ウマ娘2X21 【王の銘は唯一人】取得√実況プレイ───があったなら 作:一般へっぽこヒト息子
まずは嫉妬した。
私が持ってない物を全て持っているあの子達を。
次に、負けたくないと対抗心を燃やした。
勉強でも、芸能でも、料理でも。運動…で勝つにはそれは小手先の技術的な解決しか出来なかったし、食事量とかは張り合う気すら起きなかったけど。
兎も角、お陰で並大抵の事は人間・ウマ娘問わず誰にも負けなかったし、この時に得た要領の良さだったり知識だったりは今尚役立っていたつもりだった。
結果として心火の盛りは気付けばトレーナー学園を次席で卒業するといった形で現れたので、自慢げに誇ってやった。どうだ見たか、凄いだろうと。いや我ながら幼稚が過ぎるだろう…
が、それは彼女達からの心からの祝福で返され私の方が呆気に取られてしまった。
そうして勝手に張り合っている内に、根本的に人の良い彼女達に絆されて…いや、違う。
多分私は、ずっと前からウマ娘が好きだったんだ。
誰も彼もが綺麗で輝いている、彼女達が。
無邪気に夢を追う姿に憧れた。
キラキラとした生き様に惚れ込んだ。
前を見つめる強さにときめいた。
…どう足掻いても同じステージに立てない己を、幾度も恨んだ。
ずっと頭と心の半分は、如何して私は
だから、だから。
せめて力になりたいと思った。
自分勝手でも、彼女達を支えたいと思った。寄り添いたいと思った。
エゴだと言われても、高い壁だと言われても、そんなもの何ひとつとして関係なかった。
だって漸く、漸く見つけた私の夢だったから。
私はどうしようもなく、ウマ娘が好きだ。
だからこそ、もう此処に、
私なんかがいちゃいけない。
◆◆◆◆◆◆◆
「トレーナーを辞めるぅ!?」
「…はい」
トレーナー寮の一角。
学園時代の先輩でもあり、今では私と方針を同じくするチームスピカのトレーナーを務めるその人と、私は向き合っていた。
「いやなんだって急にそんな…ていうか冗談だろ?」
「いえ…冗談ではなく、本当です…私は此処を、去ります」
「なっ………マ、ジかよオイ……」
先輩の顔が悲痛に歪む。理由が分からない程人間を辞めた気はない。
何せ
さて、親より先に逝く子は最大の親不孝、なんて言葉もあるが、半ば師でもある様な先輩方より先に辞する旨を伝えるのは如何だろう。
その回答は聴くまでもなく、顔に描いてあったのだが。
どの面下げて切り出す様な言葉は品切れな上に、尻尾を巻いてさっさと帰る勇気もない。そのまま申し訳無さそうに俯いていると、絞り出した様に言葉が飛んだ。
「……………去年の、3勝クラスの子…か……」
…やっぱり、お見通しか。
「…はい」
このトレセン学園に赴任し、教官補佐やサブトレーナーを経て独り立ちした所までは良かった。漸く夢が叶うのだと喜びはしたが───当然、そんなに甘い話は無かった訳で。
時代を引っ張る様な才あるウマ娘は腕のあるベテランが見出し、そうでなくても実績あるトレーナーを皆選びたがる。そうして残されるのはトレーナーがつかずに教官が纏めて面倒をみるウマ娘達。
そんなの関係ない。才能なんて視点が違うだけで誰もが持っていると。吹き溜まりのような空気にも似たそこから引っ張ってきたウマ娘は皆大いに善戦してくれた。
善戦、だけだった。
メイクデビューで躓き、未勝利戦の終わりに間に合わなかった子がいた。
諦めたくないと中央から期限のない地方に移籍し、それでも苦戦する子がいた。
漸く勝ち抜いたと思えば、それが最後の勝ち星だった子もいた。
そもそも適性ギリギリで、更に身体が脆かった為に未出走で終わった子だっていた。
だが最後…厳密には最後の子達2人の直前の子ではあるが事実上の最後の子だ…に担当した子は私にとって初めての3勝クラスを勝ち上がってくれた子だった。
加速が早い訳でも最高速がある訳でも、スタミナやメンタルがずば抜けて強い訳でもない。ましてや特徴的な走法があった訳でもない。
それでも腐る事なく練習に励み、苦心しながらクラシック期の夏には3つ目の勝ち星を掴めた。
……私が1人、功を焦ったんだ。
いよいよOPクラスに手が届くんだと意気込み、あの子の真価を考えずに色んなレースに挑戦した。プレオープン戦のみならず、背伸びしてリステッド競走も。距離もバ場も今にして眺めれば統一感のカケラもない。
そんな事をしていれば当然結果として行き詰まり、苦しんでいたあの子は…私の手を離れていた。
担当ウマ娘の引き抜き。
そう珍しい話ではないと聴いてはいたが、まさか自分の愛バがとは夢にも思わず。
伽藍堂となった私がはたと気づいた時、別のトレーナーの傘下に入ったあの子があんなに伸び悩んだ昇級戦を容易く勝ち進み、そして。
そして其処には、重賞競走…あるGⅢの優勝を勝ち取った姿があった。
『新しいトレーナーさんの読みが大当たりでした!感謝を伝えたいです!』
───その言葉で、やっと気づいた。
邪魔だったのは、私だ。
あの子の…担当した子皆、その邪魔になってたのは私だったんだ。と。
『えー、一時期は積極的に出走するも勝ち切れず、勝ち上がれたのは所詮フロックだとも騒がれてましたがー?』
………フロック?フロックと言ったのか、この記者は?
フロック。
思わぬ幸運。紛れ当たり。転じて、ただの一発屋。
───巫山戯るな。
巫山戯るな巫山戯るな巫山戯るな巫山戯るな!!!
何処に目をつけて!何処でそんな考えが湧いて!何処からそんな声が出る!?
この子の勝ちが偶然やまぐれだと!?
今お前が気怠げに質問している相手が、勝ち星3つの為にどれだけの努力と苦悩を重ねたか───
『そうですね。やっぱり自分でもそうなんじゃないかって思ってました…私はどうせこんなもんなんだなって気持ちは常に…』
……………もう、
そこから先は、聴いていられなかった。
聴きたくなくって、逃げてきた。
逃げて、帰って、情けなくって。
泣いて、朝が来ても、しかし誰も来なかった。
もう側に、誰もいなかった。
そういうトレーナーだっている、運が悪かった、なんて開き直る事も出来なかった。
なら、もう、辞めてしまおう。それが結論。
せめてもの義理、というより年度末でも無かった為か学園側から2人未勝利のウマ娘を当てられたものの、折れた心、こんなコンディションでまともに指示ができるわけもなく。
結果2戦走った所で両人ともに出て行ってしまった。きっと教官指導に戻るのだろう。
時間の無駄だった。
見損なった。
辞めてしまえこんな仕事。
誰かが、発信源の分からない誰かからの言葉が、私の中で反芻している。
「……なぁ、前にも言ったが…」
握った拳が赤みを帯びていた事に気づけば、吐く様な言葉。
「これは、不幸だ」
なんと言っていいのか分からない。だから何とか形容した。
そんな背後が見える言葉に、また続きが来る。
「勝負の世界じゃあ有り得ない話じゃないし俺にもそんな経験は、ある…でもそれは……やっぱ、起きちまった偶々の…不幸なんだよ。普通そんな事が立て続けに起こる事はない」
「…ならそうなったのは私が至らなかったからなんです」
「違う!絶対それは……違うんだ…!」
「何が違うんです…私にはあの子達を正しく見抜く目もなければきちんと導く力も無かった。無理だったんですよ…私になんて」
「かっちゃん!」
一喝。
「違うだろそれは!凄え努力家で、あの学園だって殆どトップで!此処まで皆でやってきて!そんなかっちゃんが無能だなんてんな訳あるか!」
両肩が勢いよく掴まれ揺さぶられる。
見開かれた目はただ此方を見つめ、その瞳に写した感情は……どこか、縋り付く様な。
「…なぁ、頼むよ」
少し見えていた懇願が、表へ。
「もし本気で辞めたいんなら………それでも、良い。でもまだ……いや、なんなら1年だけでもいい。トレーナーを続けてみてくれないか?」
「…どうして」
「どうして拘るんです。そこまで…」
逃げる様に呟いた疑問。然しそれを待ってましたとばかりに口角が上がると、先輩が机から拾い上げたのはホチキス留めの書類。
読んでみろ、と押し付けられて目を通す。
「これは……今年の入学生のリスト、ですか?」
そう言えばもう辞めてしまおうとばかり考えていた為、今年の子はノーマークだった。並ぶ名前に見覚えがないのは納得か。
「御明察。おハナさんに頼んでちょいと拝借、な」
「…また東条先輩にどやされますよ」
「奢り5回で済むんだぞ?なら安いもんさ……うん…安い安い…」
「……………本当は?」
「…やっぱ辛えわ…」
「変な約束取り付けるからですよ…」
「まあそれはそれよ。俺の私見も入ってるしセーフセーフ。で…このページ」
そう指示されたページを見れば、其処に書いてあったのはグリグリに厚く
敷居が低いとは言えオープンキャンパスの模擬レースでは入学前…つまり本格化の前から在校生をも上回るという。何より良く切れるその脚は上がりのタイムからも明らか。
更には入試の競走部門……なんで人事や担当外秘となってるこのデータがあるのかといえばまぁ先輩が目敏くやったのだろう…で見せた駆け引きと実力での逃げ切り。その他トレセン下部の小学校在籍による通信簿の項にもその評価が頭抜けたものであるとの記載あり。
数字だけ見てもわかるその力、これが本格化前ならその先は如何なものか。
その果てに広がる景色はどんな世界か。
………面白い。
「だろ?」
「……………だろ、って言われても何の事だか…」
「いーや、顔に描いてあるね。『この子は凄い子だ!』ってな…そんなに食いついてくれるなら大成功、ってこった」
其処まで言われてはたと気付いた。自分がこの紙に、綿密に調べ上げられた未だ対面すらしてない彼女に強く興味を持っている事に。
然し、これは。
「……私には、荷が勝ち過ぎます。それこそこんな子なら東条先輩が放って置く訳がない。他のトレーナーだって…」
そうだ。
ウマ娘1人まともに見てやれなかった自分にはこの様に才覚溢れる子を見る資格は無い。何よりそういう子はもっと経験深いベテランや強豪チームに行くものなのだから。
「あるね。チャンスなら大いに」
「何を根拠に…」
「その子はリギルを蹴った」
………………は?
「……らしい、って話なんだけどな。おハナさんが蹴られた訳じゃないみたいなんだが…なんでもシンボリルドルフから直々に生徒会への誘いを受けて、それを蹴ったと。」
「シンボリルドルフって生徒会長の…!じゃあ事実上リギルに参加しないって事じゃないですか!?なんで?」
「それがわかんねぇんだよなぁ…更に今のところ事前のスカウトに動いてるところは模擬レースまで待ってろーって突っぱねてるとかいう話もな」
事前のスカウト…入学前からその実績により目星をつけられたウマ娘を勧誘する事で、大抵は才能を見込まれていると喜ぶものだと聞いていたのだが…
「…気性が荒い可能性はどうです?」
「一年生から向こうずっと優等生で周りをよく見るって評価の子がか?なら寧ろ気性は良い方だと思うが……」
「それかリーダー気質の一側面とか?さしずめ周りに不和を起こさない為の気遣い……と言った所ですかね…」
「有り得るかもな。同族意識が強いって事かもしれない…兎も角大手やベテランの方々の事前スカウトまで蹴ってるともなれば、分かるだろう?」
其処まで言われて、先輩の言わんとする事が分からないなんて事は無かった。
「…これが、引き留める理由…ですか」
「応とも。第一新入生のリストが其処まで分厚く成る程には今年はいつも以上に豊作なんだ。こんな機会またとないぜ?これ程のを育てるにしろぶつかるにしろ…な」
「…でも、やっぱり私にはムグッ」
その瞬間口を閉ざす様に押し当てられる未開封のキャンディー。
「なぁかっちゃん、想像してみちゃくれないか…?夢の第11レースをさ」
それは、知っている話。
先輩がずっと望んだ…無理、でも正に夢の様な話。
「誰もが認めるとんでもなく強いウマ娘、過去現在未来…その全部が集まったレース。誰が1着でも可笑しくない。誰が2着なんて考えたくない。そんな夢のレースでさ、手前の愛バが走るんだ」
「見たいんだよなぁ…その舞台で、先頭を駆け抜けて…粘り勝ちでも差し切りでもいい。そんで伝説になるんだ」
「その舞台にさ。愛バを連れて行ける…それが出来るともなれば……それこそ夢がある、なんて思わないか?」
夢。夢か。
望んだ夢で、伝説を越える。
あのセントライトやシンザン、ミスターシービーにシンボリルドルフの様な三冠ウマ娘。
そしてこうしてやって来るだろう次の伝説。
越えて尚、前へ。
…今だからこそ分かる、分かってしまった勝ち星1個の重み。
そんな先の先にある星を掴む様な途方も無い業を成し遂げられるならば、それはきっと───
「きっと素敵な…夢の様な話ですね」
「…それが答えさ」
「ウマ娘に、その走りに夢を見る。俺達はやっぱ其処から離れられねえんだ。かっちゃんが目をギラつかせてた時からずっとそう…本当は諦めたくないんだろ?夢を見たいんだろ?逃げたくなんて………っあ゛ー!いや、うん、違うな!」
「…頼む。まだ夢を見ててくれ!夢を追ってくれ!!俺は、誰かにこんな風に夢から醒めてほしくないんだ…!」
───袋から取り出したキャンディーは、甘く、甘く。虜になる様な味だった。
これが、最初の…最初に至るまでの、前日譚みたいなお話。
そして。
「この
「………………わた、し?」
模擬レースで皆の心を奪い、人気殺到の中やけくそのダメ元で希望を出した子が、私の前にいた。
『ええええええええええ!?!?』
それはまるで、
そんなお話が、始まっていく。
◆◆◆◆◆◆◆
君に花を咲かせる事は難しかったとしても。
君が育てた草木や整えた土壌が無駄になる事なんて、きっとない。
それは絶対、次の花を咲かせるから。
だがお前が掴んだのは、美しい花を咲かせる事がもう決められていて、なんなら既に其処へ導かれている様な種だ。
何もしなくても勝手に咲く花に、水も栄養も陽の光さえも要らないならば、お前に一体何が出来る?
それでも尚進み征く者に1つだけ。
社会性生物たる人間は何時だって例外なく、“だれかの愚かさのものさし”からは逃れ得ない。そのだれかが他人なのか己なのかは言うに及ばず。
詰まる所己が、己こそが最も愚かだと断じれば其れで仕舞い。行き止まり。進む事はもう無くなってしまう。
何処かに必ず『お前は愚かだ』と言い切る
既に何かやらかしたと思うのならば、じゃあもういいじゃないか。今更なんとする。
傲慢であれ、不遜であれ。虚勢でいいから張ってやれ。
遠慮と諦観の果てに華など咲くものかよ。若人。
⚠︎沖野トレーナーには全く似ていません!⚠︎
このスピトレと同じかもしれないし別人かもしれないですね(適当)それかアナザーライダーかなんかじゃないんです?
こっから激寒自分語りが長いから、良い子のみんなは、飛ばそうね!
3ヶ月もの放置だと…!?
見損なったぞカーネル!
許さんぞエルコンドルパサー!
そして鎧武!!!1!!!!15!!!!!
リハビリ書きです…筆って一回置くと書き方わからないですね…兎に角出そうぜの意志でやりきった…
①リアルでやる事が社不にとってはあまりにも多いのと
②色々見返しながらなのと
③そもそもノリで走ったこの話がクソ難産なのと
④ソダシちゃの札幌記念とプボくん(母父キングヘイロー!!!)のフォワ賞勝利にいっぱいウッしたのと
⑤ヨカヨカちゃんの北九州記念に沸き立ってスプリンターズSのvs.ikzeエールちゃんに期待してたらあの報でめちゃくちゃに涙したのと
⑥クソザコPCでウイポ9-2021やってて更新サボる私を許してくれ…
いや本当続きはないんですか!?(レ)って待っててくれてる方いたのにごめんね…
踊る勇者とサヨナラ栄光招いてお嬢の全きょうだい量産はもう気が狂う^!なお同時期に来るSSとの兼ね合いでヘイローの血が日本の中でグルグルしてる。糞が。
あとイージーだからって特に弄ってないイクノが欧州荒らしまくるわマチタンがイギリスダービー勝つわ…これもうカノープス出禁だな?ウイポは架空年プレイしかやってなかったけど昔の方からやるとすっごい楽しいねこれ…
スワーヴダンサーくんはマチタンの欧州三冠阻むのやめたまえ!!!!!でもその負けから引退まで向こう一切負けず翌年翌々年とキングジョージも凱旋門も勝って2回も世界最強戦を勝ち欧州年度代表地球総大将と化したからイイヨッ
ムトトとかシャーガーとかスワーヴダンサーとかラムタラが並ぶ中燦然と輝くマチカネタンホイザの名前!が2個!このきたあじの最高傑作間違ってもえいえいむんって言わなそう。
でほんへなんですがなんかこう、ウマ娘でトレーナーやってる人ってひたすら有能なんですよね。
ネームドウマ娘自体が皆名馬だからというのもそうなんですがアニメではリギル、スピカ、カノープス。アプリなら新人トレーナー、理子ちゃん、そんで
院。誰もが何かを抱えつつも結果を出している。
なら花を咲かせず終わっていく、実際にはありふれた子達は?
1着の後ろにいる十余、更にはその下を辿って辿って燻る子達を観るのは誰?
そして其処に、運命が漸く廻って来たら?
げんじつの
はなしは
つらくなるから
やめようって
ごるしが
いってた!
次話進捗は…ナオキ(サウンドトラック×ヒンドスタン肌)です…
ところでこのSS擬きって何が望まれてるんですかね(市場調査)
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もうちょいゲームっぽく淡々とIKEA
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互いに話せるなら方針とかは2人で立てろ
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薄味でも大事なのは超スピード!?(レ)
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え!?また6k字越えの閑話を?
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君もう帰っていいよ!(失踪)