ダンジョンでモンスターマスターを目指すのはきっと間違っていないはずだ。   作:珊瑚宮出身イマジン

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どうしても書きたくて書いちゃった奴です。
(続きを書くかはわから)ないです



プロローグ︰そして少年と少女は出逢った

ダンジョン。

 

それは、迷宮都市オラリオの中央部に存在する摩天楼施設『バベル』、その真下にあるという数多くのモンスターが生み出され棲息しているという魔窟である。

 

一般人であれば、そんな恐ろしく命の危険が伴うような所なんぞ潜りたくもなくなるというものだが、このオラリオにおいてのみ例外が存在する。

 

それが、冒険者。

 

冒険者とは、主にダンジョンに潜りモンスターを狩ることで得る魔石という所謂モンスターの心臓にあたる紫紺の結晶や、ドロップアイテムと呼ばれる特定のモンスターから得ることのできるモンスターの身体の一部分を、売ったり取引などに使う事によって収入を得る者達のことだ。

 

このオラリオには、そういった冒険者を沢山抱えている団体組織…ファミリアと呼ばれるものがある。

 

ファミリアとは『神の眷族』という意味であり、その意味の通りこのオラリオに降り立った神々…所謂神様が与えた『恩恵』を持つ者を集めて組織した集団のことを指す。

その集団の方針はそれぞれで異なっており、探索系、商業系、製作系、医療系……一概にファミリアといっても、神々ごとにこういった違いが存在するのだ。

先述した冒険者の多くは、この探索系ファミリアというものに所属している。

そのため、同じ冒険者といえどファミリアが違う、なんてことはザラにあるのだ。

 

細かい部分の説明はまだまだあるのだが、今回は割愛しよう。

 

 

そして、そのファミリアの一つに【アストレア・ファミリア】という組織がある。

 

 

このファミリアは神々の中の一柱、正義と秩序を司る女神アストレアが運営している探索系ファミリアである。

 

構成員全てが女性、数は11人、それも全員が第二級冒険者。

 

このファミリアもまた、ダンジョンに潜りお金を稼ぐことで収入を得ているのだが、このファミリアは少々特殊でダンジョン探索の他にもオラリオの秩序を乱す者を取り締まる憲兵のような役割…所謂警察のようなことも行っている。

 

そして今回、その警察のようなものの仕事の一環として、現在アストレアファミリアの団員全てがダンジョン内の異変調査、という名目でダンジョンの奥深く…25階層へと向かっていた。

 

 

「なんかいつもと雰囲気違わない?このダンジョン内…」

 

そう少し不安げに呟くこの女性の名は、アリーゼ・ローヴェル。

 

赤髪のポニーテールと緑の瞳、そしてまるで私服の上から付けましたと言わんばかりの胸元と両肩のみの防具という軽装備が特徴のアストレアファミリアの団長だ。

ちなみに団員も含めて全員レベルは4である。

 

「だから言ったであろう団長様…あの手紙は罠かもしれんと。

なんだあの『ダンジョン25階層にて異変の兆しあり、速やかに調査されたし』とかいう依頼文…他に何も書いてないし、怪しさ満点というものだぞ」

 

そう言いため息をつく黒の長髪と着物姿が特徴のこの女性は、ゴジョウノ・輝夜。

オラリオ全体で見ても珍しい極東の貴族出身であり、アストレアファミリアの副団長である。

 

「そうかもしれないけど……ほら、例え誰であれやっぱり正義の派閥としては、あんな大事そうな依頼をされたら受けるしかないわよね!ふふん!」

 

「そこ誇っていいところじゃねぇと思うんだが…」

 

そんな輝夜の言葉をアリーゼは聞きつつ、彼女特有のポジティブシンキングで先程までの不安げな態度から一転、明るい表情で胸を張って答えた。

 

そんな彼女にツッコミを入れるこの小柄な女性はライラ。

桃色の髪でショートカット、そして小柄で男口調っぽいところが特徴の者だ。

 

と、そんなこんなで雑談しながら進んでいくと、依頼の通りの25階層に到達する。

 

「ここよね…?」

 

「ああ、ここで合ってるぞ。さっさと終わらせて帰りたいから手っ取り早く済ませるか」

 

「同感です。私も手早く済ませましょう」

 

そんな輝夜の言葉に賛同するように頷くこの女性はリュー。

金髪にエルフという種族特有の長い耳が特徴の者である。

 

 

そうして暫く調査を進めていったアリーゼ達のもとに、ある人物が現れた。

その人物に皆が気付くと、一斉に顔を険しくさせる。その人物の名は…

 

「ジュラ・ハルマー!?貴様がなぜここに!」

 

「ヒヒヒ……久し振りだなぁ、正義の眷族様よぉ」

 

ジュラ。

アストレアファミリアと度々争っている派閥の一つである【ルドラ・ファミリア】の団員の一人であり、アストレアファミリアに限らずオラリオの敵として一時期壊滅寸前まで追い込んだ闇派閥の一員でもある獣人族だ。

そんな彼がなぜこの場にいるのか。

 

「今度こそてめぇらを殺してやりてぇところだが…今回それをするのは俺等じゃねぇんだわ」

 

「何…?」「…どういうことかしら?」

 

ジュラの意味深な言葉に不思議に思うアリーゼ達。

直後、25階層全体が揺れ始め至る所で爆発が起きる。

足場が揺れる事で体勢が安定しなくなり思わず膝をついてしまうアリーゼ達。

 

「このモンスターは出現条件が少し特殊でなぁ…これは必要なことなのさ」

 

そんな中でも全く動じず説明をし始めるジュラ。

ジュラという人物はかなり特殊で、怪物趣味の嗜好持ちの調教師である。

そのため、アストレアファミリアと争う時も常にモンスターを引き連れて現れていた。

だが、今回はジュラの周りにモンスターがいない。

一行はそのことに違和感を持つが、考える暇もなくダンジョン内階層の崩壊が始まる。

そうしてそのまま27階層まで落ちていくと、そこにはアリーゼ達が見覚えのある面々が揃っていた。ルドラファミリアの団員達である。

この階層の爆破は、彼らの仕業なのがすぐにわかった。

その証拠に、彼らの中には危険物として取り扱いに制限のある火炎石があったからだ。

 

そう確認をしつつ、落下の際に体勢を崩してしまったアリーゼ達が立ち上がると、不意にダンジョンの壁からビキビキ…という罅割れと共に嫌な音が鳴り出す。

ダンジョンで戦っている者なら皆知っている、モンスターが湧き出す時の音だ。

しかし今回のそれは普段のとは何処か違い、ダンジョン全体が揺れながらの罅割れである。

 

「何か…くるの……?」

 

先程までの明るい様子から一変、嫌な予感がするのか罅割れる部分を見ながら少し顔を青ざめるアリーゼ。

そんな声が響く間もなく、壁からモンスターが生み出された。

 

それは、まるで現代で言う恐竜の化石のように全身が骨になっており、その上更に鎧と爪と見間違うような鋭い手を持つ化け物が生まれていた。

 

「オオオオオオオオォォォォォォォォォ!!!!!」

 

あまりの悍ましい見た目と脳に直接響くかのような鳴き声に、アリーゼ達は言葉を失う。

その化け物の名は…

 

「ヒャハハハハハハァ!!!!来やがったかぁ!!『ジャガーノート』ぉ!!!!」

 

後に『厄災』と呼ばれることになる、ジャガーノートだった…。

 

 

「よくやったぞお前達ぃ!ヒヒヒ……さぁて、こいつを調教しててめぇらをブッ殺してやるぜぇ!」

 

ジュラの目的は、このジャガーノートというモンスターの調教…つまり、自身の所有物にして目の前のアストレアファミリア一員を抹殺することである。

 

「(怪しいとは思ってたが、まさかこいつからのとはな……私の力不足か…。

いや、まだ終わってはいない!こいつを如何するか考えねば…)」

 

輝夜はそう考え自らの気付きの遅さを嘆くも、既に遅かった。

そのため思考を切り上げ、この局面をどう切り抜けるかに切り替えた。

が、それは突然起きた。

 

「ヒャハハハハハハ!!!さぁ!俺様の指示にしたが……え?」

 

ジャガーノートに腕を出し、自身の下僕になるよう告げるジュラの言葉は、続くことはなかった。

何故ならば、ジャガーノートが第二級冒険者達の目を持ってしても全く捉えることのできない速度で、ジュラの腕と首を切り落としていたからだ。

 

「「「「……っ!?」」」」

 

そのあまりの光景に絶句するアリーゼ達。

そんな彼女達に全く気を留めず、ジャガーノートはジュラの後方に控えていたルドラファミリアの者達に目を向ける。

 

「ひっ……!?やめろぉぉ!!!」

 

「「「「うわぁぁぁぁ!!!!」」」」

 

ジャガーノートに睨まれ怯んだ者達。

そして、一人の声を皮切りに皆が一斉に逃げ出した。

当然、狙いを定めていたジャガーノートがそれを見過ごすわけもなく……

 

「あっ……」ザシュッ

 

瞬く間に全員をその鋭い手で持って斬り殺してのけた。

そうして、ゆっくりとアリーゼ達の方へ振り向く。

それに恐怖したのか、皆足が竦んで動けないでいた。

 

「リュー…せめて、貴女だけでも……」

 

動けないながらもアリーゼはそう言い、リューを逃がそうとした矢先……

 

 

ガションガション!!ドドドドド……

 

 

「そのまま行け」

 

 

謎の機械音と同時に、巨大なケンタウロスのような体全体と濃い青色の鎧のようなもの…所謂ブルーメタルボディと赤い点のような瞳のモノアイ、そして4本の腕それぞれに矢とクロスボウのようなものを付けた上半身、そして透き通るような真っ白い4本脚を持つモンスターのようでどこか違う何かがジャガーノートに盛大に突進を。

その後方から青い円形の帽子と白い髪、そして帽子と同じく濃い青色の口元も隠すマントと服装、更に腰に剣を携えた少々物々しい装備のクールな雰囲気の青年が、指示のような声と共に現れた。

ダンジョン内が少し暗いこともあり、表情は全く見えない。

 

唖然としているアリーゼ達を気にも留めず、その青年は指示を続ける。

 

「サージタウス、いつものやつだ」

 

決して大きくなく、それでいて存在感のあるような声でサージタウスと呼ばれていた機械の人馬に追加の指示を出す。

それに対して、サージタウスはその赤い瞳を一瞬だけ青年に向けてから目の前のジャガーノートに向き直り、4本のうち2本の腕についているクロスボウのような武器を向ける。

そして、そのまま目にも止まらぬ速さで一斉に発射した。

 

 

ドガガガガガガガガガガガガ

 

 

とてもクロスボウから鳴るようなものではない連射力と轟音が続き、少ししてからサージタウスが発射を止めると、ジャガーノートが動き出そうとする。が……

 

ドスンッ……

 

突如、ほぼ動けないまま倒れだしたのである。

よく見ると、どこか痺れているような様子だった。

 

「(嘘…あれってまさか、()()()()()の…!?いったいどうやって…)」

 

その様子に、アリーゼが内心でそう考察し出す。声に出して言いそうではあったのだが、とてもそれができる状況ではなかった。

そうしている内にも、サージタウスはジャガーノートを取っ組み合って吹き飛ばしたり突風を巻き起こして腕を切断したりと、圧倒していく。

 

「とどめだ、ギガクロスブレイク」

 

青年のその指示を皮切りに、サージタウスの矢を持っていた両手から矢が消え、突如光り輝く剣が出現する。

そうして、そのまま交差させるようにジャガーノートを切り裂いた。

その軌跡から光り輝く稲妻が現れ、サージタウスの剣と同時にジャガーノートを斬りつけていく。

 

「グゴォォォォォォォォォォ……」

 

そうしてジャガーノートはそのままその巨体を綺麗に斬られ、巨大な灰となって消えていった。

それを確認したのか、青年は無言でサージタウスと共に下層の道へと降りていこうとする。

終始呆気に取られていたアリーゼ達だが、一足先に我に返ったアリーゼが声をかける。

 

「ね、ねぇ君!」

 

「…?」

 

アリーゼのその声を聞き、青年は振り返る。

相変わらず表情は見えないが、きっと邪険にする表情ではないのだろう。

直感めいたそれでそう判断したアリーゼは、言葉を続ける。

 

「さっきは、ありがとう!それで君は…どこに行こうとしてるの?」

 

普段のアリーゼとは少々違うような口調で、そう問いかける。

それに対して青年は、何も答えない。

 

少々そのまま場が固まった後、青年は何か思い立ったのかアリーゼのもとへと近づき始める。

まさか近づかれるとは思ってもいなかったアリーゼは、普段はほとんど見せないような驚きと困惑の表情を浮かべてあわあわと少し慌てだす。

 

そうして青年が近付くと、少し慌てているアリーゼの手を開かせ何かを渡した。

目の前に来ても表情が見えないのが少し気になるが……。

驚愕しながらもアリーゼは手渡されたそれに目線を移した。

そこには、翠玉色に輝く丸い鉱石のようなものが付いている指輪があった。

 

「あの、これは……?」

 

明らかにどういったものなのかわからない、という様子で青年に問いかけるアリーゼ。

そんなアリーゼに、青年は言葉をかける。

 

「もし、俺と同じ白い髪の少年がオラリオに現れたら、これを渡してやってくれないか?それまでは君が持っていてくれ。

身勝手なことだとはわかっているが、頼む」

 

アリーゼが口を挟む余裕もないまま、青年はそう説明し出す。

より一層なんのことかわからない、という表情をしたアリーゼは青年にもう一度聞こうとするも次の瞬間青年は目の前から消え、奥の下層へと続く道へ向かう階段の前にサージタウスと共にいた。

アリーゼが慌てて駆け出し何かを伝えようとするも、青年には届かない。

一気に跳躍してサージタウスに乗りそのまま去っていく青年を、アリーゼは見送ることしかできなかった。

 

「……なんだったのかしら…」

 

手元の指輪と青年が去って行った後の道を見ながら、アリーゼはそう呟く。

その表情は、どこか儚げだったという。

 

「あたしも何がなんだかわからねーが……とりあえず戻ろーぜ、団長」

 

「…ハッ、そ、そうね!地上に戻りましょ!」

 

ライラのその声に、慌てて返事をしてそのまま地上へ向かい始めるファミリアの団員達。

 

「(…とりあえず、あの人からのお願い、ちゃんと果たさなきゃね…)」

 

アリーゼは内心でそう決意し、慌てて追いかけ出す。

 

その際、アリーゼの頬は少し赤くなっていたとかなかったとか…

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

 

突然だが皆さんは、「ドラゴンクエストモンスターズジョーカーシリーズ」というゲームをご存知だろうか。

 

 

…………

 

 

……………………え?「ドラゴンクエスト」は知っているけど、「モンスターズ」は知らない?

 

 

………そうですか。

 

 

では、わかりやすく簡潔に大枠のドラゴンクエストの説明から入るとしよう。

 

まず、ドラゴンクエストとはプレイヤー自身が主人公となり、世界を脅かす魔王を倒すために仲間と共に壮大な冒険を繰り広げるという世界的に有名なロールプレイングゲームのことである。

 

そしてそんな有名さが相まってか、そのドラゴンクエストシリーズには多数の派生作品が存在する。

その一つが先程も述べた「ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカーシリーズ」なのだ。

 

こちらのシリーズは従来のドラゴンクエストシリーズとは大きく違い、本来のドラゴンクエストシリーズでは主人公自らがモンスターや魔王達と戦いをするものなのに対して、このモンスターズにおいてはなんと主人公自らが戦うことは全く無いのだ。

更に、その代わりの戦闘手段としてそのモンスター達を従えて戦わせるのだ。

その時点で今までのドラゴンクエストシリーズをご存知の方は驚くだろうが、これだけではない。

このシリーズでは、フィールド中に沢山いるモンスター達を時にはスカウトし、時には配合と呼ばれる2匹のモンスターをかけ合わせて新しいモンスターを生み出すという奇跡を行ってより強くしたり…と、モンスターを倒すものとしてしか認識していなかったこれまでの作品の常識を、プレイヤーの固定概念ごと大きく覆すものとなったのだ。

そういったモンスターを使役するプレイヤーのことを、ゲーム内では「モンスターマスター」という名称で呼ばれていた。

 

さて、ここまで長い説明をしてしまったがこれは無駄なことではない。

それは、これから登場するとある人物と大きく関係しているからだ。

それがこの白い髪に青い服装の少年、ベル・クラネルである。

 

「ここが、オラリオ…!!お祖父ちゃんから聞いていた以上で凄い……」

 

 

そう、彼はこのオラリオに来るまでの間、ずっとお祖父ちゃんとベルが呼ぶ老人と2人で暮らしていたのだ。

そんな彼が、なぜモンスターマスターと関係しているのか。

それは、彼の過去に関わることだからである。

 

 

◆◇

 

 

ある日、後にベルの祖父となる老人が一人で暮らしていた時、一人の男がその老人の家のドアを叩いた。

 

「なんじゃぁ?儂に何か……って、お主は…」

 

「久し振りだな…じいさん」

 

少し面倒くさそうにしながらも何かと思い老人がドアを開けると、そこには一人の男がいた。

その男は、全身が濃い青色の服装と少々物々しい装備で気持ちよさそうに眠っている子どもを抱えて立っていた。

最初はわからなかったが、よくよく見ると老人が何かを思い出したかのように目を見開く。

何かを言おうとするが、それを訪問した男に阻まれる。

 

「……やはり、行くのか?」

 

「あぁ。その子のためにも、俺は行かなければならない」

 

聞こうとしたことを阻まれ、意味ありげに老人がそう呟くと、男はそう答える。

少し静寂が辺りを包んだ直後、それを男が破った。

 

「…その子が大きくなって、何かしたいと言い出しても、できれば止めないでやってくれ。

何であれ、きっとその選択がその子のためになる。

それに、その子は俺と違って()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

男はそう言った。

その時の表情は、どこか優し気なものであり、同時に悲し気なものでもあった。

 

「……わかった、請け負おう。」

 

 

 

「……儂に、二度も見送らせおって…」

 

「……すまないな」

 

お互い、少し俯く。

少ししてから、男は最後に老人に抱えられた子どもの頭を一撫でして、その場を去った。

日付が変わり、朝になるとその子どもは目を覚まし親を探すが見つからず暫く泣きじゃくっていたが、老人が慰め自身がその男の父親、つまり祖父だと偽ることでなんとか凌いでいた。

 

そうして数年の時が経ち、少年…ベル・クラネルは立派に成長し、案の定と言うべきかその祖父に「父さんを探しに行きたい」と言い、それに対して大方予想できていた祖父は「それならばオラリオに行け。そこで情報を集めるがいい」と言った。その際、餞別ということでベルは祖父からかつての父と同じ青の服装一式を何着か受け取り、それ以降ずっとそれを着ていたとか。

 

そうして今に至るという。

 

 

◇◆

 

さて、そんなこんなで父親の情報を求めてオラリオ内を彷徨っていたベルだったが……

 

「どこで聞けばいいんだろう……」

 

そう、彼は情報どころかその情報を集める際の聞く場所すらわからなくなってしまっていたのだ。

彼はこのオラリオに向かう際祖父に「オラリオで情報を集めるがいい」とは言われたが、「どこで集めればいいのか」ということは全く聞かされてないのだ。なんなら自身から聞くことすら忘れていたのだ。無理もなかろう。

自身の思慮の浅はかさを少し呪った瞬間である。

 

昼も過ぎて夕方が近くなりつつある中、休憩がてら公共のベンチに座ってため息をつくベルだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?あれ……あの子は……」

 

不意に赤い髪の女性、アリーゼは公共のベンチに座ってため息を吐く少年を見つけた瞬間、いつかのお願いを思い出す。

彼女は、今日は珍しく仕事が早く終わりダンジョンへ潜る気も起きなかったため、こうして街中をぶらぶらと歩いていたのである。

そうしていると、ふと見かけたベンチに見覚えのある姿と髪色の少年が座っていたのだ。

 

瞬間、アリーゼの脳内に数年前の記憶が蘇る。

 

『もし、俺と同じ白い髪の少年がオラリオに現れたら、これを渡してやってくれないか?』

 

あの日、最後にかけられたあの言葉。

 

あれから一切会えなかった、あの姿。

 

あの人に似た服装…髪色……

 

もしかしたら…!!

 

そう思った瞬間、いつの間にかアリーゼの身体は正面に見える少年に向かって駆け出していた。

 

ほとんど無意識だった。

 

でも、それでも、私は……

 

「ハァ…ハァ……ねぇ、君!!ちょっと、いいかな!?」

 

肩で息をしながら、アリーゼは少年の両肩を掴んで声をかける。

 

思い過ごしとかでなければ、彼はおそらく………。

 

そう思うと、アリーゼの胸が高鳴る。

 

 

そう。これは、きっと……

 

 

奇跡なんだ。




やったことない書き方に挑戦したので、ここ意味不明だとかあるかもしれません。その場合はごめんなさい。

ダンジョンのモンスターって配合したら絶対面白そう(小並感)
だけどそんなオリジナルモンスターなんて考えれないw
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