side ライナー
目が覚めたら、そこは見知らぬ国だった。なんかヒイズル国に似てるような………
トラック「ぶぉぉぉぉ‼︎」
ってマズい‼︎トラックに轢かれる…………っ‼︎
再び目が覚めると、そこは見知らぬ貴族の家だった。そしてその瞬間、存在しない記憶が沢山舞い込んできた。
俺は生き人形。顔を持たない、シャドー家という特殊な貴族に仕えている。主人のシャドーと従者である生き人形が一対一で生活しており、今日は俺の主人との初顔合わせだ。
さて、俺の主人は誰なのか………
ドア「ガチャ。」
扉を開けてやってきたのは………………
エレン「よう。前世ぶりだな、ライナー。」
ライナー「………エレン。」
全身煤まみれになったエレンだった。
エレン「ライナー、座れよ。」
ライナー「あ、ああ。」
何故こいつがここに居る?何故シャドー家なんだ?
ライナー「どうやって、何しにここに来た?」
エレン「………分からない。」
ライナー「えっ?」
予想外の答えに、俺は戸惑いが隠せなかった。
エレン「ちなみにお前は?」
ライナー「一旦ヒイズル国に転生して、そこでトラックに轢かれたんだ。そしたらここに居た。」
エレン「それ以外のことは?」
ライナー「………分からん。」
エレン「そうか。分からないなら、そりゃ仕方ないよなぁ。」
ライナー「あ、ああ………」
エレンは、そんな俺を慰めてくれた。俺はそれを見て自殺を乞いたかったが、ちょうどいい言葉が思いつかなかったのでやめた。
エレン「とにかく俺は、お前と同じだよ。」
ライナー「ああ。」
ということで、俺とエレンの転生生活が始まった。
しばらくすると、俺たちはお披露目というものに呼ばれた。
エレン「なぁライナー。お披露目はどうすればいいんだ?」
ライナー「ただやるべきことをやる。ただ進み続ける。それしかねえだろ。」
エレン「懐かしいな。そんな話昔もしたような………」
昔………あれは確か、俺が兵士だった頃か………嫌な記憶が蘇る………
エレン「ライナー、お披露目前に銃を咥えるのはやめろ。」
ライナー「がはっ………!」
そうだ、俺にはまだ、エレンが…………
side ケイト
なんなのかしら、あれ?なんで生き人形が銃を持ってるの?おかしくない?危なくない?しかも自殺しようとしてるし………
というかシャドーと体格が違いすぎない?しかも2人とも
side ライナー
俺たちは他の5組のシャドー&生き人形のペアと合流した後、エドワードという特別な生き人形と一緒に廊下を歩いた。そしてその後、俺たちはお披露目の間に到着した。そこには格付けみたいな4段の木箱のセットも用意されており、最下段にはトゲがあった。なんらかの方式で減点して、最下段に到達したら処分されるのだろうか?
また途中、エドワードからの変な質問があったが、難なくこなすことができた。戦士候補生時代の賜物………か。あとさっきから赤い服を着たシャドーにじろじろ見られてるんだが………気のせいか?
エドワード「生き人形はもう黒い布を取って良い。会話も自由だ。」
ちなみにさっきまで生き人形は黒い布を被せられてた。シャドーは元々顔がない。だからお互いの顔は分からなかった。さて、どんな顔をしてるんだか………
ショーン・リッキー「「よいしょっと。」」
男2人は………ファルコくらいの歳だろうか。
ラム「………ふぅ。」
この女の子は………凄く大人しそうだ。背丈はやはりファルコやガビを思い出すくらい…………
ルウ「………よっしょ。」
嘘………だろ⁉︎この声は…………っ⁉︎
ライナー「………ガビ。」
エレン「よう、サシャを殺したガキ。」
エドワード・ケイトペア・ジョンペア・パトリックペア「「「「⁉︎」」」」
シャーリーペア「「…………」」
ルウ「?」
他の人は驚いてるようだが、肝心の本人には心当たりがないようだ………
ルイーズ「嘘………でしょ⁉︎ライナーと………エレン・イェーガー⁉︎」
心当たりがあったのは、シャドーの方だったか。
ライナー「どうやって、何しにここに来た?」
ルイーズ「知らないわよ!それよりなんでアンタらがペアなのよ⁉︎」
エレン「俺はやっぱり、ライナーと同じなんだよ。」
ルイーズ「嘘でしょ⁉︎というかアタシ今はルイーズなんだけど!」
ライナー「そうか………」
とにかく、前世からの転生組が3人目。これは何かの手がかりになるかもしれないぞ………。ただ、名前が変わってるのか………
side エドワード
なんだ、何が起こってるんだ?生き人形ならともかく、シャドーは他のとはお披露目前まで交流がなかったはずだぞ?なのにどういうことだ?
というかやけに図体のでかいエレンペア。アイツらどう考えてもおかしいだろ。雰囲気が他と違いすぎる。人でも殺したことあんのか?大人の俺ですら勝てる気しないぞ…………?あれでまだお披露目前なのか………?恐ろし過ぎるぞ………?
side ケイト
人殺したことある?名前がライナーとエレンで似てない?いや、確かに
side ライナー
ついガビと昔話が弾んでしまった。早く後1人の生き人形を見なければ。そのシャドーはさっきからずっと俺の方を見ているし。
エミリコ「よ、よいしょっと!」
そこにいたのは、天使だった。金髪の童顔で、可愛らしい笑顔が俺の心を揺さぶった。生き人形はシャドーの顔という。つまりあの赤い服の子は、俺に気があるということだ‼︎
ライナー「………結婚したい。」
エミリコ「ケイト様、あの人たちって………」
ケイト「エミリコ、近寄っちゃダメよ。」
エレン「ライナー。お前、何言ってんだ?」
ライナー「忘れてくれ。今の話は、冗談だ………」
しまった、嫌われた………か?
ただ、名前を知れたのは大きかった。ケイトか。こいつが新しいヒストリアだな。いい匂いもするし。
しばらくすると、エドワードが話し始めた。
エドワード「きききき、君たち六組が今回の顔ぶれだ。さ、さぁ、見せて貰おうか?」
彼は緊張してるのか、震える声で話している。ただ、何を見せるのか分からない。他のお影様も不安になってるのか、煤を出し始めてる。
エレン「…………」パリパリピ
エレンも不安なのか、巨人化しそうになってる。マズい、ここは俺がなんとかしないと‼︎
ジョン「おい!見せろったって何をすればいいんだよ‼︎」
別のお影様がなんとかしてくれた。ただ、彼らは格下げされるのだろうか…………
エドワード「…………」ブルブル
ショーン・エミリコ「「よかった………」」
されなかった。あとやっぱりエドワード震えてないか?
その後、
ケイト「ここに用意されているんだから、食事も自由よね?ひとまず
エレン「俺は………自由だ………っ‼︎」
大天使ケイトの素敵な提案によって、俺たちは飯を食うことになった。
side パトリック
なんだあのデカい男は………?本当に同世代か?怖い、怖すぎる………なぁリッキー、俺はどうすればいいんだ?
リッキー「………パトリック様?」
パトリック「すまんリッキー、いつも通りだったな!」
リッキー「はい。」
と、とりあえず威張りにいくか…………まずはあの女に………
パトリック「ふ、ふん!大した顔とは思えないな!」
ルイーズ(ガビ)「な、何ですって⁉︎」
リッキー「………ぱ、パトリック様!その人人殺し………」
しっ、しまった!ついヤバい奴に声かけちまった‼︎マズい、殺される‼︎
パトリック「い、今の話は、冗談だ…………」
ルイーズ(ガビ)「酷い冗談ね。」
パトリック「すまない…………」
と、とにかく離れないと…………
side ケイト
厳ついエレンとその顔は置いとくとしても、エミリコが
エミリコ「ん^〜………お……お……お……」
ってエミリコが凄く美味しくてはしゃぎたそうにしている!ここは
ケイト「美味し過ぎるわ!転げ回るほど美味しい♪」
エミリコ「………」
と、とりあえずなんとか乗り切ったわね………
ジョン「なんだ。クールな奴かと思ったが、食事には素直だな。気に入ったぜ。」
エレン「ケイト、お前はいい奴だ。」
ライナー「結婚しよう。」
嘘、全然乗り切れてなかった。
side パトリック
くそっ、ケイトたちなら絡んで蹴落とせると思ったのに………っ!あのエレンに気に入られたら、手が出せないじゃないか!俺とリッキーが殺されるぞ!
side ライナー
その後、お披露目はケイトとエミリコの仲が深まったところで、第二ラウンドとなった。俺たち生き人形はお影様たちと別れさせられた後、今の部屋に取り残された。そしてそこでお菓子をたくさん食べ、中に入ってた鍵を使って部屋のドアを開けると………
エドワード「お、思ったよりも遅かったな。お、お前たちは大事なことも考えないのか………?」ブルブル
巨大でお洒落な庭園と、緊張で震えているエドワードがそこにはあった。
エミリコ「お影様たちはどこですか?」
エドワード「簡単なルールだ。主人を無事助けて合流し、庭園の出口まで決められた時間内にたどり着くこと。」
無事助け………ってこいつはケイトたちに何をしたんだ⁉︎
ショーン「お前、一体何をしたんだよ⁉︎」
エドワード「心配だろう?その気持ちは大切だよ。」
ライナー「人の気持ちを弄ぶってか。」
エドワード「ととと、とにかく、出口に着くまでに、生き人形は顔を傷つけてはならない。シャドーは服を汚してはならない。こここ、これを守っていただこうか⁉︎」
エドワードにはぐらかされた。ただ、ケイトたちを助けなきゃいけないことに変わりはねえ。なんとかしないと………
side エレン
その日、俺は思い出した。鳥籠の中に囚われてた、屈辱を…………
side ライナー
俺たちが庭園に持ってく道具を決めかねてると、
エレン「うぉぉぉぉぉぉ‼︎」
庭園内で囚われていたエレンが巨人化して出現した。嘘だろ、この世界でも出来んのかよ…………
リッキー「嘘だろ、なんだアレ⁉︎」
ショーン「化け物じゃないか………⁉︎」
ラム「あの見た目………まさかエレン様?」
ルウ「…………怖い。」
エドワード「……………」ブルブル
皆が恐れ慄く中、
エミリコ「うわぁ、カッコいいですぅ!きっと皆さんを助けてくれます!」
エミリコだけははしゃいでいた。そうだ、アイツはもう前世とは違って、人を殺す必要はなかったんだ。この世界で、やっとヒーローになれたんだったな!
ライナー「よしお前ら、アイツにかけてみようぜ!全員を救ってくれるかを!」
ショーン「そ、そんな…………」
エミリコ「エレン様は悪い人じゃないはずです!きっと大丈夫ですよ!」
ラム「エミリコが………そう言うなら………」
リッキー「おいルウ、お前なんか知ってんだろ!」
ルウ「私は何も知らない。知ってるのはルイーズ様。」
そうか、ガビにとってエレンは完全なる敵だったな。となると、ここは俺も行くしかないか…………
ライナー「よしっ、俺も行くか。」
ショーン「嘘………だろ?」
リッキー「お前もああなれるのか………?」
ライナー「ああ。」
エミリコ「素敵ですっ!」
ケイトの顔でそう言われると、なんだかケイトに褒められた気分になるな………
side ルイーズ(ガビ)
ダメ、エレン・イェーガーに、壊される………
ルイーズ(ガビ)(ライナァァァァァ‼︎助けてぇぇぇぇぇ‼︎
って声が出ない⁉︎くそっ、口枷をはめられてんのか………って!
エレン巨人「………」
奴がすぐそこにいる。どうしよう………
エレン巨人「…………」ぶちっ
って
エレン巨人「…………」ひょい
まさか助けれくれるの?
ジョン「ルイーズ、無事だったか!」
パトリック「とりあえず、エレンに乗れ!」
シャーリー「………」
エレンの肩に乗ってる3人。これはもう、信用すべきだろう。
ルイーズ(ガビ)「ありがとう、エレン。」
こうして、
side ライナー
道中でエレンと会った。
ジョン「ライナーも巨人化出来るのか‼︎」
シャーリー「…………すごい。」
ルイーズ(ガビ)「私もあと少しでああなれたんだけどね……っ!」
パトリック「嘘つけ。」
ケイトだけが居ない。奴は…………いた、あそこだ。茨の道のど真ん中、鳥籠に囚われている。あの危険な道を行くには、頑丈な鎧の巨人が合ってるだろう‼︎ありがとう、エレン!ここで俺がケイトを助けて、きっちりプロポーズしてやるぜ!
side ケイト
怖い、怖いわ………さっきからドンドンドンドン巨人が走り回る音がするし…………あれ何なの⁉︎意味分かんないんだけど⁉︎シャドー家になんであんな化け物が紛れ込んでんのよ‼︎
鳥籠「…………」ガタッ
ってマズい!シャドーは不安になると煤が出る。この籠はその煤が当たると、鎖が切れる仕組みになっている。このままだと下の棘地獄に落ちるし‼︎なんとか不安を抑えないと…………
って無理ぃ‼︎こんな不安な環境に、あんな化け物が2体もいるのよ‼︎しかも片方は私に求婚してきたし‼︎顔似てるから多分そうでしょ!ああもぅ、なんなのよこれ‼︎というか近づいてくるし‼︎怖い、怖い…………
鳥籠「…………」ガッシャーン‼︎
ってマズい、鎖が全部切れた‼︎鳥籠が落ちて、私は茨の海に…………
鎧の巨人「…………」ズサー
落ちる前に、鎧の巨人が助けてくれた。私と茨の間に挟まってくれた。この人、意外と優しいのね。
ケイト「ありがとう、ライナー。」
私はそっと、感謝の言葉を告げた。結婚とかは流石にアレだけど。
side ライナー
結婚できた………っ‼︎
side ライアン
なんだこれは⁉︎突然シャドーと生き人形が巨人になったかと思えば、庭園内を暴れ始めやがったぞ‼︎ふざけんな‼︎皆仲良くゴールとか、許せねぇよなぁ⁉︎
ライアン「偉大なるおじい様、マズいです‼︎早くエレンとその生き人形を殺さないと、取り返しがつかなくなります‼︎」
おじいさまに許可を取れば、いけるはず…………
偉大なる
嘘………だろ?こんなことがあっていいのかよ………?
ということで、ライナーとエレンが一旦日本に転生してトラックに轢かれた後、シャドーハウスの世界に転生して巨人化能力で無双する話でした。例の嘘予告のせいです。
ちなみにガビをルウじゃなくてルイーズにしたのは、そっちのが性格が似ているからです。
次回、どれがいいですか?(プリプリはタイトルの後ろにBraun Handlerを付ける予定)
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プリンセス・プリンシパル
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私に戦士が舞い降りた‼︎
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大正戦士御伽話
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ぐらんぶらうん
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バカと銃と鎧の巨人