異世界ライナー集   作:スピリタス3世

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 シャドーハウスの世界にライナーたちが転生しました。ちなみにライナーは生き人形です。


シャドーライナー

  side ライナー

 

 目が覚めたら、そこは見知らぬ国だった。なんかヒイズル国に似てるような………

 

トラック「ぶぉぉぉぉ‼︎」

 

 ってマズい‼︎トラックに轢かれる…………っ‼︎

 

 

 

 

 

 再び目が覚めると、そこは見知らぬ貴族の家だった。そしてその瞬間、存在しない記憶が沢山舞い込んできた。

 

 俺は生き人形。顔を持たない、シャドー家という特殊な貴族に仕えている。主人のシャドーと従者である生き人形が一対一で生活しており、今日は俺の主人との初顔合わせだ。

 

 さて、俺の主人は誰なのか………

 

ドア「ガチャ。」

 

 扉を開けてやってきたのは………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エレン「よう。前世ぶりだな、ライナー。」

ライナー「………エレン。」

 

 全身煤まみれになったエレンだった。

 

エレン「ライナー、座れよ。」

ライナー「あ、ああ。」

 

 何故こいつがここに居る?何故シャドー家なんだ?

 

ライナー「どうやって、何しにここに来た?」

エレン「………分からない。」

ライナー「えっ?」

 

 予想外の答えに、俺は戸惑いが隠せなかった。

 

エレン「ちなみにお前は?」

ライナー「一旦ヒイズル国に転生して、そこでトラックに轢かれたんだ。そしたらここに居た。」

エレン「それ以外のことは?」

ライナー「………分からん。」

エレン「そうか。分からないなら、そりゃ仕方ないよなぁ。」

ライナー「あ、ああ………」

 

 エレンは、そんな俺を慰めてくれた。俺はそれを見て自殺を乞いたかったが、ちょうどいい言葉が思いつかなかったのでやめた。

 

エレン「とにかく俺は、お前と同じだよ。」

ライナー「ああ。」

 

 ということで、俺とエレンの転生生活が始まった。

 

 

 

 

 

 しばらくすると、俺たちはお披露目というものに呼ばれた。

 

エレン「なぁライナー。お披露目はどうすればいいんだ?」

ライナー「ただやるべきことをやる。ただ進み続ける。それしかねえだろ。」

エレン「懐かしいな。そんな話昔もしたような………」

 

 昔………あれは確か、俺が兵士だった頃か………嫌な記憶が蘇る………

 

エレン「ライナー、お披露目前に銃を咥えるのはやめろ。」

ライナー「がはっ………!」

 

 そうだ、俺にはまだ、エレンが…………

 

 

 

 

  side ケイト

 

 なんなのかしら、あれ?なんで生き人形が銃を持ってるの?おかしくない?危なくない?しかも自殺しようとしてるし………

 

 というかシャドーと体格が違いすぎない?しかも2人とも(ケイト)たちより2回りくらい大きいし………。もしかして特殊な生き人形なのかしら?でもそんな話は聞いたことがないし…………

 

 

 

 

  side ライナー

 

 俺たちは他の5組のシャドー&生き人形のペアと合流した後、エドワードという特別な生き人形と一緒に廊下を歩いた。そしてその後、俺たちはお披露目の間に到着した。そこには格付けみたいな4段の木箱のセットも用意されており、最下段にはトゲがあった。なんらかの方式で減点して、最下段に到達したら処分されるのだろうか?

 

 また途中、エドワードからの変な質問があったが、難なくこなすことができた。戦士候補生時代の賜物………か。あとさっきから赤い服を着たシャドーにじろじろ見られてるんだが………気のせいか?

 

エドワード「生き人形はもう黒い布を取って良い。会話も自由だ。」

 

 ちなみにさっきまで生き人形は黒い布を被せられてた。シャドーは元々顔がない。だからお互いの顔は分からなかった。さて、どんな顔をしてるんだか………

 

ショーン・リッキー「「よいしょっと。」」

 

 男2人は………ファルコくらいの歳だろうか。

 

ラム「………ふぅ。」

 

 この女の子は………凄く大人しそうだ。背丈はやはりファルコやガビを思い出すくらい…………

 

ルウ「………よっしょ。」

 

 嘘………だろ⁉︎この声は…………っ⁉︎

 

ライナー「………ガビ。」

エレン「よう、サシャを殺したガキ。」

エドワード・ケイトペア・ジョンペア・パトリックペア「「「「⁉︎」」」」

シャーリーペア「「…………」」

ルウ「?」

 

 他の人は驚いてるようだが、肝心の本人には心当たりがないようだ………

 

ルイーズ「嘘………でしょ⁉︎ライナーと………エレン・イェーガー⁉︎」

 

 心当たりがあったのは、シャドーの方だったか。

 

ライナー「どうやって、何しにここに来た?」

ルイーズ「知らないわよ!それよりなんでアンタらがペアなのよ⁉︎」

エレン「俺はやっぱり、ライナーと同じなんだよ。」

ルイーズ「嘘でしょ⁉︎というかアタシ今はルイーズなんだけど!」

ライナー「そうか………」

 

 とにかく、前世からの転生組が3人目。これは何かの手がかりになるかもしれないぞ………。ただ、名前が変わってるのか………

 

 

 

 

  side エドワード

 

 なんだ、何が起こってるんだ?生き人形ならともかく、シャドーは他のとはお披露目前まで交流がなかったはずだぞ?なのにどういうことだ?

 

 というかやけに図体のでかいエレンペア。アイツらどう考えてもおかしいだろ。雰囲気が他と違いすぎる。人でも殺したことあんのか?大人の俺ですら勝てる気しないぞ…………?あれでまだお披露目前なのか………?恐ろし過ぎるぞ………?

 

 

 

 

  side ケイト

 

 人殺したことある?名前がライナーとエレンで似てない?いや、確かに(ケイト)もエミリコっていう全然違う名前をつけたけど、それとは明らかに事情が違いそうじゃない?ホント、なんなのかしら………?

 

 

 

  

  side ライナー

 

 ついガビと昔話が弾んでしまった。早く後1人の生き人形を見なければ。そのシャドーはさっきからずっと俺の方を見ているし。

 

エミリコ「よ、よいしょっと!」

 

 そこにいたのは、天使だった。金髪の童顔で、可愛らしい笑顔が俺の心を揺さぶった。生き人形はシャドーの顔という。つまりあの赤い服の子は、俺に気があるということだ‼︎

 

ライナー「………結婚したい。

エミリコ「ケイト様、あの人たちって………」

ケイト「エミリコ、近寄っちゃダメよ。」

エレン「ライナー。お前、何言ってんだ?」

ライナー「忘れてくれ。今の話は、冗談だ………」

 

 しまった、嫌われた………か?

 

 ただ、名前を知れたのは大きかった。ケイトか。こいつが新しいヒストリアだな。いい匂いもするし。

 

 

 

 

 

 しばらくすると、エドワードが話し始めた。

 

エドワード「きききき、君たち六組が今回の顔ぶれだ。さ、さぁ、見せて貰おうか?」

 

 彼は緊張してるのか、震える声で話している。ただ、何を見せるのか分からない。他のお影様も不安になってるのか、煤を出し始めてる。

 

エレン「…………」パリパリピ

 

 エレンも不安なのか、巨人化しそうになってる。マズい、ここは俺がなんとかしないと‼︎

 

ジョン「おい!見せろったって何をすればいいんだよ‼︎」

 

 別のお影様がなんとかしてくれた。ただ、彼らは格下げされるのだろうか…………

 

エドワード「…………」ブルブル

ショーン・エミリコ「「よかった………」」

 

 されなかった。あとやっぱりエドワード震えてないか?

 

 その後、

 

ケイト「ここに用意されているんだから、食事も自由よね?ひとまず(ケイト)はお茶でもいただくわ。」

エレン「俺は………自由だ………っ‼︎」

 

 大天使ケイトの素敵な提案によって、俺たちは飯を食うことになった。

 

 

 

 

  side パトリック

 

 なんだあのデカい男は………?本当に同世代か?怖い、怖すぎる………なぁリッキー、俺はどうすればいいんだ?

 

リッキー「………パトリック様?」

パトリック「すまんリッキー、いつも通りだったな!」

リッキー「はい。」

 

 と、とりあえず威張りにいくか…………まずはあの女に………

 

パトリック「ふ、ふん!大した顔とは思えないな!」

ルイーズ(ガビ)「な、何ですって⁉︎」

リッキー「………ぱ、パトリック様!その人人殺し………」

 

 しっ、しまった!ついヤバい奴に声かけちまった‼︎マズい、殺される‼︎

 

パトリック「い、今の話は、冗談だ…………」

ルイーズ(ガビ)「酷い冗談ね。」

パトリック「すまない…………」

 

 と、とにかく離れないと…………

 

 

 

 

  side ケイト

 

 厳ついエレンとその顔は置いとくとしても、エミリコが(ケイト)の顔になりきれてないわね。どうしよう………とりあえず、このマカロンを食べて………

 

エミリコ「ん^〜………お……お……お……」

 

 ってエミリコが凄く美味しくてはしゃぎたそうにしている!ここは(ケイト)が合わせないと!

 

ケイト「美味し過ぎるわ!転げ回るほど美味しい♪」

エミリコ「………」

 

 と、とりあえずなんとか乗り切ったわね………

 

ジョン「なんだ。クールな奴かと思ったが、食事には素直だな。気に入ったぜ。」

エレン「ケイト、お前はいい奴だ。」

ライナー「結婚しよう。」

 

 嘘、全然乗り切れてなかった。

 

 

 

 

  side パトリック

 

 くそっ、ケイトたちなら絡んで蹴落とせると思ったのに………っ!あのエレンに気に入られたら、手が出せないじゃないか!俺とリッキーが殺されるぞ!

 

 

 

 

  side ライナー

 

 その後、お披露目はケイトとエミリコの仲が深まったところで、第二ラウンドとなった。俺たち生き人形はお影様たちと別れさせられた後、今の部屋に取り残された。そしてそこでお菓子をたくさん食べ、中に入ってた鍵を使って部屋のドアを開けると………

 

エドワード「お、思ったよりも遅かったな。お、お前たちは大事なことも考えないのか………?」ブルブル

 

 巨大でお洒落な庭園と、緊張で震えているエドワードがそこにはあった。

 

エミリコ「お影様たちはどこですか?」

エドワード「簡単なルールだ。主人を無事助けて合流し、庭園の出口まで決められた時間内にたどり着くこと。」

 

 無事助け………ってこいつはケイトたちに何をしたんだ⁉︎

 

ショーン「お前、一体何をしたんだよ⁉︎」

エドワード「心配だろう?その気持ちは大切だよ。」

ライナー「人の気持ちを弄ぶってか。」

エドワード「ととと、とにかく、出口に着くまでに、生き人形は顔を傷つけてはならない。シャドーは服を汚してはならない。こここ、これを守っていただこうか⁉︎」

 

 エドワードにはぐらかされた。ただ、ケイトたちを助けなきゃいけないことに変わりはねえ。なんとかしないと………

 

 

 

 

  side エレン

 

 その日、俺は思い出した。鳥籠の中に囚われてた、屈辱を…………

 

 

 

 

  side ライナー

 

 俺たちが庭園に持ってく道具を決めかねてると、

 

エレン「うぉぉぉぉぉぉ‼︎」

 

 庭園内で囚われていたエレンが巨人化して出現した。嘘だろ、この世界でも出来んのかよ…………

 

リッキー「嘘だろ、なんだアレ⁉︎」

ショーン「化け物じゃないか………⁉︎」

ラム「あの見た目………まさかエレン様?」

ルウ「…………怖い。」

エドワード「……………」ブルブル

 

 皆が恐れ慄く中、

 

エミリコ「うわぁ、カッコいいですぅ!きっと皆さんを助けてくれます!」

 

 エミリコだけははしゃいでいた。そうだ、アイツはもう前世とは違って、人を殺す必要はなかったんだ。この世界で、やっとヒーローになれたんだったな!

 

ライナー「よしお前ら、アイツにかけてみようぜ!全員を救ってくれるかを!」

ショーン「そ、そんな…………」

エミリコ「エレン様は悪い人じゃないはずです!きっと大丈夫ですよ!」

ラム「エミリコが………そう言うなら………」

リッキー「おいルウ、お前なんか知ってんだろ!」

ルウ「私は何も知らない。知ってるのはルイーズ様。」

 

 そうか、ガビにとってエレンは完全なる敵だったな。となると、ここは俺も行くしかないか…………

 

ライナー「よしっ、俺も行くか。」

ショーン「嘘………だろ?」

リッキー「お前もああなれるのか………?」

ライナー「ああ。」

エミリコ「素敵ですっ!」

 

 ケイトの顔でそう言われると、なんだかケイトに褒められた気分になるな………

 

 

 

 

 

  side ルイーズ(ガビ)

 

 ダメ、エレン・イェーガーに、壊される………

 

ルイーズ(ガビ)(ライナァァァァァ‼︎助けてぇぇぇぇぇ‼︎(ルイーズ)やケイトたちが、食べられるぅぅぅぅぅ‼︎)

 

 って声が出ない⁉︎くそっ、口枷をはめられてんのか………って!

 

エレン巨人「………」

 

 奴がすぐそこにいる。どうしよう………

 

エレン巨人「…………」ぶちっ

 

 って(ルイーズ)を閉じ込めてた、天井の茂みを取っ払ってくれた………?それどころか、手を縛ってた紐も切ってくれた?

 

エレン巨人「…………」ひょい

 

 まさか助けれくれるの?(ガビ)の頃からの因縁があるのに………?

 

ジョン「ルイーズ、無事だったか!」

パトリック「とりあえず、エレンに乗れ!」

シャーリー「………」 

 

 エレンの肩に乗ってる3人。これはもう、信用すべきだろう。

 

ルイーズ(ガビ)「ありがとう、エレン。」

 

 こうして、()はエレンの巨大な手を取った。

 

 

 

 

  side ライナー

 

 道中でエレンと会った。

 

ジョン「ライナーも巨人化出来るのか‼︎」

シャーリー「…………すごい。」

ルイーズ(ガビ)「私もあと少しでああなれたんだけどね……っ!」

パトリック「嘘つけ。」

 

 ケイトだけが居ない。奴は…………いた、あそこだ。茨の道のど真ん中、鳥籠に囚われている。あの危険な道を行くには、頑丈な鎧の巨人が合ってるだろう‼︎ありがとう、エレン!ここで俺がケイトを助けて、きっちりプロポーズしてやるぜ!

 

 

 

 

 

 

 

  side ケイト

 

 怖い、怖いわ………さっきからドンドンドンドン巨人が走り回る音がするし…………あれ何なの⁉︎意味分かんないんだけど⁉︎シャドー家になんであんな化け物が紛れ込んでんのよ‼︎

 

鳥籠「…………」ガタッ

 

 ってマズい!シャドーは不安になると煤が出る。この籠はその煤が当たると、鎖が切れる仕組みになっている。このままだと下の棘地獄に落ちるし‼︎なんとか不安を抑えないと…………

 

 って無理ぃ‼︎こんな不安な環境に、あんな化け物が2体もいるのよ‼︎しかも片方は私に求婚してきたし‼︎顔似てるから多分そうでしょ!ああもぅ、なんなのよこれ‼︎というか近づいてくるし‼︎怖い、怖い…………

 

鳥籠「…………」ガッシャーン‼︎

 

 ってマズい、鎖が全部切れた‼︎鳥籠が落ちて、私は茨の海に…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鎧の巨人「…………」ズサー

 

 落ちる前に、鎧の巨人が助けてくれた。私と茨の間に挟まってくれた。この人、意外と優しいのね。

 

ケイト「ありがとう、ライナー。」

 

 私はそっと、感謝の言葉を告げた。結婚とかは流石にアレだけど。

 

 

 

 

  side ライナー

 

 結婚できた………っ‼︎

 

 

 

 

  side ライアン

 

 なんだこれは⁉︎突然シャドーと生き人形が巨人になったかと思えば、庭園内を暴れ始めやがったぞ‼︎ふざけんな‼︎皆仲良くゴールとか、許せねぇよなぁ⁉︎

 

ライアン「偉大なるおじい様、マズいです‼︎早くエレンとその生き人形を殺さないと、取り返しがつかなくなります‼︎」

 

 おじいさまに許可を取れば、いけるはず…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

偉大なるおじいさま(諫山先生)「エレンはともかく、ライナーだけは殺してはならない。」

 

 嘘………だろ?こんなことがあっていいのかよ………?




 ということで、ライナーとエレンが一旦日本に転生してトラックに轢かれた後、シャドーハウスの世界に転生して巨人化能力で無双する話でした。例の嘘予告のせいです。

 ちなみにガビをルウじゃなくてルイーズにしたのは、そっちのが性格が似ているからです。

次回、どれがいいですか?(プリプリはタイトルの後ろにBraun Handlerを付ける予定)

  • プリンセス・プリンシパル 
  • 私に戦士が舞い降りた‼︎
  • 大正戦士御伽話
  • ぐらんぶらうん
  • バカと銃と鎧の巨人

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