風邪を引いたアスカを看病するシンジ君のお話です

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愛しの人の温もり

朝、目を覚ますと、いつもより視界がぼやけている気がする。

背中が汗でびっしょりと濡れていて気持ち悪い

それに身体もなんだか重い。

私はどうにかフラついた足取りで部屋を出て、リビングにある

シンジの用意した、朝食を食べようとしたが、

身体が受け付けてくれない。

普段なら喜んでシンジの手料理を食べれるのに、それが出来ない。

箸が進んでいない私を不安に思ったのか

「大丈夫?アスカ、どこか具合でも悪いの?」と心配そうに

聞いてくるシンジを心配させないため。

無理矢理箸を進めたが、結果私はシンジの手料理を吐いてしまった。

胃液とシンジの手料理が混じった匂いがツーンと鼻に来るのがキツい。

その匂いを嗅ぐだけでまた、吐きそうになったが口を手で抑え

どうにか、吐かない様にした。

シンジは私に優しく

「大丈夫アスカ?ここは僕が、やっとくから、トイレで戻してきなよ」と

私を手を優しく引きながら私をトイレまで連れて行ってくれた。

私がトイレで吐いている間、シンジは私が吐いた後始末をしてくれた。

私はフラついた足取りでリビングに戻り、熱を測った。

「38.6℃」とポツリと呟いた。

それを聞いた、シンジは私に今日は学校を休む様促すが、

私は「こんぐらいの熱、ドイツに居た頃は訓練してたわ」と

シンジの優しさを受け入れなかった。

ここで引き下がらないのが私の愛しの人。

シンジは、私の肩を掴み、目を見て

「アスカ、ここはもう、ドイツじゃないんだ、それに、アスカや僕たちはもう、エヴァに乗らなくて良いんだよ」と言ってくれた。

私はハッとした。そうだ、私は昔の様に気負わなくて良いんだ。

「そうね…今日は休ませて貰うわ」とポツリと呟き、

リビングをあとにして、部屋に戻った。

私はベットで横になろうと思ったが、服が汗で濡れている事を思い出し、

服を着替えようとしたその時、ドアの向こうから、

「アスカ、入っても良い?」とシンジの声が聞こえた。

私はシンジを部屋に入れた。

するとシンジは、私に「アスカ、着替える前にこれで体を拭きなよ」と

手に持っていた蒸しタオルを渡してくれた。

私は「シンジ、やってくれない?」と頼んでみた。

シンジは私の頼みを聞いてくれた。

私はパジャマを脱ごうとするが視点が、

上手く定まらず、上手く脱ぐ事が出来ない。

そんな私にシンジは優しく「アスカ、手伝おうか?」と言ってくれた。

私はコクリと頷いた。

シンジは、優しく、パジャマを上から脱がせてくれた。

そして、裸体になった私にそっと、蒸しタオルを当てる。

タオルは、少し冷えてしまったが、それでも私にとっては、

十分に心地良い温度だった。

シンジは私の身体に優しくそっとタオルを這わせてくれる。

えっちな事をする時とはちょっと違うシンジの優しさと温もりが

タオル越しに伝わって来る。

なんて心地良い気分になれるのだろうか、この時間が

もう少し続けば良いのに、と思ってしまうが、

そんな時間は長くは続かず、もう、終わってしまった。

シンジは、私の身体を拭き終わり、

私に「終わったよアスカ、着替え一人で出来る?」と私に聞いてくれた。

私は「でき…ないかも…しれない」と

言葉が途切れ途切れになってしまった。

シンジは「うん」と頷いてくれた。

私はフラつきながらも、タンスから、替えの下着と

パジャマをシンジに渡した。

シンジは私に「アスカ、足、上げてもらえる?」と優しく言ってくれた。

私は「うん」とコクリと頷き、足を上げた。

何回か姿勢を崩し、シンジへと倒れそうになったが、その都度シンジは、

私が倒れない様に、支えてくれた。

どうにか、シンジの助けもあって私は、

替えのパジャマに着替える事が出来た。

「ありがとう…シンジ…私は…もう寝るわ…」と言った。

「わかったよアスカ、おやすみなさい」と優しく言って、

部屋を出て行ってしまった。

私は、静かになった部屋のベットに潜る。

今まで、以上に一人でいる寂しさを実感してしまう。

やっぱり、シンジと出会って、付き合う様になったからなのかしら?

寝れないと思ったけど、ベットに潜ってしまうと、そんな事はなかった。

私は意識が朧気のなり、気づいたら夢の世界にいた。

目の前にはシンジがいた。

私は、シンジの事を呼ぶが、反応が無い。

シンジの元の駆け寄ろうとすると、シンジはどんどんと離れてしまう。

夢中でシンジの事を追いかけていると、ある扉の前に来ていた。

シンジはその扉に吸い込まれる様に中へ入っていた。

シンジが吸い込まれた、扉は何度も見た覚えがある。

この扉を開けてしまったらこの先には、首を吊って自殺したママが居る。

恐る恐る扉を開けてみた。

そこには、ママではなく男の人が首を吊っていた。

その男の人を良く見てみると、首を吊っているのはシンジだった。

「いやぁぁっーーーーーーーーーーー」私は絶叫した。

私は必死にシンジの首に繋がれたロープを解いた。

シンジの事を上手く受け止め切れず、バタリと鈍い音が部屋に響いた。

体温が失われたシンジを抱きかかえ、嗚咽する。

違う。これはシンジじゃない。

シンジは黙って私の元から離れたりしない、

じゃぁ私が抱きかかえているシンジは誰なの?

恐る恐る、シンジの顔を覗き込むと、それはシンジでは無かった。

じゃぁ本物のシンジはどこに居るの?

私は必死に声が枯れるまで、シンジの事を呼んだ。

でも呼び掛けに応じる声は一つも無かった。

私は諦め、座り込んでしまった。

「また、これで一人なのねアスカ、これからまた、シンジと、

出会う前みたいに頑張るのよアスカ」と

自分に言い聞かせるしか無かった。

「…スカ…スカ…ア…スカ…」どこからか、私を呼ぶ声がする。

「…シン…ジ…な…の…」と呟き、辺りを見渡すが、

シンジらしき人影が見当たらない。

今度はさっきより強い呼び掛けで、私を呼ぶ。

「アスカ!アスカ!」

気付いたら、目の前にシンジが居た。私はシンジが本物かどうかを

確かめる為にシンジの頬に手を伸ばした。

伸ばした手を力強く握ってくれる手は、夢の中の、

シンジもどきとは、違った。

その手には、シンジ特有の温もりと優しさがあった。

「良かったぁアスカ、うなされていたから心配したよ」

そうか、あれはやっぱり夢だったの

なんで今シンジが家に居るのもう学校は終わったのかしら?

私、そんなに長い時間寝ていたのかしら?

「シンジ、学校は終わったの?」

「学校はまだ終わってないよ、僕も休んだんだ

アスカ、一人にする訳にはいかないからね」と優しく微笑んでくれた。

だからあんたはバカシンジなのよ。

「ありがとう…シンジ」と言うとシンジはまた微笑んでくれた。

時間が気になり私は横目で時計を見た。

時間はまだ12時前だった。

私が時計を見ていた事に気付きシンジは優しく

「お粥、作ったけど食べれる?」と聞いてくれた。

私は「ごめん…シンジ、まだ…食欲…無いの…」と

申し訳無さそうに言うとシンジは、

「良いんだアスカ、また何かあったらリビングに居るから呼んでね」と

言って私の部屋から去ろうとするシンジの袖を掴み

「いか…ないで…」とシンジの事を引き留める。

「そうだったねアスカ、アスカが悪夢を見ない様に手、握ろうか?」と

言ってくれる。私はシンジの優しさに甘える。

「あり…がとう…シンジ…あと…頭も…撫でてくれるかしら?お願い…」と甘える。

シンジは、ベットの横に座り込み、私の願いの通りに、

手を握り、頭を優しく撫でてくれた。

シンジの手から伝わる温もりが心地良い。

「おやすみ…なさい…シンジ…」と

意識が朧気になりながら、シンジに伝える。

「おやすみなさい、アスカ、今度は良い夢見れると良いね」

そして私は、また、夢の世界へと向かった。

今度は絶対に良い夢が見れる気がする、

だってシンジが傍に居てくれるから。


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