと思っていたが、聞こえてきた声は若い。たぶん、同年代くらい?それがなんだって話なんだが、とりあえず俺は手を引き、シスターを起き上がらせた。
ゾンビだから力持ちなのである。ゾンビ関係なくね?
すると、突然ぶわっと風が強く吹いた。
そう言えば、今日風強かったなぁ・・・なんて考えていると、シスターのヴェールが飛んでいく。
その時、ヴェールの中で束ねていたであろう金色の長髪がこぼれ、露になった。
ストレートのブロンドが夕陽に照らされ、キラキラと光っている。
ふと、シスターの素顔に視線が移動するとグリーン色の
そう、目の前に居たシスターは金髪美少女だった。
俺、初めてかもしれない・・・太陽がアシストしたところを見るのが。
太陽の光が彼女をより綺麗に見せているのだ・・・。天照様。普段は嫌いですが、今回ばかりは私は貴女が好きです。
「あの・・・?」
「あ、ごめん。ちょっと待ってて」
心の中で天照様に告白してると、訝しげに見つめてくるシスターに気づいてヴェールを拾う。
あまり飛ばなかったのか、近くに
遠くても取りに行くけど。ってかそうじゃん、なに天照様に告白してるんだ!シスターのお陰で気づいたが、今も俺を襲ってきてるじゃん!さっきまで帰り道は陰に沿ってたお陰でまだまだ行けるが、ずっと居ると・・・流石に死ぬッ!
「はい、怪我はないですか?」
命の危機を感じてることを表に出さず、ヴェールを差し出しながら聞いてみる。
男でも大変だが、女性が怪我してると大変だ。顔打ったかもしれないし、女の子にとって顔はとても大切らしいからね。自己再生かアオ〇ノコ食ったから回復する俺とは違うんだ。ちなみにだが、アオキ〇コは美味い。
「あっ、大丈夫です!ありがとうございます!」
俺が差し出すと、シスターは太陽のような笑顔でお礼を言ってきた。
あぁ^〜眩しすぎて浄化されるんじゃあ^〜。
はっ!?違うだろ!俺にはユーが居るというのに、浮気はダメよ!アユム!それにゾンビが浄化は成仏を意味しちゃう!ユーの晩飯を作らずに死ねるかっ!
「私、アーシア・アルジェントと申します。少し前にこの街の教会に
「あぁ、これはご丁寧に・・・。俺は神谷アユム。この街の駒王学園って所の学生で二年生。よろしくお願いします」
「はい、こちらこそ。・・・はあ、それにしてもまた道行く方にご迷惑をかけてしまいました。この前だってイッセーさんにぶつかっちゃったのに」
あまりにもの丁寧な自己紹介をされたため、釣られてしまったが友人・・・いや、悪友かな?の愛称がシスター、アーシアさんから聞こえて驚いた。
なんでも、この街に来たその日に一誠とぶつかってしまったそうで、教会の場所がわからなかった自分を嫌な顔せず案内してくれたらしい。
馬鹿な、あの変態がそんな気遣いを出来ただと・・・!?
テレレレッレッテッテー!
おれのなかで いっせいの ひょうか が あがった!
「ただ・・・その、私を見る目がちょっとギラギラしてたのが怖かったです。駄目ですよね・・・私。親切にしてくださった方を怖いと思うだなんて・・・」
はい、下がったー!直後にアーシアさんが呟いた言葉で、一誠に対する評価が急ダウンしちゃったよ!
あいつ、なにやってんの?お前、そういうとこやぞ、そういうとこがモテないんだぞ!俺もモテてないけど!
・・・やべぇ、悲しくなってきた。泣きそう。
「そういえば、アーシアさん・・・でいいかな。どうしてここに?道が分からないとか?」
とりあえず一誠の評価に関しては
ちなみにだが、勝手に呼び捨てしようものなら女性によっては『は?何こいつ?私がお前なんかに気があるとでも思ってんの?』みたいになるらしいから注意らしい。ネットに書いてた。
「あっ、はい!それで構いません。それで、そのアユムさんの仰る通りで・・・私って、日本語が上手く喋られないんです。なので、まだ道も覚えてなくて迷ってたのですが、やはり道行く人皆さんに言葉が通じなくて・・・」
呼び方について許可貰ったので安心し、『確かに』と思った。
だって、アレだもんね、明らかに見た目からして外国人だもんね。日本語通じないよね。
え?じゃあ、なんで俺には通じる?と言われると・・・ゾンビだからでしょ。中学生時代は俺も殆どの人が行く黒歴史・・・つまり闇の記憶があるが、よく異世界系のラノベなどを読んだものだ。
ゾンビになってからも思い出したくなかったが、大事なことなので読み返したら意識を持つゾンビは大抵『言語理解』スキルを持つ。それか、自らゾンビになった者とか適合した者はな。だからそうだと思う。
もしかしたらキノコ食ってた時にそんなスキルを持った可能性も微レ存あるが、今はいいだろう。もしキノコなら間違いなく、ドキド〇ノコさんがくれたに違いない。ありがとう!何故かすぐに育つドキ○キノコさん!
「日本語は言語の中でも種類が多くて難しいらしいので。それはもう、仕方がないです。むしろ代表してごめんなさい・・・としか言えませんが、道案内なら出来ますよ」
確か、世界で日本語は五位圏内だったはず。めっちゃ難しいのだ。そもそも日本人ですら、日本語理解出来てないからな。もちろん、俺も全部は理解してない。マジで多すぎんか・・・?読みならともかく、書く漢字なんて覚えられないぞ。
「本当ですか!?ありがとうございますぅ!二度も親切にしてくださる人に出会えるなんて・・・これも主の導きですね!」
「いえいえ、困ってる人が居ればお互い様と言いますしね」
嬉しそうに微笑むシスターが胸元で手を組むが、その時見えたロザリオに対して俺の体が少しの拒否反応を示す。
ぐぬぬ、アンデットに聖なる力が込められているものは弱点だ。死ぬって訳ではないが、気分は良くない。まぁ、この程度ならば全く問題あるまい。
「それで、シスターってことは教会かな?この街だと・・・街外れに古びた教会があるけど・・・」
悟らせないように隠しながら聞いてみると、頷いてくれた。
その教会は俺の家と反対側の方向にある。だから知らずのうちに此方に来てしまったんだろう。そもそも短期間で道を覚えろってのが無理な話ではあるのだが・・・。
「真反対だね。一緒に行こうか」
「は、はい。すみません・・・」
「謝らなくていいよ。さっきも言ったが、困った時はお互い様。でしょ?」
俺の方が身長が高いため、少ししゃがんで視線を揃える。
すると、目をパチパチと瞬きさせたかと思うと、微笑んできた。
やだ・・・天使かな?って、違うわい!お前にはユーが居るでしょ!ええい、なんて魅力的な笑顔なんだ・・・!くそう、何度見てもかわええ・・・。
こうして、俺は美少女のシスター、アーシア・アルジェントさんを引き連れて教会への道に歩みを進める。
「うわぁぁあぁぁん!」
教会へ向かう途中、他愛もない話をしていると公園を横切る前に子供の泣き声が聞こえてアーシアさんと一緒に止まった。
「大丈夫?」
声からして、子供の方は女の子だろうか。お母さんらしき人が駆け寄り、転んだ女の子の体を起こしていた。
それを見た俺は、あれくらいなら薬草で十分だろう、と思ったので鞄を探ろうとする。
しかし、そんな俺よりも早く、アーシアさんが駆け寄っていた。
なので、俺も追う。
「大丈夫?女の子にとって、体は大切ですから。気をつけてくださいね」
アーシアさんが言葉は通じてないはずなのに、優しさに満ち溢れた表情で慰めるように女の子の頭を撫でる。
そしておもむろにアーシアさんが、自身の手のひらを女の子が怪我したであろう膝に当てていた。
次の瞬間、アーシアさんの手のひらから淡い緑色の光が発せられた。
それに驚いていると、怪我がみるみる消え去っていることに気づく。
「はい、怪我は治りましたよ。もう大丈夫」
お母さんらしき人もきょとんとしていたが、アーシアさんが女の子を一撫でしてから立ち上がると、子供を連れてお母さんらしき人は会釈してからその場を去った。
「ありがとう!きれいなおねえちゃん!」
「ありがとう、きれいなお姉ちゃん。だって」
去る前に大声で言った女の子の言葉。
流石に伝えるべきだと思ったため、俺が通訳するとアーシアさんは少し恥ずかしげに笑った。
え、何この子。マジで可愛いし優しいんだけど?こんな女の子居ていいの?俺、この子見たいな人物なんてユーぐらいしか知らないよ?人間では初めて見たよ・・・。人間捨てたもんじゃないね、俺はゾンビですけど。
「そういえば、それって?」
「はい、治癒の力です。神様からを頂いた素敵なものなんですよ」
「そっか、アーシアさんらしい力だなぁ」
何やら、アーシアさんは特別な力があるらしい。
だんだんと砕けた喋り方になってるなぁっと思いながら、ちょっと踏み込んでみた。
「アーシアさんみたいな優しい子がここに来るって、何か事情があったり?その力なら、もっと大きな場所で活躍---」
「・・・っ」
それとなく話を振ってみると、アーシアさんが突然涙を流し、最後まで言葉に出来なかった。
ファッ!?アイェエエエエエエ!?泣かした!?俺泣かせちゃった!?こんな優しい女の子を泣かせた!?なんてクズなんだ!酷いぞ、俺!早く何とかしろ!!
「えっと、あの、そのォ!?」
すぐに慰めるようと思考するが、手をわたわたと動かしながら触れていいのか、ダメなのか迷い、何も出来ないし声をかけられない。
ダメだ、こいつ使い物にならねぇ!自分のことなのに使い物にならねぇ!ちょっ、マジで!あ、そうだ!スタッフ!スタッフゥー!ってスタッフなんていねーよ!アレだ!衛生兵!衛生兵ーッ!
「す、すみっ・・・ませんっ・・・」
「あ、あぁいや・・・とりあえず、こっちに行こう」
彼女、アーシアさんが言葉を発してくれ、ハッと冷静になれた。
冷静になると、彼女の手を握る。そのまま手を引いて連れていくが、そのことを後で土下座しようかと考えつつ公園のベンチに腰をかけさせた。
その間は、互いに無言だった。
当たり前だろ?冷静じゃなかったとはいえ、何処に衛生兵呼ぶ馬鹿が居るんだ・・・俺ですね、すみません。
「・・・本当に、すみません。急に泣いたりしてしまって」
「いやいや、俺の方こそ悪かった。人の過去に関係するかも知れなかったのに、無神経に聞いてしまって」
「いえ、気にしないでください。・・・アユムさん。もし良かったら、聞いてくれませんか?私の過去を」
「俺で良ければ、聞くよ。ここまで踏み込んだ責任もある」
俺が珍しく真剣な表情をすると、アーシア・アルジェントさんは語ってくれた。自分の半生を---
彼女は欧州のとある地方で生まれ、すぐに両親に捨てられた。
捨てられた先は教会兼孤児院でシスターによって他の孤児たちと共に育てられたらしい。
そんな彼女が八つの頃の話、信仰深く育てられた少女の身に突如として力が宿った。
それに気づいたのは、怪我をして死にかけていた子犬が教会に迷い込んできた時だ。
必死に祈り、奇跡が起きたのか不思議な力で治療したところをカトリック教会の関係者に見られる。その不思議な力こそが、『
そこから、彼女の人生に変化が訪れる。
カトリック教会の本部に連れていかれた少女は、治癒の力を宿した『聖女』として
その少女は世界中から訪れてくる信者の病や怪我を治すように
しかしその内噂は噂を呼び、少女は多くの信者から『聖女』として
もちろん、少女も
だけど、少し寂しくもあったらしい。少女には『普通』に暮らしていれば、出来るはずの心を許せる友人が一人も居なかった。
どの人も優しく、大事にするが、友達になってくれる人は居なかったと。
だが、少女は気づいていた。彼らが裏では『人を治療出来る生物』という人間ではない
しかし、それだけではなかった。ある日、転機が訪れる。
たまたま少女は自分の近くに現れた悪魔を治療してしまった。
そう、怪我をしていた悪魔を。
少女は生来のやさしさがそうしたのか、見捨てることをせずに治してしまった。
それが少女の人生を反転させる。
その光景を偶然見ていた教会関係者の一人が内部に報告をしたのだ。それを聞いた内部の司祭はその事実に驚愕する。
治療の力を持つものは世界の各地に存在し、それほど珍しいという訳ではなかった。
だが、世界の各地に存在している人達は皆、神の加護を受けた者にしか及ぼさないと。つまり、堕天使と悪魔には効果がないと教会内部で認知されていたからだ。
けれど、少女の持つ治癒の力は規格外だった。神の加護を受けない悪魔、堕天使すらも治療出来る力。
それによって、少女は『聖女』から一転。『魔女』として
悪魔を治療出来るということだけで異端視され、魔女として恐れられた少女は、あっさりとカトリックから捨てられたのだ。
行き場のなくなった少女は、極東にある『はぐれ
しかし間違っても少女は一度も神への祈りを忘れたこともなく、感謝を忘れたことも無い。
なのに、少女は見捨てられた。一日も忘れないほど熱心に信仰していたのに、神は助けることをしなかった。
それでも少女が一番ショックだったのは、教会で自分を庇ってくれる人が誰も居なかったこと。誰も、味方が居なかったんだ。
「・・・きっと、私の祈りが足らなかったんです。ですから、これも主の試練なんだと思います。この試練を乗り越えれば、いつか
それが彼女の、アーシア・アルジェントの過去。『聖女』として祭られた少女の
それを聞いた俺は、何とも言えなかった。
ほら、俺ってさ、
だから、俺に出来ることは何も無い。ただ、教会の連中と両親を馬鹿に思うことくらいだ。
いや、違うな。もう一つ、出来ることもある。
こんな俺はシリアスなんか似合わないけどさ、既に死んでいる俺---アンデットにだって感情はあるから、怒りを感じることは出来るんだ。
それに、彼女は言ってたじゃん。『誰も味方が居なかった。友達がいなかった』と。
「私の夢、聞いてくれますか?」
「教えてくれるか?」
「はい。たくさんお友達が出来て、お友達と何の
そう言って、微笑んでくるアーシアさん。しかし、目尻には涙が見える。そんな彼女を見て、俺は思った。
なんだ、やっぱり簡単な話じゃないか。そんなの所詮は過去だ。
一つ、俺から教えを
「アーシアさん。いや、アーシア」
「は、はい・・・?」
彼女の両肩に手を置き、此方を向かせる。涙を流していた彼女は一瞬驚いた表情を見せ、アーシアはポカンとして見つめてきた。
あぁ、まるで告白するみたいだな、と思う。うん、それは間違ってはないな。
ある意味、一世一代の告白だ。だが、言わなきゃ男ではないだろう。
「俺と友達になってくれ」
「え・・・?」
俺の言ったことが理解出来なかったのか、アーシアは困惑した表情を見せる。
「簡単な話だよ。アーシアには友人も、庇ってくれる人も居なかった。それは過去の話だ。過去はどうすることも出来ないけどさ、今は違うだろ?今目の前に、君と友達になりたいと思っている人が居る。誰も言ってくれなかった?誰もなってくれなかった?だったら、俺が言ってやる」
俺の教えは、『過去は変えられない。けど、今は、未来は変えられる』そんな、簡単な言葉だ。
だから、俺が彼女の友達になればいい。
出会って数分しか経ってなくとも、友達という定義は曖昧なのだ。だからこそ、互いに友達だと思えば、友達。俺はそう思ってる。
だって、みんなどうしたら友達なのか、何をしたら友達なのかなんて、分からないだろ?心の底で、仲良くしたい。楽しいって思えたら、それでいいんじゃないかな。
俺は人間の頃から孤独だったから、よく分かんないんだけどね。
でも、それならちゃんと言葉に出して見せよう。恥ずかしいけど、言葉にしなきゃ伝わらないことはある。今彼女に何か出来るのは俺だけで---言葉を喋らない少女を、俺は知ってるから。
「アーシア、君がやってきたことは間違ってなんていない。心は君だけのモノで、それに従っただけ。悪魔だろうが、誰であろうが助ける君は『魔女』なんかじゃなく、立派な『聖女』だよ。そして、俺がアーシアの『友達』だ!アーシアがやりたいこと、全部やろう。守って欲しいなら、庇って欲しいなら、支えて欲しいなら俺を呼べ!例え、この世界---いいや、宇宙中が敵に回ろうとも俺だけは味方になってやる!」
俺氏、周囲に人が居たら既に死んでる。顔が赤くなってないだろうか?大丈夫だろうか?
「どうして・・・どうして、貴方は出会ったばかりの私なんかに・・・そんな言葉を掛けてくれるんですか・・・?」
「そんなことか。理由なんて、必要ないだろ?俺はアーシアと友達になりたい。『聖女』でもなく、『魔女』でもない。一人の優しい女の子である『アーシア・アルジェント』と友達になりたいんだ」
俺の言葉に、アーシアは再び涙を流した。
それを見た瞬間、焦る俺だったが、アーシアが泣きながらもクスっ、と笑う姿にきょとんとする。
「・・・はい、こんな私で良ければ、友達になってください」
少しすると、そんな言葉と一緒に差し出されたのは、女の子らしい小さな手。俺はその手を優しく、握り締めた。
そこから感じる温もりは、まるで彼女自身の優しさそのものに感じる。
「これで、友達だ。さっきも言ったけど、もし困った時、助けて欲しいことがあったら俺を呼んでくれ。すぐに駆け付けてやるからな」
正直彼女がその、せいくりっどぎあ?ってやつを持っていたとして、俺の方が『異質』だしな。だってゾンビだもん。アンデットだもん。そういや言ってなくね?よし、言おう。そうしよう。俺は決断が早い男なのである。・・・早い?え、早いよね?
「ふふ、はい。その時はよろしくお願いしますね」
俺の内心を知らず、優しく微笑む彼女は間違いなく、聖女でも魔女でもない『アーシア・アルジェント』の笑顔だった。
「あ、そうだ。ある意味さ、俺もアーシアと一緒なんだよ」
なのでハンカチを取り出し、アーシアに差し出しながら正体を言うことにした。
うーん、緊張する。今まで言ったこと無かったからなぁ。ってか、ユーの許可なしで言って大丈夫?でも内緒にしてる方が辛いよね。もし言うのがダメなことだったなら、究極奥義を使ってユーに許してもらおう。
「一緒・・・ですか?」
「あぁ、一緒。アーシアが不思議な力を持っているように、俺も持ってるんだよ。その
「ええっと、どういうこと・・・でしょう?」
俺から申し訳なさそうに受け取ったハンカチで目元を拭いていた彼女に、俺は深呼吸して言った。
「俺、ゾンビなんだ」
「えっ!?」
ふっ、我ながら馬鹿らしい明かし方だぜ。嫌われたら泣くどころがユーに泣きついてきます。そしてユーに拒否られたら俺は生きていけない・・・。その時は誰も来なさそうな北極に行こう。
「怖いかな?それともやっぱり、人間じゃない俺と友達は嫌か?」
「そ、そんなことありませんっ!アユムさんは私の初めての・・・大切なお友達です!ただ、その、ごめんなさい・・・!」
「へ?」
嫌うことも拒否ることもなく嬉しいことを言ってくれるが、ごめんなさい、ってのはどういう意味だろう。思わず、キョトンとしてしまった。
もしかして、告白してないけど貴方とは付き合えませんってこと?えぇ・・・なにそれ。もしそうなら、告白してないのに断られるなんて不貞寝するぞ。やっぱ北極予約しとこうかな・・・。
「あの、これ・・・」
そう言って、申し訳なさそうに胸元にあるロザリオに触れるアーシア。
「・・・くっ。はははっ!」
「え、あの・・・アユム、さん?」
それを見た瞬間、気がづいたら笑ってしまった。
困惑するアーシアには申し訳ないが、仕方がないだろ?
ぶっちゃけ、俺の正体なんて普通の人間が聞けば嫌がるし、怖いと思う。ってか、俺だったら怖い。それか信じることも無く笑い飛ばすね、間違いなく。
でも、アーシアは俺の心配をしたんだぞ?笑うしかないじゃん!
あーもう、本っ当に優しい子だなぁ。
「ごめんごめん。ちょっとショック受けたり、嫌われると思ったからさ。まさか俺を心配するとは思わなくて。ゾンビは分類上アンデットだが、ロザリオくらいでは死なないから大丈夫。現に、今も太陽浴びてるが死んでないだろ?ただ本当に、ゾンビである俺を友達として受け入れてくれたことが意外でさ」
「な、なるほど・・・。でも、その答えは先ほどアユムさんが言ってくれた事と同じですよ?」
「ん?」
「ゾンビであろうとも、人間じゃなくとも、アユムさんはアユムさんです。私は『神谷 アユム』という方とお友達になったんですから。アユムさんが何者であろうと、お友達です。それとも・・・ダメ、でしょうか?」
首を傾げる俺に、アーシアはそう言って、上目遣いで見つめてきた。
「ぐはっ!」
ぐはっ!
一致しちゃった・・・。もうやだ・・・この子マジで天使過ぎる・・・ちょっと教会乗り込んで潰してこようかな・・・。お持ち帰りはOKです?えっ?犯罪?ですよね。
「い、いや全然。むしろ、うん。嬉しかった。俺とアーシアは友達だ」
「はい!」
先程の暗い顔とは一転し、アーシアは元気になったのか明るく返事をする。
その方が似合ってると思った。
「あぁ、だけど・・・出来る限り内緒にね。俺がゾンビってこと自分から教えたのはアーシアが初めてだし」
「そうなんですか?だったら私、アユムさんの初めてを貰ったんですね!」
「そ、そうだな・・・ええっと、じゃあ行くか」
待って、誤解されそうなこと言わないで!というか、ちょっとドキッてしたからね!?初めてを貰ったなんて言われると・・・うん。ね?純粋な発言なんだろうけど、思っちゃうじゃん。ね?ちょっと友達として心配だから、これからは守ろう・・・。
「あ、そうでした!長話しちゃって、目的を忘れるところでした・・・」
「まぁまぁ、お陰で友達になれたわけだし・・・プラス、マイナスどちらかと言うとプラスだ」
「ふふ、そうですね。お友達・・・えへへ」
俺が内心で決断していると、はにかんで笑う姿に、マジで天使か?と思ったが、口にはなんとか出さずにしっかりとアーシアを教会へ案内した。
案内している時に本当はどこかへ遊びに行こうかと誘ったが、時間が時間ということもあって、やめたのだ。
まあ、他にも着いた時にはお茶だけでもと教会へと誘われたけど夜が近いしユーを待たせてるのもあったので、今度こっちから遊びに行くとだけ約束し、その日は別れた。
え?ゾンビに教会は問題ないのかって?なんかあそこ、神聖をあまり感じないんだよな・・・本当に神聖を感じる所だと浄化されかける。
『・・・遅い』
ちなみに、俺が帰れたのは二十時でした。
ごめんよ、ユー。いつもより二、三時間遅いもんね。
あぁ^〜感想と評価、お気に入り登録がやる気にめっちゃ繋がるんじゃあ^〜特に評価と感想が一番繋がりますねぇ!
それに見切り発車だったけどちゃんとフラグやら設定思いついたゾ〜楽しみにしてクレメンス!
それにこれゾン覚えてなかったからこれ書く前、アニメだけ復習したけど原作買ったからもう不安な要素は(多分)ないな!ただ今更ながら原作とアニメ全く違うんすね・・・これゾン。原作こんなんだったっけ?って普通になりました。まだ4巻ですが。
あっ、ちなみにアンケは(確定じゃ)ないです。参考程度と、内容が思いつかなかったら二人のみで突っ切ります。そもそも作者は元から純愛好きですし。ハーレムも嫌いじゃないんですけどね。
・・・あと、別作品で扱い切れてない(と思ってる)し・・・
ヒロイン数
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ユーとアーシアのみ
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うるせぇ!増やすんだよあくしろよ
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投稿日数増やせ、ハゲ
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戦闘シーンはやく♡