これはDxDですか?〜いいえ、ゾンビです   作:絆蛙

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第六話 ええ、事件解決です

「何者だ!」

 

「邪魔はさせんぞ!」

 

変態共が何か言ってきた! っておいそこのお前、アーシア見んじゃねーよ! お前なんかが見ていいほどアーシアは安くねぇんだよ! 俺ですらアーシアを見る資格があるのか悩んじゃうくらい可愛くて綺麗なんだぞ!

くそっ! いいよね、ちょっとぐらい、アーシアにこんなことしたやつらに仕返してもいいよな? 私情込めても良いよね?

 

そもそもいい歳した人がビームサーベルを持つのが羨まし過ぎる!俺も欲しいよ! 僕が一番、ビームサーベルを上手く扱えるんだ! ・・・使ったことないけど!

とりあえず、羨ましい気持ちは置いておいて、名を聞かれたからには答えてやるのが世の定め・・・。

 

「俺は神谷アユム!アーシアの友達で、彼女は俺の(友人という意味で)大切な存在だ!取り返させてもらう!」

 

あれー? なんか恥ずかしいセリフ言ってなーい? 何だこのキャラ!?(自分)

もういいや、俺は自然体で行かせてもらうぜ!

とりあえず・・・誰だこいつら。面倒臭いから変態共でいいや。蹴散らそう。

あ、でももしかしたらマジで撮影かも・・・何処見てもカメラはねぇわ。やっぱ誘拐じゃね?

・・・犯罪じゃね、これ? いやいや、そうだとしても十字架プレイとかいう訳分からないものしてる時点で変態だッ! つまりギルティ! 元からギルティ!

警察に任せてられねぇ! 毒キノコ食ってたら職務してきた警察なんて信じないからな!

 

「アユムさん・・・」

 

視線を移せば、アーシアが顔を赤くしていた。

もしかして怒ってる? ごめんね、勝手に名を使っちゃって。助けたら最終奥義part2披露するから許してくれ。

 

「え、ええい!邪魔者が!」

 

すると、一番近くに居た変態神父が俺も欲しいビームサーベルで斬りかかってくる。だけど遅い、クレイジー神父より遅い! まるで止まって見えるね。ゾンビだからって舐めてもらっては困る・・・いや、多分人間だと思われてるんだろうけど。見た目的には人間だし。

 

「30%!」

 

僅かに身を逸らし、最小限で避けた瞬間には出力30%の右拳で変態神父の腹にボディーブローを叩き込んだ。

その瞬間、変態神父が吹っ飛んで体を壁に打ち付けていた。その後、がくりとしたことから意識は失ったのだろう。

音的に多分、骨砕けたと思うんだ。すまない、本当にすまない・・・でも大勢の人と友達にあんな格好を見られたアーシアの羞恥心に比べたら骨の一本や二本、安いよね! だって、いい歳した男の体よりも女の子の気持ちの方が大切に決まってるでしょ! 俺、ノーマルだし!

 

「なっ!?」

 

吹っ飛んだ変態神父を見てか、驚愕する変態神父達。

人外は頑丈だからいいけど人間だと100%は死んじゃうと思うから手加減はしてる。30%もあれば締め上げたら殺せると思うしね。・・・ってか、どうでもいいけど変態神父を見て驚愕する変態神父達って変態神父ばかりで分かりづらいな! そもそも、おまえら名前なんだよ!俺が名乗ったんだから名乗れよ! 適当にボブやらチーズとかバ○子さんやジ○ムおじさんと呼ぶぞ!?

 

「か、かかれぇ!」

 

誰が言ったのか、命令するように発せられた言葉で、群がってくる変態神父共。

きゃー! 襲われるー! たーすーけーてー!

 

と、思いつつ男に興味はないからぶん殴って吹き飛ばしては蹴り飛ばしたり60%のシャーマンプレスやら巴投、100%のジャイアントスイングで巻き込みながらジェットコースター気分を味わせてあげる親切さなど出したりして大乱闘スマッシ○ブラザーズしていた。二千八年、一月三十一日発売!・・・過ぎてたしエックスじゃん。

 

「こうなったら、アレをするぞ!」

 

「アレだと・・・?ちっ、仕方があるまい!」

 

「オルテガ!マッシュ!行くぞ!」

 

邪魔だった最後の一人を30%の頭突きでぶっ飛ばすと、一人の変態神父が突撃してくる。

 

「35%っ!」

 

斬りかかってきた為、とりあえず邪魔だと判断して先に拳を前に突き出した。しかし、それは誘うためだったのか相手は振り下ろす前に跳躍で俺の拳を避ける。

そして同じ身長だったのか後ろに別の変態神父が居たようで、俺の目の前には既に拳銃があった。

すぐに体を横にしながら前に出ると、銃弾と変態神父を通り過ぎる。

 

「ちっ!」

 

舌打ちを一つすると、波状攻撃だったのか三人目の神父に気づいて頭を下げた。瞬間、銃弾が俺の頭上を通り過ぎるが、ただでは逃さずに100%の力で拳銃を上空へ弾き飛ばす。

すると、変態神父共を通り過ぎた後に一人目の変態神父に銃弾を放たれたため、顔だけ動かして見ると当たる前に跳躍して離れた。

 

知っている! 俺はこの陣形を知っているぞ! これは間違いなく---

 

「行ける・・・!もう一度ジェットストリームアタックだ!」

 

やっぱり! やっぱりだ! ジェットストリームアタックじゃん!見た事のある攻撃だったし、バズーカじゃないだけで攻撃方法一緒だよ!

というと次は---

 

「しまった!」

 

眩い光が俺の目を遮り、ゾンビには痛いので跳躍する。

すると眩い光を発した変態神父の後ろから、一人の変態神父が体を出して銃を撃ってくる。

 

「だあぁあぁぁ!」

 

「お、俺を踏み台にした!?」

 

慌てて変態神父の肩に乗って体を傾けさせると、銃弾を避けて目の前にいる変態神父に突撃。組み付くと、二人目の変態神父の後ろからビームサーベルを持つ三人目の変態神父が居た。

が、それは予想通りなので60%の力で組み付いた二人目の変態神父を三人目の変態神父に投げつけ、振り向きざまに靴を脱いで100%の脚力で一人目の神父に靴を蹴り飛ばす。すると見事眉間に直撃して相手は倒れた。

完全にリモコン下駄である。ゲゲゲな鬼太郎の技が使えるなんて誰が想像出来ただろうか・・・こっちは前にしか動かせられないし拾わないといけないけど。

 

とりあえず靴下のままでは気持ち悪いから靴を履き直していると、どうやらジェットストリームアタックを仕掛けてきた三人が最後だったらしく、変態神父は全滅していた。

ふっ・・・黒い三連星、強敵だった。分かってなかったら撃たれてた自信あるね、俺はモビルスーツじゃないんだぞ。

 

「アーシア!」

 

気絶した変態神父は後でアーシアに謝らせることにして、遮る物を全て蹴散らした俺は急いでアーシアの元へと向かった。

するとなにやら硬そうな拘束具がアーシアを縛っていたが、ゾンビパワーで力づくで外すと、ふらっと倒れてきた彼女を抱きしめる。

 

「良かった、間に合ったみたいだ」

 

主に変な撮影なのかは誘拐なのか知らないけどいかがわしいことされる前で。

だからこそ、ジェットストリームアタックを仕掛けてきた神父に至ってはもしかしたら良い話し相手になれるかもしれなかったのに残念だ・・・。

 

「アユムさん・・・アユムさんっ! わたし、私・・・届くはずないって、間に合うはずがないって、誰も来てくれないと・・・思ってたのに・・・!」

 

やっぱりアーシアは無理矢理されていたのか、と思いながら涙を決壊させる彼女の背中を優しく撫でる。

そして安心させるように笑いかけた。

 

「約束しただろ? 困った時、助けて欲しいことがあったら呼べば駆けつけてやるって。アーシアが呼んだからこそ、助けに来たんだ。それに世界どころか、宇宙中を敵を回しても俺だけは味方になってやるって言ったしな」

 

「・・・ぁ。アユムさんッ---・・・うわあぁああぁぁん!」

 

言った瞬間に自分で何恥ずかしいこと言ってんだろうと後悔していると、アーシアが大声で泣き叫び始めた。

抱きつかれてるせいもあって、どう泣き止ませたらいいか分からず、即座にオロオロとする俺。

というか、その、柔らかいなぁ・・・。

 

「あ、有り得ない・・・ただの人間があれほどの神父達を圧倒するなんて・・・ッ。あなた・・・あなたは一体何者なのよっ!?」

 

すると、放置していた堕天使(推測)が取り乱した様子で喚き出す。

複数の神父がやられるのは予想外だったのかもしれない。もしかして、やられるパターンの撮影---なわけないよね! ってか本当にないもん! それにアクションでの撮影に殺意マシマシジェットストリームアタックするやつなんて早々居ないわ! アニメならともかくッ!

つまり、これはあれだろう?撮影かどうかは置いておいて、結局いかがわしい目的でアーシアを拘束してたわけだ。誘拐してたわけじゃん。

よし、全員インド洋に沈めるか?

 

「ただのアーシアのお友達。友達がこんな目に遭ってるんだったら助けるのは当然だろ? 俺はあんたのことは知らないけど、あんたにも大切な、大事な人が居たはずだ!なんでこんなことをした?」

 

「知ったようなことをッ! 居たとして、人間のあなたに何が分かると言うの!? 底辺の存在でしかない私達が、あの方々の愛を授かるには・・・周囲を見返す為には・・・こうするしか無かったのよ!力が欲しかった! あの方々の力になれるほど、強大な力がッ! 私だって、出来るならやりたくはなかったわよ! けど、こうするしかなかった! こうでもしないと、私はいつまでも認められることなんて・・・!」

 

堕天使(推定)が俺にはよく分からないことを言っているが、この人は結局才能ってやつに勝てなかったってことだろうか。恋愛系はよく分からん。

けど---

 

「だったら、もっと努力しろよッ! 道を踏み外したら、あんたが振り向いて欲しいと思ってる人が振り向くはずがないだろ! もっと正しい道を探して、時間を掛けてでも努力を続けろよ! 確かに、才能ってやつは勝つことなんて難しいと思う。けど、みんな努力しているだろ! 好きで強い力を手に入れた訳ではないやつも居るんだよ!!」

 

俺はまだ、よく分かってないけどさ。強すぎる力を持ってしまったから狙われてる奴も居るんだよ。それだけは、分かって欲しい。あと、だからといって性犯罪に手を出すのは良くないと思うぞ!

・・・ん? 待てよ? この状況、もしかして百合? 百合の間に挟まった?や、やばい。殺られるッ! 待て待て! 見ないで! 画面暗くしてー! 俺が視聴者に殺されちゃうッ!! お願いします! わざとじゃないんです! 百合じゃないと思うのでやめてッ!

 

「黙れ! 黙れ黙れ黙れッ! もう私にはこれしかないのよッ! うあぁぁぁぁあああぁぁっ---!!」

 

俺が心の中で命乞いをしていると、まるで錯乱したかのように絶叫した堕天使(じゃね?)は何処からか取り出した光の槍を手に、俺たちに向かって突き出してきた。

それを見ると、肉体が思い切り拒絶反応を起こしていることから光の力が込められていることはすぐに理解でき、アーシアを背に隠した俺は腰をあげるのと同時に槍を掴んだ。

掴んだ槍からは、ジュワーと音でもなったのかと思うぐらい、手から焼けるような痛みと煙が出てくる。

とても熱いので、歯を噛み締めながら俺は拳を固く握った。

200%。

 

「これしかなかったなら、あんたはこれで死んだ! 新しく生まれ変わって、異性ぐらい今度こそ正しい道のりで振り向かせやがれ馬鹿野郎ッ!」

 

人間の限界である、100%をさらに、さらに超えた200%の力を引き出した俺は堕天使(堕天した天使)の顎を目掛け、肘を曲げたまま下から突き上げるように放つアッパーカットで上空へと吹き飛ばす。

 

「もし、あんたが生まれ変わるってなら協力はするよ。だから、二度と間違ったことはしないでくれ。・・・あんた、容姿は良いんだからさ、その人たちに限らず、世界をもっと広く見たらもっと良い人にも出会えるだろ」

 

心の底からの本音を呟くと、俺は強敵に向き直ることにした。

---未だに泣いているアーシアをどう慰めるべきかオロオロとする戦いに。

しかし、抱きついてきたアーシアに触れないように両手を上げることしか出来ない! くっ!これが女性慣れしてないゾンビの慰め方かッ! 下手に触れるのがダメなのが女の子なんだ・・・! 知らないけど!

そもそもユーは感情を出してくれないから慰めたりとかしたとこないからな! どうしたらいいんだろうね!

 

「アーシアァァァァァァァァ! 助けに来---えっ!?」

 

俺が結局頭に手を乗せると身を任せてくるアーシアに何をしたらいいんだ・・・と困惑していたら声が聞こえてきたので、その方向を見つめる。

ゆけ、ゾンビアイ! 人間よりも見える視力を発揮するぞ! 暗い中でもバッチリだ! アンデットなんだから見えて当然!

 

というふうに誰かに解説してると、視線の先にはゴツイ籠手みたいなものを着けた一誠とその後ろにイケメンの木場、マスコットで有名な小猫ちゃんが居た。

 

「これは・・・悪魔祓い(エクソシスト)が全滅してる?一体誰が・・・」

 

「・・・あ。神谷、先輩・・・?」

 

小猫ちゃんが俺の存在に気づいたようで、何やら驚いた様子だった。

あっ、その人たちは撮影か誘拐の協力者でしょ、真実は知らんけど。

まあどちらにせよ、変態っぽかったからこんなやってしまったのは反省してない!

・・・断じてビームサーベルが欲しかった訳じゃないんだからね!

---クソッ! 倒したらビームサーベル使えないとかふざけやがって! 使いたかったのにッ!

 

「イッセーさん!?」

 

「あ、アーシア?ってか、なんでアユムが・・・え?マジでなんで?」

 

「・・・あっ、出前は取ってないです」

 

「出前じゃねーよっ!?」

 

何だか混乱してるようなので、一言投じてみたらツッコミをくれた。

というか、二人は知り合いだったね。でも、ナイスツッコミ! ぐっじょーぶ!

 

「ッ! 二人とも、そこにいるやつは堕天使か!? 今すぐ離れて---」

 

一誠の言葉に振り向くと、意識が失っているのか倒れている堕天使(らしい?)が居た。いつの間に堕ちてきたんだろう。堕天使(であってる?)だけに! アハハ!

・・・あっ、そうだ。今思ったけど、女の子がその衣装はどうかと思うんだが・・・ボンテージだっけ? もしかして、露出高いのが流行ってるのだろうか・・・とりあえず服着せとこ。

 

「よいしょ」

 

アーシアに少し離れてもらうと、制服を脱いで掛けておく。

そう、俺は紳士。こんな姿の女の子を放っておくなんて出来ない・・・嘘です。目のやり場に困るからと、200%で脳を揺らせたから申し訳なさも含んでます。

だいたい前者が七割、後者が三割だがな!

 

「気絶してるみたいだね」

 

ファッ!? いつの間にかイケメンが傍に! 俺が制服を脱いでる間に来たというのか・・・! 男に見せる趣味はないぞ! いや、異性にも見せないけどね? 変態として捕まっちゃうし!

 

「イッセーくん、彼女がキミが言っていた女の子で合ってる?」

 

「あ、あぁ。彼女がアーシアだ」

 

「・・・先に、伸びてる神父を集めましょう」

 

「そうだね。キミも手伝ってくれるかい?それと、終わったらついてきて欲しい」

 

何だかぼーっとしていたら話が進んでいて、木場が聞いてきた。

え、働かないとダメ?しょうがないなぁ・・・の○太くんは。しかもついてきて欲しい言ってる割には有り無を言わせぬ迫力があるんですけど?イケメン怖い! 睨むとイケメンは怖いんだな・・・俺はか弱いゾンビなんだぞ・・・!

 

「わかった」

 

ということで、ゾンビパワーで畑仕事の如く引っ張ったりして集まらせておく。

気分的には御伽噺にある『おおきなかぶ』の気分だったね。壁に顔埋めてるとかギャグかよ!

 

「え、どこから持ってきたの?」

 

「その辺にありました」

 

なるほど、あったのか。ロープすらあるとか、やっぱりいかがわしいことする気だった説が浮上したな! 大阪湾に沈めてやろうか。

 

ということで、ゾンビパワーで集めていき、小猫ちゃんが拘束してまさかの放置プレイ。

ってか、これ結局何だったんだろう---?と思いつつ、堕天使(なはず)の女(名前聞いてない)を小猫ちゃんが抱えた姿に驚きながら一誠やイケメン達と一緒に地下を後にし、聖堂へと向かった。

そのまま潰れてなかった饅頭に安心し、鞄と饅頭を手にして外に出ると、既に夜は暗くなっていた。

道理で力が湧き上がってきてたことにも納得。

そして外には、リアス・グレモリー先輩と姫島朱乃先輩が居た。

 

「ずいぶん早かったのね---って、あなたは・・・」

 

「あらあら。イッセーくんの同級生の神谷アユムくん・・・でしたわね」

 

なんで私のことを知ってるのでしょうか。あっ、自分で言うのもあれだけど有名だもんね・・・主にカッカサカサになってることで。

ゾンビに窓側の時点で虐めだと思うんです。毎年窓側だぞ、呪いかな?

 

俺がそんなことを考えていると、リアス・グレモリー先輩が堕天使(なの?)に話しかけていた。

 

「ごきげんよう、堕天使レイナーレ」

 

堕天使(えっ、そうなの!?いや知ってましたよ?本当です!)は拘束された上で水をかけられた為、目が覚めた。

・・・俺の制服濡らされたんですけど。あれ、返してくれるかな?

 

「げほっげほっ!? グレモリーの娘・・・」

 

「ええ、私はリアス・グレモリー。グレモリー家の次期当主よ。そして、この辺りの土地は今この私の管轄(かんかつ)になってるわ」

 

グレモリー家? なんだろ、それ。あっ、饅頭は大丈夫だったか・・・良かった。ユーの饅頭が無くなってたら俺はさっきのやつらをユーラシア大陸に埋めないと行けなかったぜ。

 

「今回の計画とやらの真相はもう明らかになってるわ。この街で複数の堕天使が何かを企てていたことは察してたけど、堕天使全体のものと思って私は無視していた。けど実際にはあなた達が独断で動いてるものだったようね。朱乃とお話をしに行った時に聞いたわ」

 

「ど、どうしてそのことを・・・!?」

 

「あなたの部下・・・確かドーナシークって言ったかしら?そいつがペラペラと喋ってくれたの。・・・まあ、そいつと戦ったのは私じゃなくてイッセーだから実際にはイッセーから聞いたのだけど。そうよね?」

 

「は、はい部長。アイツがアーシアの神器(セイクリッド・ギア)を奪うって話をして、それで俺はアイツをこの籠手・・・『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』って奴でぶっ飛ばしました」

 

「『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』!? まさか、一時的にとはいえ悪魔や神をも超えられると言われている神滅具(ロンギヌス)の一つがこんな子供に・・・!? 通りでドーナシークが負けたわけね・・・そして、カラワーナとミッテルトは貴女たちにやられたということ・・・」

 

あ、ちゃんとアーシアのヴェールもあった。良かった良かった。え?話聞いてるのかって? 聞いてる聞いてる。あれでしょ、一誠が変態って話でしょ? ちゃんと聞いてるって!

 

「ええ、理解出来たようね。残念ながら、あなたはもう終わりよ。助けて貰える堕天使も居ないし、周りは敵だらけ。例え今、この場から逃げられたとしても他の堕天使が捕まえに来るでしょうね。その前に私が楽にしてあげるわ」

 

鞄を漁っていたら、何やらリアス・グレモリー先輩が冷徹な表情を見せる。

え? なになに? 殺すつもりとか? いやいや! それはいくらなんでもダメでしょ! 撮影だが誘拐だが知らんがそこまでやるのはダメだろ!?

いくらなんでもチャンスもなしに殺害ってのはどうかと思うんだが!

俺が相手してきた言葉の通じないバケモノみたいな存在ならともかく、そこの堕天使とはお話出来るんでしょ!和平!平和最高!

・・・あと、なんか可哀想な人だしアーシアの前で見せるのもどうかと思うんだよね。

よーし、既に人肌だけに一服は脱いでるけど、ここは俺が人肌脱ぐとしますか! えーとこの人、先輩だよね?敬語必要か。

 

「あー、えー待ってください」

 

鞄を投げ捨てると、堕天使(だって)とリアス・グレモリー先輩の間に入って両手を広げる。

俺の背に堕天使が居ることから、彼女を守る形だ。

 

「・・・なんのつもりかしら?」

 

ひえぇえぇぇ! 怖い! やっぱり、やらない方が良かった!

あーっ!? というか鞄! 鞄の中身全部出ちゃってる! 誰だ、人の鞄の中身ぶち撒けたやつ! 今すぐ中身鞄に入れに行ってもいいかな?

だって、怖いもん! ゾンビは勇敢じゃないんだ!

しかし、ここで引いたら恥ずかしい。学校行けなくなる。ゾンビは繊細なんだ・・・めんどくせぇなこのゾンビ。

 

「えーとですね? お話だけでも聞いてあげられないかなぁって」

 

「話なら既に聞いているわ。何故あなたは彼女を庇うの?・・・まさか、教会とかんけ---」

 

「違うわい!」

 

おっと、思わず遮って怒声をあげてしまった。

しかし、アーシアを追放した連中と一緒にされるのだけは勘弁して欲しいね。ゾンビは友達想いなのだ。

あと、神父共と一緒にされると変態のレッテルが俺にも貼られそう。やだよ!

あとゾンビだから神聖なやつらは嫌いなんだ!

あっ、ユーの神聖さというか神秘さというか・・・アレは別ね。ユーは俺にとって最高の癒しなんで。

 

「わ、悪かったわね」

 

あぁ! なんかリアス・グレモリー先輩・・・めんどいから先輩でいいや。先輩が謝っちゃった! そういうつもりじゃなかったんだけど!

 

「・・・もしかして、キミも何か・・・」

 

イケメンは何か言ってるけど、お前も教会連中と一緒にする気? やめてね? ゾンビに教会とか死ねと言ってるようなもんだよ? いや、神聖がめっちゃあるとかじゃなきゃ全然平気なんだけども。神社行けるし、むしろ新年に初詣毎年行ってるし。

 

「それで、違うのならどうして彼女を?」

 

「いや、チャンスあげられません?彼女だって、何だか仕方がなくやった感じではありましたし・・・彼女もその、色んな想いがあったんでしょう」

 

アッパーカットの前にやりたくてやったわけじゃないとか言ってたしさ。

 

「・・・確かに誰かのため、何かのために罪を被ってでも行動する精神だけはどんな種族であっても素晴らしいと思うわ」

 

あれ、行けんじゃね? ほんと、マジで怖いから早く離れたいよ。アーシアが心配そうに見つめてきてるし。

でも笑顔見せてくれた方が平気になれるかなぁ。

 

「でもね、彼女・・・レイナーレたち堕天使がやったことは許されることじゃないの。行動が間違えてたのよ。

その子、アーシアさんは結果的に無事だったから良いけどイッセーは殺されかけたの。それに、今見逃せばいずれ別の場所で別の子が被害に合うかもしれない」

 

マジで? 弁明の余地なくない? 傷害事件やっちゃったの? 傷害罪だよね? 刑法204条にあるやつ。ってか、よく生きてたな一誠。ちょっと尊敬---しねぇよ! 覗き犯にする尊敬なんてないわ!

というかさぁ、既に撮影の範疇(はんちゅう)超えてるんですけど!もう警察案件じゃん!

やっぱりクレイジー神父は悪いヤツだったのかよ!あれ?なら他の連中も悪い人たちだったの?

マジかァァァァ!!じゃあ、あれってガチで殺しに来てたのか!?

いや、撮影で本物の銃やら剣とか使うか?とか思ってたし薄々誘拐と気づいてたけど! 道理でカメラないわけだわ! 流石知力十八だぜ!

・・・悲しい。いやいや、それよりこれどうしたらいいの!? 事件起こしたなら罪償って貰うしかないよね? 何年掛かるかはわかんないけど、警察に引き渡すしかないよなぁ。

でも楽にするって発言的にこの先輩が堕天使を殺るってことだよね?それは・・・ダメじゃない?

事件起こしたなら、然るべき場所で受けないと。

タダでは許して貰えないだろうし・・・仕方がない、か。

 

「・・・えっ?」

 

「ちょ、アユム!?」

 

「あ、アユムさん?」

 

超 必 殺 技 !

ジ ャ ン ピ ン グ☆DO☆GE☆ZA!

ぎゃああぁぁああ! 足痛い!

打った! 久しぶりに着地ミスった!

選択を誤ったかッ!

 

「お願いします。彼女にチャンスをあげてください! 確かに、彼女は悪いことをしたかもしれない。でも、堕天使だろうが人間だろうが心はあります。彼女はやりたくてやったわけじゃないと言ってました。だったら、彼女の本心は、別だったのではないでしょうか・・・?

俺は彼女の本当の心を信じたいんです! もし何かあったら責任は俺が取りますから! 煮るなり焼くなりしてもらって構いません!」

 

意思疎通の出来ない相手なら、正直どうなっても何とも言えない。実際、これでも言葉の通じないバケモノは殺した経験などアホほどあるし。

 

ただ、俺が土下座を続けても先輩は何も言ってくれない。代わりに堕天使(レイナーレ?)が「どうして、そこまで私を・・・」と言っていたのが耳に届いた。

深い理由はないです。まあ、強いて言うなら誰かが死ぬところなんてユーが見たら悲しむと思うんだ。ユーって死ねとかの言葉嫌ってる節あるし、完全に悪!ってわけじゃないならやり直しぐらい出来るだろ?

どうしようもないクズや無理そうなやつは知らん。特に性犯罪に手を出したりするやつとか。

え? ユーに手を出すやつ? んなの誰であっても許さん。ぶっk・・・ぶっ殺す。

 

「・・・はぁ」

 

どれくらいしてたのか、先輩がため息を吐いたのが聞こえた。

 

「頭を上げてちょうだい」

 

言われた通り、頭を上げる。そこには困ったような、何処か感心したような、眩しいものを見るようにこめかみを抑えた先輩が居た。

 

「正直、あなたがそこまでやってあげる義理はないと思うのだけど・・・一人の男性の必死な嘆願(たんがん)を聞き入れないほど私は薄情(はくじょう)では無いわ」

 

「じゃあ・・・?」

 

「ええ、私からは何もしないわ。ただし、条件として堕天使側に連絡は入れさせて貰う・・・いいわね?」

 

それって然るべき場所なんだよね?だったらいいかな。ってか、この先輩良い人なのかもな。

 

「わかりました・・・あっ、その前にアーシアも大丈夫? 勝手に俺が決めちゃダメでしょ? アーシアが一番関わっただろうし・・・ってか俺初対面だし」

 

「え?」

 

アーシアの意思を無視したらダメだと思って聞いてみたら何やら先輩が再び驚いた様子。とりあえず無視で。

 

「は、はい。私はその・・・その方が、いいと思います。レイナーレ様は悪いことをしてしまったのかもしれませんが、私がこの町に来た時も良くしてくれました。それが本当だったのでしたら・・・私は嬉しいですから。少し怖くもありましたけど、えっと・・・あの、アユムさんが助けてくれましたし」

 

そう言って、アーシアはもじもじと恥ずかしそうに頬を赤めながら、はにかんで笑顔を向けてきた。

なんて良い子なんだ、アーシア・・・。いかがわしいことされそうになって怖かっただろうに。

やっぱり天使か?

 

「そっか」

 

あぁ^〜癒されるなぁ・・・。ま、アーシアの許可付きだし良くしてくれたってことは本当は良い人・・・堕天使?なのかもね。ただ才能に敵わず、嫉妬しちゃっただけで。

とにかく、俺の仕事は終えたみたいだし誰かがぶち撒けやがった鞄の中身戻そうっと。

そう思って立ち上がり、振り向くと何やら泣いてるレイナーレというらしい堕天使。

ファッ!? また泣かせた!

酷い、酷いぞこのゾンビ!

 

「なんで泣いてるんですん?」

 

驚きで変な言葉が出来上がっちゃった☆

 

「わ、分からないわ。けど、殺される可能性や戦うかもしれない可能性があったというのに、私のために跪く姿を見ていたら・・・ッ」

 

つまり俺が(みじ)めすぎて泣いてしまうくらい情けなかったってこと?

こっちが泣いちゃうぞ!いやまあ・・・人がかなり居る中でプライドの欠片もないジャンピング☆DO☆GE☆ZA披露したしね。足は持ち前の再生力でもう治ったけど。

でも、泣かれるのは絵面的にアウトなのでどうやったら泣き止んで・・・おっ、いいのあんじゃーん!

 

「はい、これ」

 

投げ捨てた鞄と違い、丁寧に置いておいた袋から一箱取り出し、差し出した。

これは俺のだけど。

 

「これは・・・?」

 

餞別(せんべつ)。然るべき場所で罪を償ったら、あんたが振り向いて欲しい人に振り向いて貰えるようおまじない付きの。だから、ちゃんと今までやってきた罪を償って、反省して人生をやり直してくれ。その時は俺も手伝う・・・約束だ」

 

まあ、おまじないなんて、ないんだけどね?行列が出来る限定スイーツなだけだし。でも惜しかったなぁ・・・ちょっと楽しみだったんだよね。

俺はキノコで我慢出来るしいいや・・・マンドラゴラを商人から入手したし。

 

「・・・ありがとう」

 

「じゃあ、いつかまた」

 

「・・・ええ」

 

そう言って、最後に彼女は笑顔を見せてきた。

恋愛はよく分からないけど、頑張ってくれ。笑顔は大事よ、仕事でもね。たぶん。

 

「じゃあ、時間も時間なので俺は帰りますね。アーシアのこと、お願いしても?」

 

「分かったわ。その代わり、近い内に話を聞かせてもらうわよ」

 

「あっ、はい」

 

何の話だろ?とは思ったが、いいや。ユーの飯作らないとダメだしね。

おっとと・・・お菓子じゃないよ?それはおっとっとっだからね?

そうじゃなくて---

 

「アーシア。はい忘れ物」

 

「・・・あっ」

 

アーシアに近づきながら鞄を探り、他は散らばったのに何故か入ったままだったヴェールをアーシアに被せてあげる。

うーむ、やっぱり似合ってる。かわいい。天使。

 

「これって・・・」

 

「それが導いてくれたんだ」

 

間違ってはない。もしかしたらこれがなかったら俺は帰ってたかもしれない。流石にアーシアってことが分かってたら行ってたと思うけど。

分かってなかったらスルーしてたね。俺、平和主義だし。面倒事やだし。

 

「これがアユムさんを私の元へ・・・」

 

「それと、これね。本来の目的のお土産」

 

嬉しそうに頭を抑えるアーシアに、袋から取り出して一箱差し出す。

残りの一箱はユーのだ。彼女、中々に大食漢(たいしょくかん)だからね。

 

「い、いいのですか?」

 

「ぜひぜひ貰ってくれ」

 

「ありがとうございます・・・!」

 

俺から一箱受け取ったアーシアは、笑顔を向けてきた。

ほほえま〜。

 

「うんうん。じゃあ、またいつか」

 

「はいっ!」

 

そう言っても、残念なことに出会う確率は高くないだろうけど。

とりあえず俺は、アーシアに手を振りつつ会釈して去っていった。

俺が見えなくなるまでずっと手を振ってくれてたことから、アーシアの優しさが分かるね。

 

---こうして、いかがわしい撮影かと思ったら誘拐のように見えてなんだか全貌がよく分からない堕天使による傷害事件?は解決したのだった。

しかし、これだけではなかった。なぜなら俺は今日、まだご飯を作っていないのだから---

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ、俺の制服取られたままじゃん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





原作と違う点
・一誠の覚醒がまさかの文章にすらなってない(あんま変わらないため)。
多分今回は純粋にジャンプ主人公みたいにアーシアを救う!みたいな感じでなったと思いますわ。

あと最後の「あっ、制服取られたままじゃん!」ってセリフなんですけど、投稿前に見直して気づいたので追加したという裏話。あと『ドーナシーク』が『ドーナツシーク』になっててやばかったぜ・・・一つ文字入れるだけでやばくなってた。

レイナーレはなんか勝手に生存しました。深夜テンションで基本的に書いてるせいで作者のテンションもよく可笑しいし主人公も可笑しいです。
まあ、ということなので補足すると一誠を殺したこと以外は二次創作でよくあるドーナツシ・・・ドーナシークさんがやり、アーシアの誘拐はただ連れていっただけと言うことで理解をお願い致します。

あとなにやら作者も一度しか覗かなかったので何処まで行ってたのか、何時間居たのか知りませんがランキング入りしてた見たいです。ありがとうございます!評価も気づいたら増えていたのでとても嬉しかったです!なので時間無理矢理取ってギリギリ間に合わせました!
これからもぜひぜひ評価、お気に入り、感想よろしくお願いします〜あっ、次回一章(原作小説一巻)のエピローグです・・・予定です。

ヒロイン数

  • ユーとアーシアのみ
  • うるせぇ!増やすんだよあくしろよ
  • 投稿日数増やせ、ハゲ
  • 戦闘シーンはやく♡
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